富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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パーソナル・スペース非常に素晴らしい作品でした。 時間的にも空間的にもこれだけ壮大なストーリーをこれだけ短い尺、 かつほぼ閉ざされた空間内で描いているのは凄いことだと思いました。 グランプリ受賞から半年余りの限られた制作期間で、 全く異なるジャンルで全体的なクオリティも上げているのは驚愕です。 素晴らしいポイントを挙げると結局ほぼ全部、となってしまいます。 また、感想を送るのに出遅れるともはや重複しかないですね。 しかも本作の感想欄は作品の素晴らしさに比例して熱量が凄い。 何書いても既に語られ尽くしているような気がしないでもないです。 敢えて素晴らしい点を絞って記載すると、 ・読み手を裏切らない王道で正統派で奥深いストーリー ・分かりやすく平易な表現な上に納得感のあるSF設定 ・シナリオにマッチしており、先が気になる形の構成 ・前作以上にメチャクチャ吟味・配置された素材群 というところでしょうか。 「これはもうフロックでもなんでもない!」 というサニーブライアンのダービー制覇後の名フレーズをそのまま送りたいです。(古い) 唯一の注意点としては、 本作はクリア後の修復ファイルを見てこそですので、 追加チャプターは時間を置かずに記憶が新鮮なうちにお楽しみください。 chapter1から時系列順に2週目を巡るのがお勧めです!! 非常に素晴らしい作品をありがとうございます。
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蕎麦といえば出雲そばだよなァ!?作者様の2作目はクリスマスシーズンを逸してしまったのでこちらは逃さず年内にプレイ。 いやぁ、面白かった。蕎麦好きだけでなく、鉄ちゃん・鉄子や地理オタにもおススメ。 謎の蕎麦好き女性の強烈な個性と最後のダメ押しのセリフに序盤から惹きつけられ、 中盤以降はメタ的な地の文と選択肢配置などに滲み出る作者様のセンスに痺れました。 エンドの名前のバリエーションのおかげでエンド回収もはかどります。(END9が好きです) 以下は蕎麦に関する想い出です。 @ネタバレ開始 自身は元々特に力うどんが大好きなうどん派急先鋒で、うどん?そば?うどん一択だろ? と思っていましたが大学入学前に生まれて初めてちゃんとしたそばを食べてあっさり鞍替え。 そのお店であまりに美味そうに食べていたらパートのおばちゃんにバイトに誘われて、 大学時代割と長期間、週3くらいで絶品蕎麦をまかないで頂いていました。 バイト3時間で3千円に対して2千円くらいの蕎麦を食べていたのでメッチャお得でした。 出雲そばは食べる機会が今までなく、どのようなものかイメージすらありませんでした。 細かい描写を拝見したおかげで、無茶苦茶食べてみたくなりました。 とはいえすみません。明日の年越しはいつもの信州そばで決まりです。(生粋東京民) @ネタバレ終了
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お前のスパチャで世界を救えこんにあ~! ↑これやりたいとずっと思ってたのに、最近あんまりやる流れじゃなかったw プレイ冒頭のにあちゃんの圧倒的な可愛さに衝撃を受けました! 事前情報なしでプレイしたので起動後のE-moteでそういうこと!?となり、 ゆらゆらっと動いたシーンで心を鷲掴みにされました。 で、やっぱり一気に最後まで遊ばせて頂きました。 題材が突き抜けるほどキャッチ―で、 ゲーム自体もストーリーの面白さや笑いどころもあり、 細かなところを含めて演出やデザインが丁寧でした。 皆さんそうだと思いますが黄色い人を大プッシュです。好き過ぎる! そもそもスパチャすら知らなかったので、本作のおかげで界隈を色々学べました! Vtuberもゲーム実況も、もう完全に新しい文化になってますもんね。 プレイをずっとお楽しみにとっておいた分だけ期待度も上がり切っておりましたが、 大ヒットも納得のとっても面白く完成度も高いゲームでした。 素晴らしい作品をありがとうございます。
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2100-1ザ・サイバーパンクというゲームでした。 ディストピアSFモノとでも言い換えられるでしょうか。 アンドロイドやらロボットやらが普通に出てくる世界観となります。 システムが変わっていて、プレーヤーは「データを視聴する」形となります。 (概要欄で記載があるので書いてしまいますが) 2キャラ分の目線が描けることやキャラクターの紹介を 客観的なデータベースの形で描けることもあるので、 この一風変わったシステムはよく機能していると感じました。 演出としての強制終了も個人的には凄く好きでした。 残念ながらまだ1つバッジを入手できていないので断定はできませんが、 何らかの大きな事件を追うようなゲームではなく、 「ディストピア的世界におけるアンドロイドの日常」と言うゲームだと感じました。 「ブレードランナー」や「VA-11 Hall-A」のような サイバーパンクな世界観が好きな方にオススメです! 素敵な作品をありがとうございます。
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デウス・エクス・マキナ聞いたことのある単語だけどなんだっけ?と調べ始めてからプレイしました。 10年ほど前に書き上げたというのも納得?の懐かしい雰囲気が漂っていました。 「ひぐらし」や「ひとかた」のような和風伝奇感満載の雰囲気が楽しめました。 プレイ後の感想としては、まさに看板に偽りなしだな、と。 大好物の全画面文字表示だったのと、幕間の演出も良かったです。 とても名曲揃いだったので、クリア後のBGMモードも非常に嬉しかったです!
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ひまわりの迷宮ゴッホを題材とした強いテーマ性・メッセージ性を持った作品です。 ヘタレプレーヤーなので、攻略情報が公開されたのを見つつ頑張りました。 ですが、折を見て何度もチャレンジしてもベストエンドには全く辿り着けず。 むむむ。迷宮の謎は深い。無念です。 @ネタバレ開始 ものまね王座決定戦の時の平尾昌晃さん並にヘッドフォンに集中したのですが、 聴力が若干弱めのためか音の鳴る左右が全く判別できませんでした。。。 うーむ。出直します。 @ネタバレ終了
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ツキ博02今作もとても楽しめました。 ゲームのアクセントとなる2度入るミニゲームについては、 1つ目はマジカル頭脳パワーを思い出し、2つ目はかなり難しくてそれぞれ良かったです。 世の中が直面して更に顕在化する社会問題をしれっと扱っているストーリーも楽しめました。 クリア後には不勉強で全く知らなかった掛硯のことが良く分かりましたし、 説得力の高い主人公の日記もとても良かったです! 今後の制作も期待しております!
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浮遊する世界制作ペースが異常すぎです!! 本作も楽しく遊ばせて頂きました。 後輩と先輩とのやりとりは微笑ましいものでしたが、途中で雰囲気がガラリと変わります。 そういうことだったの!とそのタイミングでは相当に驚きました。 @ネタバレ開始 確かに、先輩の過去を知っていれば能力持ちの後輩が近付くのも納得ですし。 @ネタバレ終了 いつも面白い作品をありがとうございます。
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こと国シスターズ!!これは凄い。脱帽どころか脱頭部のゲームでした。 ボリュームと完成度が凄まじい作品でした。 フリーゲームってなんだっけ?という気持ちになりました。 キャラクターの魅力、ストーリー展開、構成、テキスト、 ボイス、UI、システム、グラフィック、OPムービー、 なんかもう全ての構成要素に隙がなさ過ぎました。 @ネタバレ開始 エンドロールで露わになった立ち絵素材数、450には仰け反りました。 差分があるとはいえどんだけ差分あるんじゃーい! @ネタバレ終了 えー、もうどの程度の尺でどこからべた褒めすればいいか悩みますが、 あんまり長いのもあれなのでキャラの魅力とストーリーにします。 まずキャラの魅力は本当にドストライクでした。 いわゆる萌え系作品は某鍵を筆頭に大体「やり過ぎ」でむしろ引いちゃうのですが、 本作のことシスたちはあざとい部分を感じなくて非常に魅力的でした。 感想を見る限りノーラが人気っぽいですが、三つ巴で全く誰派か決まらず終わりました。 奔放なカリナは常に本音でぶつかってきて清々しいし、 おっとり癒し系のノーラはなんだかんだ締めるところ一番締めるし、 しっかり者のシェンメイは誰よりも現実を良く見据えているし。 グラフィック、SDキャラの可愛さも手伝ってとても良かったです。 また、ボイスが!ボイスが各キャラピッタリすぎるし演技が上手い! どうやってこんな素晴らしいボイスアクターを見つけてきたのでしょうか!? 次にストーリーですが、意外性もあって非常に満足のいくものでした。 ただのドタバタ同居モノではなく色々盛り込んで工夫が凝らされていました。 ネタバレ配慮もあり本筋には触れませんが、終盤の選択肢含めて非常に良かったです。 ある程度の分量になるとやはりダレるのが最大のリスクだと思いますが、 アニメ風に1話、2話と区切りつつ考えられた各話の構成としていることや、 ミニシナリオ、アイキャッチや「で」の存在もあってテンポが最高でした。 このテンポの良さが実は一番の素晴らしいポイントなのではないかと。 テキストとテキスト監修を別の方がやっているのも大きくこの点に寄与していそう。 厳しいクオリティチェックやリテイク(刈り込み)があったような気がします。 既に次回作を制作中とのことでそちらも今から非常に楽しみです! 非常に素晴らしい作品をありがとうございます。
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Vergunty ヴァーガンティーDL数も多く評判も芳しい作品なので期待しておりましたが、 期待に違わぬ素晴らしい作品でした。メッチャ面白かったです! スタート後に始まる意味深で雰囲気満点なモノローグと、 前奏から素晴らしいOPテーマの時点でもう本作の虜に。 設定とストーリー展開が凄く良かったです。 主人公は24歳の社会人女性なので基本オトナの恋愛模様なんですが、 もう見悶えるようなシーンが次から次へとあるわあるわ。 自覚できるくらいニヤニヤしながらアホ面でプレイしてしまいました。 主要キャラは主人公を含めて5人。この5人ってのがミソでした! 頻繁に視点が切り替わるおかげで登場人物全員の心境が良く分かります。 このあたり、どなたかがおっしゃってたように演出としてはドラマみたいです。 世の流れともバッチリ合っていますし、今作の脚本でドラマ化したら流行りそう! ちなみに、初めから掴みはOKの今作ですが、 First routeの後からの読ませる力が結構えげつなかったです。 絵柄は乙女ゲー具合がかなり強めな感じがあって中年男性には不安でしたが、 序盤からお話に鷲づかみにされたこともあってかむしろ病みつきに。 グラフィックはシナリオと同じく自作とのことで、 ここぞ!というところには必ずイベントスチルがあって良かったです。 というわけで前日譚のSSや後日談も楽しめる本作はとてもおススメです。 乙女ゲー愛に溢れる素敵な作品をありがとうございます。