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富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション

  • アンガー・マネジメント・ファンタジー
    アンガー・マネジメント・ファンタジー
    スポンサー賞受賞の報を見て急いで飛んできました! 本作、メッチャ面白かったです。テキストのノリがもうセンスに溢れています。 プレイ冒頭からラストまで、終始外すことなくこんなにテキストが面白いだなんて!面白さの源泉としてはやはり超ファンタジー世界観を丁寧に描いている点も大きいと思いました。動画演出もたくさん用いられており、ビジュアル的にもとてもリッチなゲームです。 ビルダーでもうまく素材を組み込むことでここまで見栄えを良くできるということも、でもやっぱり面白さを決めるのはテキストのセンスだということも、どちらも強烈な印象と共にぶん殴られたような気分です!

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  • AIイラスト解体課
    AIイラスト解体課
    昨今物議を醸しつつも巷を騒がせているAIイラストに真正面に向き合った作品です。自分自身は全く絵は描けないのですが、ゲーム制作をしているので非常に関心の高いテーマです。 本作はイラストに対するAI活用に対して、肯定や否定といった片方からの立場ではなく、非常にフラットな目線でかつどちらの立場に対してもリスペクトに溢れた展開を示してくれています。全4EDの結末は分岐がやや難しくコンプリートは多少骨が折れましたが、近未来のありそうな状況における主人公の言動がとても興味深かったです。個人的には色んな意見があって当然だよなぁと思っているのでいずれのEDも納得感がありました。AIの仕事のよき相棒っぷりは早く実現してほしいと思いました。

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  • アマテラスの邂逅
    アマテラスの邂逅
    スポンサー賞受賞の報を見て急いで飛んできました! 個人的に大好きなレトロ調の雰囲気をビンビンと感じるADVでした。歴史の重みもカルト的な印象も感じるテキストも素晴らしいのですが、非常にたくさん用意されているグラフィックが没入度をとても高めていると感じました。特にメインテーマでもある「古事記」関連のグラフィックは雰囲気満点でした。 現段階で遊べるのは導入部分までですが、王道みと壮大さを感じるシナリオは非常に興味を引かれますし、変人だらけのサークル部員と相対的にまともに見えるけどかなり個性的なヒロインとのやりとりも面白く、続きが発表されたら遊んでみたいと思える作品でした!

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  • 魔窟のリリアーネ
    魔窟のリリアーネ
    ゾンビを作っては売りつけ、作っては売りつけるシミュレーションゲーム。このジャンル大好きなのでとても楽しめました! 最序盤はあれれ?このペースで目標額達成できるのかな?と思いましたが、凄まじく右肩上がりに売上が増えていくので割と余裕をもってクリアできます。このインフレ度合い、目に見えてスケールが大きくなっていくところはワクワクしながらプレイを進める原動力になりました。 会話画面で動くドット絵の人外キャラクターたちの魅力が溢れていて、たまらず全キャラのEDを拝見いたしました!画面レイアウトも見やすく綺麗で、BGMも世界観に凄くピッタリだと思いました。面白かったです!

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  • 自称お助けキャラの末路
    自称お助けキャラの末路
    とても深みのある世界観と多くの個性豊かな登場人物の人間関係が楽しめる一作でした。「親友とヒロインをくっつけて、永眠しよう!」というキャッチコピーに集約されているように、表面的な明るい雰囲気の裏に隠せないダークさが溢れていてプレイ冒頭から強い興味を惹かれました。最高青春計画!とか言ってる主人公の名前がもうだって。。。 ゲームシステムはカレンダー進行型×マルチエンドのADVです。学校内の場所を選んで各キャラに会ってイベントを進めるこの形式、懐かしみを覚える超正統派でとても好きです。メインストーリーの他にもストーリーを深く堪能するためのサブストーリーもたっぷり用意されていますが、各イベントが短めにまとめられているので全く中だるみすることなくプレイできました。 実はフェスの初期の頃にプレイした時は先を急いでほぼ最短ルートで真エンドを見てしまったのですが、改めて再度プレイした際には漏らさず各キャラの複数EDを堪能してから真エンドを味わってみました。やはり様々な結末を経てからこその感動がありました。ゆっくり作品世界を堪能するが吉だと思います!世界観やストーリー設定が非常に凝っていて、登場キャラもイベントスチルもエンディングもたくさん用意されていて、クリア後のおまけも多岐に亘るのでになるまで遊べる一作だと感じました! @ネタバレ開始 ちなみに個人的にはマドカのキャラデザが非常に好みで超カワだと思うのですが、他の方の感想を見る限り意外と同士が少ない印象で驚きました。超カワだろー! @ネタバレ終了

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  • 炎獄学園マノモノス
    炎獄学園マノモノス
    個性豊かな魔者たちのビジュアルに惹かれてプレイしました。全員とっても魅力的でしたが全般的に殺傷能力が高すぎるため、学園生活はマジモンのドキドキハラハラでびっくりしました。 共通ルートが終わったら即ルート分岐が始まる点においても、選択肢をミスってもすぐに選択肢に戻ってくれる親切設計が有難かったです。キャラによってストーリーのテイストが全く異なり、各ルートともとても面白かったです。イベントスチルは塗りが素敵で数もふんだんにあるのでとっても嬉しくなります。 @ネタバレ開始 みんな魅力的なのですが、個人的には初めにプレイしたヘルピエル先生に一票です!癒し~。 @ネタバレ終了

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  • イクリプスフォール -神の断罪-
    イクリプスフォール -神の断罪-
    とても面白かったです。プレイ時間が長めなので気軽に手を出しにくいかもしれませんが、本作のクオリティを考えるとむしろこの作品に時間を費やすのは圧倒的に吉!と思いました。「ハロー、神様worker」のリブート作ということでリメイク+αみたいな展開かと思っていましたが、全然別のストーリーでした。当該作は本作の前日譚のような位置付けですので、未プレイでも一切関係なく楽しめるかと!フェス期間の最終盤にとてもおススメです! さて、前置きが長くなりましたが改めてとても面白かったです!特殊と思える世界観もすぐに理解でき、多種多様な立場の登場人物たちも登場時から各々の見せ場シーンの見せ方&配置などですっと頭に入ってくる導入~序盤のシーンが素晴らしく、直ぐに作品世界に没入することができました。主人公は最近のゲームではあまり見ることのないであろうクズど真ん中な感じで、酒タバコギャンブル全部やるぜ!という令和の時代に珍しい漢らしさです。ネットスラングやコンプラ上等な発言もボンボンかます様はもしかすると読み手を選ぶのかもしれませんが、個人的には気持ち良さ・清々しさしかなかったです。表面的にはそんな印象の主人公ですがメチャクチャ一本筋が通っており、自身の感情に正直な言動のおかげでストーリーが気持ち良い方向に進んでいくため、かえってこういった主人公の方がカッコ良さが際立つとさえ感じました。長編作である本作には非常に魅力的な登場人物がこれでもかとたくさん現れますが(というか敵味方含めて魅力的でない人物がいない)、悔しいかな主人公が一番魅力的なのかなぁ、などと思いました。 ストーリーの素晴らしさはプレイしなければ分からないのでもう本当にプレイするのみです。グラフィックの素晴らしさはサムネでも一端を垣間見ることはできますが、これまでの作品と同様にダブル絵師体制で盤石です。美しいファンタジー背景と多様なキャラクターの競演は素晴らしく、たくさんのイベントスチルも迫力満点でした。シーンチャプター毎に細かめに入るアイキャッチも毎回異なる画像&情報が用意されていてプレイのテンポを生み出すとともに世界観の理解にも役立ちましたし、戦闘シーンや詠唱シーンなどを中心とした演出も豪華でしたし、BGMや効果音の数々も臨場感を高めておりましたし、全体を通じて細部を含めてとても完成度の高いノベルゲームだと感じました! 非常に面白かったので、(制作の労力が非常に大きいのは間違いないですが)是非第二部も遊ばせてほしいです!

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  • 睡蓮と色
    睡蓮と色
    シリーズ3部作の完結編です。一気に3作続けてプレイ致しましたが、いやぁ、読んで良かった作品たちでした。 前2作と比べると、関係性が深まっていることもあってか、心情や心の距離の描き方のリアルさがキレを増したように感じました(以降、念のため感想は伏せておきます)。 @ネタバレ開始 恋人に対する期待や悪い方向に考えてしまう心配、そんな自身の心の動きに対する葛藤、関係をより良くするために、より心情を理解してもらうには何をどう伝えれば良いのか、などなど、恋愛をする際の普遍的な悩みを細かな解像度で描かれているなぁと感じました。自身はもう人生フェーズがかなり進んでいるのですが、在りし日の感情をほのかに思い出した気がします。行間を読ませる作者さんらしく読み手の想像に良い意味で委ねるラストも味わい深かったです。 @ネタバレ終了 浮ついておらず地に足の着いた素敵な恋物語という読み味で、シリーズ3作いずれもとても良かったです。

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  • 白詰草と靄
    白詰草と靄
    前作から続けてプレイさせて頂きました。旅先で出会ってから恋に落ちるまでを描いた前作とは打って変わって、今作は遠距離恋愛状態の恋人同士を描いた続編となります。 京都の情景を色濃く描いた前作と比べて、日常感とともに恋人同士のリアルな距離感や心の機微を描く割合が増えたかな、と。雰囲気や心情の描き方は前作同様素晴らしく、あっという間に読了致しました。本気でまっすぐな恋愛をしていた頃を思い出すと、なんだか懐かしくてセンチメンタルな気持ちになりますなぁ。

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  • 菊花と雨
    菊花と雨
    京都を舞台にしたストーリー。とっても風流ではんなりする上質な作品でした。文章にとても趣がありもはや気品すら感じます。グラフィックもとても印象的でBGMもまたお上品。ノベルゲームの構成要素がまさに三位一体となっている感覚がありました。中でも、軸となる文章は非常に端正かつ流麗だと感じました。 社会人女性がふと訪れた京都で若い青年と出会う恋物語なのですが、2人の感情が近づいていく様が、徐々にとも言えるし、急速にとも言えるようななんとも絶妙な加減(自分で書いててどっちやねんと思いますが)で描かれており、とっても素敵なお話でした。

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