日向日影@文化系物書きVtuberのレビューコレクション
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宇宙のカタコンベより。宇宙ステーションでAIのナーヴァシアンと会話をしながら、会社から来る荷物を捨てるかどうか選んでいくというゲーム。その荷物によって少しずつ私の過去や、なぜここにいるのかなどが、少しずつ見えてくるという作品になっています。 三点リーダーの使い方に至るまで、一つ一つの文章、音楽、映像、編集、その全てで強烈に心が揺さぶられる作品でした。 @ネタバレ開始 「そのぉ…」や「えっと」「あっ」など、ちょっとした言葉で二人の会話が自然なものと感じさせると同時に、何とも言えない間合いや二人の間にあるある種の緊張感も感じさせてくれました。 ノベルゲームを読んでいて、いい意味で「続きを読むのが辛い…」と思わせてくれる、このあとこの二人が死ぬのを見たくないと思わせてくれたのは初めてに近い経験でしたし、本当に圧倒される作品でした。いるかとくじら、二人の過ごした10年間にずっと思いを馳せていたくなりました。 トゥルーエンドだけはprivatterを見てしまいましたが、全てのエンディングが美しさもあると同時に全て苦さや不条理さがあるのが、きっとあの残酷な世界の物語としては非常に誠実に感じます。正直なんとか奇跡起きて全員助からないかな…とも思いましたが、きっとこの物語はこれでいいのでしょう。ノーマルエンドの、単純な美しい終わりで済ませないナーヴァシアンの嘆きが一番衝撃的でした。思い出すだけで辛いです。 @ネタバレ終了
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the nameless museum絵にタイトルをつけるという独特のシステムと、からっぽのタイトル画面が気になってプレイしました。 考えているうちに自分の中で絵と絵を繋げて勝手に物語を作ろうとしていることに気づいて、とても不思議な気分になりました。 @ネタバレ開始 途中で見たことある絵が出てきて「あれ…?」となったのですが、 エンディングを見て、なるほどね!となりました。 AIによる創作が進んでいく中で、名前をつけるという行為はこれからも人間の側に残ってほしいなぁと思ったりしました。 @ネタバレ終了
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おじさんと遊ぼうおじさん構文の気持ち悪さが出ていてとてもよかったです! ツッコみながらプレイしましたが、他山の石としてこうならないよう頑張ります! @ネタバレ開始 賢者になったおじさんが本当に賢者だったのがとても面白かったです! 最後のオチでタイトルの意味がひっくり返るのがとても驚きでした。 でも、どれもこれも(おじさんが賢者なのは多分ないでしょうが)インターネットあるあるなんだろうなぁとも思います。 @ネタバレ終了
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樹海の怪モノクロを基調としたデザイン、リアルな音を取り入れた演出、 全てが独特な雰囲気と怖さをかもしだしていて、続きがどうなるんだ…?とドキドキしながら読み続けることができました! また、あの少年のデザインがかわいさと異質さ、そして怖さをかもしだしていてとてもよかったです! @ネタバレ開始 樹が「死」に直面することでむしろ「生」を手に入れる話のように感じました。 樹にとってはある種儀式のようなものだったのかもしれません。 現代社会は死が希薄になっているなんていうよなぁ…など、関係あるようなないようなことを考えさせられました。 少年はどんな気持ちで樹を返したのでしょう? 自分のぶんも生きて欲しい、とか、きっとそういうのを超えたところに思いはあるのかなぁとか、色々思いを寄せたくなるお話でした。 @ネタバレ終了
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You Make a Space Cat全体にデザインやBGMがとてもかわいく、猫が飛んでいく姿もとてもよいです! 自分は55mが上限だったのですが、どうももっともっと上が目指せるようなのでまた挑戦したいです! @ネタバレ開始 最初に見たエンドが手伝わぬ連打エンドだったので「こういう感じか!」ってなりながら色んなことを気にしつつ遊ばせてもらいました! クリックしないエラーまでは気づけたけど最後の隠し要素は見なければ絶対わかりませんでした…! 非常に練られて繋がっている世界観があるようなので今後作者様の他の作品もプレイしたいと思います! @ネタバレ終了
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love laboratoryフェスを機に再プレイさせていただきました! Live2Dの動きがきれいかつ幻想的で惹きつけられます。 シンプルな中に全ての選択肢に意味があって、興味深く遊ばせてもらいました。 @ネタバレ開始 ゲームのデータだからスクリプトの通りに動くしかないという彼女の姿が、美しくも苦しさや罪悪感も感じさせます。 デザインと動き、表情が素晴らしく、色気や艶めかしさを感じるからこそ迫るものがありました。 『「理不尽な女」のパンツを見るゲーム』だと思っていたのですが、 もしかしたらこのゲームは、彼女にとってこそ「理不尽なゲーム」のかもしれませんね。 @ネタバレ終了
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サイレン ナイトクリスマスイブに遊ばせていただきました! キャラ一人ひとりのデザインがとてもよさに溢れていて笑顔になれました! いつも通りドットとBGMが素晴らしく、クリスマスプレゼントにスノードームをもらってみているような気分になれました! @ネタバレ開始 チョキチョキが好きです! きっと何かあるんだろうなぁと思ったらまさかトナカイが警察に追われているとは… そしてトゥルーエンドの映像が本当に美しかったです。 あといつものクソ警官で安心しました(笑) @ネタバレ終了
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本当のイミテーション<Is sympathy a sin?>(注:私はかつて作者様から作品を発表前に提供を受け配信したという経緯があるため、私の感想にはバイアスがかかっている可能性があります) かなり凄惨な殺人事件を描いた作品でありながら、BGMのチョイスとキャラクターのやり取りのおかしさなどがあり、適度な緊張と緩和の中で読み続けることができます。キャラも立っていて、同時に一筋縄でないというのがとてもいいです。私は近藤さんが好きです。 殺人の謎やトリックというより、罪を犯す、あるいはそれに向き合う人の心に焦点が当たっている作品で、そこになんとも言えないセンチメンタルさを感じました。 @ネタバレ開始 美波が新場のことを好きだと自覚する瞬間が、何度見ても本当に好きです。 @ネタバレ終了
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A-lineプレイ中、自分の過去の失恋のことや、 青春時代に感じた思いが何度もリフレインされてきました。 それだけ、青春の持つリアルな美しさも切なさも醜さも、 繊細な言葉や演出の中に込められているのだと思います。 @ネタバレ開始 カセットテープという素材を使った演出が全てにおいて効いていて素晴らしかったです。 カチャという音、lo-fiな音質、A面とB面によって二つの物語が描かれるというストーリーテリング、どれもがこの世界に没頭させてくれました。 プレイ中、本当に心があらゆる方向に引き裂かれるように動かされましたが、特に環と日奈の物語は本当にすごかったです。 そもそも日奈がミナミに似ているということからすでに一抹の不安が煽られ、カセットを聴くときの、これから日奈が何を知るかをわかっているからこその緊迫感、そして、環が十数年間、本当にミナちゃんを好きでい続けているということの何とも言えない、まるで彼だけがあの部屋に囚われて世界から取り残されてそこにいるかのような悲しくも切ない、同時に共感できる複雑な感情…。最後のバージンロードで、彼は前に進めたのでしょうか。登場人物全ての未来の幸福を願いたくなるような、そんな素晴らしい作品でした。 @ネタバレ終了
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Brain-sharing Bot ブレイン・シェアリング・ボット全てをAIを利用して作成された作品と言うことで興味を抱きプレイしました。 AI創作の持つ不安定さというか揺らぎがそのまま作品のかっこよさや不安につながっていて非常に面白かったです! @ネタバレ開始 「停止病」という言葉を見た時の「うわすごい設定だやられた」って感じがすごくて、 本当に文章もAIに成り代わられるのかもという恐怖を少し感じました @ネタバレ終了