九州壇氏のレビューコレクション
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ツヅリマツリ高校生の少年が、田舎の町で女の子に出会い、一緒に過ごすお話。ビジュアル面含め、素朴な夏の良い雰囲気が感じられて良かったです。 お話の構成も良かったと思います。少しずつ真相が見えてくるので、どんどん読むのが楽しくなりました。盛り上がるべきところでちゃんと主人公が格好良く活躍したところも好きなポイントでした。みのりちゃんはかわいいですね。カレーを食べるシーンが特に好きでした。
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しがない高校生の日常タイトル通り、ある高校生の日常を描いた作品。僕も、あまり楽しくない高校生活を送っていたので、結構共感して読めました。誰も来ない場所、知っている人が誰も来ない場所を求めるのは、今もあまり変わりません(笑) ストーリーも興味深いですが、作者さん自身にもすごく興味がわきました。どんなお気持ちで本作品を作ったのか……。個人的には、やはり「怒り」はあるのではないかと思いました。社会に対してだけでなく、自分に対しても、ですね。他の作品もあれば是非読んでみたいと思いました。
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(短縮版)忘れられない歌 ~light side~性格がバラバラのメンバーがバンドを組んでいく過程を描いた作品。キャラクターがたっていて、良かったです。あまり音楽活動に詳しくないのですが、全然ストレスなく読めました。これからどうなっていくのかが楽しみなストーリーです。特に、主人公と彩未の意識のズレは興味深い。それぞれ信念を持ってやっていく中でどう折り合いをつけていくのか……。続きが出ればまたプレイさせて頂きたいと思いました。
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隣人と和解せよニアちゃんが魅力的で、どのルートもとても楽しかったです。ビジュアル面は素晴らしいとしか言いようがないですね……。セリフはないのに、表情と挙動だけで感情がひしひしと伝わってきました。 分岐後のお話についても良かったです。大きく分岐するというのに、矛盾した話や内容の薄い話はありませんでした。全ルート見ずにはいられない魅力を持った作品だと思います。
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ようこそ。この美しき世界へ10分もかからずに終わる短編。しかし、読後の満足感はかなり大きかったです。読み終わるとこの世界が今よりも少しだけ好きになれる、そんな作品でした。 色鮮やかな風景はあえて後半に使うという演出も、効果的だったと思います。登場人物らも良い人ばかりで、こちらも優しい気持ちになれます。主人公のこれからの人生が幸せなものであってほしい。そう願わずにはいられませんでした。
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ヤンデレ妹は愛したいっ!ヤンデレのヒロインが出てくるお話。10分ほどで終わる短編です。実は仕掛けがあるわけですが、さすがだなと思いました。「ヤンデレ」というパワフルなワードを前面に出すところもうまいですよね。読者としては、それを聞くと前もって色々とイメージして読み始めてしまうわけですが、それ故に、あの仕掛けに全然気が付けなかったのかな、と。同じ制作者として、勉強させて頂きました。ラストの展開も好きです。 また、イラストのレベルが更に向上しているところも素晴らしいと思います。
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臨界天のアズラーイール僕の趣向にマッチしていたこともあり、最近のプレイした中では特に印象深かった作品です。ビジュアル面、演出面もレベルが高いですが、特にシナリオの質の高さに感動を覚えました。読者を飽きさせない展開と、作中のテーマの描写が見事に両立したシナリオだと感じます。先が気になってやめられなくなり、後半は主人公らを応援せずにはいられなくなる……。物語として、実に理想的なものではないでしょうか。自分も、こういう作品を作りたいなあなんてぼんやり思っていたりします(笑) キャラクターも皆魅力的で、特に麗美さんが好きです。アズもかわいいですね。 また、タイトル画面のBGMをはじめとした音楽も素晴らしい。これほど作品の雰囲気にマッチしているのは、作者さんがシナリオも曲も作っているからだと思います。大作になるほどひとりであれこれ担当するのは大変になるわけですが、ひとりで作るからこそ出せるメリットもあるのだなと再認識。個人制作を続けている身としては、励まされました。 総じて、作者さんの力量に尊敬の念を禁じ得ない作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました。
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先輩、私の背中を押してください登場人物らの行動に賛否両論あるだろうと思われる作品。僕としては、別の答えを出せなかったのかな、と思ってしまう派ですね。 「その人の痛みは、その人にしか分からない」それは一理あるし、「何をしてあげるのが相手のためになるのか」という問いは、答えを出すのが難しいものだとも思います。更に言うと、他人の生き方に口出しして責任とれるのか、なんて考え方もあるかもしれません。 ただ個人的には、それでも別の行動をとってほしかった。ヒロインだけでなく、主人公にも。「生きるのは確かにつらいことが多いけど、時々良いこともある。もう少し生きてみると、そんな風に思えるかもよ?」個人的にはそんなことも言ってあげたくなりました。 作品についてですが、雑談のシーンの描写がいかにも学生さんらしくて良かったと思います。色々と考えさせてくれる物語をありがとうございました。
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贖罪と命以前にもプレイして、感想をブログに書かせて頂いた作品です(https://62469779.at.webry.info/201903/article_1.html)。僕と主人公では価値観が異なるところもあり、正確に内容を理解できたかは分かりません。ただ、読了することで改めて自分を見つめ直すことができたと感じた作品です。彼のその後を考えてみるのも、興味深かったです。 タイトル画面のイラストも個人的には好きです。味がありますし、本作にふさわしいものだと感じます。
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今日、真夏の星を、愛衣と楽しく読むことのできる学園青春ノベル。夢に入ることでヒロイン達の内面を垣間見るというシステム、面白かったです。眠ってしまうべきなのか、何度も迷いながらプレイをしました(笑) ヒロインはいずれもキャラがたっていたし、魅力的でした。イラストはそれぞれ違う方が書いたようですが、どれも可愛らしかった。個人的には、寮長が影絵だったのだけが残念です。是非、そのお姿をちゃんと拝見したかったし、僕も一度叱られてみた以下略 なお、人物としては夏姫が1番好きですが、ルートとしては愛衣ルートが特に心に残りました。僕も星空に魅せられた人間ですので……。 文章も目を見張る表現が多く見られ、特に比喩表現が興味深かったです。また、夢の中の描写が素晴らしかった。現実離れしているんだけど、「どうせ何でもありなんだろ?」という感じまでは読者に抱かせない、そんな絶妙なバランスを保って描かれていたように感じました。 同じ制作者として、とても勉強になりました。素敵な作品をありがとうございました。