みたけのレビューコレクション
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夜半に道連れ映画のポスターのようなタイトル画面に興味を持ってプレイさせていただきました。 静かなBGMや統一感のある色調、街の鮮やかな明かりと閉塞感のある薄暗い車内などとにかく雰囲気が素敵で、短い映画を見たような気持ちになりました。 @ネタバレ開始 私はED2→ED1→ED3の順番にエンディングを見ましたが、どれも色々考えさせられる余韻のある結末でした。 特にED3では漠然と、しかし確実にほの暗い方へ向かってしまった2人がそれでも踏みとどまろうとする姿がとても印象的で胸を締め付けられました。最後のスチルで煌びやかなネオンの灯りに照らされていた画面が優しげな夜明けの色に変わったのがとても綺麗でした。 作品タグに百合とありますが、私自身は百合要素のある作品にあまりなじみがないため2人の関係性をまさにそれだ!と断言することが難しいです。しかし、稚拙な表現となってしまいますがこのお話は広義でいう愛のお話であり、同時に自己救済のお話でもあるのかなと感じました。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました。
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クリムゾンレッドの死神 -Sweet Diner-クリムゾンレッドの死神の番外編ということで、またレオさんやキャロルさんたちに会いたくてプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 レオさんはダイナーの制服も似合うなあ~!と見ていたタイトル画面のトレーにヒビが入っているような気がした瞬間、面白いゲームであることを確信しました。 とにかくレオさんが可愛い!1作目2作目とのギャップに楽しくなると同時に キャロルさんのことになるとクールではいられなくなる様子に、恋愛要素が好きな自分としては終始にこにこが止まりませんでした。 右手でコップを粉砕したりゴリラと張り合ったりと天然なところも可愛らしいですが、それに冷静なつっこみを入れるキャロルさんの安定感がたまりません。レオさんが照れるたびにそういえば年下男子だったなと思い出しては微笑ましい気持ちになりました。 またエンディングのムービーもシルエットで表現されているキャラクターたちがおしゃれで、素敵な曲と相まってアニメを見ているようでとても楽しかったです。(1作目2作目の時も思いましたが作者様の選曲のセンスがとても好きです) @ネタバレ終了 大変なことがたくさんあった分、2人とも幸せになってくれー!と心の底から思える素敵な番外編でした。 甘々で思わずにこにこしてしまうような素敵なゲームをありがとうございました!
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赤ずきんは何も知らない童話がモチーフのゲームが好きなので、興味を持ってプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 赤ずきんと調査員さんのほのぼのとしたやりとり……ではなく、どう聞いても不穏さが見え隠れする会話に、先を知りたくないのに知りたいというジレンマでドキドキしながらも一気にクリアしてしまいました。 タイトル画面の笑顔が愛らしい赤ずきんと絵本の装丁のような可愛らしい画面に相反するような、血なまぐさい真実とのギャップにとても衝撃を受けました。 おばあさんの家へ行くエンドはまさに地獄絵図という状況に心臓が縮みあがりました。間違いなく恐ろしいことが起こっている場面で流れている音楽の陽気さからとても濃い狂気を感じて心底恐ろしかったです。 逃亡エンドでは二人とも良かったね……と一瞬安堵しましたが、この作者様のゲームでただで終るはずはないと気を引き締めた後に判明した事実にまたも衝撃を受けました。赤ずきんが何も知らないのはせめてもの救いだなと納得した一方で、気持ちとしては調査員さんにも救いがあれば良かったなと思わずにはいられませんでした。 最後になりましたがストーリー以外の部分についても、UIは視認性が高く親切でしたし、特に統一された色調の中で赤ずきんのずきんや調査員さんのスカーフなどの赤が目立つ画面がとてもおしゃれだなと感じました。 始まった時点で逃げ場がない地獄のような状況と結末に、最初から最後までゾクゾクさせていただきました。 @ネタバレ終了 可愛らしさと怖さを同時に感じられる、素敵なゲームをありがとうございました!
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カレーにりすを入れますか?カレーにりすとは……?と不思議なタイトルに興味を持ってプレイさせていただきました。 以前、作者様の別ゲームをプレイしてとても面白かったのですが、やはり今作も最初から最後まで何となくシュールでどことなく不穏な世界観が楽しくてくせになりました。 @ネタバレ開始 やんわりと止められてもごねてカレーにりすを入れたい主人公の情熱はどこからくるのか。選択肢も多くエンド数も豊富で何から何まで色々試したくなり、気が付けばすべてのエンドを回収していました。 個人的にりすを作ったエンドが一番好きです。りす増えちゃったよ……。 りすゲームにも挑みましたが私には難しすぎて永久にりすの後輩止まりです。 また個性的な世界観も魅力的ですがUIなども快適でわかりやすく、特にエンド条件やレシピが確認できるのが、ゲームがあまりうまくない自分としてはとても助かりました。 @ネタバレ終了 プレイしていてちょっとお腹が空きました。 楽しくて素敵なゲームをありがとうございました!
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すみません!ちょっとキスしてくれませんか!?タイトル画面で笑うキャラクターのすさまじいインパクトにひかれてプレイさせていただきました。 立ち絵が動く!可愛い!と思っていたところからのギャグと勢いの良いストーリーに一気にクリアしてしまいました。 @ネタバレ開始 何だそのノリは!と即座に拒否したらまさかの解呪エンド。そして裸。逃げなかった主人公さんは偉いです。もう一つのエンドも見たくてフラれにいきましたが何だか腑に落ちません笑 エンディングもいい感じの曲と声なのに歌詞が(いい意味で)ひどくて笑いました。 おまけでキャラクターの表情を見られるのも嬉しかったです。特にレオさんの表情2が絶妙で好きです。 @ネタバレ終了 面白くて素敵なゲームをありがとうございました!
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ポンコツホラゲのおばけちゃんTLでお見かけした可愛い女の子と目力の強いイルカさんに興味を持ってプレイさせていただきました。 とっても面白かったです! ホラゲを作っていくというゲームシステムはもちろん、本当に自分がアラタさんになってPCを操作しているような画面や驚くほど多い立ち絵差分(全部可愛い!)などどこを見てもすべてが凝っていて楽しい!と思うと同時にこのゲームを作り上げた作者様の凄さに感動しました。 @ネタバレ開始 ホラゲを作っていくと聞いて初めは難しそうだなと思っていましたが、説明も親切で直感的に操作できるので色々なバリエーションを心置きなく楽しめました。 最初は怖い組み合わせで行こうと病院+心霊やホテル+心霊などを試し、おばけちゃんを怖がらせてしまっては申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。それなら!とあえて思い切り外すと今度はかるいさんの評価にですよねーとなり。イベントを出すのにかなり苦労しましたがおばけちゃんの反応が可愛らしく試行錯誤する工程も楽しかったです。 そして段々と明らかになっていくおばけちゃんとアラタさんの過去に思わず涙ぐんでしまいました。夢は叶わないというアタラさんの発言に対するおばけちゃんの冷静な返事が本当に切なかったです。 その分、人を笑顔にさせるというおばけちゃんの夢が叶う流れがとても嬉しかったです。おばけちゃんもアラタさんも笑顔になることができて本当に良かった!「さようなら」ではなく「またね」なのが、明るい未来を感じることができて素敵です。おばけちゃんの笑顔に心がじんわりとあたたかくなりました。そしておまけではまさかのかるいさんに「あー!」と再び涙ぐんでしまいました。 @ネタバレ終了 面白くて笑えて楽しめて、最後は感動できる。 そんな素敵なゲームをありがとうございました!
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Anatheras -アナテラス-スピンオフ作品のサムネイルにいるオトギリさんがとても好みのビジュアルでしたので、本編であるこちらを先にプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 閉鎖的な空間に何やら不穏な気配を感じる会話と序盤から目を離せず、一気に最後までクリアしてしまいました。私はbad→end4→end3→end2→end1の順番でエンドを見たのですが、人の業によるがんじがらめのような結末に何度も胸がしめつけられました。 その分、最後に明かされる真相には驚かされたと同時にやっと見えてきた希望に心から良かったなと思えました。 登場人物はみんな個性的かつ大変魅力的でしたが、個人的には優しくて笑顔が可愛いアルトくんが好みです。 過去は変えられませんが、登場人物たちに訪れる未来が少しでも穏やかであることを願っています。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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月明のノキエラ幻想的なタイトル画面にひかれてプレイさせていただきました。 絶望的な状況から始まる物語と敗退的な世界観がなんとも魅力的でした。 @ネタバレ開始 物語の舞台も主人公たちの置かれた状況もとても重くシリアスな中、二人のやり取りから見いだせる小さな希望がより際立っていたように感じました。 主人公さん 終始(状況を考えれば当然ですが)険しい顔をした主人公さんの、本来は優しいという記述に胸が締め付けられました。世界が違えば穏やかに笑える人生もあったのかなと考えると切ないです。 ノキエラさん キャラデザが良い……!綺麗だけど少し怖い雰囲気が魅力的でした。何故敵であるはずの主人公さんに手を差し伸べるのだろうと疑問でしたが、過去を知り納得しました。感情が高ぶった時のボイスの迫力が印象的でした。 二人の未来が少しでも穏やかであることを願うばかりです。 また続編の制作をされているとSNSでお見掛けしましたので、そちらも楽しみにしています。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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椿電鉄レトロなタイトル画面に目を引かれてプレイさせていただきました。 画面構成や色合い・UIなどすべてに統一感があり、レトロで不思議な世界観に没頭することが出来ました。電車の静かなBGMも淡々とした雰囲気によく合っています。 @ネタバレ開始 ツバキくんとの掴みどころがあるようでないような不思議な会話が浮世離れした舞台と相まって魅力的でした。その分、2度目の乗車で聞けるツバキくんの内面に近づく会話がより一層胸に突き刺さります。人の心はままならないなと切なくなりました。 ツバキくんに会えた主人公にも、もしかしてあの電車に乗れるだけの何かがあったのでしょうか。物語の終わりにツバキくんの心が少しでも救われていたならいいなと願います。 @ネタバレ終了 不思議で素敵なゲームをありがとうございました。
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オプライドSFメインの乙女ゲームというあまり見ない組み合わせに興味を持ってプレイさせていただきました。 私自身普段はあまりSFに触れる機会がないのですが、説明がゆっくりで丁寧なので世界観やストーリーがスッと頭の中に入って来て助かりました。いつでも見ることができるTipsも親切でありがたかったです。 @ネタバレ開始 世界観はシリアスで重たいですが、登場人物たちの掛け合いにはコミカルで明るいものがあり、そこは読んでいて少し救われました。ルイスさんの泣きべそ顔が好きです。 また以前同作者様の「月の光の鎖屋さん」もプレイさせていただいたのですが、そちらとは文章の印象がかなり違っていて作者様の表現の幅に驚きました。その後、後書きを読んで意識的に書き分けていることがわかりさらに感動しました。 登場人物たちも皆個性的でとても魅力的でした。 ジータさん キャラデザが可愛い!と思ったところからの口の悪さ。罵倒する語彙の多さにちょっと笑い、そこから彼が抱えているものの重さに心を締め付けられました。アルファ(実際には次のベータでしょうか?)からジータに至るまでライドを繰り返した彼の苦しみを想像するだけて辛くなります。ジータさんエンドでは、せめてこの先は少しでも穏やかに過ごしてほしいなと思いました。 ルイスさん 見た目から怖くて厳しいタイプの人かな?という第一印象でしたが、とても優しい人だなと感じました。自分のしてしまったことに対して苦悩している姿が、優しいからこそ余計に苦しんでいるのだろうと想像できて辛かったです。でもやっぱり泣きべそ顔が好きです。 ウラノさん 気が付くといつもアイマスクの方と目が合っていました。親しい人を失いたくないという気持ちはもちろん理解できますが、だかこそジータさんたちとのすれ違いがはがゆかったです。 永遠を求める世界で終わりに向かうお話なのが皮肉であり、同時に人間としての意地のようなものを感じました。これから登場人物たちがたどる道には困難が待ち受けていると思いますが、未来とそれに至る道のりが少しでも優しく救いのあるものであれば良いなと思います。 @ネタバレ終了 「人間」や「生きる」ということについて今一度考えることのできる作品でした。素敵なゲームをありがとうございました。