浦田一香のレビューコレクション
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白夜想シナリオのトリックも見事でしたが、
それ以上に残った二人、脱落した二人の話をもっと読みたいと思いました。
会話というのは、人間らしさでもあります。
人間らしさを奪われた悲しみや苦しみ、
それに立ち向かう彼女たちの姿をもっと見て見たいと思いました。
そして、こんな世界でなお、相手を愛している二人。
抗うことができないルールの中で、懸命に
生きて、愛するという人間らしさを忘れない二人こそ
この作品を象徴しているのではないかと思いました。 -
ピーピングプール人間らしい感情、独占欲を描いた作品です。
一見すると、いじめ、からかい、いやらしい感情の作品ですが、
むっちゃんの成長を描いた作品とも言えます。
守られて、誰かに頼らないと生きていけないような
弱い少女が、成長して幸せを掴む話でもあります。
むっちゃんは意志が弱い女の子に見えて、
たい焼きや魚の食べ方に対して、強いこだわりがあります。
それは、むっちゃんのという人間を形成する個性に
他なりません。
きっと、むっちゃんにも自分の個性をわかってもらいたい、
このままの自分ではいけないという思いが
学生時代にあったのだと思います。
分岐点となったのが、「私」にたい焼きの好みを
話し、笑ったことだと思います。
むっちゃんが自分らしさを全面に押し出せた瞬間でもあります。
周りに流されるだけではない、自分というものが
むっちゃんもちゃんとあるのです。
この経験があったかからこそ、誰よりも先に
幸せを掴むことができたのでしょう。
学校という空間で(たい焼きの場面は商店街でしたが)個性や
自分を出すのは、とても勇気のいることです。
わかってもらえないことが、たくさんあります。
ですが、1人でも理解してくれる人、否定しない人がいれば
その人は成長できると思いました。
素敵な青春ストーリーでした。 -
向日葵に添えるアイリス花に関する素敵なお話です。
人は花に比べ必ずしも、長生きとは限りません。
早くして亡くなってしまう人もいます。
ですが、最期の時まで寄り添ってくれる存在が居れば
不幸とは言い切れないと思いました。
人が必ず死ぬように、花も必ず枯れます。
しかし、花はまた季節が来れば咲きます。
人間も同じで、死ぬ人もいれば生まれてくる人もいます。
そんな、季節の移り変わり、生命の移ろいを
綺麗に表現した作品だと思いました。 -
いつも仲よしボクの家一週目でパパを選び、二週目でママを選びました。
ホラータグ通り、恐怖を感じました。
しかし、それと同時に悲しみも感じました。
子供は無力で親に養われることでしか
生きていくことができません、
だというのに、子供は親を選べません。
この作品はどちらを選んでも、幸せな結末とは言えませんね。
きっと、子供が生まれた当初は幸せな家庭だったのでしょう、
ですが、仕事に忙殺されていくうちに、離婚という
手段を取らざるを得なくなった。
そして、一番大切だったはずの子供に
悲しみや苦しみを背負わせることになった。
さらに悲しいのが、子供の前で両親ががお互いを
罵り合うことです。
人は変わっていく生き物です。
それは、決して良い方向ばかりではありません。
愛も不変のものではありません。
恐怖以上に、様々な悲しみを表現した作品だと思いました。 -
サマー・ロビン・ガールとても良い作品でした。
引き込まれました。
子供は無邪気で、何も悩みがないように見えて
誰でも悩みを抱えている。
そんなことを気付かせてくれる作品です。
自分が子供だと思う。
あるいは、大人になりきれていないと思う方は
ぜひプレイしてみてください。