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九州壇氏のレビューコレクション

  • サブレキャットヘヴン
    サブレキャットヘヴン
    僕は1時間半ほどで読了することができました。 @ネタバレ開始 前作「アリスニャットシング!」の前日譚にあたるお話です。僕は「アリスニャットシング!」の登場人物たちが好きで、「彼らの背景をもっと知りたいな」と思っていましたので、そうした意味でも大変楽しむことができました。特に、前作では回想でしか出てこなかったキッコの姿を見ることができたのは嬉しかったです。彼女がジゴクに対して「ここにとどまっても良いと思っていた」と語るシーンが特に良かったです。当たり前ではありますが、彼女も本当は大丈夫でない中で大丈夫なように振舞っているんだよな、と。そうした苦悩も含め、改めて僕は彼女が好きだなと思いました。 本作品は「アリスニャットシング!」に比べるとファンタジー色が強めで、特に後半は楽しさも感じながら読むことができました。猫好きの人は特にびびっとくるんじゃないかなと思います。 また、これは本当に個人的な感想になってしまうのですが……。作品をプレイする中で見えてくる死生観が深く印象に残りました。生き物は必ず死ぬ。そして、我々人間はそのことでどうしようもなく心を乱されてしまう。しかし、それでもいいのだと。そのことも全部含めて、我々はありのままを受け入れて生きていくしかないのだと。そんな風に言ってもらえた気がしました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。

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  • 真田あおいの25年
    真田あおいの25年
    僕は1時間ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 困難を抱えつつ、それでも自分らしく生きようとする主人公たちの姿に魅せられる物語でした。彼らに降りかかった困難は大きなものでしたが、激しく葛藤する様子を劇的に描くことをメインとせず、あくまで登場人物らの等身大の交流を大切に描いている点が本作品の大きな個性であると感じました。個人的にもっとも好きだったのは「とある夏休みの一日。」です。それぞれ様々な思いを抱えていたと思うのですが、それをあまり見せないようにして一日を楽しく過ごそうとする。そんな彼らの姿は、彼らの生き様を象徴しているもののように思いました。 また、個人的に印象に残ったのは、「私はダイアモンドになりたい」にて、山田功太という全くの新キャラが登場することでした。なぜこの章にのみ彼は出てきたのか。その理由をしばらくあれこれと考えてみました。 この章の役割は、あおいの新しい一面を描写することにあったのかなと思います。あおいには、3人でいる時にはあえて言葉にしない、あえてみせない感情があった。それをみせるために、功太という第三者が必要だったのかもしれないと考えました。 この章で特に重要だったと思うのは、「あおいはこうようをどう思っているか」が判明するシーンです。こうようと付き合いたいという気持ちがある、だけど、深い関係になるなんて無責任だからできない。そうした矛盾を抱えつつも彼女は全力で生きていたことが分かる良いシーンだったと思います。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。

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  • 異界よりの朱
    異界よりの朱
    僕は3時間ほどで読むことができました。 @ネタバレ開始 もっとも素晴らしいと感じたところは、ストーリー終盤の展開でした。特に、「終章 異界よりの朱」で明らかになる真実には驚きましたし、「いったいどんな結末を迎えるのだろう」という思いで一気に最後まで読んでしまいました。特に面白く読めたのが「終章 異界よりの朱」だったのですが、それまでの展開があったからこそだとも思います。本作品は序盤から世界の深刻な危機が描かれ、「この世界はもうすぐ滅びるのだ」という雰囲気を物語のいたるところで感じられました。1つ目のエンドの迎え、全てのエンドを回収しようと考えていた時には、この作品の醍醐味をほとんど味わえた気でいました。しかしまさかそこからこんな展開がくるとは……。ゲームシステムもうまく利用した構成が見事で、僕はその点にもっとも感動しました。 最後の戦いが終わった後、多くは語らずに物語の幕がおろされたところも大変良かったと思います。余韻が強く残り、ゲームを終了した後もストーリーの語られていないところを想像せずにはいられませんでした。 また、戦闘シーンの描写も見事だったと思います。朱鬼たちの強さ、恐ろしさがひしひしと伝わってきて、読んでいるこちらもハラハラするほどでした。 最後まで読むとどのキャラクターにも愛着がわいたのですが、一番好きなのはやはりノラです。彼が救った世界がどうか末永く続きますように、と願わずにはいられません。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました。

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  • ステラ・ミア
    ステラ・ミア
    僕は20分ほどで読了できました。 @ネタバレ開始 短いながらも、心に残る物語でした。 2人がどんな思いで共にいるのか、それが垣間見えるラストシーンの描き方が最も印象に残りました。特に、 「彼も、私も、このわずかな間しか、晒せない心がある」 の一文。ミアもちゃんとフレルのことを分かっている。だからなおのこと、苦しいのでしょうね⋯⋯。 イラストも大変綺麗で、この切なくも美しい物語にマッチしていると感じました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。

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  • 神様、ギターを買う
    神様、ギターを買う
    僕は20分ほどで全エンドをみることができました。 @ネタバレ開始 これまでしじみシリーズはプレイしたことがなかったのですが、問題なく楽しむことができました。 引き込まれるようなタイトル画面をみてプレイしたのですが、良い意味で裏切られました。どのキャラクターもぶっ飛んでいて、掛け合いが大変面白かったです。特に、氷神は偉そうなわりにチョロいところが可愛らしく、とても魅力的でした。クスリと笑えるエンドばかりで、エンド回収も楽しかったです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!

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  • 因習村のむらじまい
    因習村のむらじまい
    僕は15分ほどで読了することができました。 @ネタバレ開始 短い時間で読める作品ですが、その背景にも思いを馳せずにはいられない作品でした。四辻村とは一体どんな村だったのか、赤いペンダントは何だったのか、どんな人物がどんな思いで依頼をしてきたのか、等々⋯⋯。想像してみるのも楽しかったです。 メインキャラクターである伊吹と八千代は良いコンビで、その掛け合いをもっと見ていたいとも感じました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。

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  • 八ツ神のかみかくし
    八ツ神のかみかくし
    僕は3時間ほどで全エンドを読むことができました。 @ネタバレ開始 個人的に特に素晴らしいと感じたのは、個性豊かな神様たちの描写です。 神様たちはそれぞれの悩みを抱えているのですが、冬たちとの交流を通じて自分なりの答えを見つけていきます。その過程は実に人間的で、読み進めるほどに神様たちに親しみを感じました。「本当に日本の神様が高校生として現れたら、こんな感じかもしれないな」なんてことも思いました。 そんな人間らしさを持っている彼らですが、一方で、「誰かを器として山へ連れていく」ことについては皆(大なり小なり)仕方がないこととしてとらえており、こうした点はわれわれ人間の価値観と大きく異なることが感じられました。このような二面性をみせられるたびに、「どれだけ親しみやすいと感じても、やっぱり神様なんだよなあ……」と実感させられました。 (これを書いている最中にあとがきも読ませて頂きましたが、やはり作者さんもこの辺りを考えながら書いていらっしゃったのだと分かって、嬉しくなりました。神々の親しみやすさと底知れなさの描写のさじ加減、改めて素晴らしいと感じました) なお、最後までプレイしても全ての謎がはっきりと明らかにならないところも良かったです。特に、神々は誰を器として山に連れて行ったのかについては、あれこれと想像を巡らせました(沙里はやっぱりほのかだったのかな、とか。END2以外の黒鷹はひょっとして一馬を連れて行ってしまったりしたのかな、等々……)。 前述の神々の二面性も含めて、本作品では「自分などでは理解が及ばないのだろう」と感じるところがいくつもあります。この感覚がとても心地よく、本作品の大きな魅力であると感じました。 エンディングについては、特にエンディング1「桜」が好きでした。 なお、終盤は冬と黒鷹との絆が特に重要なものとして描かれており、エンディングは彼との関係がどうなったかによって変化します。この点は中盤まであまり想定できておらず、エンディングをみた直後は少し意外に感じたところもありました。しかしよくよく考えてみると、黒鷹というキャラクターは他の神様たちとは大きく異なるところがあって、彼との関係によって結末が大きく変わるというのも納得できるなと感じました。 「この人物は、関心が自分に向いているのか。それとも他者に向いているのか」と考えてみた時、黒鷹は関心が他者に向いている割合が特に大きく、それ故に他者によってその言動が大きく左右されてしまう危うさもあるのだろうと感じます(その点を考えると、黒鷹はもっとも人間らしい神だったと言えるのかもしれません)。そんな彼だからこそ、冬の人生に大きな影響を及ぼすことになったのだろうと思いました。 どのキャラクターも魅力的でしたが、特に好きなキャラクターは冬です。彼がみんなから愛されるのも納得でした。 @ネタバレ終了 素晴らしい作品をありがとうございました。

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  • ティラノフェス2024オープニング
    ティラノフェス2024オープニング
    今年も開催して頂き、本当にありがとうございます! 沢山楽しませて頂きます。

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  • 妖魔戦史
    妖魔戦史
    僕は30分ほどで読了することができました。 @ネタバレ開始 30分の中で、ほどよくラブコメや伝奇ものの良いところを味わえる作品だったと思います。 何やら不穏な冒頭で、「主人公は何者なのだろう?」とストーリーに引き込まれながら読みました。 ヒロインのこよりは立ち絵もクルクルと変わることもあって、とてもかわいらしかったです。 また、効果音も丁寧に入れてあって、臨場感を高めることに一役買っていたと感じます。 個人的には、描かれていない過去に思いを巡らせるのも楽しかったです。 例えば、 「苗字が白倉から赤倉になったのはなぜだろう」 「黒倉がまた襲い掛かってくるだろうということを、なぜ子孫に伝承していかなかったのだろう」 等々……。 ひょっとすると、黒倉と戦ったご先祖様は勇敢だった一方で、その子孫たちは不吉な予言から目をそむけたくなっていったのかもしれないな、なんてことを思いました。 時の流れとともに変わったものが沢山あったのだろうと思うのですが、それでも、幸助がご先祖様の力を借りて強敵を倒すという流れは、王道ながらとても良かったです。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。

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  • 医世界転生~君に救われた物語~
    医世界転生~君に救われた物語~
    僕は10分ほどで読了することができました。 @ネタバレ開始 メッセージがまっすぐに届いてくるストーリーでした。 「誰かを救おうと努める者こそ、実は救われているのかもしれない」 「理不尽なこともあるけれど、真面目に日々を送っていこう」 そんなことを思わせてくれました。 @ネタバレ終了 ありがとうございました。

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