Sherlockのレビューコレクション
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暗がりビオトープ吹き出しの台詞と地のテキストの組み合わせ・チャプターによる適度な区切りのある文章が非常に読みやすく、 色数控え目な背景絵やシルエット絵により、情景の想像をかきたてられた。 解説内容の充実さに感嘆のTIPS・エンディングの演出も含め、ゲーム全体の設計が完璧に洗練されていて素晴らしい… ストーリーについてはネタバレしたくないので多くは語らないが、 読了後しばし、エンディングの登場人物たちの現在はその後どうなっているだろうと想いを馳せた。 最後のページのその先を見てみたい。
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こっくりさんのお告げプレイヤーである自分自身も登場人物たちと一緒に10円硬貨に指を乗せているかのような臨場感に始まり、 ストーリー全体を通して会話や場所移動など、次の展開をプレイヤーが選択してゆく場面が多く、 あたかも5人目となって、終始、緊張感が途切れることなく彼らと一緒に行動しているような没入感が楽しめた。 表情が描かれていない登場人物たちの姿と台詞が、それぞれ対応する色になっていて見やすい。 表情の情報がないことで、彼らの証言の真偽や真意を想像する部分が大きく、 怪異なのか事件なのか、最後まで展開から目が離せなかった。 素晴らしい作品に敬意と感謝を。
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空蝉通り喜多探偵社 ー チベット文字の秘密 ー喜多探偵社の童話の一場面のようなたたずまい、そこから一転して雄大なチベットの風景。 写真を眺めていると冷涼な異国の高山の空気を感じられるような気がして、心が洗われる思いがした。 チベット文字に触れるのは初で発音をたよりに手探り状態だったが、どれもとても美しい形の文字だと感じた。 ちなみに私が最初の文字表の中で第一印象で選んだお気に入りの文字は、 眼鏡のように見えた「cha」である。 願わくば、我がベーカー街の探偵事務所にもこのような依頼が来ないものだろうか。 チベット文字はもちろん、 沙漠の乾いた風に乗って西夏文字が記された謎の紙片などが届き、 私を遙かなる西域へと導いてくれるとよいのだが。…
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よぉ!今からお前んち遊びに行ってもいいか?一週目で展開される一見、不条理な展開が二週目で回収され、 「?」が「!」になるシナリオの面白さ。 こういう、不条理(に見える)なパズルのピースが、ロジカルに1枚の絵に落ち着く感覚が狂おしく好きだ。 お見事、素晴らしい作品に敬意と感謝を。 P.S. 高橋氏にはぜひ、ベーカー街で探偵助手としての勤務をご検討いただきたい。
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【謎解き】ゾンビキャンパスからの脱出脱出の際、自力で解ける問題・ヒントを参照して解けた問題が7:3ぐらいで程よい難易度と感じ、 最初から最後まで先が読めないストーリー展開に没入した。 @ネタバレ開始 スタート直後の解答用紙を見た時からSCRAPのリアル脱出ゲームと似ていると楽しく感じ、 クリア後に後書きを読んで、やはりと納得。 オフライン公演用の印刷物まで完備され、 SCRAPのクオリティに限りなく寄せた各問題やストーリーと密接に連携した作問のセンスと熱意に、ただただ感嘆。 @ネタバレ終了
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ラムネ瓶入り夏休み鈴乃屋氏の描く空は、眺める心の有様を映して揺れる。 首筋を焼くほどの陽射しと耳に染みるほどの蝉時雨を感じる時もあり、 夏の終わりの、宇宙まで突き抜けそうに透明な高い空を感じる時もある。 そんな空の下で過ごす、日常と非日常の数日間。 ラムネの泡のように静かに弾けて消えて、 いつか遠く離れてふと、昨日のことのように胸に響いてせつなくなる、 誰の胸の奥にも沈んでいるかもしれない、そんな一夏を思い出させる物語。
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殺すしか選択肢を与えられなかった異世界転生勇者タイトル画面の表示の段階から読了まで、 各種の演出の表現・そのタイミング・BGM選曲、そして部分的に装飾や彩色が施されたシルエット絵など、とても好みで、 一冊の「飛び出す絵本」を読んでいるようだと感じた。 殺すしか選択肢が与えられないという斬新な設定の活かし方、 そこからのストーリー展開とその結末が想像以上に作りこまれていて、非常に面白かった。 プレイ前の、異世界転生というキーワードからの予想は良い意味で裏切られた。 お見事、素晴らしい作品に敬意と感謝を。
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断罪室天秤に花を載せて断罪という世界観に興味を感じてプレイ。 少ない情報、しかも対立する二者の言い分で判断を委ねられることがこんなに難しいものだとは。 BONUS の切り口も新鮮で、期待を裏切らない面白さだった。 正解はわからない、そもそも存在しないのかもしれないが、それでももやもやを引きずって考えてしまう。 お見事、素晴らしい作品に敬意と感謝を。
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お弁当作ってきたの
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wantedレトロRPGの雰囲気の部屋、謎の作問のセンス。どちらも好みで楽しかった。 難易度もストレスなく進めるちょうど良いもので、ラストの問題は少し歯ごたえがあって面白かった。 楽しい作品に、敬意と感謝を。