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あびのレビューコレクション

  • ただ、それだけの話
    ただ、それだけの話
    それだけで済ませてはいけないような、けれど確かに「それだけ」であったのならば、ただそれだけの話でもあるのだろう話を先生から聞いていく掌編集。自分で言きながら何が何だか分からない説明文だ。 たまにホラー風味だったりはしますが、さくっと語り終える、あまり深入りはしないことや語り手が無事という結末が先にある安心感などからホラーが苦手な方でも読めそうな作りになっていて、それでいて興味を惹かれる面白い話でした。 ひとつひとつの話は短いので途中で飽きることもなく、おおよそ一気に読んでしまいました。背景やBGMの変化も良いアクセントになっています。夕暮れを感じるグラフィックの雰囲気も素敵でした。 しかしゲストさんの話の中には、やっぱり「それだけ」の話ではないのでは!? と思ってしまうような話もあったり……。そちらは「それだけ」とは言ってないので……。 どうしてそんな話をしてくれるんだ……? などと疑問に感じていたりもしたので物語のエピローグには納得感がありました。お話をしてくれる時の先生の表情が好きだなあ。

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  • だいすき
    だいすき
    初手帰宅終了再起動。 あらすじとサムネで何が起きていたかは早々に察せられますが、恐らく主題はそこではない、何が起きたかではなく、どうして起きたかの方かな……。そんなことをプレイしながら思いました。つまり結果も衝撃的ながら、それ以上に感情に重きが置かれている印象で、次第にそちらに焦点を向かわせる描き方が上手いなあと。 イラストの様々な差分を用いた演出や音楽演出が非常に効果的でドキドキワクワクしました。 タグにもある通りヤンデレ要素を含んだ作品ではありますが、その心情について冗長にはならずも丁寧に語られており、確かな断絶はありながらも寄り添って描かれた感がとても良かったです。

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  • 先輩、私の背中を押してください
    先輩、私の背中を押してください
    無感情に淡々と終わりに向かうさまが虚しいような切ないような何とも言えなくなる物語でした。最後の一日の過ごし方。 あの状況に立ち会ったのが主人公以外の存在であったならば別の結末が待っていたんじゃないかとも思いましたが、それでも後輩ちゃんにとっては主人公こそが理想的な肯定存在だったのでしょうね。 そんな一種の運命的な出会いであったからこそ、他の可能性にて奇跡や祝福に恵まれる道を想像して切なくなってしまいます。 (以下ネタバレ含) タイトルを見た時点で終わり方については察していたのですが実際に結末を見て真っ先に思ったことは「あっこれ他殺になってしまわない?」でした。なる……ならな……まあバレなきゃセーフかな……。 残されたものばかりが重くなっていく。

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  • 冬咲の花
    冬咲の花
    お花によって変わる短編集。個人的にはアロエルートのEND1……と言いたいけどEND1が二種あるんですよね……ピンクの花エンドがぞくっとして特に印象的でした。あとEND9も……! その子は~でも思ってましたが錠くんの訛りイントネーションと性格がすごく好きです。そんな錠くんのかっこいい所が今作では見られたのでヒュ~ッ! という感じでした。かっこいいぞ錠くん! どのキャラも魅力的で、それからルートによって選択肢での変化の仕方も変わるのも楽しかったです。おまけは完全に予想外の方向から来て笑いました。

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  • 臨界天のアズラーイール
    臨界天のアズラーイール
    とにかくアズちゃんが可愛くて癒しでした。すき。 ゆっくり休憩も入れながら読んだのでプレイ時間は大体十時間+バッジ捜索で数時間ほど。でも見付からなかったょ……。 否定ルートの方を否定するという訳ではありませんが、やっぱり僕は肯定ルート! 伏線回収が好きなので作中では解説されてない伏線も含めて色んな伏線が回収されていくのが気持ち良かったです。何より劇的な展開が面白い。 美麗なイラストグラフィックとバリエーション豊かな音楽も非常に素敵でした。様々な楽器を使われており、その幅広さすごいのですが、やはりピアノを用いた楽曲が特に好きです。BGMタイトルが一種のネタバレなので名前を出せませんが(笑)例の名前のシーンでのBGMによる盛り上がりがすごかったです。 全体的に非常にハイクオリティな作品でした。

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  • 繭の夢
    繭の夢
    ムービーエフェクトとテキスト演出をふんだんに活用して作られた独特の世界観がすごかったです。 あまりというか虫は大分苦手なので割と警戒しながら挑んだのですが、思っていたよりは虫要素はなく、そして面白い内容でした。 各エンディング一瞬だけ変化する所で、どこかゾワッとした感覚を覚えながらも途中までのエンディングでは面白い世界観だなあと思いながら見ていたのですが、最後のエンディングにはゾクリときました。 胡蝶の夢ではなく繭の夢。深く深く沈んでいくような雰囲気に、ぐるりと世界が反転するような感覚が良かったです。

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  • ウィッチ・イン・ホワイト
    ウィッチ・イン・ホワイト
    マクュアスウィちゃんとのゆるゆるとした独特のテンポの会話がとっても素敵なゲームでした。 オープニングではシリアスかな? と思ったのですが本編はすご~くほのぼので、だけど先にオープニングを見ている為に、プレイヤー視点、その背後の謎に興味を持ちながらマクュアスウィちゃんとの時間を楽しめたのが良かったです。 ハイクオリティなイラストに、また選択肢が非常に豊富で(特にニックネームのパターンがすごい)(例のニックネームにしているとおまけでテキストが少し変化する拘り等も嬉しいですね)、それらに対するマクュアスウィちゃんの反応も可愛かったり興味深いものが多くて、本当に色んな選択肢での会話を試せて楽しかったです。 普段は何となく片言っぽい(というより余計な言葉の修飾をしない口調というべきでしょうか)のに人の言葉の暗唱をする時はスルスルと口調もそのままに言うところなどにマクュアスウィちゃんの魅力をとても感じます。その不思議さ故に遠くから見ると触れにくいような印象があるけど、いざ実際に話してみると素直でジョークも好きな良い子という感じで。キュート! 求人広告のセンスがすごく好きです。それからタイトル画面後のシーン選択も便利でありがたい且つ素敵なデザインでとても良きでした。

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  • 巡る少女と彼女の望み-
    巡る少女と彼女の望み-
    記憶喪失と少女アリサの謎を巡るサスペンス。読み進めていく内に大体の予想として察せられはしますが、やっぱり作中で明確に真相が暴かれるとドキドキしますね。ワクワクして面白かったです。 選択肢は虱潰し総当たりで念の為に二周分+@ほど確認してきたのですがEND2を見……見た……? 見たかな……見てない気がする……。途中から同じ選択肢を選んでも違うENDに行き着き始めたので分かんない! タイトル画面の表示演出が好きです。アリスちゃんの可愛らしくも時に闇を感じさせられる言動も全体的にバランスの良さを感じられて良かったです。 (以下若干ネタバレ含) アンナちゃん、記憶を失う前の方が倫理観がない……ような感じがするのが何とも言えない虚しさですね。その辺の倫理観を失う程の境遇を経てないが故に受け入れられないのかな、というか。どうしてこんなにも人間性がありすぎた……。 END3ラストのイラストがかわい~くて切ないです。

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  • 天使のしくみ
    天使のしくみ
    背景まで可愛らしい豊富なイラストに、蝉の声のBGM、湿りを帯びる肌、そんなじめじめとした夏の空気感がとても良かったです。メニュー画面のアイコンイラストも可愛い~! 何故かエンディング数を二種類と勘違いしていたので、HAPPY→BITERで見た後に途中のテキストだけ確認しよ~と思って選んだTRUEENDをスキップしてしまって最後にえっ待って待ってそのスチル知らないえっエンディング三種!?(三種)と慌てるというようなことを初見でやってしまいました。笑 どのエンディングも読み手の感覚次第でハッピーエンドの定義が変わり得るような一概には言えない雰囲気のあるエンディングだと感じましたが、それだけに二人の執着が強く感じられて、どのエンディングも良いなあ、と思えました。 探索モードや一部スチルなど、お喋りする時に逢瀬くんが視線をこちらに向けてくれる所が好きです。あとアヒルさんが予想以上に多くてふふってなりました。

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  • 法律か金か
    法律か金か
    結末は分かっていても逮捕する選択肢を一度は選ばないと気が済まない……! という感じで逮捕エンドを逐一確認しながら、もう片方のエンディングを見てきたのですが、あああそうなるのか……、と選択肢が表示された時の……なんと言えばいいのでしょうか……或いは衝撃である或いは虚無感よ……。 風刺感が強めの作品ですが敢えてフィクションとして切り離した上で言うと上の判断がガバガバというか駄目なら駄目とそっちで判断してくれ他人に一任させるんじゃな~い! という感じで……。そういうあれこれに下を巻き込まないでくれ~! ぷんすこ。

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