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街八ちよのレビューコレクション

  • 地の天使と生命を持つスキル
    地の天使と生命を持つスキル
    厚塗り調でデザインがユニークで可愛らしい立ち絵が目を引きました。 地上に堕とされた天使と仲間たちの人間のために働くほのぼのスローライフ…かと思いきや、突如シリアスな展開になりこの先はどうなるのかと夢中でプレイしました。 シオンさんは客観的に見れば確かに見た目が歪なのかもしれませんが(個人的には素敵な個性を持った外見だと思います)、心は誰よりも美しく優しい方で素晴らしいと思います。 地上に堕とされたとしても自堕落にならずに人間を救おうとする精神は人間も見習うべきだなと感じました。 天界に戻る誘いを受けたときにそこに優しさはあるのかと問うたシオンさんが凛としていてかっこよかったです。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 箱
    同じ(繰り返すごとに少しづつ異なる)やりとりを何度も繰り返して結末を見ていくゲームです。 びっくり系のホラーが苦手なので身構えていましたが軽度なもので、お話の内容もじんわりと怖くなっていくものだったので気軽に不気味な世界を楽しめました。 序盤は「友達(?)は主人公に何の恨みがあるんだ…ひどい…」と思っていましたが、最後までプレイした後ではなるほど恨まれても仕方ないな、と思ってしまいました。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 荒野の復讐者
    荒野の復讐者
    日が昇るアニメーションにアコースティックギターと渋い歌声のBGMで構成されるタイトル画面が、とても気持ちを高揚させてくれました。 アニメーションが多用されているのでゲームで遊んでいるというより映像作品を観ている気分でした。 西部劇というレトロな要素とSFという近未来な要素がうまく調和していて良かったです。 お互い自分の目的のために一緒に行動することになったルーシーとリンゴですが、何だかんだ言っていいコンビだなあと思いました。 最後にリンゴが助けに来てくれたシーンは胸が熱くなりました。 2人のフロンティア精神でこれからも道を切り拓いていってくれたらいいなと思います。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • サリエンシー
    サリエンシー
    穏やかで優しい空気感だけれど何か強い引力で頭がぼうっとなるような、ちくちくと心を刺すような雰囲気で“moonstruck”という言葉がぴったり当てはまる作品だと思いました。 淡々としていながらも心情の機微がよく描かれている文体が、読んでいてとても心にすとんと落ちてくる感じがしました。 「サリエンシー」をはじめとする物語のバックグラウンドの描写はほのめかす程度ですが、むしろこのくらいぼんやりしている方がこの作品には合っているのではないかと思います。 月を眺めながらあれこれ考察したいと思える作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • NETHER WORLD
    NETHER WORLD
    ほの暗い絵本の世界を歩いているような体験ができるゲームです。 1週目は主人公の置かれている状況や出会う人々などすべてがよくわからないままだったのですが、何度か繰り返してハッピーエンドにたどり着くまでの過程を見たとき「すべてには意味があったのだ」と思い至りました。 あのような状況に置かれてもなお妹との約束を果たしたかったルーカスはきっと妹のことがとても大事だったのでしょうね。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 昨日の晩ご飯も覚えている
    昨日の晩ご飯も覚えている
    記憶が一日しか持たない少女が施設内でお姉さんと出会い、お話をする物語です。 「眠ると昨日までの記憶を忘れてしまう」というアイデンティティに深くかかわる症状を持っているにもかかわらず、 事態を悲観せずに「今日」を穏やかに生きようとする彼女たちには感心してしまいました。 そんな彼女たちが思う「自分のためだけに今日を生きる」という信念は説得力がありました。 記憶があろうがなかろうが「今日」は今日しかありませんから、それは私たちも持つべき考えなのかもしれません。 ハッピーエンドでは2人が再会できて、祀ちゃんが「覚えていてくれて」良かったと思いました。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • われてもすゑに
    われてもすゑに
    タイトル画面からエンドロールまで一貫した美しさとノスタルジアを感じられる、まるで映画のような作品でした。 えもふりでよく動く立ち絵とクオリティの高いボイスが相まって、「キャラクターたちが会話している」ということが如実に体現できて良かったです。 ストーリーはシンプルで短いながらもそれぞれのキャラたちの心情がきちんと描写されていて彼らの関係にも納得がいきましたし、 序盤ではよくわからなかった彼らが置かれている状況がゲームを進めていくにつれて自然とわかっていくという構成も洗練されていると感じました。 あの2人には手を取り合って新たな道を歩んでいってほしいですね。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 魔の森にて
    魔の森にて
    モブ寄りの勇者御一行という感じのキャラクターたちがメインのお話です。 魔王が倒された後の勇者たちの行く末、ということに焦点を当てたゲームはなかなかないので興味深かったです。 シーンによって適切なBGMやSEが使われていて、臨場感がありとてもテンションが上がりました。 軽くて明るいノリのテキストもおもしろかったです。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 甘やかしてよ彼氏くんっ!2
    甘やかしてよ彼氏くんっ!2
    穏やかな声で甘やかしてくれる彼氏くんに癒されました。 始終甘い雰囲気でこちらまで熱に浮かされているようで、気恥ずかしささえ感じるくらいでした。 真面目に主人公との付き合い方を考えてくれる樫井くんがとても愛おしかったです。 素敵なゲームをありがとうございました!

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  • 初恋は年齢天秤の中で
    初恋は年齢天秤の中で
    はじめにあらすじを拝読したとき「年齢天秤」という大変斬新で特殊な道具が登場することに対して、正直に言って「ちゃんとお話を理解できるかな」と多少気後れしてしまいました。 しかしいざ読み始めるとそんな懸念は吹き飛び、端正で洗練された文章と情報の出し方の上手さですんなりと物語に入り込めましたし、各章の始めと最後のフックが優れていて最後まで熱中して読み進めることができました。 夏乃さんをはじめとする主人公であるハナビくんに深く関わる人物が短時間できちんとその性格や魅力等が表現されており、それがお話の没入感を高める要因の一つであったと感じます。 エンディングは一つでありながら豊富な選択肢があり、それがストーリーを深める一因となっていて選ぶのが楽しかったです。 また、エピソードを省略できる選択肢も含まれていて、早く物語を読み進めたい人に配慮したつくりになっていたのも良かったです。 はじめは自分の欲望のために年齢天秤の力を使っていたハナビくんですが、ストーリーが進むにつれて人のために力を使おうとする姿にはぐっときました。 視点を交差させながら徐々に全貌が明らかになるシナリオ構成と、ハナビくんがだんだんと成長していく姿には感嘆のため息が漏れるほどでした。 特にお祭りでのエピソードにて、あんなに聞けなかったことをすんなりと言ってのけたハナビくんの成長ぶりは頼もしかったです。 重いテーマが背景として描写されていますが、それでも行動して事態を好転させようとした各登場人物の姿勢には本当に勇気づけられました。 「大人でも子どもでも行動しなければ前に進めない」という言葉にははっと目が覚めるようでした。 お話の結末は全く想像していなかったもので、大変ミスリードが上手いなと感心してしまいました。 初恋はほろ苦いことが多いかもしれませんが、それでも一度きりのことですからハナビくんたちには是非これからも大事にしていってほしいなと思いました。 「年齢天秤」という道具をうまく使って人々の恋模様や現代の社会問題を見事に書ききった読み応えのある作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!

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