冬紀のレビューコレクション
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graduation各短編を読み進めることで、徐々に明らかになっていく先生の過去……。先が気になって次々読み進めました。 @ネタバレ開始 『卒業』というテーマですが、それぞれ『卒業』という言葉の捉え方が違っていて面白いです。単純に『学校を卒業する』だけが卒業ではないのだと思いました。 また、全てのお話で形態が全然違って(メッセージウィンドウやフォント、テキストの表示や演出)、それもとても興味深かったです。私もシナリオで参加させていただきましたが、他の方々のお話は初めて読んだので、楽しむとともに、一制作者として、勉強もさせていただきました。それぞれの作者さんの個性と独創性が光る演出でしたね。 それぞれの話は1000文字縛りのため、やはり少し物足りなさがありますが、日常の何気ない一コマや、映画のワンシーンを切り取ったようなお話で、とても楽しませていただきました。 一つ気になったのは、『昔の作品』という設定なのに、SNSが出てくる点でしょうか……(外でもない私の書いたやつですが……)。 (私を含め、製作陣はシナリオが別個に提出されたものだと知っているので気になりませんが、初見さんは戸惑うかもしれません) 先生の言葉に何度も共感したし、最後、感動しました。 無事に本にできたし、止まっていた先生の時間も動き出し、編集くんも前に進めるようになって本当に良かった……! @ネタバレ終了 あと、OPがとてもかっこよくて好きです。何回も聴いちゃいます。 制作お疲れ様でした!
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しようよ七海君!柘榴雨さんの過去作とはテイストが違いすぎて、ツイッターのTLで見かけたときは「え!???」となりました。 @ネタバレ開始 これはやらねばなるまいと思い、プレイしたのですが…… 予想外にめっちゃいい話で……七海君が超絶いい人で優しくて、こんなまっすぐでいい子久しぶりに見た……と感動してしまいました。ポーズがキザだなって思ってしまって申し訳なかった……。 戦闘ボイスがいいタイミングで入ったり……テンポよく進むギャグからの、あのENDは予想外で、おそらく今期一印象に残るゲームになると思います。 ツッコミが追いつかないお話で、とても面白かったです。 ……ただ、誘惑のためとはいえ、スカートや靴下を脱ぎっぱなしにしたり、えっちな漫画を置いているのを好きな人に見られて、野太子ちゃん、恥ずかしくないのかな……大丈夫かな……?と違う意味でずっとハラハラしてしまいました(笑) @ネタバレ終了 面白かったです!
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エレベーター ~性格不安定な僕とみよちゃんの物語~懐かしい感じのドット絵とBGMが味があっていいですね。 @ネタバレ開始 ……全てひらがなの『あらすじ』が不穏でした。もしやホラーか?と思いながらプレイしました。ENDは全て回収はできませんでしたが、12個もあるのでホラーもあるかもしれない……? 「独り言は気持ち悪いですよ」など、主人公の行動によって、ツッコミを入れてくるみよちゃんが面白いです。 ジト目でこちらを睨んでくる表情が特に好きです。 主人公の性格が不安定って、メンヘラとかかなぁと思っていたら、プレイヤーの選択によって極端に性格が変わるからだとわかって、ふふっとなりました。 @ネタバレ終了 ティラノ製とは思えないくらい、独創的な作りだったので驚きました。非常に作り込まれていて面白かったです。
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黒い森のリドルメアモノクロの雰囲気が素敵で、気になったのでプレイしました。 自分の信念を持っているリドルさんたちのお話はちょっと変わっているけれど、奥が深く、『確かにそうだ』と納得できて、彼らの話がこの物語の結末にどう絡んでくるのか気になって一気に読み進めました。 @ネタバレ開始 何を正しいとするかは人ぞれぞれで、何を優先するかも人によって違う……そういったことを考えさせられるお話でした。 テーマが興味深く、面白かったです。 @ネタバレ終了 雰囲気的に童話みたいな感じかな?と思っていたのですが、お兄さんのツッコミや、天然系の妹ちゃんのやりとりにクスリとしました。 ……でも、結局のところ、ナマニクさんとは何者だったのでしょう……? 字が大きくて読みやすかったので、1時間かからず読了しました。選択肢で(おそらく)セーブできないので、これからプレイする方は、こまめにセーブするといいかもしれません。
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透明人間(仮)他人の感情に寄り添えるか、人の立場になって物事を考えられるか、自分の放つ言葉の重さを自覚できているか……など、いろいろ考えさせられるお話でした。 @ネタバレ開始 ギリギリで生きているときって、ささいな言葉が一番心にくるよなぁ……と思って辛くなりました。直接的な嫌がらせや暴力よりも、大事な人の何気ない一言が何より辛い……。 いじめは見て見ぬふりも同罪とまでは言いませんが、彼女のために何か少しでも行動を起こせていれば、彼女は救われたのかなぁと思うと辛いですね。でも、子供だとそれも難しいのもわかるので、いじめ問題は本当に難しいですね……。 @ネタバレ終了
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蝶塚 -昆虫標本慕情-先生の蟲談議をひたすら聞くという、一風変わったノベルゲームでした。 あまり蟲について深く考えたことがなかったので、先生のお話はとても興味深かったです。 @ネタバレ開始 最後、あかねちゃんが蟲になってしまったのは驚きですが、『なりたいもの』になれたのは救いがあっていいなと思いました。何が幸せかは人それぞれで、人と違っててもいいんだよ、と言われているような気がして、救われた気がします。 @ネタバレ終了
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せや、ひとりかくれんぼでもしたろホラーって書いてあるけど、怖くなさそうだなぁと起動したら、タイトル画面がちょっと怖かった……。 @ネタバレ開始 ゆるい感じのイラストの合間合間に、突然写真が出てきてちょっと怖かったです。 あと、やきうさんが『ひとりかくれんぼ』をした後に、普通に『原住民』さんと喋っているシーンが入ったので、「ぬいぐるみが実態化した……!?」と思って怖かったのですが、初めから友人の名前を使っただけだったんですね……(笑) 終わったと思ったら続きがあったり、そのラストがゾッとしたり……短いけれど楽しかったです。 @ネタバレ終了
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天海のメッセージボトル『メッセージボトル』は昔、私も憧れて何度かやったことがあります。自分の言葉が『どこかの誰か』に届くかもしれないなんてロマンですね(私の場合、波で全部戻ってきてしまいましたが……)。 @ネタバレ開始 どこへ届くかわからないメッセージが、何度も同じ場所に届いたのはそういうことだったのですね……! 最後はうるうるしました。彼女が無事に宇宙から戻ってきますように……。 @ネタバレ終了
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おしまい少女とても短いお話ですが、優しい気持ちになれるゲームだと思います。 あとがきにあった彼女のお話、読んでみたいです。 @ネタバレ開始 「少女が……動く!!」 スタートした途端、そう叫びました……。口も手も、とても自然に動くので驚きました。 『おしまい』とタイトルにあるので悲しい話かと思っていましたが、優しいお話で安心しました。 終わりの見えないことは確かにしんどいですね……(ゲーム制作とかゲーム制作とかゲーム制作とか……) 深く共感するとともに、難しい機能を取り入れたゲーム制作をやり遂げた作者様に拍手を送りたいです。すごい……! 制作お疲れ様でした。 @ネタバレ終了
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嘘の手紙モノクロの画面がシンプルなのにセンスが光る作品です。 最初は全然意味がわからないのに、気になってついつい進めてしまいました。 焦燥感を煽るBGM・SEや、少しずつ変わる画面、『嘘』の文字……探索は楽しいけれど、明らかになっていくのは不穏な真実……このまま進めて大丈夫なのだろうかという不安感、けれどもどんな結末なのか知りたいという好奇心……とても楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 BGMが消えた階段で手紙を開いた時、ハッとしました! 真ENDの後の青空がとても印象的です。 @ネタバレ終了