Kristfer Kaminskiのレビューコレクション
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何を呪って生きればいい?非常に難しいバックボーンのあるストーリーで、なかなかこの話の意味するところが分からなかったのですが、参考文献や冒頭の言葉を見てなんとなく、ほんとうになんとなくですがわかったような気がします。 @ネタバレ開始 参考文献にあるのは妊娠異常関連の本や記事で、そこにノーマン・カズンズの言葉が引用されているのであれば、多分広島で原爆に被爆したことによって妊娠異常が起こり、その死産になる胎児が視点なのではないでしょうか。 胎児が聞いているのが妊婦を取り巻く世界からの情報で、最終的に死につながるのも、以上妊娠ゆえの必然なのでは、と思っています。 カズンズの言葉の「内側の死」というのもそれを示しているのかな、と。 そんな中に「祝福」という選択肢があったのは、世界は自分の捉え方ひとつで変化する、というポジティブで強いメッセージなのかと思いました。 @ネタバレ終了
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ベリースイートベリードット絵、ピコピコBGM。雰囲気が素敵でしたので、思わずプレイいたしました。 @ネタバレ開始 こういうかなわない恋っていうのは、たしかに酸っぱくてちょっとしんどいなって思うことがおおいですが、それでもいつかはその酸っぱさも実は甘くておいしかったのかなって思えるものだと思うんです。。。 作中の二人のやり取りを見ながらそんなことを思いました。 こういうポジティブな雰囲気にあった素敵な作品でした! @ネタバレ終了
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記憶の翼あまりこういう類のゲームはしたことなかったのですが、おもしろそうなあらすじを見てプレイしてみました! @ネタバレ開始 特にハギトルートが刺さりました。 まさか猫ちゃんだったとは! それに、天使の翼の設定もおもしろかったです。 記憶が消えるということで、自分は知っているのに相手は知らない、という状況に苦悩するキャラクターたちの心情がしっかり描かれていて、もどかしさというか苦しさというか、びしびし伝わってきました。 でもそういう苦悩を乗り越えられたのですから、登場人物たちには幸せになってほしいものですね! @ネタバレ終了
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変な意味怖タイトル画面からほのかにかほる不気味なにおい。。。 @ネタバレ開始 意味怖くない・・・?意味怖?本当に怖い? いろんなテーマで語られる短編集でした。 個人的に一番好きだったのは市松人形のエピソードで、特に人形を殴り壊すシーンはドはまりでした! またおつかいの話も、実は背後にいろんな設定があって面白かったです。 神隠しのテイストのお話でしたが、確かに自分も子供の頃一人で出歩いたときは何もかもが怖く感じたことを思い出しました。 @ネタバレ終了
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記憶を消す旅RPGまるまる一本やりこんだかのような達成感と満足感がありました! 砂漠マップとシナジーのあるキャラクターたち。 そして絵が動く動く! 相当なエネルギーを注がれてできた作品と感じました。 @ネタバレ開始 自分の記憶を消すために旅をするというストーリーラインですが、どちらかというと自分の過去と向き合う旅というのがテーマだと感じました。 どのルートをとっても、メインキャラクターは自分の過去に縛られて、なんだかうまくいかないかんじで生きていましたが、お互いの行動が影響しあって過去と向き合う力を手に入れていったのでしょう。 記憶を消すシステムがある種不合理であることも、そんなに簡単には楽になれないことを暗に示しているのかなと。 そんなことを考えていたら、まさかのループものだったとは思わず驚きました。 最後の最後までしっかり楽しめるいい作品だと思います! @ネタバレ終了
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人を喰った話軽妙なおとぎ話のようなセリフ回しではじまり、主人公と人喰いの花嫁のラブコメのような甘いやりとりがあってからの、怒涛の展開。 四日目に喰われると銘打たれているのだから、万事丸く解決するハッピーエンドにはならないとは思っておりましたが。。。 @ネタバレ開始 まさか主人公が人喰いで、人喰いが人喰いじゃないとは気づけませんでした。 ラストはふたりで一緒にいましょうっていうハッピーエンド的な雰囲気でしたが、これって“彼女”は食べられるの確定ですよね・・・? 本当は人喰いだった主人公は、人間として生活しながら流浪の果てに元居た場所へ戻ってきたってことは、それまで隠れて人食べちゃってたってこと!?ていうことは“彼女”も・・・! といった具合に恐怖しかありませんでした。 解釈違いだったらすいません・・・。 @ネタバレ終了
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雪葬のネージュ衝撃のラストでした。 @ネタバレ開始 某大手予備校の現代文の講師の方が、好きなことを仕事にするんじゃなくて、できることを仕事にしなさい、と言っていたのを思い出しました。 とはいうものの、ごく一般的な才能と感性しかない人間からしたら、そこまで割り切れねえって!て思うところです。 多分アヴェルズもそういうところを割り切ることができず悶々としていたのかなと思いました。 でも、そういう自分の中の葛藤や矛盾って、どこかで爆発するんですよね。 作中の2つのEDは、それが悪いほうかなお悪いほうかに転んでしまったというテイストになっていました。 受け止めきれねえよ。。。 因果応報ってむなしい言葉ですよね。。。 普通と普通じゃない世界を行き来するのは普通の人には難しい。 きっとアヴェルズもネージュもそういうことができない普通の人だったんでしょうね。 @ネタバレ終了
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恋する郵便屋さん郵便屋さんとその届け先の女の子との間の甘酸っぱいお話。 @ネタバレ開始 女の子には好きな人がいて、主人公の郵便屋さんからその人の手紙が届くのを待っている。 主人公の郵便屋さんは女の子が好きだけど、女の子の好きな人からの手紙を渡すことでしか女の子と関われない。 女の子の好きな人から手紙が途絶えたときが、こんな言い方したらあれですけど、絶好のチャンスではあったのですが、もちろん上記のような関係なので、接点も失う。 手紙と言う一点でしかつながっていない二人。 よく練られたすれ違い系のストーリーラインだと思いました。 必然と、エンディングは少しほろ苦いものになりましたが、安易に丸く収まるエンディングに走るよりかは地に足がついていてとても面白かったです! @ネタバレ終了
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Gabriel中世?における宗教の狂気に触れられる一作でした。 @ネタバレ開始 祈りをささげていた人が正体なき声を聴くようになり、それが神の声だと信じてさらに祈りを捧げ続けるというのは歴史ものの王道で、それゆえにとても引き込まれる設定だと思います。 特にその声の主が悪魔でキリストをかどわかそうとしていたり。 本作のように正体不明の悪魔か悪霊かわからない存在だったり。 でもEND1ではガブリエルさんもしっかりその声から脱却して自分の人生を歩み始めたようなので安心しました。 面白かったです! @ネタバレ終了
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白と黒と、あの彼女は -The Colour Out of Space-コズミックホラー、クトゥルフ神話、学生の時にほんの好奇心で本を読んで以来大好きなんですよね。 本作はそんな自分の趣味にばっちり刺さる作品でした。 @ネタバレ開始 宇宙からの色、ですよね(自分もそこまで詳しいわけではありませんが)? そこに手塚治虫の火の鳥の要素を交えつつ、一人の少年が狂気に苛まれ、最後にはこの世ならざる者の手に落ちる、という不気味なストーリーラインが面白かったです! 実際に自分が同じ立場になったらどうするのだろうか、とこういうストーリーを読んだ後には考えるのですが、僕も主人公と同じように泣き崩れて依存しちゃうと思います。 外宇宙の存在にとってこれほどちょろい奴はいないってくらい、人間ってもろくて弱い存在ですよね。。。 @ネタバレ終了