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白玉ユキトのレビューコレクション

  • Another OS
    Another OS
    読んで少しぞくりとする、4つの短編の物語でした。 どの話も悲劇的な結末を迎えるのですが、とにかく短いので読みやすかったです。 @ネタバレ開始 1話目を読んだ時点でタネに気付いてしまったので、ラストでの驚きはありませんでしたが、外部から無条件に書き換えられるのは怖いですね。1話目のおばあさんが一番ホラーでした。3話目の叔母さんも黒い。 この技術が実際に可能になる頃には、体の複製技術も進歩して、ひたすら自分のクローンに乗り換えるみたいな世界になっていそうですね。 @ネタバレ終了 いろいろと考えてしまうお話でした。ありがとうございました!

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  • 機械仕掛けのマーセネリア
    機械仕掛けのマーセネリア
    とても切ないお話でした。何より雰囲気が抜群にいい! 廃墟と壊れかけの機械人形、セピアな色合い、ピアノ曲。もの悲しさがこれでもかと詰まっていました。 油を差して動き出した機械人形のマーセネリアちゃん、可愛いです。記憶をなくしている彼女に代わって、何があったのかを探っていきます。何も知らずに迷い込んだ主人公とプレイヤーが同じ立場にあるので、高い没入感で読み進められました。 開幕で「そのまま帰ってもいいですよ」と促されはするのですが、自然と気になっておりましたので、全ての要素を探索してエンディングを迎えることになりました。 @ネタバレ開始 愛情のすれ違いの物語はやはり切ないですね。もはや取り戻すことができないので、なおさらに哀愁を感じさせます。 置き去りにしたり、壊したり、やれと言われてもかなり抵抗がありました。まるで生きているように会話しますからね。また、何もせずに壊そうとすると防衛システムが起動するので、やはり彼女には仲良くなるという概念があるのだと感じました。感情表現が薄いのが彼女の人間らしい個性、というのも好きです。 最後、2人で旅立ったわけですが、行く先で新しい発見や幸せがあるといいなと思いました。 @ネタバレ終了 とてもしんみりとする素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • トイレの中の名探偵
    トイレの中の名探偵
    安楽椅子探偵……いや、便座探偵! 面白かったです! キャッチーなタイトルにコメディ調の展開でしたが、事件や推理の内容はしっかりとしていて読み応えがありました。 @ネタバレ開始 本当に軽い気持ちで読んでいたので、被害者の死因が明かされた時は、刑事さん同様「まさか!」という気持ちでした。確かにそれなら全てが繋がるし、動機の伏線まできちんと張られている……お見事です。主人公と助手さんの関係も綺麗に繋がっていて、読み終えた後の満足感がすごく高かったです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!

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  • 天使はいない
    天使はいない
    独特な画像が気になってプレイしました。 起動するとタイトル画面から動く演出があって、また音楽も既に不穏でインパクトがありました。読んでいる最中にも同様の演出が入るので、プレイ時間の短さも相俟って、そうして惹きつけられたまま読了いたしました。 @ネタバレ開始 怖いですね! 怖いですけど、喫茶店での雪さんのイラスト、すごく色っぽかったです。 @ネタバレ終了

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  • 意味怖系ホラーゲーム
    意味怖系ホラーゲーム
    スマホ風UIのオシャレなゲームでした。 プレイした感触は脱出ゲームで、意味怖系ホラーゲームと聞いて想像したものとは少し違っていたのですが、読み終える頃にはゾッとする辺り、さもありなんという感じでした。面白い切り口! @ネタバレ開始 シカモくん、やけに実体験みたく語るな~、と思っていたら、そう来ましたか。 おまけもよく分からずクリックしていたところに出てきたのでビックリしました! @ネタバレ終了 楽しかったです。ありがとうございました!

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  • 泣きべそ*花散る空
    泣きべそ*花散る空
    本当に胸に響きました。とても良いお話です。 引き籠もり気味の少女コトリが音声SNSでやり取りする中で、人間関係にぶち当たっていく物語でした。自分と違う人間とやり取りすることの難しさ、伝えたい言葉が違う意味で届くことのやりにくさ、そうした問題と衝突する中で、自分に何が足りなかったのかを見つけるというストーリーラインが、とても魅力的でした。 音声でやりとりするSNSという設定も面白いです。直接会うことは避けてしまう、いきなり音声通話も抵抗がある、でも文字だけだと距離がなかなか縮まらない……というところに「音声を載せてやり取りする」というのは、物語的にすごくバランスのいい位置にある気がします。フルボイスのお蔭で実際に体験しているようにも感じられましたし。 登場人物の設定や描写も見事で、皆それぞれに長所も短所もあり、こういう性格の人ならこういう欠点もあるよね、というのがしっかりと描かれていて、実在するように感じられました。また、そうした描写がきちんと物語上の意味を持って無理なく消化されていくのが、本当に目を瞠ります。 そして中盤、実際に会うことになってから、物語が佳境に入っていきます。それまでの流れで「これはもしや……」と思っていたことが現実になり、じゃあこれはどう決着するんだとハラハラしながら見守っておりました。そしてそれは万事がOKな結末ではないのですが、だからこそ現実味があり、かといってシビアなわけでもなく、きちんと前を向いた明るい終わり方でした。自分としては少々の侘しさを感じてしまうのですが、物語としてこれ以上に上手い着地は、少なくとも自分には思い当たりません。 @ネタバレ開始 コトリちゃんの境遇はあまりはっきりとは書かれていないのですが、出てきた情報を繋ぎ合わせると「なぜこんな性格になったのか」がきちんと読み取れました。父親が去っていき、母親はヒステリックになり、自分の大切なものが守られずに育ったから、自分を大切にできなくなっているんだな、とか。でも成長という物語の主題が霞まないようにばっさりと描写が削られているのは英断だと思います。 SNS内に恋愛の様相が渦巻き始めた時点で、遅かれ早かれクラッシュしますよね。起点はRYOでしたが、本気の告白を受け止めてすらもらえなかったことで頭が真っ白だったでしょうし。気持ちを読み違えたり対処が悪すぎたコトリちゃんも、嫉妬して冷静でいられなかったあーやも、RYOとあーやの両方を応援してしまったカラスも、みんな少しずつ間違えていて、悪い人なんかいないのに結果として砕けてしまったのは、やはり悲しく思います。 その後の居酒屋の反省会が本当に良かったです。皆がきちんと自分の非を自覚して、皆に気持ちを吐露していたのが、とても印象的でした。コトリちゃんに許しを求めず、ただ気持ちを伝えるという選択が取れたのは立派ですね。 結末も「全員が仲直りしてまた皆で仲良く」とあってほしいとは思いつつ、それをしたら全てが嘘っぽくなりますもんね。一度は応えられないとしたカラスにどういう変化があったのかは知りたかったところですが、この展開から明るい結末が迎えられたことが嬉しかったです。 @ネタバレ終了 2時間でここまで強い感動を抱くことになるとは思いませんでした。 読ませて頂いて、ありがとうございました。本当に素敵な作品でした。

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  • 【公開終了】世界征服はティータイムのあとで
    【公開終了】世界征服はティータイムのあとで
    とても綺麗なイラストに惹かれてプレイしました。あと「レンガを食べるイケメンって何!?」と思って。 たぶん読んでいる最中、ずっと顔がにやけていたと思います。可愛いし恰好いいし、2人のやり取りがコミカルで楽しかったです。 @ネタバレ開始 身長を気にしてるアポロ様かわいい! 転んでプルプルしてるアポロ様かわいい! からの、面を上げると顔が良すぎて時が止まります。あれだけ盛大に転んでから、あんなにキリッとした顔ができるのはすごい。自分だったらもう出てこれないです。 魔王様と聞いて大人なお人を想像したのですが、世間知らずで天然な年下系で、それが世話焼きな村娘のミルファちゃんと組み合わさって、とても良い関係に見えました。ミミックはただ怖じていたのかと思いきや、ミルファちゃんは守ろうとしていたのだと受け取って、またアポロ様もミルファちゃんに対して「世間知らずなことを笑わないでくれた」と言っていて、こういう些細なやり取りから互いの良いところを見つけ合う関係が、すごくいいなと思いました。 そしてラストのスチルは顔が近すぎてびっくりです! それにしても、なぜレンガや土を勧めるのだ執事よ。せめて野菜とか食べさせてあげて! 黒い服のアポロ様も似合ってましたね。綺麗な銀髪がすごく映えます。 @ネタバレ終了 15分程度の短いコメディなのに、絵も文もしっかりと書かれていて、とても充実した内容でした!(背景まで描いているのすごい!) 面白かったです。ありがとうございました!

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  • 足の下が透視できる少年加賀地くんと誘拐犯のおじさんの話
    足の下が透視できる少年加賀地くんと誘拐犯のおじさんの話
    めちゃくちゃ面白かったです! 「足の下が透視できる」って何だろう、と気になってのプレイだったのですが、文字通り足で物を透視できる少年と、その能力目当てに誘拐したおじさんとの、不思議な縁のお話でした。 年齢も性格も全く違う2人のやり取りが非常にコミカルで、またその中に妙に現実的なテーマが盛り込んであったりして、そこから生まれる独特の空気感がとても好みでした。 @ネタバレ開始 何にでもすぐに騙されてしまう素直で感情的なおじさんと、そんなおじさんを軽くあしらいながらも、時に手柄を立ててやり、時に道を正してやり、なんだかんだで友情と信頼が育まれていく2人の関係が、すごく面白く感じました。 元は誘拐という犯罪から始まった関係なのに、互いに悪感情を持っていない柔らかな空気感が、本当に好ましいです。 @ネタバレ終了 とても良い話を読ませて頂きました。ありがとうございました!

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  • 足音と雨音
    足音と雨音
    タイトル画に惹かれてプレイ。 じっとりとした怖さのある短編ホラーでした。画面や音などで丁寧な雰囲気作りがなされているように感じました。驚かし要素などはないので、安心してプレイできます。 @ネタバレ開始 初回プレイではひたすら逃げたので一切姿が出ず。 そしていざ姿を見れば、傘を差しているのにずぶ濡れで、トンネルなのに雨が降って、明らかに異様でした。が、ブラウスが透けている描写があったせいか、耳元で「嘘つき」と言われた際、恐怖の中に妙な艶っぽさも感じてみたり。 @ネタバレ終了 楽しませて頂きました。ありがとうございました!

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  • ◻︎◻︎マ◻︎
    ◻︎◻︎マ◻︎
    読み始めて、何も分からないのに、とても興味を引く内容でした。導入が非常にシンプルなせいもあってか、没入感がすごかったです。 ヒントまで見ても当てはまる言葉が思いつかず、結局答えを見ましたが、いざ分かってみれば「確かに!」という内容でした。 @ネタバレ開始 これソシャゲのガチャだよな、というところまでは分かったのですが、言葉にマが入らなくて。もう長いことコレしてないなぁと思いました。 それにしても、仲間を食わせる行為、リアルに描写するとえぐいですね……。 @ネタバレ終了 面白かったです。ありがとうございました!

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