SHIAのレビューコレクション
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君と話したいゲームならではのギミックと言いますか、素晴らしいアイディアでできたゲームです。このゲームはクリアしてからが本番の二度美味しいゲームでした。 @ネタバレ開始 心理テストと称して主人公を誘いに来る本編の彼女ももちろんかわいいのですが、チュートリアルちゃんとのルートがあるとは……!! 生成されたシステムセーブデータ類を捨てる日が来るとは思いませんでした。 チュートリアルを何度も何度も選んだら出てきました、チュートリアルちゃんのセリフ…! チュートリアルって初めから飛ばされたり、読んでも一度きりが多い中、健気にも待っていたこちらこそ本当のヒロインなのでは?と思いました。 作品の紹介ページにも「〜記憶を消してでも、君と話したい〜」とありましたので、こちらが真のヒロインなのかなと。 ノーヒントでしたが答えは既に示されていたので、入力する言葉はボックスが出たときには分かっている状態でした。 とても面白い仕掛けでした。 @ネタバレ終了 アイディアが素晴らしすぎる素敵なゲームでした。 ありがとうございました!
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高対称のi「二次元のシンプレティックは、まさに俺なんだからよ」……しっ、痺れるーーーっっっ!!!!! 高換°という表記が既に胸をくすぐるハートウォーミングすぎる数学の世界……さんかく先輩がカッコ良すぎではないですか! 生粋の60度……間違えました、生粋の兄貴肌で仲間思いでやさしいとかパーフェクトすぎる60度です! 冒頭からテンション高めで失礼しました。 とても楽しく本作をプレイさせていただきました。 なんてったってSO(2)の対称性、証明がワイルド、トガった生き方……などなど、この作品ならではの表現がとても面白かったです。 攻略対象が図形ですがしっかり乙女ゲームでしたし、数学用語&知識がたくさん出てきますがスラスラと読めました。 社会に出てからはこの知識たちと触れ合う機会もあまりないので、少し懐かしく思うとともに大変新鮮でした。 数学にしかない独特の雰囲気に満ち溢れていて、プレイ中は今までにゲームでは経験したことのないこの雰囲気にどっぷりと浸からせていただきました。 @ネタバレ開始 主人公さんが自分が誰であるのかについて、タイトルで全力のネタバレをしていたので「大丈夫かな?」と思っていましたが、杞憂でした。寂しそうにしていたので、杞憂に終わって本当に良かったです。 特に好きなシーンが、さんかく先輩の「見えるもんが全てだと思ってちゃ、デカルト座標しか見えないぜ」という言葉からの一連の元気づけでした。 複素数平面がここで出てくるとは……さすが数学の乙女ゲーム!!と思いました。 ガウス平面というとてもカッコイイ呼び方が実は大好きだったりします。 ○、□くんのルートでも主人公の居場所を数学的に教えてくれる展開が素敵です。 (□くんは特に四字熟語にも詳しくなれるので、数学とともに国語の勉強までできました…!) @ネタバレ終了 これは数学好きにはたまらない作品だなーと思いました。 数学苦手な方だと出てくる単語だけで「うっ!頭がっ…!」となるかもしれませんが、とても面白いので苦手な人にも楽しんだもらえたらなぁと思う、とても素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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ワイの名は。カスゲーと銘打たれていますが、個人的には(良い意味で)カオスゲーでした。何もストーリーが思いつかないんやーと唐突に始まったような終わったようなストーリーを進めると、なぜか教室について詳しくなりました……フリゲ界隈では親の顔より見た背景ではありますが、そういう造りなのねーと思いました。 特に採光率のくだりは「へー」と思いました。 ストーリーがないと言いながら豪華にもボイスがしっかりフルで入っていて、ちょいちょい入るその甘噛み感にちょっとだけクスリと笑いました。 作者様による全部俺ボイスがじわじわくるゲームは、唯一無二だと思います(笑) 次回作に向けてストーリーがたくさん思い浮かぶよう応援しています。 とても勢いのある作品でした、ありがとうございました!
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時計のある部屋一問のみの謎解きゲームです。部屋にあるものを調べて謎を解いてドアを開けようというシンプルなゲームで、難易度も(個人的な体感では)かなり簡単な部類に入るため、サクッと解けました。 @ネタバレ開始 椅子を見た時点で何をすればいいのか瞬間的に分かったので、先にプレイしていた「wanted」に比べて、本当にやさしい問題でした。 脳をちょっと緩ませたいときに最適な問題でした。 @ネタバレ終了 ありがとうございました!
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使用人との恋お家が傾いた下級貴族の主人公令嬢が、使用人アランとの禁断の身分違いの恋に落ちるのか、それとも婚約者であるオーウェンと結ばれるのか―――使用人との恋をたっぷり楽しませていただきました。 @ネタバレ開始 ヤンデレで迫ってくるアランさんもタガが外れて容赦がなくて素敵でしたし、太陽のような笑顔で二人で生きていくことを喜ぶアランさんも、どんなアランさんも素敵でした。 特にヤンデレエンドは「アランさんつよい…!」となりました。 ヤンデレもそれはそれで愛の濃度がよし。 オーウェンさんとのアナザーエンドでは、とても分かりやすくアランさんが信じられないものを見るような氷河期真っただ中の凍てついた御顔でしたので「ヒ、ヒエェ…!これはアランさんの人生史上最高に怒っておられるのでは!?」となりました。 このエンドを見たときは「ごめんなさい!」と心の中で思わず頭を下げました……。 「困難な道でも二人なら」のルートのアランさんの独白は一番グッときました。 どのルートでもアランさんが主人公のことをただただ一途に想い続けているだけに、独白部分でちょっと涙腺にきました。 @ネタバレ終了 アランさんが徹頭徹尾、主人公さん想いの愛情たっぷりな短編でした。 オーウェンさんの話題になるとサッと無表情になるあたりで「あっ…」とお察しできる愛情の強さが本当に素敵です。 素敵な作品をありがとうございました!
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やっぱ世の中金だよなァ!!世の中カニは外せないけれど、あえて5000兆円ほしーーーー!!!という思いに駆り立てられる瞬間はいつか……と聞かれたら、新しいガチャキャラが実装されたときと、家電製品が急に召された時です。 主人公もタイトルからしてカネェエエエ!!!とお金お金しているので、日々色々あるんだろうなーと思いつつ、プレイしました。 @ネタバレ開始 お金大好き好き好き主人公がカニになったり、バトロワ強制参加だったり、札束で後輩の横っ面を殴ったり、金に溺れて悪魔になったりとお金が関わって大変なことになっていましたが守ENDが一番平和的解決(?)でよかったです。 守さんが画面にドーンと出てきた時は、急にイケメン出てきた!と思いました。 ちょっとだけ「やっぱり世の中イケメンだよなァ!!」と思ったのはナイショです。 バトロワエンドルートのげんなりした主人公の立ち絵がとてもツボでした。 @ネタバレ終了 世の中、お金があれば便利ですが、やっぱりカニとイケメンは外せないよね!と思いました。 ありがとうございました!
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チダマリ イン グランマハウス童話「赤ずきん」がこんなことになるなんて……かわいい絵柄と毒舌の舌鋒家赤ずきんらが繰り広げる奇想天外なマダミス―――いいえ、これはチダマリ イン グランマハウスな物語です。 童話をモチーフに、童話の魅力を保ちつつ童話どこ行った的な面も絶妙に融合されていて、とても面白い物語でした。 サクッと読めて三者三様の魅力、特に赤ずきんがキレッキレでとても好みです。 @ネタバレ開始 チダマリがおばあさんの血溜りだった件。 皆で死体を井戸にポイしてめでたしめでたしなところが、さすが童話!!と思いました(違う) 皆かわいい顔をしてえげつないことをポンポンと言い放つ姿が素敵です。 グランマ、井戸の底で安らかに眠れ……。 @ネタバレ終了 徹頭徹尾、おばあさんがただただどこまでも被害者のゲームでした。 まあね、私もお味噌汁が濃いだの言われたら油を―――(以下、放送前にカットされました) とても素敵なゲームをありがとうございました!
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透明人間彼女お隣に引っ越してきた人は大学一年生の透き通るような声を持つ女性だった―――但し、姿が見えない。透明人間である。姿の見えない彼女と少しずつ距離を縮めていった先に待ついつかは突きつけられると分かっていた問題に、ちょっぴり切ない物語でした。 @ネタバレ開始 もし自分の彼氏や彼女が声だけは聞こえる透明人間、けれど他の人には声も姿も認識されなかったら?と考えると、自分の妄想と言われても仕方がない……にも関わらず、最後の最後で主人公が妄想でも構わないと言い切ったエンドはしんみりとしました。 最後までその姿が見えなかったことに「これから先、見えるようになる日が来るかもしれない」というほんの少しの希望を持てました。 限りなくゼロに近くても、ゼロではないという意味で……主人公にだけはいつか見える日が来るんじゃないかと。 @ネタバレ終了 どんな姿をしているんだろうと、見えないからこそ想像する楽しさもある素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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暗がりに咲く花恋は盲目でありながらその心は一輪の花のように何にも阻まれず咲き誇るからこそ、美しい。約10分で読了。 これはとても素晴らしい短編でした。 短編小説を読むようなリラックスした気持ちで、寝る前などに是非プレイしていただきたい穏やかな気持ちになれる短編です。 文章がやわらかく丁寧で、シルクのような肌触りを感じる文章だったのも印象的でした。 家に帰宅してからの明日への希望に満ちた内心をやはりやわらかな文章で穏やかに表現しているところ、特にラスト一行の結び方が秀逸で心に残ります。 その後がどうなったのかまでを書かなかったところが一つの結末にのみ絞らせない余地と余韻があって、良かったです。 作者様の次回作が出たらまたプレイしたいと思う素敵な短編でした。 ありがとうございました!
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スルトツェ骨董店の手紙独特の雰囲気と魅力にあふれる秋津おじさんと、とある秘密を込めたボトルメッセージの魅力にグッと引かれて結末が気になって一気読みの短編でした。 @ネタバレ開始 複数のエンドを見ることで秋津おじさんの印象がガラリと変わる、読むことで味わい深くなる物語でした。 秋津おじさんを理解しようと歩み寄る姿勢から見られる地獄まで諸共なエンドは、なぜ連続無差別殺人犯になってしまったのかも明かされ、秋津おじさんへの見方が変わりました。 ある意味で救いでもありますが、終わり方としては悲しくもあるエンドでした。 救いの手エンドだと秋津おじさんは何も理解されないただの無差別殺人犯のままになってしまうので、ちょっと寂しいエンドでした。 トゥルーエンドを見たいと思い、何周かしましたが見つからず…! ヒントがあると助かります……! @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!