街八ちよのレビューコレクション
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除毒のタベルナ非常におもしろかったです。 シナリオとグラフィックはもちろん、細部の演出までハイクオリティな一品だと感じました。 パートボイスを効果的に用いた冒頭から、世界観にぐいぐい引き込まれました。 @ネタバレ開始 毒のある食材しかない状態になった世界で、ステラは元料理研究家、ジャンは元生物ライターという立場。 彼らは「都合がいい」と自認していますが、だからこそストーリーの導入が非常にスムーズでわかりやすかったです。 またこの2人のコンビが解説役とツッコミ役(+調理役)に分かれていたので、テンポよくストーリーを楽しむことができました。 シャグマアミガサタケの回で「食用として親しまれているが、毒抜きが不十分という理由で年に数人死ぬ」という説明に「フグかよ」と思ったらステラも同じツッコミをしてくれたので、何だか嬉しかったです。 「無茶すんな人類!!!」という叫びにも本当に頷くしかない。 こういう素朴な疑問や気づきにちゃんとツッコんでくれるキャラは、個人的にすごく好感が持てます。 ストーリーについて、現実世界にある食材や植物、毒性の知識をもとにして各料理・調理法が構成されているため、純粋に雑学としても楽しめました。 『ドライアイスセンセーション』という言葉をそれまで知らなかったのですが「もしや」と思い検索してみると実際に存在していたので、感動してしまいました。 「実際に毒のあるものしか手に入らないとしたらどうするか」というシミュレーションゲームとしての側面もあるなあと思いました。(専門家でないので絶対に真似できませんが!) グラフィックについてもキャラの描き分けがお上手で、それぞれの役割や魅力が見た目だけでわかるのが素晴らしいです。 各キャラにちゃんとポーズ差分が何種類もあるのも良かったです。 個人的に特に感動したのがメニュー画面でした。「レストランのメニューボードみたい! すごい!」と思わずスクショを撮ってしまうほどでした。 物語の終盤に店へ魔王がやって来る理由も、意外でありながらこの作品に合っているなあという印象でした。 魔王は毒のある食べ物でも平気、または人間と同じものを食べないのだと思っていましたが、当人側も困っていたとは……。 正直に申し上げると間抜けで可愛いです。 最後の選択でエンド分岐しますが、やはり料理人としてはどんな相手にもおいしくて安全なものを提供したいですよね。 それを踏まえての平和的解決を提案したグッドエンドがとても良かったです。このまま仲良く共存してほしい。 当作品で見られるこの世界の出来事はほんの一端だと思いますが、他の側面での物語などでもっと見たい・もっと知りたいと思えるほど魅力的な設定・キャラクター・ストーリーの作品でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
BAD ENDLESS THEATER周回プレイし試行錯誤することで真相が明らかになっていく、というシステムが好みでした。 シックで可愛いグラフィックが印象的です。 @ネタバレ開始 道化の悪魔さんに狂愛される女神様も、夢の中とは言え何度も○されてしまうプレイヤー(自分)もとても可哀想でした。 それがヤンデレの良さではあるけど、「どうしてこんな目に……?」と思ってしまうくらいには容赦がなくてむしろ清々しかったです。 でもそんな「可哀想なバッドエンド」こそが官能的かつ退廃的で素敵でした! 招待状を使って簡単に見てしまったのですが、やはりあのエンドがえっちで良かったです。 道化の悪魔さん、思ったより可愛らしい顔つきっぽくてギャップ萌え極まれりだなあと感じました。 本来の劇場の様子がとてもメルヘンで愛らしく、女神様の無垢な笑顔が素敵だったので「最終的に救えて良かったなあ」と思いました。 しかし心のどこかで、道化の悪魔さんがまた壊してくれることを期待している自分もいます……。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
偽装のガーディアン冒頭の演出からエンドロールに至るまで徹頭徹尾作り込まれており、「この物語を徹底的に魅せる」という気概がひしひしと感じられる作品でした。 まるで映画のワンシーンを切り取ったかのようなドラマチックなスチルが多く、非常に引き込まれました。 システムもユーザビリティの高い使いやすいもので良かったです。 個人的にシナリオ進行度がパーセントで表示されるのがわかりやすくていいなと思いました。 @ネタバレ開始 主人公の瞬さん、設定的にも見た目的にも庇護欲がそそられる方で、土萌さんが弟のように可愛がりたくなってしまうのもうなずけました。 そんな土萌さんの「純粋に瞬くんの力になりたい」という行動原理が素敵だなと思います。 ゲーム中盤まで「あのストーカー女性はひょっとしたら土萌さんなのでは?」と疑っていて本当にすみませんでした……。(髪色が似ていたもので) 司さんについては、彼の特異性(強さや食事などについて)を純粋に受け入れて話を読み進めておりました。 ですが、よく考えるとストーカー女性も司さんも、人間として考えるとかなり無理がある行動の仕方をしていたので、「2人ともアンドロイドだった」という真相には驚くと同時に納得がいきました。 そして瞬さん同様私も「司さんってアンドロイドだったの……!?」と大変ショックを受けました。 「もしかして物語序盤の入浴に際してそういう雰囲気にならなかったのはアンドロイドだったからなの……!?」と咄嗟に思うくらいには混乱しました。 しかし生きている人間として司さんが現れるシーンで、心底ほっとしました。 いろいろな意味で瞬さんの心身を守ってあげられるのはこの世で司さんしかいないと思うくらいには感情移入していたので、本当に良かったです。 物語の終わりが彼らの本当の始まり、というラストも爽やかで素敵でした。 今後の2人が実際にどのように関係を深めていくのか、気になるところです。 まずはゆっくりおいしいご飯をたくさん食べてくださいね……! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
悪魔的初恋死んどろ~む「ほのぼのBL(ただし死ぬときは死ぬ)」とのことで、これは美味しそうだぞ! と勇んでプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 悪魔くんが終始かわいかったです。 幼体の姿も犬のおばけみたいでキュートでしたし、人間の姿に変化してからも中身が本当にピュアで素直でかわいい。 彼のゆるい立ち絵に大変癒されました……。 また、神父さんにアプローチするために人間のことを一生懸命知ろうとする様が微笑ましかったです。 途中でBL漫画を購入していたのには微笑み通り越して声を上げて笑ってしまいました……笑 全体的にほのぼのでコメディテイストな雰囲気ですが、神父さんの葛藤周りの話は非常にシリアスで、その温度差がまた魅力的でした。 「姿を見かけたら憎いと思うし許したわけではない。ただ当時の犯人に必要なことをするのが自分に出来ること」という神父さんの結論、とても冷静で建設的だなあと思いました。 感情が昂ったら落ち着くの、大事ですね……! クリア後の登場人物紹介にて「犯人が何らかの形で亡くなったら神父を辞める」とのことでしたが、個人的には辞めてほしくないし彼なら続けるのではないか? と勝手ながら思っています。 その他家族の悪魔の2人や謎のイケメンさんなど、ビジュアル的にも設定的にも魅力的なキャラがたくさんいて、とても賑やかで楽しい一方それぞれのキャラの信念を感じさせる作品だと思いました。 グラフィックのバリエーションも豊富で、短いながらも満足感が高かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
少年と天気雨まさに日常と非日常のはざま、それを繋ぐ一瞬の物語という感じで、掌編であることに意味のある作品だと思いました。 @ネタバレ開始 どうしようもできない悲しみに浸る主人公にたわいもない話をして寄り添うキツネさんが、とても素敵な存在だなと思いました。 ジャージ姿でラーメンの話をする神様……一見奇妙に映ります。 しかし、もしああいうときに神様が話しかけてくれるとしたらと考えると、キツネさんみたいな存在のほうが居心地がいいのではないかと感じました。 チェーン店のラーメンの味が土地によって違うと感じるキツネさんの感性、非常に情緒的でいいなあと思います。 また、キツネさんが最後に見せてくれた姿も綺麗でした。 現れたと思ったら次の瞬間に消えてしまう、まさにキツネにつままれたような感覚を覚えました。 それでも最後は、雨上がりの空気のような澄んだ気持ちになれる作品でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
おるすばんできるかな?温かい色合いのかわいらしいグラフィックに惹かれ、プレイさせていただきました! 背景まできちんと書き込まれた一枚絵がふんだんに盛り込まれていることと、「こどもがおるすばんする」という微笑ましいシチュエーションから、『デジタル仕掛け絵本』という印象を強く受けました。 大人のみならずお子さんがプレイしても楽しめそうだなぁと感じます。 @ネタバレ開始 そういった印象を受けたぶん、冒頭の「出所」という単語にはかなりの不穏さを感じました。 近所の人(?)から「有名な科学者」と恐れられる、出所したての『おねえちゃん』と、おちびちゃんの危機をまるで見ていたかのように察知し、駆けつけるロボットの『ママ』。 ……めちゃくちゃディストピアSFの匂いを感じました。 決して多くは語られないけれど、明らかに何か大きなものが背景にある世界観、とても好きです。 一方で、電話対応によっては仕事で行き詰っている人の背中を押してあげることができたりと、見た目通りの温かさも感じられてほっこりしました。 基本的にかわいくて温かい雰囲気だけど、少しの不穏さがいいスパイスとなっている、ジンジャークッキーを彷彿とさせる作品だなと思いました! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
ヒーローなんかやめる低ピクセルなのに表情豊かなドット絵が印象的な作品でした! キャラクターたちがアニメーションでよく動き、会話内容が「等身大の友人同士」という関係性を存分に感じられるところが特に良かったです。 そのため何気ない日常のシーンの連続だったとしても、「メインディッシュ」として味わえる点が非常に魅力的だなと思いました。 @ネタバレ開始 そもそもその「何気ない日常」というのが、たいようくんとひろくんにとっては必要でかけがえのないものだったのだろうと思います。 時に神格化されたりヘイトを向けられたりと、本人の意志や人間性を無視するような扱いをしばしば受けることがある。 それが「多くの人に影響を与える仕事をする人」のジレンマであるとひろくんの発言からよく感じられました。 また、どちらのエンドも甲乙つけがたいほどいい着地だと思いました。 「ヒーローを続ける」という選択のエンドのほうは、ひろくんの人間性が感じられて良かったです。 たとえ善と悪という二項対立だっとしても「お互いの必要な存在であり続けられるのなら」と、ある種の半永久かつ強固な関係を約束する2人って、いいですね……! しかしながらやはり「ヒーローなんかやめる」と2人で別の場所へ越してしまうエンドのほうが、きっと2人には一番幸せなことなのだろうと思います。 最後に登場した、たいようくんの料理を頬張って笑うひろくんの笑顔が、それをよく物語っていると感じました。 思わず「2人の健やかな生活、永遠であれ……!」と祈ってしまいました。 これからも一緒にゲームしたり映画を観たりして、いろいろ楽しい時間を2人で過ごしていってくれたら。 ただの一地球人である私としては、そうであるなら嬉しいなと思います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
愛猫ちゃんの防衛戦!かわいいもふもふがたっぷり堪能できる素晴らしいゲームでした! @ネタバレ開始 とにかくまろんちゃんのグラフィックがどれもこれもかわいくて癒されました! 特にまろんちゃんの立ち絵のお耳がぴこぴこ動くのが本当にかわいくて、しばらく手を止めてまじまじと眺めてしまいました。 作中のミニゲームに関しては、個人的にQTEが(下手という意味で)苦手なのですが、失敗したとしても直前の地点からすぐ始められたり、勝ったことにして先に進めたりできる親切設計がありがたかったです。 とはいえ失敗しても誘惑に負けたかわいいまろんちゃんの姿が見られるので、むしろご褒美もらえちゃってますが……! まろんちゃんが外に出てしまったあとの各イベントも楽しかったです。 ご主人たちのパーソナリティやバックグラウンドを垣間見れたり、人間の姿になったまろんちゃんを拝めたりと、意外なシーンがいろいろと見られて嬉しかったです。 まろんちゃん、ご主人が他のニンゲンにとられるのが嫌なだけで、構ってくれる友好的なニンゲンのことは好きなんですね。 今後はみんなで楽しく幸せに暮らせそうで、良かったなあと思いました! @ネタバレ終了 私とも一緒に遊んでくれるかな……? と思わず妄想せずにはいられない、魅力的な猫ちゃんの作品でした。 素敵な作品をありがとうございました! -
さいは投げられた ダイスdeデート! だいすとさいの同棲LIFEシンプルに申し上げてめちゃくちゃ楽しかったし萌えました……! システムが盤石に作られており、アニメーション演出が程よく取り入れられUIもわかりやすく、とても遊びやすかったです。 グラフィックも可愛らしくすっきりした印象で、大変良かったです! @ネタバレ開始 『不愛想だけど愛がでかい年下×無邪気で可愛らしいけど芯は通っている年上』という組み合わせ、最高に好みでした……! だいすくんもさいさんもいろいろな意味で可愛い!(さいさんは『かわいい』が地雷だそうだけど、それでも言いたくなってしまう……!) 最初はさいさんと同じように「だいすくん側は何か知っているようだけど、どうしてこの状況になったのかな?」と思いながらゲームを進めていきました。 そのうちに彼らのバックグラウンドや心情がだんだんとわかってきて、「早くくっつかないかな……!」とやきもきしながら2人のことを見守りました。 『過去にかかわりがある』という設定も、王道であるがゆえの良さがふんだんに感じられました。 買い物をするたびに2人の部屋に物が増えていくのも「この2人は同棲している」という状況がリアルに感じられて、非常にときめきました。 それぞれ2人のコメントが見られるのも、BL愛好家的にとても助かりました。 あとこのアーケード、無限にお金がもらえるので私も近隣に住みたいです笑 そしてすべての買い物を終え、晴れてお互いが心から2人での生活を育んでいこうとするラストには、満面の笑みを禁じえなかったです。 末永くお幸せに……! 欲を言えば彼らのその後の生活がもっと観たいです……! @ネタバレ終了 表現が細やかで2人のことが愛おしく感じられる良質なBLゲームでした! 素敵な作品をありがとうございました! -
シューカツ! ~forever with 御社~就職活動をゲームにしてしまうという斬新なアイデアと、プレイすればするほど強くなり戦略性も増すというシステムが非常におもしろかったです。 何周も夢中になってプレイしてしまいました。 @ネタバレ開始 レトロゲームっぽいUIやシステムを踏襲しつつもかなり遊びやすい作りになっていて、周回プレイ前提でもほとんどストレスなく楽しくプレイできました。 DIGITALLさんのレトロ風ゲー作品に登場するヒロインは毎回可愛いなあと思っているのですが、今回の星乃さんは個人的にすごく好みで「星乃さんとお近づきになりたい!」という下心も相まって周回プレイのモチベーションがずっと高いままでした。 基本的には面接で話すエピソードカードを集めながらうまく使って面接を突破していくというゲームですが、カードのレア度や強さの数字が大きければいい、というわけではなく面接官のキャラクターによって有効な手札が違うので「ゲームバランスがよく練られているなあ」と感じました。 また、そのエピソードカードに付随するエピソードがやたらリアルでおもしろかったです。 ちょっとしたエピソードを盛ったりネットで見た話を自分のエピソードとして語ったりするの、就活あるあるだよな~とちょっと懐かしくなりました。 フリーランニング大学などの大学名や何だか既視感のある人事部長や女社長など、メタ的なネタもちょうどいい塩梅でおもしろかったです。 個人的にイーロン! な会社を見てきた男性に見初められるエンドがぶっ飛んでて好みでした。 そして、「星乃さんと親密になりたい」という個人的欲求で進めてきたゲームですが、まさか星乃さんにそんな能力があったとは……。 いや、冒頭から「直接脳内に語りかけてくる! もしかして能力者か!?」と冗談まじりに思ってはいたのですが、本当にそうだとは思いもしませんでした。 ラストも星乃さんのキャラクター性を活かしたもので、良かったです。 ただ、自分があまりにも星乃さんに入れ込みすぎていたために「え!? 終わり!? 続きは!?」と思ってしまいましたが……。 そういうわけで(?)ファンアートを描きました。星乃さん、才色兼備で素敵です。 @ネタバレ終了 すべてがハイクオリティで大満足な作品でした! 素敵な作品をありがとうございました!
