SHIAのレビューコレクション
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海底満月かぐや姫と人魚姫が出会い、恋に落ちたらどうなる……という、二つの昔話&童話をモチーフに融合した形で綴られる、やさしく幻想的な百合ゲーでした。 起動後のタイトルで人魚姫が満月を見上げている理由がゲームをプレイするとよく分かって、切なくなりました。 @ネタバレ開始 人魚姫は足も声も失わなかったけれど原作と同じく大切な人と結ばれず、かぐや姫も原作通りに月へ戻っていくところが、個人的に好みでした。 2人でいつまでもいましょうという展開に落ち着かず、別れがあって遠く届かぬ空へ思いを馳せる姿だからこそ心に沁みるものがありました。 @ネタバレ終了 届かないものに手を伸ばそうとして躊躇う、揺れるその心を丁寧に描いた繊細で切ないストーリーがとてもロマンティックな作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
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『昆虫化事件』『昆虫化事件』というゲームタイトルからして個人的にはかなりのインパクトを感じた作品で、実際にプレイしてみると結末が驚きの展開でした! @ネタバレ開始 まさかの結末で、犯人が……と驚きました。 選択肢を選ぶとそれぞれの選択肢で「○○な罪人」と出る仕様が面白かったです。 2人とも昆虫化した後で日記をつけていた日記では、その日記が徐々に味覚などが失われて身体機能が変化している様子が克明に描かれつつも、録りためていたドラマを消化するなどポジティブすぎて笑えました。 自分が「余命一週間で昆虫化する」と言われたら、こんなに冷静でいられる自信はありません。 そもそも正気でいられるかなーとかどんな昆虫になるのかなー黒きGって昆虫? Gだけは嫌だなーとか、色々と想像してしまいました……。 @ネタバレ終了 予想外の結末が面白いゲームでした。 ありがとうございました!
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終わりから「終わりから」というタイトルのとおりでした。その作りに驚かされるとても上手な作品でした。最後の最後のワンシーンをこういうふうに見せられるなんて、とても面白い作品でした。 @ネタバレ開始 リバーシブル仕様になっている物語に、脱帽でした。 終わりから読むか初めから読むかで、同じ文を用いたストーリーの印象が繊細なカラーで変わる仕様に「すごい!」となりました。 回想になるのか、進行形になるのか……両方の側から死までの道程を楽しめる味のある仕掛けが本当に面白いです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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超時空ジュース屋さん時空を超えてジュースをお届け! 上手くお渡しできるかでストーリーやエンディングの評価が変わる、お客さんが多種多様&みんな良い意味でクセがある面白いゲームでした。 @ネタバレ開始 初回でS評価を得られたので、まあまあ頑張って運営出来ました。 お渡しするジュースを間違えたらしく、ロボットちゃんも従業員に加わってくれました。やったー! 途中で一人、ヤ●ザやマ●ィアの方みたいなお客様と出会ったのですが、まったり会話しようと試みたらお亡くなりになってしまいました……(衝撃) まだジュース渡していないのに、逝かれてしまったー!! せめてジュース飲んでから逝ってくれー!!(悪魔か) 初回はそんな感じで進み、S評価をいただいた後で周回開始。 「●●」で話す謎の方に「ええい、ままよ!」とジュースを渡したら喜んでいただけたり、画面を埋め尽くすマッチョメンと出会ったり……と一癖も二癖もある面白いお客様たちとの一時を過ごさせていただきました。 豊富なお客様図鑑を埋めるぞー!とせっせと周回しましたが、埋まり切らない……なかなかに歯ごたえのあるゲームです…! @ネタバレ終了 お客様が面白い方々ばかりなので、周回も楽しいゲームでした。 クールな弟子天使さんが時々入れる鋭いツッコミなども読んでいて面白かったです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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Strange meeting!人生経験ゆえかキメるところはキメて、どこか抜けている順(すなお)さんが激カワイイ……全部と思っていたら、すべて最後までプレイすると衝撃アリのある意味で大逆転ゲームでした。 @ネタバレ開始 主人公さんが明らかに(今現在は人として)ダメな彼氏さんとズルズル付き合ってるところが、すごく等身大でした。 元々はそんな人じゃなかったから、別れきれないところなどがあり……順(すなお)さんとの関係もあって、キッパリ別れたところが爽快でした。 彼氏の順さんが本当に絵に描いたようなモラ男で……主人公さんのご家族の件の時はとても好青年のように感じられたので、人って変わるんだなという月日も感じました。 別れた後は鬱々してしまっていて、順(すなお)さんに八つ当たりしているところもよい意味で甘えているんだなと思いました。八つ当たりしてしまいたいほどの信頼関係が見えて、ハラハラしながらもとても良いシーンだと思いました。 人間、物に当たるということを除けば、八つ当たりなんて多少なりとも信頼している人にしかできないと思うので。 医師として積んできた人生経験と主人公よりも年上ということで余裕のある順さんではありますが、顔の表情がコロコロ変わったり、言動に少し抜けているところがあって、とてもかわいい人でした(と、本編だけクリアしたこの時点では本気で思っていました……) ……「え?」となる衝撃がありました。 後日談のお家デートのその先まで見ると「アッ―――!!」となりました。 なんてこと……!!(闇が深かった) @ネタバレ終了 システムなど含めてとても完成度が高く、商業作品にも劣らない快適性で、最初から最後まで大変楽しく遊ばせていただきました。 とても素敵なゲームをありがとうございました!!
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宝石と夜食戦うために宝石の力を手に入れた人たちが、「それから」を過ごしている小さな輝きの物語。 選択肢3つをクリアすると主人公の物語が自動で流れて、語られなかった主人公の過去が語られる演出がとても良かったです。 彼らに何があったのか、なぜそのような力が生まれたのかなどの背景事情の多くは本作では語られませんが、戦うことを目的として構成された宝石の力を持つメンバーたちの、本来多くの人が辿るであろう戦いのない人生を享受している姿にほっこりしました。 強くてクール、ルビーのように美しい朱音さんがサクッと乗せられてケーキを作る姿がたいへん可愛らしいです。 それぞれの宝石を背景にしたスチルがとてもきれいでした。 ありがとうございました!
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ほろびのシロ邪人生の破滅が待っていると分かっていても、人は禁止されると犯したくなる生き物なのだな……と思うとともに、そちら側に落ちることのできる人はあっさり一線を越えられるのだと改めて思いました。 主人公が高校教師をまだ続けていられるのが不思議なほどに、徹頭徹尾のゲスっぷりでした(失礼ですみません) 「俺はまったくその気はないんだ!」と完全に純粋に潔白な人の話なのかと想定していたら、黒も黒、真っ黒の下心まみれで食事に行った時点でもうどんな因果応報になっても仕方ない……となり、最後の展開も完全に自分のことしか考えていないところに「この人ある意味で鋼の精神の持ち主ね!」とある種の感心までしました。 後半になるにつれてスチルがどんどん登場して、物語&狂気の加速がひしひしと迫ってきました。 シロさんがこんなにかわいいのに凄惨な暴力に遭っていて不憫すぎました……血だらけになってしまって……。 サイコホラーヤンデレな時間をありがとうございました!
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ひなちゃんのおつかい!幼い頃、買い物に連れられて行けば用があるのはお菓子売り場とアイス売り場だけ・おつかいなんて元からムリゲーな私にとって、選択肢によってはお菓子コーナー素通りのひなちゃんのおつかいは「君、本当にすごいね!」の感嘆しかありませんでした(笑) @ネタバレ開始 選択肢によってはお菓子コーナー立ち寄りイベントが発生するので、その時はもう買わずにはいられませんでした……ごめんね、マミー。 でも子どもの夢があの売り場には詰まっているんだ。 (大人になった今でも新商品を見つけたりするとワクワクするので、お菓子売り場は永遠の夢広場です) おつかいに失敗しても叱ることなく苦笑で応じてくれるお母さまが素敵です。 なんだか足りないなーのエンド2の足りない部分が肉だったときは「ひなちゃん、ごめん!!」となりました。 ひなちゃんの嫌いな人参ならまだしも、肝心の肉が足りてないとか……!! ルーが足りないときはどうなるのだろうと、画面の前の悪魔ことプレイヤーがルーを忘れさせた時も「本当にごめん!!」と思いながらも、ちゃんと夕ご飯があって良かったです。 @ネタバレ終了 ひなちゃんが無事に美味しいカレーを食べられるスチルが、心から美味しそうで本当に良かったです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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それゆけ!田中マン!週刊誌など少年向け雑誌類に掲載されていそうなノリで全編コミカルかつヴァイオレンスに進む、とてもパワフルな物語だったねんね。それにしてもこの語尾癖になるねんね。 @ネタバレ開始 「アン●ンマンみたいに現れてお金を取るのね!?しかも結構な高額ね!?」と思っていたら、まさかの田中マンがラスボス系の悪かつラストのラストで田中マンだけバッドエンド(笑) 舎弟を殺られたとあの現場まで這いずってきたゾンビみたいな兄貴がグッジョブでした。 途中で登場したオバサンなど脇役も個性派揃いで、出てきたと思ったら虐殺されてしまったモブくんたちも皆いい味出していました。 終盤で覚醒したアフロくんが顔つきまですべて変わっているのがとても面白かったです。 @ネタバレ終了 語尾の「ねんね」がどうしても気になる、ハイテンション・ヴァイオレンスな面白いゲームでしたねんね。 ありがとうございましたねんね!
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GrayWorld「G W」。一つだけ簡単な謎解きのある、クリア前とクリア後でガラリと印象が変わり、タイトルまで変わる素敵なゲームでした。 初め某大型連休を想像してしまいました……すみません。 多くが語られないからこそ考察の余地があるゲームでした。 目の前の世界から一歩引いたり、別の角度から見れば、別のものが、別の世界が見えてくる―――そんな感じの印象を受けるゲームでした。 灰色に見える世界でも、顔を上げれば青空が広がってそこに虹がかかっていることもあるように、世界は見方次第でいくらでも変わるという前向きな気持ちになれました。 素敵なゲームをありがとうございました!