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九州壇氏のレビューコレクション

  • ハムスターの楽園
    ハムスターの楽園
    大切な存在と生きてきた「ニンゲン」の願いに寄り添ってくれる物語だったと思います。 @ネタバレ開始 僕も犬や金魚、虫と共に暮らしていたことがあり、彼らのことを思い出さずにはいられませんでした。 本物語で特に印象的だったのは、ハルちゃんは望んでこの世界に生まれてきたという点です。「僕が一緒に過ごしたあの子らも、ハルちゃんみたいに思ってくれていたなら良いな」と思わずにはいられませんでした。 切ないばかりではなく、前向きなメッセージが込められているのも良かったです。残された我々も、前を向いて歩いていかねばならない。そんなことも感じさせてくれるラストでした。 @ネタバレ終了 心に残る素敵な物語をありがとうございました。

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  • 人生はつづくよ、どこまでも
    人生はつづくよ、どこまでも
    僕は1時間ほどで読了することが出来ました。美しいイラストやボイス、エンディング曲まで備えているというハイクオリティなゲームですが、僕がもっとも印象に残ったのはそのシナリオでした。 @ネタバレ開始 「人生は続くよ、どこまでも」 タイトルでもあるその言葉は印象的な形で何度か出てくるため、ゲーム終了後も深く心に残りました。 メインヒロインである心春は、可愛らしいイラストの力も相まって大変魅力的なキャラクターだったと感じます。彼女と距離が縮まっていく過程は楽しく読むことが出来ました。また、中盤の展開は一転して淡々と描かれていましたが、それがかえって悲しく感じました。 本作品の個性は、彼女とお別れした後も物語がしばらく続くことだと思います。これこそ作者様が本当に書きたかったことかもしれないなとも感じました。 悲しいことも描かれるストーリーですが、ラストまで読むと温かいものが胸に残る作品でした。 素敵な作品をありがとうございました。

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  • 暗がりビオトープ
    暗がりビオトープ
    僕は45分ほどで読了できました。90年代のゲームセンターの雰囲気の描写が見事で、その空間を寄る辺とする登場人物達の存在をリアルなものとして感じられる作品でした。また、主人公であるユーキには深く共感でき、提示された結末をみて温かい気持ちになれました。 @ネタバレ開始 本作品の素晴らしい点として、ゲームセンターの雰囲気の描写の見事さがあげられると思います。本作品は短編~中編作品であり、長々とした情景描写はなかったように思います。が、暗がりの中で長い時間を過ごしている人々の様子がリアルに描かれており、店内に漂っているであろう匂いすらも感じられるようでした。作者様目線で書かれたTipsの記載を読むのも楽しかったです。 また、僕がもっとも素晴らしいと思ったのは、主人公であるユーキの心理描写です。彼女の置かれている境遇は単純なものではなかったと思うのですが、彼女の成長がここまでリアリティをもって描写されている点に感銘を受けましたし、作者様の力量の高さを強く感じました。個人的には、「かわいそうと思われたくない」という心理や、「自分は父と同じことをしている」とふと気が付く瞬間の描写などに魂を感じました。生きることの難しさ、寂しさも感じられる展開でしたが、だからこそ、ラストの展開には温かい気持ちになることができました。 なお、本作品はユーキ目線で描かれており、彼女の目にうつらないものは想像することしかできません。しかし、その想像の余地が楽しい作品でもありました。サクラバさんとミホさんはどんな関係性だったのかな、とか。常連客の中でも濃密な人間関係があったんだろうなあ、とか……。演出の部分も含めて、描きすぎないこと、シンプルさに「粋」を感じる作品であったと思います。 好きなキャラクターはユーキですが、他にはヒジキザワさんもとても好きな人物です。彼のような温かい人物がゲームセンターという場を守ってくれたからこそ、支えられた人は沢山いるんじゃないかな、なんてことも思いました。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました。

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  • Rootkids
    Rootkids
    僕は1時間ほどで読了できました。ワクワクとさせてくれるSF設定と、パズルのピースがはまっていくような終盤の展開が素晴らしい作品でした。 @ネタバレ開始 スケールが大きく、読後の満足感も大きい物語でした。しっかりとしたSF設定があり、その気になれば中編~長編として作れそうなストーリーだとも思いましたが、これを1時間の中できれいにまとめあげている点が素晴らしかったです。 終盤に事実が明かされ、序盤~中盤の展開の意味が分かっていくところは、まるでパズルをやっている時のような心地よさがありました。特に、「研究所」側の人間たちとのストーリーと茜たちとのストーリーが繋がった時が1番驚きました。そうして判明したのは絶望的な状況だったわけですが、そこからの逆転はとても熱かったです。その後の展開を想像させてくれるエピローグも良く、清々しい読了感を味わえました。 また、これは個人的な好みかもしれませんが、キャラクター達のほど良い距離感のあるやり取りが大変良かったと感じました。特に、夕輝とあさひの関係からは「互いに気心が知れている。でも甘すぎない」というリアルな距離感を感じられて、とても心地よかったです。ほかの登場人物とのやり取りからも、「胸中には様々な思いがあるけれど、それを必要以上に出さない」という姿勢が感じられました。この作者さんの描く、相手のことを考えられる優しさと人間臭さを持ったキャラクター達が、僕はめちゃくちゃ好きです。 @ネタバレ終了 総じて、プレイ時間以上に満足感を与えてくれる作品でした。素晴らしい作品をありがとうございました。

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  • トキゴエ列車からの脱出
    トキゴエ列車からの脱出
    僕は2時間30分ほどでクリアすることができました。脱出ものとしてのゲーム性と、徐々に真実が明らかになっていくシナリオ。それぞれの面白さが見事に融合した素晴らしい作品でした。「まずはちょっとだけプレイしてみるかな」という軽い気持ちで始めた結果、夜更かしをして最後までプレイしてしまいました(笑) @ネタバレ開始 プレイ前は「脱出もの」、「ホラー」としての側面が強い作品と思っておりましたが、蓋を開けてみるとそのシナリオも素晴らしい作品でした。作中には各キャラクターの生前のエピソードが描かれているのですが、まずこれが面白かったです。なお、エピソードがたくさん並ぶと混乱したり飽きたりしそうなものですが、本作品は情報が分かりやすく整理され過不足なく語られていたため、最後まで興味深く読むことができました。 また、登場人物たちが思わぬ形でつながっており、プレイを進めるごとに「主人公である時子は何者なのか」という謎がいっそう気になってしまう構造になっていたため、どんどん面白くなっていったように感じました。第4車両からの展開は特に素晴らしかったです。そこにいた意外な人物をみて「これは夜更かし決定だ……!」と思いました(笑) 満を持して登場した5両目の人物は「ラスボス」にふさわしい威圧感を持っていたと思います。時子側にも非があることを知っているからこそ、彼女をいっそう怖く感じたのだと思います。 絵を描く人の生々しい心理描写も、興味深く読ませて頂きました。特に、他者への嫉妬については自分もかなり身に覚えがあるので、時子やエリカには少し嫌になってしまうくらいに共感できました(笑) ネガティブな感情にとらわれてしまうと、どんどん視野狭窄に陥ってしまいますよね……。ここらへんはすごくリアルに感じました。また、時子とカナエの関係がいきつくところまでいってしまったのは、彼女らが学生であり、狭い世界で生きていたせいでもあったのかなと思いました。2人が迎えた壮絶な結末もなんだか他人事には思えず、このあたりは本作品で1番怖かったです。リアリティを感じる「絵描きあるある」は、作者さんが絵も描かれるからこそ書けるものだろうなと思いました。 終盤、一転して熱い展開になるところは本作品の大きな個性の1つだと思います。それまでの鬱々とした雰囲気を払拭する熱い展開で、プレイヤーをぐいぐいとひっぱっていく力強さを感じました。この時の主要キャラクターはみんな見せ場があって素晴らしかったです。某おじさまは、確かに格好良すぎますね(笑) その末にたどり着いたイベントスチルは、本作品で1番印象に残りました。ここは聡志と大介の台詞がまた良かったです……! 「脱出もの」のゴールにふさわしい、素晴らしいシーンだったと思います。 また、時子とカナエの最後のエピソードも、本作品の締めくくりにふさわしいものであったと思います。「今度こそ、2人には良い関係を続けてほしい」と願わずにはいられませんでした。 序盤、中盤を読んでいる時は、まさかこんなに清々しい気持ちでエンディングを迎えられるとは思っていませんでした。あの流れから「再乗車」を書くのは相当大変だったのでは、なんて想像するのですが、あの終盤の展開のおかげでいっそう好きな作品になりました。 魅力的なキャラクターが多い本作品ですが、僕は聡志が1番好きです。自分にも「電車の運転手になりたい」と夢を語る8歳の息子がいるのですが、そのためか、聡志の生前のエピソードには心を動かされっぱなしでした。聡志にはこれからも大介と共に仲良く運転手を続けてほしい……! 探索パートはプレイヤーへの配慮を感じる親切設計となっており、「脱出もの」に不慣れな自分もストレスなくプレイすることができました。 ビジュアル面もハイクオリティでした。各場面にあった背景画像は物語への没入感を高めていたと思います。また、各キャラクターのイラストも大変良かったです。特に終盤はキャラクターの動きも多くなりましたが、この表情豊かな立ち絵があったから、より臨場感のあるシーンとなっていたように思いました。 @ネタバレ終了 プレイ時間は2時間30分ほどでしたが、始めてしまうと最後までプレイせずにはいられなくなる素晴らしい作品でした。とても楽しい時間をありがとうございました。

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  • 止水 -しすい-
    止水 -しすい-
    僕は約2時間ほどでプレイできました。グラフィックや演出もハイクオリティで完成度が高い本作品ですが、僕はそのシナリオに強く心動かされました。特にラストの展開が素晴らしかったと思います。 @ネタバレ開始 「田舎」、「神社」、そして「幼馴染のヒロイン」と自分の好きな要素が揃っていたこともあり、大きく心揺さぶられる作品となりました。 自分としては、ラストの展開がもっとも素晴らしかったと感じました。中吉エンドも美しくて良かったですが、自分は大吉エンドが胸に刺さりました。あのルートで了が選んだ道には、想像できないほどの苦難もあっただろうと思います。それでも、最後の2人の様子をみるとこれで良かったのだと思いました。僕はクリア後にタイトル画面が変わる演出が大好きなのですが、本作品のそれは特に強く心に残りました。クリア後もしばらくはプレイ画面を閉じることができず、余韻に浸っておりました。 また、個人的な好みで言わせて頂きますと、中盤に了が止水を探しさまようシーンも大変良かったと感じました。同じような光景が繰り返され、少しずつ色を失っていく演出のおかげで、了が理性を失っていく様子がひしひしと伝わってきました。あの絶望感があったからこそ、ラストの美しさが際立ったのだとも思います。 演出面は僕が言うまでもなくハイクオリティで、物語への没入感を高めていたと思います。表情豊かなキャラクターたち、操作しやすいUI。フルボイスであることも含め、商業作品と比べても遜色ないものであったと思います。演出の際のウェイトなんかも絶妙で、同じくゲームを作っているものとしては大変勉強になりました。 キャラクターで言えば、ダントツで止水が好きです。彼女を好きになり、了には強く感情移入できたおかげで、中盤以降は感情がジェットコースターになっていました(笑) また、彼女の父親であるつかささんも素敵でした。どんな思いで2人を見守っていたのかと思うと、胸に来るものがありますね……。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました!

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  • そしてパンになる(ADV版)
    そしてパンになる(ADV版)
    僕は計7時間ほどで読了できました。あまりにも予想外な展開が見どころであろう本作品ですが、個人的には、登場人物らの交流と成長の描写が特に素晴らしかったと感じました。 @ネタバレ開始 本作品の大きな特徴は、終盤の驚きの展開にあると思います。特に、心音ルートのラストの展開は言葉を失いました。キャラクターとしては特に心音が好きだったので、感情も大きく揺さぶられました。 また、おまけルートのラストのインパクトもすごかったです。個人的には「皆、このルートでなんとか救われてくれ!」と思いながら読んでいたのですが、ああいうオチになるとは……。悲しんだらいいのか笑っていいのか分からない。そんなとても不思議な感情に包まれました。「自分だったら、食べるんだろうか?」なんてことも、読後はしばらく考えてしまいました(笑) この感覚はしばらく忘れられそうにありません。 なお、僕が最も素晴らしいと思ったのは、モノづくりに励む登場人物たちが交流を通して成長し、結果として素晴らしいものを作り上げるという過程の描き方です。パン作りのことはまったく知らない僕ですが、「こういう交流があれば、確かにより良いものが作れそうだ」と強く感じましたし、「なんだかパン作りって面白そうだな」とも思いました。 シナリオは特に恵美ルートが好きです。亮と恵美がお互いの腕に嫉妬しているところや、恵美の本当の才能が徐々に明らかになっていくところ、彼女が自分の才能に磨きをかけていくことでパン職人として成長していくところ、等々……。本ルートは説得力を感じる描写が特にいくつもあり、読んでいて強く引き込まれました。最後の盛り上がりも素晴らしく、「青春もの」の醍醐味を1番味わえるルートだったと思います。 ヒロインとしては心音が1番好きです。呼び方が突然変わるシーンは、正直悶えました(笑) 心音とはなんとか幸せに結ばれてほしいと思っていたので、なおのことラストは衝撃を受けました。やっぱり、自分なら食べられないかなあ……(笑) @ネタバレ終了 面白い作品をありがとうございました!

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  • がんばれ!ヤマトくん
    がんばれ!ヤマトくん
    僕は10分ほどで読了できました。教育番組に登場しても何ら遜色ないようなクオリティで、素晴らしかったです! @ネタバレ開始 可愛らしい見た目の本作品ですが、クオリティは大変高かったです。どんな風にこの作品が作られたのかもとても気になります……! ストーリーも短いながら起伏に富んだ内容で、プレイ後の満足感は高かったです。 好きなキャラクターはネイルちゃんです。大きなリボンが特徴の彼女ですが、ひょっとしたら彼女の下にあった文庫本「魔女の宅急便」を読んで影響を受けたのかな、なんてことも想像しました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 雨音と自動人形 結(むすび)
    雨音と自動人形 結(むすび)
    僕は1時間30分ほどで読了できました。いずれの要素もハイクオリティですが、本作品はそれらの調和が高いレベルでとれている点が特に素晴らしかったです。 @ネタバレ開始 「ここではないどこか」の世界へと強く引き込まれる作品でした。「バス停で主人の帰りを待ち続けるアンドロイド」という冒頭の強い引きから始まり、そこから徐々に真実が明らかになっていく。そんな洗練されたシナリオで、最後まで一気に読ませて頂きました。 プレイ中は終始、美しい物語の世界に酔わせて頂きました。立ち絵やBGM、ムービーはいずれもハイレベルです。また、単に各要素が綺麗だとか格好良いというだけでなく、それらの調和がとれているところが素晴らしいと感じました。それぞれの要素のベクトルが一致しているからこそ、ここまで物語の世界に深く没頭できたのだと思います。 個人的には、こうした美しい雰囲気を壊すことなくこのシナリオを描き切っている点が最も素晴らしいと感じました。本作品は人間の生々しい部分もけっこう描かれていて、特に終盤は書き方次第で雰囲気が大きく異なる物語になってしまったと思います。本作品においては、人の弱さ、儚さにすらも一種の美しさが感じられ、終盤の展開によって雰囲気が大きく損なわれたとは感じませんでした。この点に僕は強く感銘を受け、プレイ後は無粋ながら色々と考えずにはいられませんでした。「博士の過去がきちんと描かれていたからこそ、彼への哀しみを感じられたのかな」とか。「だからといって過去をあまりにも長々と書かれるときつかっただろうな」等々……。考えれば考えるほど、このあたりはさじ加減が絶妙だったのだと感じます。 肝心のストーリーですが、こちらも素晴らしかったです。博士の身勝手にも思える願い。それを、かつての博士と共に育んできたアヤの思いが否定する。このシーンは、演出の力もあって深く心に残りました。思いを受け継いだアヤが封じ屋として活動を続けているというラストも泣けてくるほどに素敵でした。エンディング後のタイトル画面も印象的で、しばらくはBGMの「Dear Childhood Memory」を聞きながらアヤの姿に見入ってしまいました。 @ネタバレ終了 総じて、「ここではないどこか」へと連れて行ってくれる素晴らしい作品だったと思います。この物語に出会えて本当に良かったです。ありがとうございました!

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  • 夏色のコントラスト【リメイク版】
    夏色のコントラスト【リメイク版】
    僕は40分ほどで読了できました。Nscripter版はプレイ済みで、10年以上ずっとHDに保存していたくらいに大好きな作品なのですが、今回久しぶりに本作品を読むこととなりました。改めて素晴らしい物語だと思いましたし、以前は意識していなかった本作品の良さを感じました。 @ネタバレ開始 読んでいるだけで心が温かくなってくる物語でした。何かものすごく特別な事件が起こるお話ではない。強烈な個性を持った作品というわけでもない。それなのに自然とストーリーに没頭してしまったのは、登場人物や舞台となった田舎の魅力によるものだろうと思います。 キャラクターは優しくて思いやりのできる人ばかりで、「この中に入れてほしい……」なんてことも思いました(笑) 自分は特に健児が好きです。小学3年生でこれだけの気遣いができるとなれば、きっと広瀬君以上にモテるのではないでしょうか(笑) また、作品全体から感じられるメッセージが温かくて、その点も大変良かったと思います。ラストは、「世界は明るい色ばかりでできているわけではない」ことの肯定的な面を感じさせてくれるものであり、今回もジーンとさせて頂きました。 次に文章についてです。文章の読みやすさ、テンポの良さについては今さら僕が言えることもありませんので……(笑) 自分は生活感のある描写について感じたことを少し述べさせて頂きます。 例えば、広瀬君と健児がキャッチボールをするシーン。ゴムボールをなくして、今は硬式のボールとグローブが1つだけあることがさらりと語られます。このシーンは、あってもなくても展開に大きな影響はないはずです。でも一方で、こうしたくだりがあるのとないのとでは作品の印象が全然違ってくるだろうとも思いました。この描写によって、「ゴムボールを買い直そうという話にはならなかったのか」とか、「グローブ1つで普段はどうしているんだろう。ひょっとして健児は……」など色々な想像が自然に働き、結果として彼らが生活している様子がリアルなものとして感じられました。あいはらさんの文章に対して、「簡潔で読みやすいのに、それでいて情景が目に浮かぶようで、すごいなあ……」となんとなく思ってきたのですが、それはこうした描写によるところもあるのかな、と今回思いました。 なお、なかなかない機会ですので、自分がHDに保存していたNscripter版と読み比べをしてみました。リメイク後は全体として文章が更に読みやすいものになっていたと思いましたし、登場人物のセリフがより「その人らしい」ものになっていたと感じました。後半、めぐみと話をするシーンは特にリメイク後の方が好きです。 @ネタバレ終了 自分にとっては約10年ぶりに再読するような形となりましたが、今回も主人公たちと共に穏やかで楽しい時間を過ごすことができました。素晴らしい作品をありがとうございました。

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