九州壇氏のレビューコレクション
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眠る博士は夢を見る概要でご記載の通り、20分ほどで読了できました。2人の「執着」には少し背筋がぞっとしました。博士は一体どんな人だったんでしょう。思えば性別も不明なんですね。個人的には、好きなことはまっすぐ追及していくけど、俗的なものには全然興味を持たない人物をイメージしていました。アイリスさんも、そんな博士と過ごしたからこそあのように変化していったのかもしれないな、なんてことも想像しました。文章も大変お上手で、最後まで物語に酔わせて頂きました。ありがとうございました。
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Lechenaultia -レケナウルティア-カフェで働く女子高生の「初恋の人」をめぐる物語。僕は20分ほどで読了できました。本作品はいわゆる乙女ゲームではありますが、男性である自分もキュンキュンできました(笑) キャラの中では特に直が好きです。ラストの彼の独白、良いですね……! もし主人公が聞いたらどんなリアクションをしてくれるんだろう、なんてことも想像しました。また、主人公の女子高生は本当に良い子ですね。彼女の性格に救われているところもあるように感じました(笑) どちらのエンドも「その先」を期待させてくれるような終わり方で、読後感も良かったです。 ボイスもお上手で、2人のキャラクターの魅力を高めていたと思います。しかし、声優さんはお1人なんですね……! お恥ずかしながら全然気が付きませんでした。立ち絵イラストも大変綺麗で、物語を華やかにしていると感じました。 終始楽しく読める素敵な作品でした。ありがとうございました。
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たまゆらの夜孤独になりたい青年が、神様であるタマと出会うことからはじまる物語。僕は1時間ほどで読了できました。 僕は主人公に共感できるところが結構あるのですが、そのおかげもあってか本作品にはのめり込んでしまいました。シナリオについては、特にシーンの積み上げ方が素晴らしかったと思います。タマとの交流を通じて主人公の心境は変化していくのですが、その描写に強い説得力があったと感じます。主人公は卑屈になっていて、それ故に何度かタマと険悪な雰囲気になってしまいます(この時の心理描写もまたすごく共感できました。ちょっとしたことで自尊心を傷つけられたように感じ、無意味に攻撃的になってしまうんですよね……)。そうした展開を乗り越え、少しずつ変化していく主人公の心理描写が大変良かったです。また、これだけのものを1時間という尺におさめた作者さんの力量には、尊敬の念を禁じ得ません。 メインキャラクターはふたりですが、どちらも読み進めるほどに好きになりました。タマの可愛らしさには、何度となく悶えさせて頂きました(笑) 演出面も素晴らしかったです。幻想的な夜の雰囲気に終始酔わせて頂きました。プレイ時間に比して、満足感が非常に大きい作品です。素敵な作品をありがとうございました。
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BRADLEY(ブラッドリー)精神科医ブラッドリーが「彼女」との最後のテストに挑むお話。1周あたり10分ほどで読了できました。シナリオについてはは、シーンの切り取り方と見せ方が非常にうまいと感じました。読んでいるうちに自分なりの解釈を得たくなってしまい、何度かプレイせずにはいられませんでした(笑) 個人的には、ブラッドリーが「精神科医」になろうとしたのはどのタイミングだったのだろう、と気になりました。また、エンド名の付け方には作者さんの個性を感じました。洋画を思わせる台詞回しと画像も大変お洒落で、作品への没入感を高めてくれていたように思います。素敵な作品をありがとうございました。
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初恋は年齢天秤の中で2つの視点で展開していく恋愛物語。3時間ほどで読了できました。 他の方もおっしゃっていますが、シナリオの完成度は非常に高く、感動しました。年齢天秤というアイテムが序盤から出てきて、物語に一気に引き込まれます。その後は、徐々に真実が見えてくるという物語進行で、読むのをやめられなくなりました。そして、後半の「あのシーン」。ここは本当に鳥肌がたちました。これだけ構成が凝った作品なのに、展開に違和感がないところも素晴らしい。ラストは思わずため息が出ました。物語自体に感動したのはもちろんですが、「なんてすごいシナリオなんだ!」という作者さんの力量への感動もありました(笑) この清々しい読後感は、しばらく忘れないと思います。また定期的に読みたくなる予感がします……! キャラクターについては、皆魅力的でした。ハナビや夏乃はもちろんですが、大人達も格好良い人ばかりでしたよね。また、個人的にはナギも大好きです。過去に誠実に向き合う彼女の姿には、こちらも見習わねばなんて思わされました。 シナリオのことばかり述べましたが、他の部分の完成度も高かったです。選択肢でプレイ時間を調整できるシステムは画期的ですね。読者への細やかな配慮を感じました。 総じて、完成度が高く満足感の大きな作品でした。素晴らしい時間をありがとうございました。
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荒野の復讐者父親を殺した犯人を追って荒野を旅するルーシーの物語。僕は50分ほどで読了できました。本作品は、その世界観が実に魅力的です。火星という過酷な環境と、そこで信念を持って強く生きる人々。SFと西部劇を融合したようなこの舞台設定には、一気に引き込まれました。また、登場人物らのクールな台詞回しもしびれました。キャラクターで言うとルーシーとリンゴがすごく好きです。しかし、1番はスタンピー爺さんですかね(笑) 彼らには、これからも力強く生きてほしい……。 演出面もかなり凝っていて、特に音楽は非常に良かったです。日曜の昼にコーヒーを飲みながら再読したい、そんな作品。おすすめです。
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遠い海のアリア陸にあがった人魚の恋を描いたお話。1時間ほどで2ルートともクリアしました。素晴らしい物語で、特にⅣ章は感動しました。選択肢後にふたりで語り合うシーンが特に好きで、この時は泣きそうになってしまいました。ラストも大変美しくて良かった。ささやかな幸せを積み重ねてきたことがよく分かるからこそ、これほど心動かされたのだと思います。どちらのルートが良かったかは、選べません……(笑) 音楽、イラストも美しく、シーンによっては鳥肌が立つほどでした。素晴らしい作品をありがとうございました。
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Days of Noble世間知らずなお嬢様との日常から始まる物語。50分くらいで読了できました。とにかく面白かったです! 1番の魅力は、テンポの良いギャグだと感じました。メタ発言も笑いましたし、パロディネタもガンガンぶっこんできてましたよね。汁のくだりとか、けっこう際どいところを攻めているのがまた、いいっすね~。ネタをいれつつもストーリーもしっかり進展していくところは、作者さんの技量の高さを感じました。キャラクターも皆魅力的でした。
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電波男はお呼びじゃない!物事をはっきりと言いすぎて浮いてしまいがちな主人公と、言動がすごく変わった青年の物語。20分ほどで読了できました。青年のキャラクターがユニークで面白いです。不思議なやつだけど全然憎めない。個人的にはけっこう好きです。また、彼は普段どう生活しているんだろう、とかも気になってしまいました。実家はけっこう裕福なのかもな、とか。ひょっとしたら特定の学問にめちゃくちゃ強い天才肌キャラだったりして……、なんてところまで勝手に想像しました(笑) 加えて、そんな彼と主人公の相性が妙に良いところも大きな魅力ですよね。ふたりの掛け合いには、何度もクスリとさせられました。演出面も華やかで、最後まで楽しいお話でした。
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人ひとりを救うチカラ誰を救うのか、その選択を迫られるゲーム。20分ほどでフルコンプしました。いずれも、スッキリした終わり方とは言いがたいかもしれません(笑) しかし、救うという行為の危険性を鋭く描いている作品だと思います。ビジュアルも素敵ですよね。女子2人を先に選んでしまったのは、多分僕だけではないはず(笑)