Sherlockのレビューコレクション
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こっくりさんのお告げプレイヤーである自分自身も登場人物たちと一緒に10円硬貨に指を乗せているかのような臨場感に始まり、
ストーリー全体を通して会話や場所移動など、次の展開をプレイヤーが選択してゆく場面が多く、
あたかも5人目となって、終始、緊張感が途切れることなく彼らと一緒に行動しているような没入感が楽しめた。
表情が描かれていない登場人物たちの姿と台詞が、それぞれ対応する色になっていて見やすい。
表情の情報がないことで、彼らの証言の真偽や真意を想像する部分が大きく、
怪異なのか事件なのか、最後まで展開から目が離せなかった。
素晴らしい作品に敬意と感謝を。 -
空蝉通り喜多探偵社 ー チベット文字の秘密 ー喜多探偵社の童話の一場面のようなたたずまい、そこから一転して雄大なチベットの風景。
写真を眺めていると冷涼な異国の高山の空気を感じられるような気がして、心が洗われる思いがした。
チベット文字に触れるのは初で発音をたよりに手探り状態だったが、どれもとても美しい形の文字だと感じた。
ちなみに私が最初の文字表の中で第一印象で選んだお気に入りの文字は、
眼鏡のように見えた「cha」である。
願わくば、我がベーカー街の探偵事務所にもこのような依頼が来ないものだろうか。
チベット文字はもちろん、
沙漠の乾いた風に乗って西夏文字が記された謎の紙片などが届き、
私を遙かなる西域へと導いてくれるとよいのだが。… -
よぉ!今からお前んち遊びに行ってもいいか?一週目で展開される一見、不条理な展開が二週目で回収され、
「?」が「!」になるシナリオの面白さ。
こういう、不条理(に見える)なパズルのピースが、ロジカルに1枚の絵に落ち着く感覚が狂おしく好きだ。
お見事、素晴らしい作品に敬意と感謝を。
P.S. 高橋氏にはぜひ、ベーカー街で探偵助手としての勤務をご検討いただきたい。 -
【謎解き】ゾンビキャンパスからの脱出
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ラムネ瓶入り夏休み鈴乃屋氏の描く空は、眺める心の有様を映して揺れる。
首筋を焼くほどの陽射しと耳に染みるほどの蝉時雨を感じる時もあり、
夏の終わりの、宇宙まで突き抜けそうに透明な高い空を感じる時もある。
そんな空の下で過ごす、日常と非日常の数日間。
ラムネの泡のように静かに弾けて消えて、
いつか遠く離れてふと、昨日のことのように胸に響いてせつなくなる、
誰の胸の奥にも沈んでいるかもしれない、そんな一夏を思い出させる物語。 -
殺すしか選択肢を与えられなかった異世界転生勇者タイトル画面の表示の段階から読了まで、
各種の演出の表現・そのタイミング・BGM選曲、そして部分的に装飾や彩色が施されたシルエット絵など、とても好みで、
一冊の「飛び出す絵本」を読んでいるようだと感じた。
殺すしか選択肢が与えられないという斬新な設定の活かし方、
そこからのストーリー展開とその結末が想像以上に作りこまれていて、非常に面白かった。
プレイ前の、異世界転生というキーワードからの予想は良い意味で裏切られた。
お見事、素晴らしい作品に敬意と感謝を。 -
断罪室天秤に花を載せて断罪という世界観に興味を感じてプレイ。
少ない情報、しかも対立する二者の言い分で判断を委ねられることがこんなに難しいものだとは。
BONUS の切り口も新鮮で、期待を裏切らない面白さだった。
正解はわからない、そもそも存在しないのかもしれないが、それでももやもやを引きずって考えてしまう。
お見事、素晴らしい作品に敬意と感謝を。 -
お弁当作ってきたの
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wantedレトロRPGの雰囲気の部屋、謎の作問のセンス。どちらも好みで楽しかった。
難易度もストレスなく進めるちょうど良いもので、ラストの問題は少し歯ごたえがあって面白かった。
楽しい作品に、敬意と感謝を。 -
雨夜の山荘で君は惑う雨の夜。交通を遮断されて孤立した、レトロな洋館(山荘)のクローズドサークル。
やがて起こる連続殺人…
好きな食材・スパイスだけで作られたフルコースのディナーのような豪華なミステリーを、
私も山荘の宿泊客の一人となり、登場人物たちと共に食堂で夕食をいただくような臨場感で堪能させていただいた。
やはりこのシチュエーションは何度味わっても飽きることがなく、
願わくば今後とも、 DELTA氏やその他の一流の料理人の手による創作料理で楽しめる機会を期待したいところだ。
余談だが、このゲームを知る前に自作ゲーム用の背景画像素材を探していた折、
ゲーム制作中の後輩のために制作したという経緯と共にブログ記事に掲載されたこのゲームの背景画像を拝見し、
ぜひそのゲームを遊んでみたいものだと思ったことを覚えている。
その後しばらくしてノベルゲームコレクションを知り、このゲームのサムネイルを見た時、
ああ、このゲームだったのか!と嬉しく思って早速プレイしたものだ。
素晴らしい作品に、敬意と感謝を。