SHIAのレビューコレクション
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Re:versible/Re:incarnate Te:njik恐らく今年のフェス作品で一番プレイ時間が長かったかな?と思う大ボリュームのゲームでした。 コメディからサスペンス、ミステリ、あとちょっとホラー要素もあるかな?とジャンルも幅広く大盛で、一大群像劇を読みたい方にピッタリくる作品だと思います。 多くのキャラに背面立ち絵があったり、画面に映っていないキャラが話している時には左右に表示された顔アイコンに誰が話しているのかマークがつくなど工夫が凝らされていて、面白い見せ方だなと思いました。 茜川莉奈さんサイドの主な舞台となる天竺島に渡航するのが7日で、9日のお昼頃まではキャラ同士の交流や掛け合いを楽しむ日常が送れますが…そこから先は事態が急転直下で緊迫の展開でした。 @ネタバレ開始 もうゾンビはこりごりです…というセリフには激しく同意でした。 直感が盛大に外れてバッドエンドに遭ったりしましたが、なんとかDay21の先のエピローグまで辿り着くことができました。 推理ミスを含めて朝見さんには何度かお世話になりました。 噂のノーヒント直感でしか選べない二択はきちんとバッドエンドへ行きました…直感がバッドエンドを呼んでしまいました…くすん。 さすがにReversibleとつく作品だけあって、一筋縄ではいかない展開でした。 バッドエンドなのね、これ…という時があって「Reversible!!」と思わず口から飛び出ました(笑) @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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「棒アイスとアイス最中+1」陽炎の揺らめきの中に誘い込まれたように、ありえざる出会いが起こる……一夏のボーイ・ミーツ・ガールもので、不思議な体験をさせていただきました。 基本的に一本道だったのでトゥルーエンド到達までも難しくなくて助かりました。 @ネタバレ開始 選択肢の中に「起きる」という夢オチエンドがあったりしましたが、やはり時間軸のズレによる主人公と女の子のすれ違い、奇妙さと後ろ髪引かれるような余韻のあるアイスを買うトゥルーエンドが好きでした。 @ネタバレ終了 ふと振り返ったらそこにいたような気がする、一夏の気まぐれが見せた夢のような不思議な時間が体験できる物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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星を待つ片月何を言ってもネタバレになりそうなので、あまり多くは言えませんが、2周目までプレイして初めて本作をプレイしたと言えるような仕掛けがたくさんありました。 2周目は1周目とは違った景色が見えるので、これからプレイされる方にも是非2周目までトライしてほしいです。 @ネタバレ開始 とても切ない気持ちになりました。 ある意味では青春の中にある生々しい傷のような、もどかしさとやるせなさを内包した独特の痛みにも似たものを感じました。 @ネタバレ終了 星を待つ片月というタイトルが秀逸だと思います。 2周目を終えた後に見ると、じんわりと心にくるものがありました。 素敵な作品をありがとうございました!
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雨音歌う箱庭から延々と降り続ける雨、今日も外には出られない。ずっとずっと雨の音がする。でも、僕はそもそも、この部屋からは出ない……なぜこの部屋に居続けるのか、その謎が紐解かれたとき、衝撃の事実がありました。 タイトルの可愛い女の子から「この可愛い女の子とキャッキャッするゲームかしら?」なんて浮ついていたのも束の間、いやいやこれはちょっと毛色が違うぞとすぐに気づき、主人公は監禁されているのでは?と思いながら進めていると…。 @ネタバレ開始 エンド5の真相へ辿り着くルートで主人公が誘拐・監禁された被害者であるという事実が突きつけられ、君(雨さん)がいわゆるイマジナリーフレンドのような存在として主人公が主人公自身を支え続けるための最後の砦として一緒にいたことに、すべての納得がいく終わりでした。 犯人に対しては、子どもがほしくて誘拐した…だ、と? そんな理由で人二人、いやご家族含めると何人の人生を狂わせたのか分からせてやる必要がっ…!と私の中の死神が覚醒しました。秒で。 主人公が誘拐されたのはかなり幼い頃なので、勉学・社会性はもちろん、監禁されて体力も落ちているのであらゆる意味でハンディを負ってしまっている状態ですが、どうかお姉さんの分まで人生を取り戻して生きていってほしいと思いました。 @ネタバレ終了 タイトルからは想像もできない重たい話が待ち受けていましたが、これからの主人公の未来に幸あれと自然と願わずにはいられないお話でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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隠花生物/顕花生物人間の死亡率は100%であるということを思うと同時に、人間だけが地上の覇者のように振舞い続けられる日がこれまでもこれからも続くなどありえないと思わせてくれる物語でした。 きっかけは些細な言葉を発端としたかもしれない、けれどそれがやがて世界を呑み込んでいくことになるだなんて、誰が思ったでしょう。 まるでダイナマイトの発明の瞬間にも似たものを見ました。 「こんなことになるなんて思っていなかった」と誰もが思う事態になっていく様子、人類にとってはその迫りくるXデー感がよく出ていました。 最初から最後まで大きく分けて全3部の物語ですが、栄華を誇った人類が淘汰されていく様子がリアルでした。 特に胞子たちの活動の一部である「人を学習する」というのが怖気を誘います。 某新型ウイルスのように人間は目に見えないほどの微細な存在たち一つによって混乱に陥るように、人間もまた自然の生物として進化する浸蝕者には勝てないということを緻密に描いたシナリオ、世界観が秀逸でした。 いわゆる自然の弱肉強食、栄えるものあらば滅びるものありという自然の循環を強く感じた作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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ユーフォルビアの人間観察カフェをまだカフェーと言っていた頃のあの独特の空気、レトロと一口に言っても舌触りがちょっと違うこのレトロの味、それらがぎゅぎゅっと詰まった大正浪漫なカフェーゲームでした。 カフェーに訪れる様々な人たちの様子を見る&軍人さんたちと恋に落ちるのが主軸で、カフェーの人たちとの話は思わずニヤリとすることが多かったです。 芥川さんとか遠野物語とか…知っていると、思わずその時代を生きていた人たちを見ているかのようなちょっと嬉しい気持ちになりました。 軍人さんたちとの恋はいずれも主人公としてはハッピーエンド、但しその終わり方は色々で、激動の時代に恋をして人を愛することの難しさや尊さを教えてくれるものでした。 背景で出てくるカフェーのデザートや飲み物などが時代を感じるとともにとても美味しそうで、見ているだけで楽しかったです。 素敵な作品をありがとうございました!
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【謎解きx脱出!】ありすえすけーぷありすちゃんかわいい!!とコロコロ変わる立ち絵やありすちゃんのかわいい反応にまったりプレイしようと思っていたのですが、左上にありすちゃんの限界メーターとしか思えない経過時間が表示されているので、読む速度などもガチめに速読コースでいきました! 我らの救世主にして切望のトイレよ、君にお尻をつけるまでは……漏らせぬっ!! @ネタバレ開始 謎解きのバランスがちょうどよい感じでしたが、初回プレイはかなり焦りました…! どこまでもありすちゃんのお漏らshi…あられもない姿を見たい力が働いているのか、次から次に押し寄せる謎という謎に焦り「トイレが果てしなく遠いっ…! トイレの神よ、家に帰ったら曇り一つなく輝くまで便器を磨くので、とりあえず今すぐトイレくださいっ…!! かわいい女の子が乙女を喪失しちゃう!! トイレ!! ウォッシュレットイレー!!」と脳内トイレの神にトイレくれくれしたりしました(焦ってパニくる/無駄な祈り) アリスちゃん…迅速にトイレまで導いてあげられなくて、本当にごめんねっ!! ここ最近は制限時間がないタイプの脱出ゲームをプレイするのに慣れて、久々にリアル脱出ゲームの感覚であらゆる脳内物質がドバドバ出ていたと思います。 理科室の骸骨に押し倒されたりと「どうしてこうなった」と思う経験もしつつ、無事にクリアできました。 エンディングのために一度目より二度目、二度目より三度目とタイムを縮めていこうと思えるのも素敵な要素でした。 非常に楽しい経験でした。 すごいなと思ったのが、動作の軽さです。 動作がもったりしていたりすることが一切なく、これだけの仕組みをストレスフリーで遊べるのがすごいなと作者様の作り込みの丁寧さに感動しました。 自分も作品作りをする者の一人として、尊敬するとともにお手本にさせていただきたいと思います。 @ネタバレ終了 あえて間違えてありすちゃんのパンチラを見るのもあり、紳士は乙女のパンツ見ないと誓ってトイレ目指して最速プレイを目指すのもありと、色々な遊び方ができる面白い作品でした。 なにより、ありすちゃんがとてもかわいい!! 素敵な作品をありがとうございました!
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イロハニホヘトちょっぴりビターから甘々なスイートまで様々な恋愛模様とイケメンが待っている、乙女ゲームが好きな方には是非にオススメしたいカフェー女給さんの恋模様物語です。 後日談は全体的に糖分高しなので、クリア後は忘れずにオマケから後日談を~とプッシュしておきます! @ネタバレ開始 芥川さんが一番の推しです。 西洋文化に惹かれながら華道家元の縛りがあってシャツ一枚腕を通せない…人が腕を通したら、カッコイイに決まっている…!!とスチルで完全にノックアウト。 お花を手にしているキリッとした芥川さんも洋装の芥川さんも、どんな芥川さんもカッコイイとなりました。 お家の格違いから結婚までのハードルは高そうですが、実は知っているお母様だけではなくお父様たちにも認められますように…! 中原さんとの始まらなかったけれど今から本当の恋が始まりそうなほんのりした恋、慕情を知らなかった尾崎さんが初めて自覚してから足並み揃えて始まる恋、森先生の結構したたかなところがある少し意地悪なけれども独占欲ありありの恋、平塚さんの下僕じゃないよ恋人だよな一途な恋、谷崎さんの自分に自信がなくても二人で一歩ずつ殻を破るように育んできた恋……いずれもオマケの後日談まで含めて素敵な恋でした。 本編では始まりそうで始まらない~!な地点で終わっていた恋も、後日談ではしっかりと恋が始まり一花さんにはたっぷり幸せになってもらいたいと思いました。 キャラクターによっては結婚(仮)までスパッといったので、そこから先も見たかった~!です。 末永くお幸せに! 尾崎さんの開眼、谷崎さんの男姿は破壊力抜群でした。 大切なことなので最後に言いました…! @ネタバレ終了 選択肢の「誰が気になる?」で気になるキャラを選ぶだけでその人のルートに入れますし、ルートに入った後も選択肢を間違えるとすぐにバッドエンド(何事もなくタイトルに戻る)に至るので、攻略難易度も低めです。 時間があまりない人も手軽に遊べるので、オススメです! ちょっとスリリングな恋からまったりした恋まで、色々な恋模様をたっぷり堪能できる素敵な作品です。 ありがとうございました!
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夢限のヤミヤミくんの目の色だけがとても色鮮やかで印象的な静かで暗い世界に惹かれてプレイしました。 周回前提の作品とのことで、この部屋はいったいなんなのか、ヤミくんとは何者なのかなどの謎が少しずつ開示されていくタイプかな?と、どっしりと腰を据えてプレイさせていただきましたところ、繰り返しヤミくんに話しかけるうちに辿り着ける真相に、とても切ない気持ちになりました。 @ネタバレ開始 今まで眸以外色のないヤミくんと話していたら、突如色がついている上に外見がどう考えても悪魔な方が現れたときは「カラフル!(意訳:色がついている!)」なんて思ってしまいました。太陽さん、ごめんなさい。 太陽さんが現れるまでに周回→既読スキップしていたら特定の箇所で完全停止してアプリを再度立ち上げてやり直し×3を挟んでいたので「す、進めたー!!」という気持ちもあって、ちょっぴり感動しました。 フォンセくんの本当の幸せを思えば、「一緒に行く」よりも「さようなら」でご両親が迎えに来てくださった時が彼が約束を守り続けた真意に直結するものでもあり、一番幸せな結末だったのでは…とも思うのですが、太陽さんの「人間はどれも髪の色が違うくらいだと思っていたのに、いつの間にか我が子のように愛しくなっていた。フォンセ(くん)を幸せにできたのか。」という感じのフォンセくんに対してとてもやさしい気持ちを抱いているのも見捨てがたく、全方向が幸せになれる形がほしかったと、ハピエン脳では歯ぎしりしたい気持ちに…! 物語の背景にある「魂を狙われていた、脅威が過ぎ去るまでは迎えに来られない」という部分が気になりすぎて、もっと知りたいと思いました。 @ネタバレ終了 周回前提でのお話ということもあって、色々と仕掛けが大変面白かったです。 記事で少し読みましたが、周回が前提だからこそ色々とご苦労もあって削られた機能などもあったとのこと、制作本当にお疲れ様でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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迷惑ユーザー成敗迷惑なユーザーさんのイラッとするフルボイス(褒めています)が成敗待ったなしに拍車をかけてくれる、タイミングを合わせてボッコボコにするゲームでした。 成敗成功時になぜか画面に向かってぶつかってくるので「こっちに来るなー!!」という言葉が浮かんでしまいました。 タイミング合わせが成功し、梅干しを食べたときの口みたいに顔面にめり込んだ時は思わず笑いました……。 難易度がやさしく、タイミング合わせなどが苦手な人でも十分にクリアできて楽しめるスタイルになっていたのがよかったです。 @ネタバレ開始 エンドロールの無限百叩きを見るために成敗し続けたと言っても過言でないくらい、本当にコミュ障まみれでした……。 3人ともが3人とも相当こじらせていて「うわぁ…」となりました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!