07(朱華なな)のレビューコレクション
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sigh何を思ったのか真冬の夜にプレイしてしまい、肝試しどころではない背筋の冷やし方をしましたこんばんは!(白目) 当方ホラーゲームは苦手だったはずなのですが、直接的なビックリ要素や怪異そのもののお姿が出て来なかったおかげで(一部エンドを除く)、ギリギリの臨場感をたっぷりと浴びながら、建物の中を探索することが出来ました! “ゲームっぽさ”を演出する要素がほとんど出て来ず最低限の情報で進行するので、本当にVR探索ゲームのような印象を受け、それが新鮮でとても楽しかったです。 @ネタバレ開始 初めて数回は操作や分岐方法が分からず、怪異君に引けを取らない奇声を発しながらただただ建物内を走り回っては見つかっていたのですが、色々と理解してからは楽しくなって来て、最終的に怖さより無事にコンプリート出来た謎の達成感の方が勝っておりました!!!(そしてクリア後におまけを見て青ざめるまでがワンセット) おまけで待ち受けるまさかの……のぞみちゃん…………!!!!! ちょっと待て、主人公のデフォルトネームってもしかして……あっそういうこと!!!??!?!? 普通にCPとしておいしくて一瞬恐怖を忘れ素に戻りました(褒め言葉) それが元々の彼女の正体なのか、彼女の強い執着心が怪異を引き寄せ利害の一致の末一体となってしまったのか……果たしてどちらだったのでしょう? 今までこのダイナミック百合女二人の当て馬にされて来た「みんな」のことを思うと、悲しみでめちゃくちゃご飯が進みますね……(人の心無し案件) END2で突然出て来た「佐々木」という名前の学生、END1で入院中のゆりちゃんの元へ訪れた見舞客はおそらく本来一緒に肝試しに来るはずだった例の彼だと思うんですが、彼の正体、ひいては真意がめちゃくちゃ気になります。 生き残っていますし、のぞみちゃんとグルだったという風にも見えないので……のぞみちゃんと怪異を引き合わせて、この化け物を作り始めた人物とかだったらイヤだなあ。 ゆりちゃんは今回の一件で怪異を倒したわけでも逃げ切ったわけでもなさそうなので、せっかく生き延びたのに今後も死ぬまで彼女(達)に追われ続けることになるんでしょうね……。 どうにかここからゆりちゃんとのぞみちゃんの普通の百合百合♡ラブコメゲームになったりとかしませんかね。そこにないならないですか。承知致しました(血涙) @ネタバレ終了 考察が捗る素敵な作品をありがとうございました~! 涼しくなりたい時にまた来ます!!
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ていうか、女子にコクられたんですけどっ!?可愛すぎるサムネイラストと女の子達に惹かれプレイさせて頂きました! 思った通りと~っても可愛いお話でした!だが!!!! それだけでは……なかった……ッ!!!!!!!!!!!! @ネタバレ開始 おそらく沢山の人をプレイまで導いて来た「死んでくれない?」の言葉の意味をわりと序盤で理解して「なるほど~上手だなあ!」と思っていたのも束の間。 十数分後にもう一度改めてその意味を知ることになるとは思っていませんでした。 わ、わたしはそんなつもりじゃ……!!! アズちゃんは開幕から強引で可愛らしい子だなあ~とは思っていましたが、某エンド以外でもちょくちょく危うい面が垣間見えていたので、ハッピーエンド後のことがちょっぴり心配になりました。 こういう部分で離婚したお父さんの血縁を感じてしまうのが切ないですが、今後は焦らず二人一緒に、成長していけたらいいですね……!!!もっといちゃついていいんだよ!!!! 優菜ちゃんはてっきりアズちゃんとのやり取りに参戦して修羅場の三角関係になるのかな……と思っていたので、少し意外な展開でした。 何かあったら真っ先に相談してもらえる幼馴染というポジションならそりゃね、焦る必要ないもんね……。 だけど特に油断することもなく、美緒ちゃんの為に尽くし自分の願いも叶えるよう至って冷静に動いていたのは、さすがお姉様ですわ……!と感心致しました。 他の人間に対してやったことはともかく、美緒ちゃんに対しては決して無理矢理気持ちを押し付けることはしないけど、言質を取ったら考え直させる暇も無くものすごい勢いで進展させて来るの非情にエッチですね。本当にありがとうございます。 アズちゃんルートを先にプレイしたことでめちゃめちゃ怯えていたので、一応両方ともハッピーエンドで安心しました。上質な百合は健康に良い。 美緒ちゃんはとても可愛らしくて、適度な隙が人を惹きつける可愛らしい子だと思っていたのですが、時折見せる年頃の女の子特有の狡さというか……好奇心や興味を優先して人の気持ちを弄ぶきらいがある部分はものすご~~~くリアルな沼女だなあと思いました(褒めてます) 本人は自分を平凡な女の子だと言っていましたが、多分知らない(フリをしている)だけで厄介な隠れファンが多いタイプだと思います。将来有望ですねえ~~!!!!^^ @ネタバレ終了 商業と見紛うクオリティのUIとカワイイイラストに、ひとつまみの闇を忍ばせるストーリー展開がマッチしていて最高でした! 次回作も楽しみにしております~!!!
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スーパーマーキングバーチャルフェスやノベコレトップ等で度々店舗をお見かけしておりその度に気になっていたのですが、明らかにヤバそうな雰囲気を感じて(褒め言葉)目を逸らしながら素通りすること早数回……ついに入店してしまいました。 @ネタバレ開始 起動して2秒で「あっこれアカンやつや」と察し、一刻も早く帰れと泣き叫ぶ身体を引き摺ってなんとか入店…… 次から次へとこの身に降りかかる強敵達(何故か数人謎の既視感がある)との邂逅と、戦闘BGMの如く著しく情緒を乱して来る店内BGM。 コマンドなんて一つもないのに、何らかのボスとの連戦を強いられている気分でした。 なんでスーパーに買い物に来ただけで、世紀末を生きている気分を味わわなくてはならないのか。 全てに怯えながらやっとの思いで店を出て見上げた空は、今まで見た中で最も青く澄んでいたような気がしました。 全てが一斉に畳みかけて来たおかげで本作のテーマである「衛生観念」については正直結構ガバガバ判定になってましたね。 洗えば……加熱すれば……まあいけるやろ。そんなことよりも一刻も早く買い物を終え家に帰りたい。ただその一心でした。 人間は社会と折り合い精神を擦り減らす日々の中、こうやって見たくないもの、知りたくないものを見ないフリしてやり過ごしながら生きているのだと、改めて深く考えさせられました。 プレイ中スキップが出来ないことでめっっっちゃめちゃ苦しんだんですが、「スーパーに行く」という死ぬほどめんどくさいかつ日常の根幹である行為は決してスキップ出来ないもので、そう思えば私が散々迷った末にここへ辿り着くことも、ある種必然と言えたのかもしれません。 もしかしたら今日すれ違った強敵の彼らは一つ違えば未来の私の姿でもあったのかもしれない。そんなことを思いました。 さっきから何を言っているんだ私は? 誰か助けて UIやイラスト等世界観を構築する部品の全てがハイクオリティだったおかげで(せいで)、とんでもない没入感を得てしまったゲーム体験になりました。 各エンディングまで行く頃には色々なものに若干慣れていて(慣れるな)、普通に笑ってしまったのが悔しいです。 紆余曲折ありつつ本作をフルコンプさせて頂きましたが、分岐条件やコンプリート出来た理由は未だによく分かりません。記憶もあんまりありません。 @ネタバレ終了 作者様の才能はマジで唯一無二だと思います!!!!(9割褒め言葉1割畏怖) 素敵な作品をありがとうございました~!!!
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落とし屋・麒麟 ~薫酒~亥角さんお久しぶりで~~~~す!!!!またお会いしましたね!!!!! @ネタバレ開始 長らくお伝えしそびれていたんですが、かなり前に前作で色々とお世話になった方だったので、こうしてまた彼にお会いすることが出来て嬉しいです! しかもこんな……こんなご褒美シナリオッ……いいんですか?!?!?!??!? 相変わらずダダ漏れる色気と底知れないミステリアスさに、正直こちらはお酒どころの話じゃありませんでした(本当にお酒どころの話ではなかった) 妙に度胸があってかっこいい主人公の女性と、仮にも自分を狙って近付いた人間に対してあ~んな紳士的な対応を取れる亥角さん……二人のオトナな駆け引きにドキドキしっぱなしでした。 問題が解決してから改めて二人で飲んだお酒は、とても美味しくて文字通り素敵な香りがしたような気がします。 画面(イラスト)外下部にも判定があるの知らなくて変なところをタッチしてしまい「そこはダメ」って言われて脳みそ破裂するかと思いました。 まったく他意はありませんが、念のために追加で数回優しく撫でるようにタッチしておきました。大丈夫です、まったく他意はありませんので。 「帰り道」の多くを語らず演出で魅せるあの感じ!!なんなんですかあれ!!!良すぎる!!!! どうやったらこんなにもムーディーで素敵な演出を思い付くんだろう……とうっとりしてしまいました。 彼はずうっとこんな風に生きて来たんだろうなあ~~~!!!!という立ち居振る舞いの含蓄が感じられてめッちゃめちゃ……よかったです。ハァ~~~~……えっちだね(?) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました。大変助かりました(私の命が) あ~~~~このシリーズ永遠に続いてくれないかな。
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地雷系女子!?ほなみさん見た目通りと~っても可愛くてキュンキュンするお話でした……!!!! @ネタバレ開始 地雷系女子!?の「!?」の部分を「女子じゃない=実は男の娘?」と解釈してプレイし始めたので、色々な意味で衝撃が大きかったです!!!!!!(ネタバレ嫌派なのでトップの画像はじっくり見てなかったんです……!) 上手く体系が隠れるお洋服を着ていたので、途中まではその方向性で間違いないだろうな~と思っていたんですが、途中の某シーンで自分が盛大に勘違いしていたことに気付き、多分主人公よりも数倍テンパっていました。 そして序盤にほなみさんを男の娘だと思っていたことで、主人公の方の違和感にはまっっったく注意が行かず、最後にまんまともう一度驚かされるはめになりましたね!!なんだこの感情のピタゴラスイッチ!!! 好きなものに迷わず好き!と言って笑い合える凛君とほなみさんがとても眩しくて、心の底からお似合いカップルだと思いました。二人共かわいいよぉ~!!!!!!! そして好きなものの為に大きな一歩を踏み出したきっかけが、かつてのお互いの言葉だったというのがほんとに、もう……尊過ぎる!幸せになってくれ!!!!!!!!!!!(プレイ中1000回は言いました) この先の彼らのお付き合いがあまりにも見た過ぎるので、大学生編とかやってくれないかな……って思いました。 ないですか? 大学生編……そうですか……。 @ネタバレ終了 余談ですが、お兄さんがかっこ良すぎて開幕から正気を失いそうになったので、大学生編と併せスピンオフ作品の方、切実にお待ちしております!!!!!!!!!!!!!
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月を見上げてとてもとても、美しい物語でした。 最初からクライマックス過ぎて何事!?と思いましたが、事情が分かってから改めて見ると彼女も優斗さんもお互いを愛するが故にああいう手段しか取れなかったんだな、というのが理解出来て切なくなりました。 @ネタバレ開始 強硬手段で無理矢理止めてしまうことをしない優斗さんになんとなく違和感を覚えていたので、真相を知ってああなるほど……と色々なものが腑に落ちました。 本当ならあのまま静かに途切れて終わっていたかもしれない彼らの恋が、あの日と同じ月の下で、ちゃんとした形で“終える”ことが出来て本当に良かったです。 今も変わらず二人が同じ月を見つめ続けていたから、月が出会わせてくれたのかなあと思いました。そうであって欲しいです。 エンディング後、いつかと同じ台詞で声をかけられた彼女がただ懐かしそうな表情で笑っているのを見て安心しました。 月の美しさは変わらずとも、彼女は確かに変わって前に進めているんですね。よかった。 ただ!!!!私は優斗君にも!!!!幸せになって欲しかったけどね……ッ!!!!!!!!!!;;;; @ネタバレ終了 余韻を残すエンドロールまで含め、全てが一つの物語としてまとまっていてよかったです! 秋の夜に読み返したい素敵な作品を、本当にありがとうございました!
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狭間列車(はざまれっしゃ)とっても面白かったです!!!!!!!!!!!!!!! 基本的にホラーが大の苦手なくせに、電車を題材にした怖い話(いわゆる都市伝説系?)は結構好きなので、制作中から気になっておりました!! 作者様のありがた~いご配慮でプレイヤーの目に見える描写としてはとてもマイルドにされていたんですが、実際起きていること、主人公の身に降りかかっている出来事を冷静に考えるとだいぶ怖くて理不尽極まりなかったです。私なら普通に発狂する。 @ネタバレ開始 けれどそれがまた夢の中の出来事っぽくて「悪夢見る時ってこんな感じだよな!(恐怖で若干思考停止)」とも思いました。 事前に配信ページで拝見した「作者が見た夢が元ネタ」という情報を知ってプレイしていたので「ねえどこまで!?どこまでほんとに見たヤツ!?!?作者さんのSAN値大丈夫そ!?!?」と心配になりながらプレイしておりましたが、救済エンドでなんとか助かってくれてよかったです……!!;; 元ネタは夢だから、と言ってしまえばそれまでなんですが、後ろの車両へ行くにつれて乗車している客の人数が増えるのが個人的に考察ポイントで気になりました。 生と死の狭間を彷徨っている人間を乗せている、という解釈も出来るあの列車で、少しでも先頭車両(=行先=死)から離れる為に皆無意識に後ろに集まっていたのかなって……。 結局ギリギリ助かる方法はあの通りだったので、その行為が無意味だったのかもしれないのがまた切ないですが……。 乗客が「死」を自覚してしまう一因でもあるあの新聞を拾わず、ひたすらまっすぐに前に進むことを選べた人だけが助かっていたのだとしたら、非常に皮肉で面白いですね^^(人の心とかないんか?) @ネタバレ終了 クリア後にあとがきを拝読させて頂いたのですが、実際の夢のお話など興味深いことが多々書かれており、作品についての理解と解釈が深まりました。 ここまで読むことをひっくるめて完成する作品だと思ったので、クリアされた方はぜひ細部まで余すところなく読破して欲しいです。 ホラー風味ではありますが、さっぱりとした不思議な読後感でとても楽しめました! 素敵な作品をありがとうございました~!!!
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吊り餌ゲームも「それ以外の部分」も丁寧に怖すぎて(?)剥いた白目が戻って来ません誰か助けてください @ネタバレ開始 当方死ぬほどホラーゲームが苦手な人間ですが、イラストがスタイリッシュでとても好みだったのでなんだかイケそうな気がして(?)勢いのままプレイさせて頂きました! 起動した瞬間に色々と直球過ぎて死にました。 そのSEやめろォ!!!!!!!!!!!!!!死人が出る!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(私) 最初はただただ怖くて怯えていただけだったんですが、理不尽過ぎる展開、断片的過ぎる情報にまんまと踊らされ段々と「真実」を知りたい気持ちの方が勝っていきました。 いや、最初から最後まで間違いなくめっちゃ怖かったんですけどね!?!?!? 何周かしてタイトル画面の構図の意味を理解した時なんかは本当にゾッとしました。 でもあの無駄にイケメンな男達をゲーム始めた瞬間容赦なく吊るしていたのは潔すぎてちょっと笑いました。 気付けばあっという間に世界観に引き込まれ、あちこち必死に情報を漁っては考察に明け暮れていました。 こんなに何度も規約やクレジット、設定画面までも見直したゲームは初めてです……! 設定画面を始め大概のものは発見出来たと思うのですが、規約画面の最後の写真のページだけまだ何か見逃している気がしてなりません……真相は果たして? 最終的にブログ、YouTubeまで辿り着き読破した頃には作品の世界観とそれを構築するにあたっての作者様の綿密な計画に、これでもかと脱帽致しました。 YouTubeの動画に至っては、意味を理解した瞬間ガチで気分が悪くなりました(めちゃめちゃ褒め言葉です) 何もかもが発想と技術の勝利過ぎる。ここまで来るともはや作者さんが一番怖いまである。 色々な情報をかき集め様々なことを考慮した結果、結局のところ「こうなったことに明確な理由はない」の一言に尽きるのが死ぬほど不気味で理不尽で後味が悪くて、最高だなと思いました。本当に面白かったです。 @ネタバレ終了 みんな!!!!!規約はちゃんと!!!!!!!!読むんだよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
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さよならサンドリヨン何作もプレイして来た私には分かっている。グラシアス世界において「美しい少女」は特大のフラグであると……!!(概ね正解でした) @ネタバレ開始 サラさんの正体はもちろん早々に予想がついたものの、“彼女”の考えていることや抱えていた事情はとても複雑で、色々と考えさせられました。 切なさはありつつも珍しく平和な空気感で進んでいたので(失礼)ひょっとするとひょっとするのでは……?と思わなくもなかったのですが、結局彼女は本当に思いを伝えただけで、もう二度と会えない「サラさん」のまま、12時の魔法が解けた姿に戻る覚悟を決めてしまったんですね。 グラシアスさんのことなので(?)、あそこで正直に義弥君に打ち明けていたとしても「あー……そうなんだ、ごめんやっぱさっきの無し」という無慈悲な展開になる可能性は大いにありましたし、美しい初恋のまま永遠に彼の心を縛る選択肢は実はどちらにとっても正解だったのかもしれません。 それはものすごく狡くて、傲慢な行為なのですが……。 サラさんはきっと大人になっても美しいままのタイプだろうとは思いますが、それは彼女が本当に望むものではないんですよね。 途中で少し触れられていましたが、彼女がシンデレラではなく“魔女”であるならワンチャン……ワンチャン魔法が解けずに済むのでは!?!?!?ねえ!!!!(錯乱) せめて今後の彼らに、もう二度と好きな人も好きなものも諦めないでいられる素敵な未来が訪れることを祈っています。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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恋する郵便屋さん「キュン♡(ときめき)」と「ギュゥン(しんどさ)」が共存する素晴らしいお話でした……!! @ネタバレ開始 主人公の郵便屋さんがとにかく真面目で、優し過ぎる……! 最初から最後まで一貫して自分の仕事と好きになった人に対し真摯に接していて、彼のことが大好きになりました。 でもそれが見ていて非常にもどかしい……! けれども同時に、彼のそういうところが好きで心動かされる人はきっと彼の周囲には大勢いるんだろうと容易に想像がつきました。そういう人です。 私も彼の職場の先輩になりたい人生だった。作り過ぎたおかずをお裾分けする近所のおばちゃんでも可。 情緒もくそもない私は「今だ今!!押せーーッ!!」みたいなことをすぐに思う蛮族なのですが、彼が行動するのはいつだって「相手」から話し掛けて来たり、したいことを言ってくれたりした後で、どれだけ気持ちや心配が募っても決して自分の気持ちを押し付け先走るようなことはしないんですよ。 「報われました」なんてどの顔で言ってんだ!!!!と泣きながら床を転がりました。 ようやく渡せた手紙ですら、あれこれ余計なことは何も語らないただ一言だけの内容で、強く強く胸を打ちました。 郵便屋さんはセアラさんが他の場所へ引っ越した理由を「つらい思い出の残るこの地にいたくないだろうから」と考察していましたが、私は真摯に向き合ってくれた郵便屋さんに対して、彼女が出来る唯一の誠意だったんじゃないかと思いました。 せっかくこの土地で出会えた寂しさを紛らわせることが出来る知り合い、明け透けに言えばそれ以上の関係にも成り得た存在から、わざわざ離れる理由を私は最初、どうしても見出せなくてですね……。 彼が優しく真摯だったからこそ、彼女はその気持ちを利用することは選べず、静かに姿を消すことで彼の幸せを願ったのかなあと思いました。 郵便屋さんの人柄が彼女と仲良くなれた最大の勝因で、恋に破れる敗因になったのはなんとも皮肉ですね……(全て私の妄想です) 演出が一つ一つ細かくて、見ていて心地よかったです!BGM選びが天才的だなあとも思いつつ、郵便屋さんが勇気を振り絞って手紙を渡しに行くシーンの挿入歌の神タイミングで完全に死にました。 ストーリーや演出がとてもしっかりしているな~~!と思っていたら、作者さんは元々字書きさんだったんですね!?ど~~~りで!!!! @ネタバレ終了 ほっこりと切ない後味の、素敵な物語をありがとうございました!!