SHIAのレビューコレクション
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八ツ神のかみかくし一気にノンストップでプレイしてしまうくらい超絶面白かったです!! 神様と人間の織り成す物語、番外編や画廊など込みで隅から隅まで堪能させていただきました。 未プレイの方、私の感想を先に読んではいけません。楽しみが半減します。 前情報一切なしで、どうかこの世界と物語へお進みください。 プレイ後に再度お会いしましょう。 ―――そう言いたくなるくらい、本当に前情報なしのほうが面白いです! @ネタバレ開始 感想冒頭でも書きましたが、大事なのでもう一度。作者様に向けて叫びます。 めっっっっっっっっちゃくちゃ面白かったです!!!!!! (言葉が砕けすぎていて申し訳ありません…! ここだけご容赦いただけますと幸いです) 神様たちには神様たちなりの悩みや生きづらさがあり、人間には人間なりの悩みや生きづらさがある…というのが、絶妙に絡み合っている本作、日常的に神様との触れ合いや諸問題が交流を通じてよい方向へ解決していく様子がとても心地よかったです。主人公の冬さんがとても良い子で、相手の良いところを常に見ようとするところが好きです。音楽も静かめながらやさしさや楽しさに溢れたものが多く、選曲も素晴らしかったです。鈴の鳴るようなアイキャッチ部分の効果音なども、静かで美しい調和のとれた画面に合っていて、ゲームそのものが冬の空気のように透き通った雰囲気を持ち格調高く感じられました。 軽快で巧みな筆力で綴られた物語でも特にお気に入りだったのは、恵太さんのガチガチ反抗期が冬さんと夏美さんによって解きほぐされたところです。特に夏美さんがよーしよしよししていたところは「いいぞもっとわしゃわしゃにしてさしあげて」と画面の前でニヨニヨしました。 初めて自分をただありのまま認めて褒めてくれる存在が衝撃的過ぎて「それから」で書かれていました通り、この劇的感動体験をお風呂やお布団で思い出しては頬を緩めて喜んでいてもおかしくないなと思いました(そして引きずって思い出しているという言葉にやはりニヨニヨになりました)。 番外編でアヤトリさんたちがお話しているのも大好きでした。みんな個性的でこんな傍仕えの方がいてくださったらなと思います。 エンドはどれも味があって素敵でしたが、やはり依存男子の黒鷹さんの衝動疾走器エンドが一番心に残りました。 ほとんどの神は「器となる人間を選び攫う」という点においては「そういうものだ」として特段意識していないと思いますが、黒鷹さんにとっては、相手が冬さんだったこともあり事情が違ったのだろうと思いました。 謝罪しながらも器にしないではいられない、器にしたら歪な関係になると分かっていても、〃自分が愛した(好いた)〃者とは異なる存在になってしまうと分かっていても、涙せずにはいられないほどに心揺さぶられながらも、それでもなお、あるいはだからこそ「やめられない」というところに、一定以上の情を持ってしまった神様の最も重い宿業の一つを見た気がしました。 世界観の緻密な設定が素晴らしく生きているところで、このエンディングはこれまで黒鷹さんのように深い情を抱いた代々の神々が辿ってきたあらゆる業の轍を黒鷹さんも踏んだのだろうと思えるところが、情緒にグッときました。 この人間とその子孫なら守りたいと思いながら、この人間を自分の子にしたい・傍に置きたいという欲望にこうした情深い代々の神々が皆が皆抗えたとは思えない…という彼らの親神やその親の神たちが辿ってきた道の余白まで感じる素晴らしいエンドでした。 執着するがゆえに相手が欲しくてたまらない…というのは人間でもあることですが、これがこと神々となると「ああ、器にしたい」とさらに一歩領域を超えてしまうところが人間とは異なる価値観や存在であることを強めていて好きです。 この黒鷹さんとは違うベクトルで美布さんが物語の途中で「人間になって、あなたの横に」と冬くんとの存在しないけれど、存在していればと切に願った未来は、とても心が痛みました。「自分は神として生まれ、神としての道を受け入れるしかないのだ」と悟ってからも、彼女のこの諦めた願いがずっと心に残りました。 それだけに、奇跡が起きて未来が見えずに不味いお菓子を食べてしまったときの話は、未来予知の力を持つ彼女にとって〃神に起きたありえざる奇跡〃とも言える瞬間で、とても好きなエピソードです。本当に些細な、彼女にしか意味をなさない、彼女しか知らない小さな小さな奇跡だとは思いますが、それを彼女がずっと忘れることなく大切に胸に抱き続けるのだろうと思うと、神様にもどうか幸せになってほしいと感じました。 なお、エンド2の後の漫画を拝読して「夏美さ、夏美さっ…げほっげほっ!」と呼吸困難になりかけたことをご報告しておきます(合掌) 恵太さんが誰を選んだにせよ、それこそバイトで親しくなったりしたお客さんなど誰を選んだにせよ、目の前に夏美さんがいて「お帰りはすぐそこよ」という状況で彼の心がぐちゃぐちゃになったのは、もうお察ししまくりでした。喉から手が出るほど欲しいに決まってるよね、あなたのことを見てくれた人だもの…と思うと、神々よ、本当に業が深すぎる…切ない…。 物語内で一番飛びぬけて「神様らしい神様」と思う方が、寿菜さんでした。 寿菜さん、好きです(※サイコパス癖ではないです…!) 人間の価値観や、人間の行うありとあらゆる無駄が分からない、そもそも根本的に理解ができないので真似ているだけ…というところに、それがイイ!と感じます。 人間味あふれる神様たちももちろん好きなのですが、表面は取り繕いつつも人質を取るなど手段を選ばず神と人間の絶対的な違いを超然とした態度で貫き通す神様も神様らしくて好きです。親なんていて当たり前だが、人間の家族観は一切分からんというような物の考え方が能力の影響でもそうでなくとも、そうした神が存在するということそのものが神様の存在が人間とは遠くかけ離れた存在なのだと示すようで、私は大好きです。 それだけに、黒鷹さんへの彼女なりの執着、あるいは好意の結末が彼女にとって良いかどうか…というのは、複雑な気持ちになりました。 すべてを見ても明かされない謎の部分もあり、その部分がどうなったのか、どうなっているのかを考察余地もあり、また作者様の今後のご活動が楽しみでなりません。 どの神様も何もかもが完璧ではないからこそ、人である私は神様たちのなかに感じられる私と同じ人間のような性質が表れるところが好きです。もちろん、人間のような性質が薄い神様も、その神様なりの生き様や生き方を私は人間の性質と照らし合わせて好きです。 総じて好き。最高でした。 @ネタバレ終了 本作は、物語の細部まで設定が素晴らしく丁寧に作られており、世界と物語にのめり込みたい人にぜひぜひプレイしてほしいです。ノベコレさんでは長編の部類に入りますが、本作は「短編ではなく長編だからこそ沁みるほど深みがあり最強に面白い物語」を備えており、長編はちょっと…と尻込みしている方にもぜひぜひぜひ届いてほしいです。 素敵な作品をありがとうございました! 作者様の今後のご活躍を楽しみにしております!
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無音の夏 Silent Summer彼女にフラれて傷心旅行…ということで田舎も田舎な山へとやって来た主人公さんがどんな恐ろしい目に遭うのか…山に入る前から半ば後ずさりしつつ、主人公さんを見守らせていただきました。 途中に登場するトラックのおじい様まで「なに? あなた、人間? 生きてる人?」と警戒せずにはいられないくらいのビビりです! @ネタバレ開始 トンネルでチラッ、チラッとチラ出し顔面サービスをされたあたりで「オギャア!!」なんて何かが生まれてしまっていたくらい脅かしホラーに耐性がない私、輪廻の門シリーズの物の怪さんたちに鍛えられた心臓どこ行ったレベルで驚きました。怖い。主人公さんが気付かずにプレイヤーだけ気づくのがまた怖い。私にしか見えていないんじやないかと錯覚してしまう。怖い。怖い(怖さのあまり連呼し始めます) 背景に足長手長妖怪さんの一部が写り込んでいるあたりから「あーあー!あれあれー! 主人公! あれー!」と画面の前で主人公に警告を発するも、主人公さんは疲労や困惑でそれどころではないので「もうこれこの後絶対に怖いやつ!」と怯えまくりながら読み進めることとなりました。 そして、突如として登場したシーンでは「なんか出たー! 木!? 首無しの木!?」と、存分にビビり散らかし、その後の仮面装着でも相当ビビり、なにこれなにこれと主人公と一緒になって全力で逃げ、トンネルループで「これバッドエンドしかないやつや…ワイが選択肢を間違えたんや…許してや、主人公のダンナ…」と早々に大阪弁もどきで諦めきったプレイヤー、主人公より先にバッドエンドを受け入れていました…とても怖かったです…初回は川に浮かびました…本当にごめんね、主人公…。 選択肢に戻っていざ鐘を鳴らしておいた後は、主人公が生存エンドに繋がってよかったです。 釜めし、とてもおいしそうでした!(*´ω`*) あの妖怪たちが主人公さん以外にもああして時折現れるのかなどは最後まで明かされず謎ですが…もし山に行ったら絶対に遭遇したくないなと思いました。川のない山に行かねば…。トンネル部分中心に何かがじわじわ主人公ににじり寄ってきているような空気や演出、もー本当に怖かったです…! 本作は背景もすべて自作で作っておられるものと思いますが、どの背景も素敵でした。駅構内などは細部まで丁寧に描き込まれていて、比較的短いシーンでしたがゆっくりと背景を眺めました。 @ネタバレ終了 山に行くときは川のない山に行きたいと思う、怖くて面白い物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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嘘の手紙以前から仲良しフォロワーさんたちが「嘘の手紙はいいぞ…」と呟いておられるのを目にして、気になっていました。 静かな、それでいて手紙に込められた思いの強さが胸にひしひしと伝わり響く物語でした。 @ネタバレ開始 ヒントモード、ありがとうございましたぁあーーーーー!!!!(深々とお辞儀) たぶんヒントモードがなかったら綺麗にクリアできなかったと思うので、大いに助けられました。 おかげさまで一番初めのエンドから真実まで同じエンドに辿り着いたりすることなく、一本道で行けました。 「どれか一つが嘘なんだ」の手紙は、個人的には「死にます」の部分だろうなとは思っていましたが、予測はしていてもいざ物語を進めて真実へ近づいて「生きたい」が重なるところを見ると「生きたい」が書けなかった気持ちまで推し量って、画面の前で目がウルウルと…! さっきまで2とか1みたいな嘘色点数でエンド判定予測していたはずなのに、急に…! 急に君の〃真実(ほんとう)〃の言葉になっちゃったんだよ…! 刺さる…刺さりみが深すぎる…!(なんて?) この辺りは「や、や゛ま゛な゛か゛ぁ゛あ゛……!!」みたいな声が出ました。すみません、化け物です。 最後の屋上へ上がるところは「山中ァーー!!(涙/呼び捨てですみません)」と思わず泣き叫びながら全力疾走で二段飛ばしくらいで階段を駆け上がる心境でした。屋上のドアを蹴破るかドアノブ壊す勢いで開けている気持ちでした。 真実のところで手術は無事に終わった雰囲気だったので……二人の時間がまたゆっくりと重なりだすことを願って。 山中くんの口に出しては言えない、けれど気づいてほしいと切に願う気持ちを、便箋を一枚一枚めくり読むように紐解く物語は、真実からあふれ出してくる切なさが胸に沁みて沁みて…本当にすごく良い物語でした。 世界で唯一、原田くんにしか〃読めない〃手紙、ですね。 @ネタバレ終了 とても素敵な作品、胸に沁みる素敵な物語をありがとうございました!
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将軍捕物帳動体視力がモノをいう!?ミニゲームは瞬き厳禁な物語、最後まで楽しませていただきました。 最初のほうは余裕余裕~と余裕な顔をしていたのに、いつの間にか画面の前で「盗吉ぃい~!」と睨みつける般若の顔した怖いユーザーになりました…。 @ネタバレ開始 ずっとストレートに行っていましたが、蕎麦屋あたりでいよいよ目がついていかなくなり一度お手つきして、最後のおばあ様は2回お手つきでした。初見で当てていける方、いる???というくらい、最後の超高速は目が全然ついていきませんでした…手ごわいー!(※なお、真下の富井さんがノーコンクリアと知って驚愕しています…! 凄すぎます…!) 無事にクリアして盗吉さん(弓吉さん)が真っ当な人生を天吉さんと歩まれていけるようになり、本当に良かったです。 地名や人名などが非常にハイセンスで、とても面白かったです。 ここで和牛ネタが来るのか…!など、随所でツッコミをいれながらのプレイでした。 アニメーションも素晴らしくて、特に野鳥を愛でる会の方々の超高速カチカチカチカチカチカチカチカチは、盛大に笑いました。国○競技場規模でもミスらずカウントできそうなカチカチカチカチぶり。すごい。途中で飛んでくる文鳥さんたちが激カワ!!でした。 本編レベルでぷしゅ~~っと湯気が出てしまうくらい動体視力がよわよわなので、それ以上のレベルとかもう太刀打ちできなかったのですが、挑戦するだけならと挑戦してみました。‥‥‥すごく難しい!!のわー!むりぃー!でした。南無。 これクリアできる方がいたらすごいなーと思います! @ネタバレ終了 動体視力に自信がある人には、ぜひトライしてほしい面白いゲームでした。 素敵な作品をありがとうございました!
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事件現場は『空っぽの部屋』新たな事件現場、捜査させていただきました。 今回も大変エレガントな謎の数々を前に探偵バッジが命綱!とバッジを握りしめつつ、いざ終局へ。 @ネタバレ開始 今回の謎で一番難しかったのは、雫ポチポチでした。 苦手なタイプの謎だったのか、頭をねじねじしても出てこないため、バッジを発動。 私の考えではポチャポチャ効果音と友だちになれるくらいポチポチしても答えは出てこないはずだ…と、無事にバッジのおかげで解決できました。探偵バッジシステム、ありがとう。 懐中時計もそんなにパカパカパカパカ開閉したら壊れるんじゃないかというくらい開閉しました。 今回の事件現場は、シンプルがゆえにどこに次の仕掛けがあるかな?と部屋中を触りまくる変質者みたいになっていたので、〃私〃は本当に誰だろう…と気になりました。 白い手=世界一の名探偵様と予想しており、目隠しをされたひよこ探偵が気を失ってここに連れてこられたとは少々考えにくかったので、まさに「ここはどこ? 〃私〃は誰?」状態でしたが、まさかの展開。 必死に小さな穴へと託したあれが実は自分の人生をこれから大きく変えることになりそうなどと、私も、もちろん彼もその時点では知る由はなかったのです…最後まで見ると、自分で自分が埋まるための墓穴を掘っている人みたいになってしまったね…! スコップが壊れていても穴は掘れるものなんですね、なんて画期的かつお体を張った穴掘りでしょう!(とジョークを飛ばす) この後、彼に明るい未来が訪れることはなさそうな気配がひしひしといたしますが、彼がしたことを思えば順当な未来が待っていると言っていい…。 あの運命の滝からSherlockさんが無事に生還なされて良かったです。謎の紳士様に感謝。 その時のことを語るSherlockさんが、大変美しくいつもより可愛らしかったです。 夏の避暑地…いいですね、近頃の夏はあまりにも暑いので水底のアジトはとても涼しそうです。 そして、あのハトロン紙に包まれたカード…これから一緒に捜査に行けるなんて! 荷物持ちくらいしかできない鳥頭ですが、お供させていただきます!と喜びました。 待っててね、助けを求める人! 世界一の名探偵にかかれば秒で救出ですよ!(絶望へのカウントダウン) お部屋の中で流れるメインBGM『この部屋には、誰もいないようだ』がまさにこのゲームのために作られたのかと思うほどタイトルからマッチしており、とても美しく神秘的な曲でした。のる様の曲はどれも本当に美しいですね。 今回も探偵バッジに助けられ、無事に事件を解決することができました。 Sherlockさんともお会いできて、たくさんお話しできて嬉しかったです。 過去作をプレイしていると分かる、ちょっとした繋がりがある展開(アトラスのマフラー)も楽しく、前回の「私は誰?」の彼を思い出しました。 @ネタバレ終了 今回もまた大変素敵な謎の数々をありがとうございました。 また次回も事件現場でお会いできますように…素敵な作品をありがとうございました!
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夢の夢か夢の中夢の中だとどんなことが起きても不思議ではないものですが…踊るホウセンカとは? 「この感じだと音楽かけたらノリノリで踊りだすかな…」等、所々楽しく想像して読ませていただきました。 @ネタバレ開始 まさかの最後の最後ですべてが夢でしたの展開、ノーマルエンディングまですべてが夢という夢オチ、面白かったです。 ここまですべてが夢かー!と思ったので、最後の体育さぼりももしかして夢…?という気持ちまでしました。 卵からうさぎが孵るなど、夢ならではの表現や描写が新鮮で楽しませていただきました。 リアルだと16回連続でピピピピ鳴るセルフレジは怖すぎますが(重複カウントしてないか不安になる)、「夢だとこういうことありそう!しかもおかしいことに気づけないんだよね…」と随所で笑わせていただきました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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夢の終わりに月の砂漠でアスキーアートというものをほとんど知らないので((*´ω`*)←こういう顔文字くらいしか知らないです…)、いつも使用している記号などでこんなに多彩な世界が表現できるのだと「すごーい! すごーい!」とプレイ中は次から次に出てくるアートに目を奪われていました。 人物の顔や体にとどまらず、家やお料理、シュバッ!など擬音まで表現できるんですね…! @ネタバレ開始 穏やかなピアノの曲とともに語られる不思議な夢の物語、途中「子どもの話に怒らないで、おじさん…!」とツッコミを入れたりしましたが(急に「どうするってんだ!?」と怒り出したのでビックリしました…)、世代間の違い含めてとても丁寧に書かれていて読みごたえがありました。 子どもがバクくんに玉乗りを~と「まず発想からいってみる」のに対し、おじさんは「どうやって用意するの? すごく大きい玉がいるよ?」と現実的なところなど、二人の見てきたものの違いや歳の差による経験の違いがリアルに感じられました。 子どもの「バクくん自身に夢ができたら、他の人の夢を食べなくなる」という発想、素敵だと思いました。 夢を持ち帰ろうとすると必ず一部が剥がれてしまうというような幻想的で詩的な表現を織り交ぜた文章も、とても魅力的でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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ブックエンド・シャワールーム短編ながら作り込まれた世界観に「なんか怖い世界だ…」と少々ビビりながら美しさを基準とする一族の方々の行く末を見守らせていただきました。 「なるほど、そういう理由で石化を…」と理解し、選択肢になった途端「じゃあ、あえてのりすりすさんからどうぞ!」と、痛くはないかもしれないけれど怖いことは意識がないうちに早く終わらせてあげようと、ねじけた親切心を発揮してしまったプレイヤー、ただの鬼畜に成り下がりました…。 @ネタバレ開始 ほ、ほああああ!!!? まさかの破壊中に石化から生身に戻られてぇえーーー!!? これゲロ痛いやつじゃんんんんん、すみませんんんん!!! と、初手からたぶん一番残酷な破壊にいってしまって、りすりすさん本当にすみませんでした…。 その後もここなんさんが洗剤に混ぜられてしまわれたりと、この一族なかなかに酷いな…!と思いつつ、エンドによっては世界を支配したり大殺戮フェアになっていたりと、美しいから正しい、美しいから歪みがないということもなく、「美しい」の美しさの基準はすべてそれを決められる立場にある者が決めたものであるという点の恐ろしさを感じました。 歴史書の内容が非常に興味深くて、「美しき第二の地球」などゾッとするような言葉もサラリと含まれていて面白かったです。 地球の自然や動物たちの営みは美しいかもしれないけれど、知的生命体としての人間の活動や人間の思想などは別段美しくないよな…少なくとも人間の持つ性質は美しいとは言えないよな…と思い、派閥が100に分かれてね…の後のことも考えると「美しいかな!?」と疑問に思わざるをえない美しさでした…美しさがゲシュタルト崩壊してしまう…! ロボットななーるーさん含めて、みんな美少女ではなくて美少年!?と、性別に関しては紹介文を三度見くらいしました。 破壊活動は石化しているとはいえ部位がバラバラになるので、「わー、みんなごめんね!」という気持ちでした。 りすりすさんから始めたので他の子に対しては「途中で生身に戻らないでね!」と祈りながら壊していました(最後にお腹に一発!は、いつも本当に申し訳ない気持ちになります…) エンドによっては4人ともが無事に自由を手に入れたものもあり、周囲の状況はさておき、4人で楽しく過ごしてくれたらいいなと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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ミレニアムニューホームとてもかわいい音楽とグラフィック、ドーナツを手にしたかわいいキャラクターに「どんな物語かな」と明るい感じのイメージを持ってプレイさせていただいたところ…おやおや…? なんとなく雲行きが怪しく…? @ネタバレ開始 とてもかわいいリビングに、初めは「こんなタンスがあったらいいよねー♡」なんてモデルハウスを見るがごときワクワクさでお部屋を拝見していました…が! キッチンで違和感を覚え、さらに寝室に来たあたりで「いや、これは何か違う」という空気がどんどん出てきて、なにかここから真相が出てくるのか…となった後の、ニアさんが語る事の顛末と禁忌のお話が来てそのままエンディングに突入してしまったときは気分がどんより沈んでいました…目の前に座っていた方があまりにも不憫すぎて…。 「え、めちゃくちゃ救いがない感じに終わってしまったのだけれど…主人公さん、ずっとこのまま…?」と。 一番最後のイラストで「あれ? お顔が少し変わった? タイトルも変わった!? 意識取り戻した!?」と感じたところでの追加の大切な話で、「解決したんだ!」ととても嬉しくなりました! ニアさんの持つドーナツが齧られている幸せそうな姿に、そして対面の主人公さんがドーナツを手にしている姿に、こちらまで幸せな気持ちになりました。 1000年間、いっぱいドーナツ揚げてもらって、いっぱいドーナツ食べて、いっぱい二人で幸せな時間を過ごしてほしいです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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○○ばんでぐちをみつけられるなら私の異変もみつけられるよね?○○番出口を見つけたことがないので美少女の変化を見つけられるか心配でしたが、挑戦させていただきました。 そして、奇跡が起きてしまって、最後は「見つけるか、見つけないかじゃない…偶然だ! ごめん!」なプレイでした。 @ネタバレ開始 セーブ機能ありがとう。セーブ機能ありがとう。 大切なことなので思わず二度言ってしまいましたが、セーブ機能のおかげで無事に最終選択肢まで行けました。 その間に一度バッドエンドも見ておくかと敢えて間違えてみたときは「ヤンデレ…?」となりつつも、最後の選択肢で直前にカーソルがそこにきていたためかそのままポチッたら右下のハートをクリックしていたという偶然の賜物のおかげで「本当の彼女」をストレートに見つけられました。 しじみ様の書かれる物語は、どんでん返しやマルチエンドがマルチエンドとしてガラリと違う印象になるところがいつもとても面白いと思っているのですが、真ん中の閉じた椿を選ぶと視点が急に変化して見えるのがとても面白かったです。 ハートだと彼女を助けられなかった第三者に、椿だと加害者に…大変面白い最後でした。 個人的には彼女が救われるハートエンドを推したいところです。 画面の前にずもももも…と積みあがっていくモザイクブロックのような壁に「見えないですけどー! これはセーブを使うことを見越してますねー!」とプレイヤーがセーブを使うところまで想定して「セーブがあれば~」のセリフも秀逸でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!