SHIAのレビューコレクション
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本当のイミテーション<Is sympathy a sin?>両耳が切り取られている遺体が発見された―――という大変ショッキングで連日お茶の間のニュースに上がりそうな事件が起きる本作、急にポンコツ捜査官のスイッチが入り最後までノンストップ読破でした。 一つの事件ではなく複数の事件が複雑に絡み合い、最後には一本に繋がるという読み応えのある作品でした。 あの人物がこっちに関係していると思ったら、あっちにも関係しているのか!と、終盤にいくにつれて加速度的に明らかになっていく真実にワクワクが止まりませんでした。 @ネタバレ開始 犯人の動機に関しては、言語化されて初めて「何を考えていたか」を知ることはできても、根本的な部分への理解は難しかったです。 「そういうことだったのね」と表面上で理解することはできても「なるほど! わかるよ!」と根本的な部分への理解はならず、なぜそんな形に拗らせたのかという視点に落ち着きます。 それが一線を超えた者と超えていない者の見えている世界の違いなのかなと感じました。 彼がいざ春さんを…と当初の通りになった後で、叔父の自首に「彼女と僕の関係性に嫉妬して手柄を奪った」と急に思考回路が「いや、どう考えたらこの一瞬でそうなる?」という方向にシフトしたので、彼自身が元々誰かとの関係性を築くことに対してなにかしらの阻害要因を持っていたのかなと感じました。人格形成においてなにかあったのかなと深読みしました。 犯人に対してはどうしても根源の理解まではいきませんでしたが、話は最初から最後までとても面白く、綺麗にまとめられた終わりかたでしたので読み終わったあとまで余韻がよかったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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Bon appetit拉致された恋人のために主人公が出される料理を完食する…という見たこともない不思議なストーリーに、初めからワクワクが止まりませんでした! 料理に関しては、食べて大丈夫かしら…と思わず手が止まってしまいました。 @ネタバレ開始 …話の流れ的に、一品目からして人肉を出されているのかと思いました。 しかも、状況的に実はもう自分の恋人は殺されていて、その肉を食べさせられているのかというところまで想像しました(汗) 虐めたほうは「そんなことあったっけ?」と覚えていなくても虐められたほうは一生死ぬまで忘れないんですよね…主人公が虐める側だったこともあり、さまざまなバリエーションで死んでいくのは自業自得の面もあるよな…と納得しながら死に様を見届けたりもしました。 すべてが謎だらけで右も左も分からない状況の中から、断片を通して少しずつ物語の真相が見えてくる趣向、大変素晴らしかったです! イジメ、ダメ、ゼッタイ。という言葉で締めたいと思います。 @ネタバレ終了 異質な状況に目が行きがちですが、物語の根幹にあるテーマに思いを巡らせると色々と考えたくなる作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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「真夜中のクロッカス」数か月後に嫁ぐ私が祠で出会ったのは、紫という一人の少女―――から始まる、大自然に囲まれた中でのちょっと怖くそしてほんわりと幸せな気持ちになる物語でした。 OPムービーにアニメを見ているみたい~♪と思っていたら、一瞬とてつもなく怖い何かが映り込んでホラーが大の苦手なビビリチキンは頭がパゲるかと思うくらい心臓が縮み上がりました…。 @ネタバレ開始 魄さんも紫さんもデザインがとてもかわいいので、二人が同時にスチルに映っていると思わず笑顔になりました。 土蜘蛛様のお話が出てきた時は「あ、知ってる!」と思わず心が浮き立ち、この辺りは読むのも前のめりになりました。 なお、この後の祠で【何か】として出てきたときには私の心臓が停止したことを付記しておきます(笑) あ、こちらの御方が土蜘蛛様でしたか…(震え声) 土蜘蛛様にお願いして村で起きた真実を2人で見にいくときは、画面の前で私もすごく緊張していました。 じわじわと後ろで鳴るとても暗い背景BGMが効果的で、怖いものを見ている…とドキドキしていました。 真実はある意味で予想通りでもありつつ、商人の首スパーンは「あ…」となりましたが、そんな紫さんを魄さんはすべて丸ごと受け止めて「今度は私が紫を変える。私を選んで」と二人で見つめ合っているシーンは胸にじんわり響きました。 最後の夜明けの背景は本当に美しく、二人のこれからの未来に灯る希望のように見えました。 おまけの魄さんの家族やつっちー様のイラストとても可愛かったです! また、おまけまですべて見ると変わる爽やかなタイトルイラストに胸熱でした…二人ともめちゃくちゃかわいい…!!! 最後に。 土蜘蛛様、怖いー!!とビビリ散らかしてすみませんでした…実は紫さんをずっと護っていたとてもおやさしい方だったのに…! @ネタバレ終了 タイトル含めてところどころで動くキャラクターたちがとても魅力的でお話も面白く、クリアまであっという間でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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ビャクイ大学ユウレイチャットユウレイチャットってなんだろう…と思いながら「怖かったらどうしよう…ええーい、ままよ!」とプレイし始めた本作、双子姉妹に「かーわーいーいー」なんて浮かれ気分で「ほいほい異界ね、異界♪ 憂花さんかわいい~♪」と軽く読み進めていたら…。 @ネタバレ開始 送ってきた写真んんんんんんんんんん!!!!!!となりました(涙) いや、怖すぎますよ、怖すぎますよ!! 思わず2回早口で言ってしまうくらい怖すぎますよ!!(3回目) 霊感がないのに見えるのなら、それ実在する人物ですよね、つまりあなた誰!? Who are you!? …と、画面の前で非常に震え怯え慄きました。 本作はここが一番怖かったです。 その後は怖いというよりも面白いで進みました。 主人公はそもそもどこの誰なの?と思っていたので、要留さん放った真実が腑に落ちました。 主人公的には最後の終わりかたは納得できなかったかもしれませんが、元々死んだ理由が死んだ理由だったので、プレイヤー的にはむしろスッキリしました。 @ネタバレ終了 逢魔が時に迷い込んで抜け出してきたような、不思議な体験ができる面白い作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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海隠しタイトルの海とタイトル名から「和風伝奇と銘打たれているし、どんな伝奇ものかな?」とプレイし始め、ネッシーのお話から始まったので、「ほほーう」とどんな物語になるのか興味深く読み進めていたら―――。 @ネタバレ開始 ロボットが!! 出てきました!!(驚愕) 突如として広がる世界観にとても驚きました。 海藤さん、本当にどういうことなの、説明して!でした(笑) そのままイルミナティズというリアル的にも大変有名な某秘密組織に似たお名前の組織が出てきたり、機体が核を原動力にしていたり、終戦とともに大門湖に廃棄されたり…と 情 報 量 が 多 い …!! 主人公と一緒にここは「え!?」「えええ!?」と驚きっぱなしでした。 予測できない展開はとてもスピード感があって、面白かったです! タイトルの意味が明かされる終盤は、もう一クリックずつが激震でした。 方舟はもちろんあの話が一番有名ですが、まさに世界の終わり、すべてが海へ隠され還るというあの最後の終わりはとても印象的でした。 まだ明かされていないこともあるかな?と思いましたので、もし続編などがあれば楽しみにしています。 @ネタバレ終了 中盤からガラリと変わる雰囲気に圧倒されながら最後まで駆け抜けました。 思わず度肝を抜かれる展開、面白かったです! 素敵な作品をありがとうございました!
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ひあしんすポコポコポコポコと会話の音が楽しい緋愛さんとの会話、じっくりポコポコ堪能させていただきました。 エンドに到達するごとに少しずつタイトル画面にヒヤシンスが増えていくのと、選択肢がちょっとずつ増えていくのが楽しかったです。 @ネタバレ開始 三日目の亀の中に~のストーリーは「はっ? ええええ!」となったりと、二人のやり取りにちょっとびっくりしたりもしましたが、無事に15個のエンドを集め、いざまた最初からの最後のストーリーは不思議な感じでまた別の味わいがありました。 それにしてもの亀とAIが印象的すぎました…! 三日間の間に「今日が何の日か」というのは把握していたのですが、確かに朝早すぎますね(笑) 二人がリアルタイムにそこでやり取りしているような短めの文章での見せ方は、いつも読んでいるノベルゲームにはないテンポでとても面白かったです。 プレイ後、ヒヤシンスの花言葉を調べて、作品の雰囲気に合っているなとほんわり思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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REN-A.I.AIとセキュリティについての知識を楽しく得られる面白いゲームでした。 最近あらゆる分野に使われるようになってきたAIですが、細かなところは知らないことも多かったので、とても勉強になりました! @ネタバレ開始 かわいい女の子を庇ったら、実はIT業界TOP会社の社長令嬢さんだった!という展開も面白く、しかも婚約破談にするため優勝しなければと優勝を目指す理由ができてからは一層頑張れました。 パン屋での会話などすごく良い雰囲気だったので、これはもしかして主人公とハッピーエンドもあるかなー?と思っていたら、無事にその展開があって嬉しかったです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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籠城勇者お城の幽霊王子ことイレイユさんの元へやって来た死んだ目をした勇者のウィロくんは自らお城に住みたいと言い出し、ソウルチャンズもいるお城での生活を始めて…と、ちょっと不思議な始まりにどんな展開になっていくのかなと気になりながら進めました。 @ネタバレ開始 勇者として頑張っていた時に追いつめられて病んでしまったがゆえに疲弊していたウィロさんと、かわいいソウルチャンズ、ウィロさんを守りながら一緒に暮らすイレイユさんの微笑ましいほのぼのとしたやり取りに癒されました。 中盤くらいからは少しずつシリアスな雰囲気になっていき、決断はどうしようか迷いました。 初回はソウルチャンズが最強なのでは~なエンドを迎え、ダーリックさんとも会話できるくらいには回復してよかったーと胸を撫で下ろしての読了でした。 その後でロードして選んだもう一つの選択肢ではウィロくんが三歳児っぽかった理由が明らかになり「な、なるほど…!」と衝撃の事実に思わず唸りました。 その後の魔王様のウィロくん誕生説にさらに衝撃でした。 最後はみんなで幸せ家族計画、大団円で終われて良かったです。 姿はまったく登場しませんでしたが、陛下(王様)も何気に過保護で濃いキャラな感じで面白かったです。 終わってみると結構なシリアスさだと思いましたが、最初から最後までソウルチャンズがいい感じにゆる~んとしてくれて、楽しく読み終えました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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Billyすべてが謎の状況から始まる水平思考を楽しむゲーム、何が何だか分からないところから状況を把握し、いざ答えまで結び付けていく過程、とても面白かったです! 一問目を正解した時点で「おや?」と感じた引っかかりを無事に理解し、すべてが一つに収束したときは切なかったです。 ゲームの紹介文にあった「白い部屋に三つの扉 あの子達を、ユヅキを、救って」の意味、そういうことかと思いました。 お話をきちんとすべて聞けば解ける難易度で、難しくはないので、水平思考ってなに?や情報を繋げるのは苦手…というかたも挑戦してほしいなと思いました。 素敵な作品をありがとうございました!
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IF・・・開始直後、突然の事故にゆいさんと一緒に「う、嘘でしょ…」という気持ちになりながらのショッキングすぎるスタート。 過去に戻って悲劇を止めると意気込んでいたのですが…。 @ネタバレ開始 ものの見事に初回はバッドエンドでした…朋子さん、ごめんなさい…! その後にロードしてカラオケへGOとなってからも「あ、れ…?」という結末と正体不明Yさんの「フフ…」と謎めいた笑いに不安を感じながらのさらなるタイムリープでした。 その後のコンビニからの惨殺展開などを経て、ひとまずのノーマルエンドを迎えてようやく頭の中のパニックにも一息つけました。 とにかくひたすらにバッドエンドを踏み続けましたが、ここまでバッドエンドを見たからにはゆいさんが朋子さんを救いたいと願う気持ちを叶えてあげたい!と画面の前で「バッドエンドに負けるかー!」と気合を入れ直しました。 どこにあるのかなーと思ったトゥルーエンドは、辿り着き方が斬新でした。 先にコンビニでの「黙り込んでいたら分からないよ!」の例があったので、もしや…と思っていたら、そうでした。 これからプレイされる方もその「もしや」に気付けるといいのですが…! 人の心の闇って深いですね…上手く自分の心の闇と向き合って、それはそれとして認めて受け入れて「そういう感情もあっていい、これも私」という境地まで至れるとすり潰されなくてすむのかなと思いました。 @ネタバレ終了 ムービーなどの細やかな演出も素晴らしいタイムリープものでした。 素敵な作品をありがとうございました!