みたけのレビューコレクション
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八ツ神のかみかくし神様や神隠しなどが出て来る伝奇ものが好きなので興味を持ってプレイさせていただきました。 転校生が七人も?!正体は神隠ししに来た神様?!と物語の初めからどうなってしまうのかとハラハラしてしまいましたが、丁寧で飽きさせないストーリー展開と魅力的な登場人物たちに、夢中になって一気にクリアまでプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 冬くん とてもいい子で、彼が物語の主人公で良かったなと思います。愛情をかけられて育っていることが優しくて気遣いが出来る言動から伝わってきました。END2の彼は消えてしまう瞬間一体なにを思ったのか、優しい冬くんのことを考えるとぎゅっと胸が締め付けられます。 沙里さん 第一印象は頑固そうでちょっと怖いかもでした。しかし自分のやるべき事と仲間への感情の板挟みに悩んだり、冬くんに借りたペンを大事にしていたりと人間のように悩んだり葛藤したりしている姿が印象的で、同時に決して完璧ではないそういった部分がとても魅力的だなと感じました。テンションの高い(?)シズカさんとの掛け合いも楽しくて好きです。ちなみに最後に器に選んだのはネームドキャラのあの子ですよね……?(娘とあったし、シークレットバッジはもしかして……?) 登場人物の誰もが魅力的でしたが、個人的に真面目なキャラが好きなのでシズカさんとの関係含め神様たちの中では沙里さんが一番好みです。 寿菜さん 以前からメインビジュアルなどでお顔を拝見していたのですが、可愛いけれどどこか人間離れしている感じがするなという印象でした。冬くんの家へ不法侵入し、当然のように貝原くんを人質にとったりという神様的な距離感にハラハラしてしまいました。しかしそういった部分こそが人間が良い悪いという尺度で測るものではなく、寿菜さんが神様たる所以なのだろうなと思います。 禄華さん 真面目でハキハキしていて、初めはきっとこの子がみんなを引っ張っていく子なのだろうという印象でした。しかし中盤以降、頑なさ故に他の子たちと衝突したりキャパシティオーバーで倒れたり、こう言って良いのかわかりませんが、すごく人間くさい神様だなと感じるようになりました。禄華さんだけに限ったことではありませんが、どの子にも欠点があったり苦手なことがあったりと決して完璧ではないところがすごく魅力的です。これからは他の子たちと手を取り合ってより良い場所へ向かって生きていってほしいなと思います。 美布ちゃん 中盤までは一歩引いていて何を考えているのかよくわからない子だな、やっぱり神様だからなのかな、と思っていましたが彼女も悩みを抱えるひとりなのだと知ってぐっと心に来るものがありました。もしあの時冬くんが違う答えをしていたらどうなっていたのかな、とあり得ない想像をしては切なくなってしまいます。結果的に美布ちゃん自身の願いは叶いませんでしたが、きっとこれから何かが変わっていくのだろうなという予感を感じられて良かったです。 天真くん 人当たりが良くて友好的だな~と比較的安心していましたが、たまにみせる神様寄りの考え方とのギャップに何度もドキリとさせられました。エピローグでしんみりしていたところの思わぬネーミングに二度見しました。通称が可愛いくて良かったです。 黒鷹くん END2、END3も別の種類の悲しさがあって両ENDを見た後はしばらく呆然としてしました。END2では冬真くんを溺愛しているとのことで、彼もやっぱり神様なのだなと妙に納得してしまいました。とはいえ黒鷹くんの心の内は果たして……と考えてしまうと勝手ながら悲しくなってしまいます。 END3の膝を抱えたスチルはもう悲しすぎて……!でも冬くんの存在自体が特別であり、本来の神様と人間の距離感は決して触れ合うようなものではないのだろうなと思うと、END3もあるべき結果のひとつなのかなとも感じました。(とはいえやっぱり切ない!) 恵太さん 冬くん家族との交流にほっこりした半面、後日談の褒められたことを何度も思い出していたという記述に恵太さんの今までを想像して思わず切なくなりました。人間の中で暮らした短い時間が彼の中で何かの糧になっていたのなら良いなと思います。あと神様に対して大変よこしまな感想で申し訳ないのですが、お顔が大変好みです。 すべてのENDを拝見させていただきましたが、どれも手放しで大円満とはいえない結末がわずかな苦みのようなものと共に深く心に残りました。 見守るという仕事をするだけなら花や木と同じだって良いだろうに、人間の器で、道理は違えど人間と同じように悩んだり考えたりする。そんなある種の不自由さは変わっていく時代や呼ヶ野に住む人間と共存していくための手段であり、同時に神様自身も生きていくために変わっていく必要があるのだろうなと感じました。(的外れな感想でしたらすみません) 最後になりましたがUIや画面も直感的でわかりやすく、チャプターで進行状況が確認できるのもありがたかったです。またイラストも繊細で美しく、ストーリーの雰囲気によく合っていて素敵でした。番外編でキャラクターたちの交流を補完できたり、TIPや後日談まで情報たっぷりでまさに至れり尽くせり。隅々まで素敵な世界観を楽しませていただきました。 @ネタバレ終了 人間だって神様だって悩んでいて、もがいたり妥協点を探したりして生きている。だからこそ神様にだって幸せになって欲しいなと思える素敵なお話でした。 あたたかくて少し苦い、素敵なゲームをありがとうございました! -
私立♥細マッチョ学園!! ~風紀の乱れを守りきれ!~細マッチョが好きなのでうきうきとプレイさせていただきました! とにかくすごい……!何がすごいってもう、色々すごいです。最初から最後まで一貫したハイテンションとドストレートセ〇ハラに、ただただ圧倒されました。 @ネタバレ開始 とにかくルールならばと学園の風紀を乱そうと決意。しかし私の貧弱な想像を軽々と越えて来る生徒たち(+先生)と選択肢に終始笑いが止まりませんでした。 タグのギリギリセンシティブに偽りなし。(アウトやないかい!)アニメのような演出の数々も見ていて楽しく、作者様のセンスを感じます。SEが鳴る度に笑って仕方がなかったです。 もはやどこに突っ込めばいいのか、誰に突っ込めばいいのか。すさまじい世界観とストーリー展開に自分がゲームをプレイしているはずなのに「私を置いて行かないで!」という謎の焦燥感に苛まれました。私にはまだまだ風紀委員の修行が足りないようです! 個人的にセクシーで色々な意味で最強な理事長と、首元まできっちり着込んでいるのにエ……なスカイさんが好みです! @ネタバレ終了 パワフルでハイテンションな素敵なゲームをありがとうございました! -
ヘデラの花が枯れるまで作者様の絵本のように可愛らしい絵柄が大好きなのですが、きっと可愛いだけでは終わらないだろう予感に終始ドキドキしながらプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 モノクロでどこか寂しい雰囲気の寝室とあたたかな色合いのリビング、幸せを絵に描いたような家庭と不穏さをにじませる断片的な情報と、相反するような演出がとても印象的でした。 何があったのか知りたい気持ちと知りたくない気持ちの板挟みで途中から読み進めるのが非常に苦しかったです。明かされた事実と言葉少なな演出からより一層主人公の絶望を感じました。 病気が蔓延した世界にとってはまさに救いのある結末でありますが、その救いを与えた主人公にとっては決して手放しで良かったね、とは言えない状況に胸が締め付けられました。 それでも家族の存在や言葉が主人公にとっての救いであり、生きていくための希望になっていれば良いなと願います。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました。 -
人狼の領主に嫁がされた娘異類婚姻のお話が好きなので興味を持ってプレイさせていただきました。 生贄のように嫁がされてきた女の子に相手は人とはかけ離れた見た目をした人狼。主人公は一体どうなってしまうのだろうと冒頭からぐっとお話の中に引き込まれました。 @ネタバレ開始 主人公のユーリアさんは厳しい境遇で育ちながらも優しく、同時に庶民として育ったからこその親しみやすさもあってとても好感が持てました。対するカレルさんは普通の人間から見ればちょっと怖いであろう見た目とは裏腹に、フランクで気遣いが出来るイケメン。幼い頃から辛い思いをしてきたであろうふたりが徐々に惹かれ合っていく描写に思わずキュンとしてしまいました。個人的にはふたりで食事をするシーンが、人間と人狼の違いとそれを理解し合っていく過程が感じられて特に印象に残りました。(お口の大きさの違い!) 作者様の優しさを感じられる言葉選びや文章もストーリー雰囲気をよりやわらかくあたたかいものにしているように感じました。 また、ゲーム面でもUIや画面構成にも統一感がありすっきりとしていてわかりやすく、ストレスなく最後までプレイすることができました。特に右側に固定された形のウィンドウが絵本のようで可愛いです。 種族や文化の違いを超えて互いを思い合うふたりが手を取り合う、王道であり、だからこそ心に響く素敵なお話でした。末永くお幸せに! @ネタバレ終了 優しくてあたたかい、素敵なゲームをありがとうございました! -
ミス・キャスト・レッド・フード童話がモチーフのお話が好きなので、興味を持ってプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 まず舞台を彷彿とさせる演出が良いです。特にゲーム開始時のスポットライトの演出が、効果音を含めストーリーの始まりを強く意識できて印象に残りました。 登場人物たちもぬいぐるみのような見た目とは裏腹に、我が強かったり遠慮がなかったりと、可愛いだけではないキャラクター性が良いアクセントだなと感じました。 劇をしては失敗し、何をしても責められ、詰められ、途中からは「そんなことを言うなら私も好きにさせてもらおう!」と好き勝手にキャスティングを楽しませていただきました。最終的にすべてのエンドを拝見させていただきましたが、チャプターで攻略がわかるのが非常にありがたかったです。 やっとまるく収まり、良かったと安心した後に突然こちらにスポットライトを当てて来る演出には思わずひやりとしてしまいました。次は私自身がミスキャストになってしまうのか……。 また、おまけを見るに本編ではマイルドな表現になっていましたが、舞台上で結構凄惨なことになっているのでは?とわかり最後にもう一度ゾッとしました。 @ネタバレ終了 可愛いさと闇深さの両方を味わえる、素敵なゲームをありがとうございました! -
からっぽな僕をスキでいっぱいに作者様の前作が素敵でとても心に残ったので、今作も興味を持ってプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 一番はじめの好きなものがないという悲痛な独白に、いったいどんな風にスキでいっぱいにするのだろうとすぐにお話の中に引き込まれて行きました。 ゲームとしても、色彩の少ない背景と絵や月、瞳などの色鮮やかなキーアイテムとの対比がとても綺麗で印象に残りました。BGMのピアノもストーリーの雰囲気にとてもマッチしていて素敵です。 タイトルの意味がわかった時には納得したと同時に、キクさんとミルさんはもう一緒にいることはできないという事実が悲しかったです。 最後のキクさんの穏やかな表情に、キクさんの好きなミルさんが詰まった絵はまさしくキクさんの「好き」そのものなのだろうなと感じました。いつかキクさんが誰の、キクさんにとってのミルさんになったらいいなと思います。 @ネタバレ終了 切なくてあたたかい、素敵なゲームをありがとうございました。 -
ソーダポップ・トークタイトル画面のかわいい猫ちゃんに会いたくてプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 ねこちゃんかわいい!ぷうぷう動く鼻ちょうちんも安心しきった寝顔もたまらない……。低音のゴロゴロがくせになります。 そしてゆるい会話もかわいくて癒されました。登場人物たちの情報はほとんどありませんが、なんてことのない日常の会話から仲の良さが伝わってきてほのぼのしました。 画面構成もスッキリと見やすいだけでなく、スマホ画面と猫ちゃんの2画面構成が楽しかったです。 @ネタバレ終了 前日譚ということなので、次のゲームもとても楽しみです。応援しています! 素敵なゲームをありがとうございました! -
生き残れ ゴキンちゃん!かわいいゴキンちゃんが気になりプレイさせていただきました。 ポップでかわいい画面と相反する数々のBADENDに衝撃を受けましたが、あまりのバリエーションに途中から何だかくせになってしまいました。 @ネタバレ開始 BADの中ではムカデが痛くないだけマシなのかなあと思いました。 幾度となくBADを迎え、やっとたどり着いたハッピーエンドにやったー!と一瞬喜びましたが冷静になって考えてみると、とんでもないことになっているなあと複雑な気持ちになりました。ふ、増えてる……。でもまあゴキンちゃんが楽しそうならいいや!お風呂場のあれを見てもスルーしてしまうところに人外感をヒシヒシと感じて好きです。 @ネタバレ終了 かわいいけどかわいいだけじゃない、素敵なゲームをありがとうございました! -
図書館の季節に閉じこめた作者様の優しい作風が好きで今作もプレイさせていただきました。 テーマは非常に重くズシリと心に来るものがありましたが、作者様のやわらかな文体と救いのあるENDにクリアしてほっとした気持ちになりました。 @ネタバレ開始 タイトル画面で流れていたBGMが本編が始まると消える演出が図書館へ入った瞬間にスッと周りが静かになる感覚と似ていて心地よかったです。 ENDはEND2→END1の順番で拝見しました。 ゲームクリア時点ではEND1の方が好きだなと感じました。END1で「私」は辛い過去と決別するのではなく、それも自分だと受け入れた上であの本を餞として傷ついた過去の自分へ渡し、見送ったように感じました。 (的外れな感想でしたらすみません!) しかし作者様の後日談・制作裏話を拝見して、END2も色々なことがあってここまで生きて来た「私」の尊重すべきひとつの選択だなと思いました。救えなくてもいい、そのままでもいい、という逃げ道のあるやさしさを感じ、何だか私までじーんとして思わず涙ぐんでしまいました。 最後になりましたがクリア後のタイトル画面の変化も、「私」自身の心が明るく軽くなったように感じてとても好きです。 @ネタバレ終了 優しくて素敵なゲームをありがとうございました。 -
がんばれ!ミトラ神ポップな絵柄とミトラ神というあまり見ない題材に興味を持ってプレイさせていただきました。 人は神様を求めて神様は信仰を求める世界で、古代は人と神様の距離が今よりもずっと近かったのだろうなと感じました。 @ネタバレ開始 ENDはEND2→END1→END3の順番に拝見しました。 史実にそっているためミトラ神の結末は変わらないとはいえ、もしかしたらこうやって過ごしていたのかな?と想像できるような余韻があり、悲しいだけではない結末もあって嬉しかったです。 またセーブ画面やコンフィング画面も凝っていて細かい部分にも作者様のこだわりを感じられて楽しかったです。 短編ながらもテンポよく楽しくプレイでき、今まであまり知らなかったミトラ神に興味を持ちました。(像はルーブル所蔵なんですね!) @ネタバレ終了 個性的で勉強もできる素敵なゲームをありがとうございました!
