regalec243のレビューコレクション
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はじめての!あかねとジョーキョーパズルシステム・UIまわりが非常に充実したすごい作品でした。 オプション設定から多彩で、それだけでなく曲名表示や大量のログが見れる質問ログ・マーカーなど本当にかゆいところに手が届く作品で、このようなUIをいずれ作りたいなと強く感じました。 質問パートで質問が好きなだけでき、分かった段階で回答パートに移れたりする点などとにかくストレスフリーな作品でした。 質問パートは、質問に「new」のマークやチェックマークがついたり、イエス・ノーだけでなくあかねが色々コメントをつけてくれるのが楽しくて、ついつい全部質問してしまいました。 非常に充実した推理ゲームでした。ありがとうございます。
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白雪舞う夏の日々兄妹の何気ない日常を描いた作品でした。 日常・ギャグ(パロディとか)に特化した作品で1時間を超えるボリュームのある作品は珍しく、新鮮でした。 日常系の作品はともすれば冗長に感じることがあるのですが、本作は大きなシナリオが独立に3つあって、その中の選択肢で展開がどれも変わっていき小ネタも色々違うので飽きることなく楽しめました。 また、色々なシナリオを通じてキャラクターの輪郭がはっきりしてくるのがよかったです。不器用ながら兄になついている妹と兄の会話劇はほほえましく、癒されました。 おまけシナリオは他より少し真面目な話で締めとしてよかったです。兄の考え方は割と好きです。 ほのぼのとした作品ありがとうございました。
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向日葵に添えるアイリス再読いたしました。やっぱり何度読んでも切なさを感じるお話です。 空白行を多く入れており、テキストボックス内の文字配置に視覚的な美しさを感じました。特に、後半の畳みかける文章のところは美しかったです。 句点などで文字送りをストップすることも多く、それによって生じる間もとても生きているなと思いました。読点区切りとかだったらここまでのインパクトは得られなかった気がします。 後、効果音を入れるタイミングのバランスがよくて、それも印象に残っています。 ノベルゲームとしての強みを効果的に使った印象的な作品でした。ありがとうございます。
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Velkyuria 三人の姫君背景・立ち絵・CGどれも自作で力の入った作品でした。ファンタジー的な要素が自作素材を使うことで効果的に引き出せていたと思います。クリアしたEND数によってタイトルが変わるのもなかなかよかったです。 内容としては、ベルのいじらしさもさることながら、ウォーレン教授が全体を通して良い立ち回りをしていて、生徒思いで研究者気質な面が要所要所で見られてよかったです。 ED回収をするにあたって、既読スキップはとても助かりました。少し長めのエンドロールが飛ばせればもっと快適になると感じました。
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小山内家の掟~引っ越し編不器用な家族のお話しでした。 キャラ設定や展開がなかなか激しくて、どのように終結するのか少し不安だったのですが、結構好きな着地の仕方ですっきりと読み終えられました。 エンドはトゥルーもいいですが、妹エンドが「掟」によって繋がれた家族の再生というように個人的には読めて、後味がよかったです(結構回収に苦労しましたが)。 掟がある家って身の回りにはあまり見ないなあ。
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アリスと黒うさぎ主人公がとにかく健気な作品でした。 エンド4,5はバッドエンド感がしますが、エンド1,2,3は主人公的にはどれが一番いい結末なのか分からないなとか感じました。全体的にはエンド1が一番救われるエンドですが…。 エンド1~3はどれも後味の悪くないエンドに仕上げていていいなと思いました。 演出はエンド1のエンドロールの演出が特に好きで、エンド3の少し不気味な演出も結構好きなタイプの演出でした。 コンパクトですっきりした作品で楽しめました。
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積層のAestivum心揺さぶられる作品でした。 書き出しは作品の雰囲気を象徴するものになるのですが、この書き出しがとても印象的で、すぐ作品の世界に惹きこまれました。 個人的にはかなり泣けた作品で、よく推敲された構成と言葉選びによって、作品の世界にのめり込むことができたからこそだと感じました。 全体を通して演出も見事で、文字の見せ方、立ち絵の変化、BGMの有無などが工夫されているため一層ストーリーが際立っている気がします。 BGMや立ち絵・背景なども世界観にぴったりだから猶更良いなあ。 シナリオも何個か山があって特にお気に入りのシーンやフレーズも多く、メモ代わりに残しているスクショの数がかなり多くなってしまいました。セーブスロットが多いのはありがたいです。 読了後も暖かな余韻を残す(今も残っている)作品で非常に充実した時間を過ごすことができました。 ありがとうございました。
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マーメイド物語最初サスペンス系かと思ったら、良い意味で裏切られてファンタジー系の素敵な作品でした。 背景を全体的に茶色っぽくなるように加工している点が、キャラの素敵なイラストと相まって幻想的な雰囲気を創り出しており、お気に入りです。 BGMも特にオルゴール調のものと聖歌風のもののチョイスがよくて、作品の雰囲気を引き立てていました。 ストーリーやキャラは童話や人魚伝説をモチーフにしたもので、そのモチーフを生かしつつ独自のシナリオを作り上げており、魅力的でした。 特に下の選択肢のエンディングは非常に読後感がよくて、暖かい気持ちになれるシナリオでした。 よかったです。
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あなたの命の価値虐待・児童養護施設に関するシナリオ勝負な作品でした。 OPやEDは、作者様が作詞して依頼されてできたものということでストーリーとよく合致していました。ティラノ作品で音楽鑑賞モードがあるのは珍しく、それもよかったです。 作品の題材について、後日他の文献をあさるほど強く興味を持つ作品は、色々な作品を読む中で極少なかったのですが、この作品はそのような作品になりそうです。そのくらい作者様の熱意が感じられる作品でした。 作中で主人公たちの周りの環境はとても暖かく優しく、そんな理想的な環境だからこそ暖かな結末を迎えます。だからこそ現実の冷たい環境と追随する現実の暗い結末に目が行ってしまいます。 僕らは他の環境(希死念慮など、虐待に限らず)にいる方々を無意識に憐憫の目で見ることで、自尊心と自分の世界の平穏を保とうとしがちに個人的には思いますが、そこに問題を投げかけてくるような作品に感じました。
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春の姫王道ストーリーの恋愛学園ものでした。 兄想いの弟妹がなかなか良い役割をしており、要所要所で主人公をサポートしてくれるため安心して、ほのぼのした雰囲気を楽しめてよかったです。 この手の話は主人公がひどい自己嫌悪に落ちたり悲劇的なイベントがあったりしがちなので。 ストーリー展開のテンポがよいので中だるみがほとんどなく、読後感までさっぱりした作品でした。 それでも、ストーリー展開の要所要所はしっかり押さえられており、二人の微妙な距離感を楽しめる良い作品でした。