葛城あやとのレビューコレクション
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因習村のむらじまい因習村だけどホラーではないらしい、ということで、プレイさせていただきました。 八千代先生と伊吹さんの軽妙なやり取りにクスッとしました。 @ネタバレ開始 因習村ということで、悲劇的なことは行われていたわけですが、八千代先生の「都合のいいときだけ崇めて」という言葉にしんみりしました。 今や村には、亡くなった者と神さまだけが残されているのは切なかったです。 神さまも人に災いをなす存在になりたくなかったのでは、と。 強大になってしまった神さまを鎮めたのが、赤いペンダントだった、というところが印象的で、救われたような気持ちになりました。 個人的には、因習を超えた、村人の純粋な想いの結晶だったのかな、と感じました。 亡くなった者の魂や、あるべき場所へ戻った神さまが、その後は穏やかに過ごしていってくれることを祈ります。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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ある殺し屋の生殺与奪選択肢はシンプルですが、いろいろと考えさせられる物語でした。 職業・殺し屋、と言われると完全に別世界なのに、いつの間にか主人公に感情移入して、終盤ではかなり心を揺さぶられました。 @ネタバレ開始 ラストの依頼については、どちらの選択肢を選んだとしても、個人的にはトゥルーエンドだと感じました。 もちろん主人公には生きていてほしいのですが、標的の少女を殺さず自分の命を奪われても、悔いはなかったのではないか、と。 組織が存続すれば彼も殺し続けなければならないわけで、そのたびに心の傷を負う姿は、見ていられなかったです。 そちらのエンドを見てから、拾った少女と再会するエンドを迎えたので、救われた気持ちになりました。 やっぱりこの二人には、また会ってほしかったです! 因果応報も納得のいく結末ではありますが、夢のような奇跡が起こってくれて良かった。 彼らの未来が明るいものであることを祈っています。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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蓮の名を冠するあなた美しい【想い】と【嘘】のお話でした。 嘘をつかれた側より、嘘をついたほうの気持ちが伝わってきて、責める思いにはなりません。 切々とした音楽と相まって、物語にどっぷり浸らせていただきました。 @ネタバレ開始 どちらの嘘も、真相を知ったときはビックリしました。そうまでして愛しい存在にそばにいてほしいのだなぁ、としみじみしました。 自分が同じ立場になったらどうするだろう?と想像すると、嘘をつきたくなる気持ちも存在すると思います。 主人公が幸せになったのはたしかですが、嘘をついた者がそばにいながら罪悪感を抱きつづけるのだと思うと切ないです。 でも、それ以上の光が彼らに注ぐのだと信じています。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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kara no utsuwa心が穏やかになる作品でした。 まるで海を眺めて、波の音を聞きながらぼーっと過ごしたような気持ちです。 癒やされました。 @ネタバレ開始 いろんな相手と会話するわけですが、地球で出会っていたら、こちらの受け取り方がだいぶ違うだろうなと思いました。 ややこしいことを言ってくる人とは、関わらないようにしたでしょう。 でも、できることは会話だけとなると、もうちょっと耳を傾けてみようかなと感じました。 同時に、いま地球にいる自分はそういった余裕を失っているのかも、と。 好き嫌いじゃなく、正誤でもなく、相手をそのまま見る不思議な体験ができました。 ラストで日記を書き終わったあと、主人公の表情が少しでも晴れやかになっていたらいいなと願います。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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人狼ハラスメント冒頭では「連続殺人犯は誰だ!?」と(一応)真面目に進めていたのですが……。 キャラがみんな濃すぎて、さらに発言や展開が斜め上で、なんのゲームをやっていたのか迷子になりました(笑)。 何度も笑ってしまい面白かったです! @ネタバレ開始 じつのところ主人公を疑っていたので、真犯人にはビックリしました。 ただ、騎士さんが守護ナイトだったり、只野くんが勇者だったことを思い出したりと怒涛の展開だったので、そこはもはや、ささいな事実かなと。 そうして世界(村?)を救ったにも関わらず、途中ではあっさり始末されてしまったり、全員に投票されてしまったりと、「世間は世知辛い……」と思いました。 つ、強く生きてください! そして人狼ゲームも、予想を外したらハラスメントだなぁ……と遠い目になりました。私もジンハラしないよう気を付けます。 @ネタバレ終了 驚きいっぱいの作品をありがとうございました!
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アプリコット・キャンディ・ヒーローとても清々しいお話でした。 今は忘れてしまっていたけれど、子供のころに思いを馳せたくなります。 二人のやり取りが微笑ましかったです。 @ネタバレ開始 たしかにヒーローというと「悪を倒す」というイメージですが、そういった存在を生み出さない環境は、大事だと思います。 二人が最初におこなったのがゴミ拾い、というところが目から鱗でした。 もしかするとアンジュちゃんの耳にも、悪口は届いているのかもしれませんが、リルちゃんの存在が心強いのではないかと。 彼女たちは行動にも移しているけれど、心がヒーローなのだと思います。 できるだけ長く、こんな二人でいてくれますように。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうござました!
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がんばれ!ミトラ神ミトラさまが真っすぐで可愛かったです。 ……などと言うと、若干、不敬な気もしますが。 「あんな奴らに負けないでください!」と応援していました。 @ネタバレ開始 明るく描かれているので、目を覆いたくなるほど悲惨というわけではないのですが、実際のところ違う宗教同士の争いはあったでしょうし、負ければ過去のものとして……と考えると切なかったです。 あと神の視点から、行動によって信仰が失われるというところも、「たしかに」と目から鱗でした。 神は神のルールで動いているという想像をしていましたが、だからといって何をしてもいいというわけではないですね……。 三人の信者と過ごすエンドが、信仰は縮小してしまったかもしれないけれど、これはこれで幸せそうだなと感じました。 彼らの未来に光ありますように。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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すみません!ちょっとキスしてくれませんか!?表紙のこの奇妙な生き物(?)はいったい……? しかもキスを要求してくる? と恐る恐るプレイさせていただきました。 @ネタバレ開始 一回目は『拒否する』を選び、結果的に元の姿に戻れましたが、イケメンとはいえ言動がぶっ飛んでますからね……。彼はユウちゃんに運命を感じているみたいで、彼女のこれからはどうなってしまうのか!? そしてもうひとつの選択肢では、ユウちゃんがやけ食いしたくなる気持ちも分かります。彼から申し出たくせに~!! この日のことは忘れよう! サングラスなしだとイラッとする顔、というのが気になります(笑) @ネタバレ終了 肩の力を抜いて楽しめる作品を、ありがとうございました!
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御中元とてもホッとする大好きな作品です。 夏にプレイしたのですが、今回あらためて読み直し、素敵な文章に浸って幸せな時間でした。 @ネタバレ開始 真夜中氷菓の表現が、ひねりが利いていて惚れ惚れします。 一話一話は短いながらも、それぞれの人生がギュッと詰まっていて、説明されていない部分には想像が広がりました。 朝夕焼菓子の女の子は、初めのうちは「大丈夫かな?」と心配になりましたが、焼菓子のおいしさに心が動かされていることと、お兄さんのさりげない対応にホッとしました。 彼女の幸せを祈っています。 主人公がお菓子を食べたとき、私も口にしたような気持ちになりました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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不思議な人形屋さん物悲しくも美しいお話でした。 ひとつひとつ事実が分かっていくたびに驚き、でも不思議と腑に落ちました。 その願いは誰しも抱くものなのかもしれない、と。 @ネタバレ開始 二人目のお客さんのときは「これで良かったんだろうか?」と感じました。その後の彼らがどう過ごしていったのか……。 店の二人は割り切って仕事をこなしているのだなぁ……と思いきや。エンドを見た順番が、エリックが人形になる→エルが人形になるだったため、その結末に深く納得しました。 この二人ならそういう道を選ぶかもしれない、と。 少なくとも、どちらかが一人取り残されることはなくなったので、これがひとつの幸せの形なのかもしれません。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!