六夏/NUMBER7のレビューコレクション
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ティラノフェス2022オープニング
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A-lineワンルーム失恋ADVというキャッチフレーズ通り、主人公の失恋を追っていくアドベンチャーゲームです。 基本的にはお話を読んでいく形式で進みますが、部屋を探索できるパートもあり、『失恋』と『ワンルーム』を思う存分楽しめるゲームでした。 音楽もグラフィックもとにかくセンスに溢れていて心地よく、とても素敵でした。テキストはゆったりしたテンポで、とても繊細に情景を描き出してくれます。ストーリーとしても大きく動くというより、ゆっくり流れていくという感覚でした。飲み物を用意して、ゆっくり失恋を噛み締めつつストーリーをじっくり追っていくのが私のおすすめの遊び方です。 テーマは『失恋』ですが読後感はとても爽やかでしたので、イラストの雰囲気に引かれたら気軽に手に取ってみてほしいと思います。主人公に共感して泣いちゃうかもしれませんが、最後はきっと遊んでよかったと思えるはずです。
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修学旅行 ~性格不安定なまみちゃんと僕の物語~修学旅行を好きなようにはちゃめちゃに楽しむアドベンチャーゲームです。 キャラメイクから行動の選択肢、エンディングの数まで作り込みが細かく、とにかくできることが多くて好き勝手できるのがとても楽しかったです。コミカルな雰囲気なので、突拍子もないことも安心してできてしまうのも魅力だと思います! レトロなスタイルは、ビジュアルはもちろんテキストまで徹底されていてこだわりが伺えました。知っているとにっこりできるオマージュも仕込まれています。 ライトにもディープにも遊べるゲームなので、まずは気軽に一度修学旅行に出かけてみるのはどうでしょうか。世界に1枚だけの思い出の写真も撮れますよ!
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少年カンテラとハイツコール死者たちの要求を1分間で解決する一風変わった探索アドベンチャーゲームです。 ダークで美しく退廃的な世界観、個性的で憎めないキャラクターたち、印象的な音楽、飽きさせず親切なゲーム性と魅力満載でした。 始める前は探索アドベンチャーで1分は短いのではと思っていましたが、遊んでみると思ったより色々なことができて驚きました。難易度もちょうど良く、あれこれ試行錯誤して時間ギリギリに滑り込んだ時には思わずにっこりしてしまいました。また、本編終了後のミニゲームもやりごたえがありますので、これからプレイされる方はおまけと思わずぜひ最後まで楽しんでほしいと思います。 舞台となる「ハイツ鏡野」の住人たちの背景はどれも重いものですが、それでも全員に愛嬌というか人としての魅力があって、プレイ後はみんなの重さも含めて愛せてしまう不思議な感覚がありました。 アートワークや演出に秀でた作品だと思いますが、それ以上の体験がありますので、ぜひたくさんの方に遊んでみてほしいと思います。 また、アップデートで追加されたボイスもとても聴きやすく各キャラクターにぴったりで素敵だったので、すでに遊んだことがある方ももう一度「ハイツ鏡野」を訪れてみてはどうでしょうか。
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反動のクラウドレイジ FREE BATTLE『反動のクラウドレイジ』のコマンドバトル部分だけを楽しめるお祭りのようなゲームでした。 個性的なキャラクターたちで自由にパーティを組んで、戦略性の高いバトルに挑むのが楽しいゲームです。『反クラ』本編から要素が追加され、さらに戦略の幅が広がって、時間が溶けるゲームになりました。 またSFらしい効果音や演出が気持ちよく、テンションがめちゃくちゃ上がります。 追加コンテンツもファンにはとても嬉しい要素で、敵の新しい攻撃にあわあわしたりキャラ同士の会話ににっこりしたり……。 もちろん、キャプションにある通り『反クラ』を知らなくても楽しめると思います。キャラクター選択時にステータスなどが表示されるので、キャラクター選択にも迷うことがないように配慮されています。そして、どんな話なのかな、どんなキャラなのかなと興味が出てきたら、ウェブサイトをチェックしたり、本編をプレイしてみてください。フリーバトルがより楽しくなります!『反クラ』はいいぞ!
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僕らのノベルゲーム高校生たちがノベルゲームを作ったひと夏を描く一本道のノベルゲーム。 青春だ〜!とニコニコしたりヤキモキしたりしながら、終始楽しく拝見しました! それは違うじゃん、とか、どうしてそうなっちゃうの!とか、思わず口を出したくなるもどかしさは、等身大に描かれた彼らならではの魅力だったと思います。 大人から見ると、スタートからしてよくできた計画ではなかったように思えますが、それでも駆け抜けていく彼らを最後まで見守ることができたのちは清々しい気持ちになれました。 また、立ち絵がぴょこぴょこ動くのも可愛らしく、ストーリーだけでなく画面にも飽きさせず読ませようという作者さんの努力が反映されてるのだなあと感じました。 情熱に満ちた素敵な物語をありがとうございました! 今後のご活動も、陰ながら応援しております。
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ヤドカリ謎の生き物『ヤドカリ』にまつわるお話ですが、青春ストーリーであり、ジュブナイルでもあり、ワクワクするもののがたくさん詰まった欲張りセットでした! 始まりはコミカルな印象でキャラクターたちの軽快なやりとりを楽しんでいたのですが、気がつくと足元に影がかぶさっていたような感覚があり、どうなるの、誰が、どうして、とどんどんストーリーに引き込まれていきました。 ノベル形式の画面ですが、文章は読みやすく設計されているので普段小説を読まないという人でも苦なく読めると思います。 ラストシーンはとってもかっこよくて、これアニメ化しよう!? とひとり心の中で叫んでいました。ババっと頭に映像が流れてくるあの感じは、文章の素晴らしさの賜物…… ワクワクする時間をありがとうございました! 今後のご活動も、陰ながら応援しております。
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ラヴ・シルエットシンドローム好きな女の子の姿がシルエットでしか見えなくなってしまった主人公の、ハイスピードラブコメノベルゲーでした。 とにかく楽しくて、わーわーしているうちに一気に最後まで駆け抜けていました! 最初のうちは選択肢はどれが正解がわからず右往左往しましたが、作者さんが概要欄に攻略を描いてくださっているので、攻略は難しくありませんでした。でも、失敗しても面白い会話が展開されるので、ついつい失敗を選びたくなってしまう罠……! また、アナザーエンドからおまけの流れが最高なので全人類最後までプレイしてくれのきもちです。 楽しい物語をありがとうございました! 今後のご活動も、陰ながら応援しております。
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大晦日の夜~ある年の瀬の話~少し不思議な大晦日のお話。 ウツロシリーズの番外編とのことで、ウツロくんたちらしい大晦日を一緒に楽しませていただきました。 気軽に読めるサイズですが、わちゃわちゃしてて可愛い……可愛い……、そしてやっぱりヒヤリとさせられるこの感じ……と大満足でした! また、クリア後のご褒美も大変楽しく拝見しました。 素敵な話をありがとうございました。次回作もそっとお待ちしております!
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市にて~ある夏の一日~【完全版】突然迷い込んでしまった不思議な市でのお話です。 プレーヤーも何が起こっているのかわからないまま、主人公であるウツロくんと不思議な世界に引っ張り込まれていく感じがあり、とてもドキドキしながら楽しませていただきました。日本の夏らしい蒸し暑くじっとりとまとわりつく空気を自分の肌で感じられるような素敵な作品でした。 ジャンルとしてはホラーでヒヤリとする演出もありますが、脅かし要素などはないので、ホラーが苦手な方にもおすすめです。 全エンド見た後は番外編の『大晦日の夜』も待っているので、これから手に取る方もぜひ隅々まで楽しんで欲しいなと思います! 素敵な作品をありがとうございました。今後のご活動も、陰ながら応援しております。