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白玉ユキトのレビューコレクション

  • 孤島の灯台
    孤島の灯台
    1時間程度のプレイ時間ながら、とても感動的なお話でした。 プレイして最初に思ったのはグラフィック面での綺麗さで、主人公エイデンさんの立ち絵パターンの豊富さに驚きました。表情だけではなくポーズ自体がころころと変わるので、手の込み具合をひしひしと感じて、読み進めるのが楽しみになりました。 序盤は他の灯台守や灯台の守り神を名乗るライトくんとの交流がコミカルに描かれていて、軽い気持ちで読んでいたのですが、中盤のイベントから一転してシリアスな空気になっていきます。この流れが非常にスムーズで、また最後に何が起きるかも最初から分かっているのに、それでも強い感動を抱いてしまうのは、やはりそこに至るまでの振りが上手いからなのでしょうね。 @ネタバレ開始 ライトくん、健気……。だからこそ別れが胸に響きます。 幽霊の噂があるからライトくんが出てくることもすんなり受け入れられますし、食いしん坊カモメを戦闘機と錯覚して夢で過去を思い出したり、展開の前振りがすごく自然で流れるような話運びの上手さを感じました。 終盤の、互いに友を失った悲しみで気持ちが繋がり、救えなかったものとそれでも救えたもの・救われたものが明らかになる瞬間は、なんて切なくも温かい物語なんだろうと涙ぐんでしまいました。 ところで、空や海から夏を連想するのですが、皆さん結構厚着ですね。海の男カイルさんの半袖はともかく、よく見るとライトくんも半袖でした。こちらはやはり超常現象ゆえでしょうか。 @ネタバレ終了 本当に素敵なお話でした。ありがとうございました!

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  • メモリーガール【12/12更新】
    メモリーガール【12/12更新】
    プレイさせて頂きました。 冒頭から「これは」と思う演出が入り、ブラウン管テレビのような枠や不安になる色合いの背景などで、一気に独特の世界に入り込んでいきました。ボイスがパートボイスなのはレトロ感の演出なのかな、と思ったり。 要所で画面に動きが取り入れられていて、特に怪談パートの不気味さが印象に残りました(しかもここだけフルボイス)。 @ネタバレ開始 実を言うと、ストーリーの大筋は早い段階で分かってしまったのですが、ロストくんの正体や最後に自分を取り戻す流れが美しく、救われてよかったなぁと感じ入りました。 キャラクターもみな魅力的で、なぜメイド服? なぜ眼帯? 気になる箇所が多いです。特にメシアちゃんは、なんていい子なんでしょうね。クリア後に改めて考えると、めもりちゃんの幻覚にずっと付き合っていたのが本当にすごいなと思います。 主題歌も作者様本人歌唱で驚きました。こうしてご自身で表現されるのはやはり強いなと改めて感じます。 @ネタバレ終了 素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • モノクローム・モノローグ
    モノクローム・モノローグ
    プレイさせて頂きました。 プレイ中のハラハラ感はもちろんあったのですが、読んでいる最中よりも読み終えて状況を整理してからのやられた感が強く残って、実に上手く作られた話なのだなと感心させられました。 @ネタバレ開始 AとB、単なる視点の切り替えと思いきや、肝は時間なのですね! 隣に移るためベランダから体を放り投げた場面で着地音がおかしいと思っていたのですが、本当に放り投げていたのには痺れました。「飛べ!」という掛け声や、相手にそれを聞いた反応がないことも、違和感は確実にあったのに気付かないものですね。 タイトルもあってモノクロの作品だと思い込んでいたので、犯人の色盲設定にも全く気付きませんでした。読み返してみればAは常にモノクロで、Bはうっすらと色がついている。舞台設定上、ほぼ白黒でも違和感がなくて、細やかな仕掛けが全く気付かないように施されていることに、本当に言葉が出ないです。 @ネタバレ終了 いくつもの驚きを与えられた作品でした。ありがとうございました!

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  • Angel Call
    Angel Call
    面白かったです! 読み始めて早速、読み手の気の引き方の上手さを感じました。冒頭のモノローグの時点からぐっと引き付けられましたし、各章の終わりごとにちらっと描かれる心境もすごく興味を引くんです。 見習い天使の主人公が研修として神頼みを受けるも、ただ単純に叶えれば済むというものではなく、積んだ徳によって与えられる天恵が決まっている。その中でどうすれば願い主を幸せにできるのかを考えて解決していく、という流れがとても面白く読むことができました。主人公の少女の、相手を想う優しさがひしひしと伝わってくるので、物語にもスッと入り込めます。 @ネタバレ開始 そして忘れた頃に盲点から飛んでくるオチが本当に見事なもので、そのお蔭で高い満足感で読み終えられました。短い物語だからこそ、最後にこういう一手があると読後感が全然違いますね。見習い天使の奮闘記に忍ばせた彼女の正体の謎と、冒頭の言葉通りに実に非情ではない神様。すごく綺麗にまとまっていて、爽やかなお話でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品でした。ありがとうございました!

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  • マナーバトラー礼
    マナーバトラー礼
    子供向け少年漫画のノリ! 画面クオリティが高すぎる! 知ってるマナーも知らないマナーも「そんなの誰が気にするんだよ」みたいなマナーも盛りだくさんでした。 そして、いかにもなキャラクター達にお約束の流れ。ツボを押さえた作りで面白かったです。 @ネタバレ開始 2回戦でアイドルが出てきたり、決勝戦は幼馴染みの御曹司で、しかも戦った相手がいつの間にか応援してくれている展開は「そうそう、これだよ!」と思いました。 そして、いかにもな四天王に、黒幕は父親という、これしかない設定はワクワクしますね。マナー違反を皆殺しは凶悪すぎる笑 昨今のマナー事情は「相手を不快にさせない」という本質を忘れてしまっているように感じていたので、そこに触れられていて何だか嬉しかったです。 @ネタバレ終了 楽しませて頂きました。ありがとうございました!

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  • 水槽海月少女
    水槽海月少女
    クラゲと聞いてプレイさせて頂きました。 短いプレイ時間の中で、無性にしんみりとしてしまいました。 突如女体化したクラゲのベニちゃんですが、言葉を覚えて会話してくれるのがとても可愛らしかったです。 @ネタバレ開始 ミズクラゲなのにベニ? 実はベニクラゲなのか? などと思いながら、単位のyearsは人間換算の年齢なのかな、などと思ってしまい、実際に何十年も経過しているとは思い至らず。 長い輪廻の果てで二人が再会できたことは感慨深く思います。一緒に歳を取っていけるというのは幸せなことだと思いますので。 @ネタバレ終了 素敵な作品でした。ありがとうございました。

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  • ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
    ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
    プレイさせて頂きました。面白かったです。 Twitterでお見かけしていたキャラクター達、一体何者なんだろう? と思っていたのですが、成り立ちやヘッドフォンの秘密などが明かされて、とても満足に読み終えられました。 可愛いキャラクターのイラストがプレイ時間に対して豊富で、またボイスもキャラクターごとに声色が使い分けられていて、まるで紙芝居の読み聞かせを聞いているようでした(日本昔ばなしが思い浮かびました)。そうしたわけで、ちゃかちゃかと飛ばしてしまうのが勿体なく、じっくりと堪能しながら読み進めておりました。 @ネタバレ開始 こういう不幸や苦労が報われる話、弱いんですよね。ラストでほろりとしてしまいました。木が走り出して吹っ飛びましたが笑 塩梅が絶妙です。 冒頭の仲間はずれにされるシーンは「ツノより目付きじゃないか?」と笑ったのは内緒です。 動物診断はかめタイプでした。当たってる! と思いましたが、コメント欄、かめ多いですね。 @ネタバレ終了 幸せな時間が過ごせました。ありがとうございました!

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  • ティラノフェス2022オープニング
    ティラノフェス2022オープニング
    フェス開催おめでとうございます! 今年も楽しませて頂きます♪

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  • 混同仮面
    混同仮面
    スポンサー賞を見てプレイしました。 下ネタでバカゲーと聞いて敬遠していたのですが、めちゃくちゃ凝っていて驚きました! テレビを模したタイトル画面からオープニングの動画、吹き出しのテキストや豊富なイラストで、とにかく画面全体が動く動く! そしてシステム画面にまで及ぶ徹底的なこだわり。力の入れ方が面白すぎます。 冒頭の鳥とすっぽんの怪人、少年と混同仮面のやりとりがカオスすぎて、勢いで笑ってしまいました。突き抜けてて強いな。 ミニゲームも見た目の割りに難しかったです。が、失敗してもご褒美(?)があるので安心でした。 @ネタバレ開始 女の子の台詞から無理やり拾って「こんどお」で行けるのに、「こんとう」とかだとダメなんですよね。なんだこの基準(笑 そして倒したはずの怪人が家庭科室で再び出てきて笑いました。またすっぽん! バックログの内容が全然違ってどうしようかと思いました。 あと夢中で発射するモードが本当に意味不明なのに、吹っ飛ぶ姿でじわじわ笑えてきます笑 @ネタバレ終了 声が小さい裸足の西川さん可愛すぎでした! 楽しかったです!

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  • 死と月は寄りそって眠る
    死と月は寄りそって眠る
    死生観という骨太のテーマを持った作品でした。 開始早々に重い場面から始まりますが、ルナちゃんが出てからは雰囲気が緩んで読みやすくなります。また冒頭から世界観の説明が一気にされますが、メインで描かれるのは主人公のモルスさんとルナちゃんの交流なので、ふわっとした理解で流しても大丈夫でした。 年齢も性別も立場も、何もかも違う二人が出会って、同じテーマの答えを求めながら交流する。プレイ時間はさほど長くありませんが、出会いと変化、そして別れまで描かれているので、読み終わる頃には大きな満足感がありました。 そうして迎えるエンディングは、とにかく美しかったです。 @ネタバレ開始 こと感動において「時間」という要素は重要なのだな、と強く感じました。長い時を経てタイトルの意味に返ってくる瞬間、すごく好きでした。 モルスさんは自分が生きるために人の命を消費しているという現実を必要以上に見すぎてしまったのでしょうね。人の命を消費する自分にその価値はあるのか、と。立場もあって孤立していたモルスさんが、ルナちゃんと気持ちを共有できたことで、命の扱い方に生まれた変化が良かったです。 最後、ルナちゃんは自ら死を選びます。生きるための理由が必要な点で、結局、彼女は自分自身の生を素直に肯定できなかったのだな、と少し悲しくなりました。生育環境から来る問題は根深いですね。生きることを前提に、その上で「何を為すためか」という順序が健全なはずですから。 1つ気になったこととして、後半の屋敷が襲撃されてモルスさんに助けられた後、物を食べさせて腹を裂いて実験しようという話をしますが、命を弄ぶ姿勢にはやや嫌悪感がありました。その思想で命の意味を問えるのか? 少なくとも自分は、そんなルナちゃんは見たくなかったですね……。 @ネタバレ終了 面白かったです。ありがとうございました!

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