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SHIAのレビューコレクション

  • PetrichoR
    PetrichoR
    雨の音が印象的な本作、雨が降ったとき独特の匂いが思い出される切ない物語でした。 エンディングの深みのあるしっとりとした声のボーカル曲が非常に素晴らしい余韻をくれました。 @ネタバレ開始 Prologue→間違えてscene3に飛んでしまい「ほああ…見てしまった!」と大変重要なシーンから見てしまうやらかしをしましたが、半分ほど読む頃には何が起きてどうなったのか大体の予想がつき、結末がとても気になって弥一さんたちはどうなった!?と一気読みでした。 ストーカーがすべて悪い!と言いたいところですが、どんな人間であれ人一人を殺めてしまった事実に対する重責や呵責は耐えがたいものなのだろうというのがひしひしと伝わってきました。 愛しい人のために人生をかけた結果は、彼にとって満足のいくものだった…と思いたいです。 私もありえたかもしれないイフをちょっと想像してしまいましたが、彼女が幸せであることを知った彼がこれから先、人生を終える瞬間まで穏やかな心でいられることを願って。 もう交わらない運命かもしれませんが、それぞれの幸せを願わずにはいられない物語、終わりでした。 心にジーンときました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • Reise~旅の始まり~
    Reise~旅の始まり~
    まさに奴隷のように扱われてしまっているライゼさん…あまりの不遇さと村人の態度の悪さに「退治されるべきは魔物ではなく村人では?」などと思いながらプレイを進めていると、どんどん雲行きが怪しくなっていきました。 そして、過去作プレイ済みのプレイヤーとしては嬉しい展開も! @ネタバレ開始 ユメさん、お久しぶりです! 過去作でお会いしたユメさんのご登場、しかも不死対決まであったりして読みごたえも抜群でした。 個人的にユメさんが最高に素敵だったのは、出てきた瞬間に反射で殴られ顔面が内側にボコボコに沈んだところでした…すみません、あれはさすがに笑いましたw(顔のパーツがメキョメキョに沈んでしまうなんて思わなかった!) 村人たちが木っ端微塵に灰は灰に塵は塵へ還っていくところは、読んでいてスッとしました。普段からライゼさんを好き勝手に道具のように使い、あんな目に遭わせていた張本人たちが消えていく様は長年こびりついていた汚れが落ちていくように爽快でした。 これから先、二人がどんな旅をするのか楽しみです。 どんな魔物や悪人が現れようと、ライゼさんとユメさんなら瞬殺でおわりそうですが…二人の行く先に幸多からんことを願っています。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • My fire
    My fire
    どことなく懐かしさ漂う郷愁カラーのBGM、とても豊富で美しい独特な味のあるビジュアル、テンポよく進んでいく物語、フォロワーさんたちの間で話題になっていました通りとても素敵な作品でした。 @ネタバレ開始 ホノオくんが水が嫌いなので我慢したという最後のシーンが、個人的に大好きで「SUKI!!!!!」となりました。 ここで一気に胸にグッと来て、目がウルウルと…涙腺よわよわ族の中でもトップに位置する涙腺の弱さを誇る身としては、私もホノオくんのために泣くわけには…泣くわけには…あーー!!と、震えながら堪えました。 (ここで感じた「ホノオくんが地球外生命体?の頂点に立つ存在で、みんなを引き連れて地球から出ていったのかな…」とぼんやり思っていたところは、設定で明かされて大満足でした) 一番初めのホノオくんとのやり取りを通じて「あーかわいい。こういうヤンチャ盛りの子、かわいい♡」と画面の前でホノオくんのかわいさに目を細めていました。 お写真くれるホノオくんがかわいすぎるーなどと顔をほころばせていたところ、あまりにも突然すぎる急転直下に「は?」という声が出て、ホノオくんがいなくなっ…た…え…なにこのバッドエンド…と困惑しました。 私を正気に戻したのはホノオくんのお母さんの様子が激ヤバの極みすぎるところでした。 最初のお母様の様子には「突然愛しい子を失ったら誰でもこうなるだろう」と思っていたのですが、ホノオくんの頭のホノオが復活したあたりで激変するお母様に「ママン!? ちょっとそれはどうなのママン!?」と、明らかに正気を失っているお母様のご様子に私のほうが先に正気に戻ることに。 お祭りのときのお母様のセルフネグレクト具合や常軌を逸した行動は、怖いを通り越してホノオくんが見たら泣き出してしまうだろうな…と不憫でなりませんでした。 そういう意味で、あのシーンでお母様にも語りかけた…とそっと信じています。 添乗員さんのやさしさや見ているだけで元気になる笑顔の明るさが、最後までとても印象的でした。 物語読了後は、ホノオくんたちの設定を見て「なるほど!」と目が輝きました。 知りたいと思っていた細かいところや、舞台となった町のバスルートの各停車駅説明など、とても面白かったです。 ホノオくんが添乗員ちゃんと結婚したいのところは、本当にお似合いだったよ!と思いました。 次回作も楽しみにしています! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 噫、井戸に流るる
    噫、井戸に流るる
    ひょんなことからロケに行くことになったルウさんの持ち前のバイタリティとテンションが支える物語、最後まで楽しませていただきました。 イラストはもちろんシーンの見せ方がとてもお上手で、ぐいぐいと引き込まれました。 @ネタバレ開始 パイセン、思ったほど悪いパイセンではなかったどころか、反応がかわいいうえにとてもやさしくて子想いな素敵なパイセンでした。 途中からルウさんの身を案じて「家に帰ってあたたかな布団で寝れ!」的なことも言い出し、今は悪い神様になってしまっているけれど、根は親だものね…と、やさしさにほっこりしました。 ルウさんのダンスの後、ちゃんとルウさんのお名前を呼んだのも打ち解けてきていた感じが伝わってきて、すごくいいなーと心にきました。 途中の人間風情の無礼はそのまま井戸に落ちてよし!と怒りが湧いてきましたが、その後の回想はなおのこと辛かったです…小さな子どもが寄ってたかってバシバシされて…もう滅んで当然、滅んでよかったです。生かしておく価値が見いだせない…。 ラストは忘れていた大切なものを取り戻してめでたしめでたし…というハッピーな終わりで胸が良い意味でスッとしました。天真爛漫で裏表のないルウさんだからこそできた、まさに運命の出逢いだったのだと思います。 本編終了後のルウさんがさらに成長を遂げたタイトルイラストは、とても嬉しい気持ちになりました。 @ネタバレ終了 終わってみたら心がほっこりとあたたかく元気になる素敵なお話でした。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 感情の断片
    感情の断片
    モノクロの画面と相まって鬱々とした空気が伝わってくる作品でした。 自分が淀みの中心地となり、そのまま淀みを日々増やしていくような精神状態…誰しも人生の様々なことに折り合いをつけて、時に忘れたり切ったり捨てたりして生きていると思うのですが、作中の彼は動けないまま窒息しかけていたので誰かが外に引っ張り出してくれるよう願いました。 横になってみたり、逆さに落ちてみたり…と彼の現在の心身の状況がとても分かりやすかったです。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 私のこと全然見てなくない!?
    私のこと全然見てなくない!?
    開始1分でイケメン二人からのプロポーズ…どちらを受けるか迷ってしまu…いや、本当にヒロインのことを見ているようで全然見てなくない!?な二人+ヒロインによるドタバタコメディラブ、最初から最後まで楽しく読ませていただきました。 @ネタバレ開始 セレス様もヴォルフさんもコーラルさんのことが大好きなのに、本当に万事が万事、相手とバチバチと火花を散らしていつの間にかコーラルさんが置いてけぼりになっていたのには笑ってしまいました。 「待って待って二人とも~コーラルさんがまた置いていかれてる~」と微笑ましく思いながら選択肢までいき、いざどちらを選ぼうとなったときには「全然選べなくない!?」の心持ちでした。 なんだかんだ仲良しさんな二人のどちらかを選ぶなんて…と。 そう思っていたらうれしい結末に最後はプレイヤーの私もニコニコでした。 三人で末永くお幸せに♡です! 最初から最後までとてもテンポが良く、わちゃわちゃした感じも楽しくて、あっという間の素敵な時間でした。 三人のこれからの日々がもう少し見ていたくなる…そんな楽しい気持ちでプレイを終えられました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 恋々跋狐にご注意を
    恋々跋狐にご注意を
    恋に恋するお年頃なさくらさんの恋人祈願、ちょっと不穏な気配も感じつつ…イケメンすぎる凛斗さんやかわいすぎる凛咲との交流を楽しみながら、最後まで見守らせていただきました。 @ネタバレ開始 民俗学に少しだけ触れたことがあるので、狐の神なる者が現れた瞬間に「神じゃないはず!誰だー!」となりまして、「さくらさん、それは稲荷の神じゃないから近寄ってはいけない…!」と思っていたところ、さくらさんが毎日足しげく通われるのでハラハラしていました。 間違い探し(ぺろさか出版の間違い探し…気になります!)をした後で、さくらさんが「頭痛が~」と言い出したときには「あわわわ…」と画面の前でこのまま自称・稲荷の神に拐わかされて神隠し的なものになってしまわないかと心配でした。 初回プレイでは、結果的に祓われて無事に凛斗くんと結ばれてよかったです。 みんなの前で愛の歌で気持ちを伝える凛斗くん、大変素敵でした! 御二人とも、末永くお幸せに♡ そして、行方不明エンドはまさに神隠し…日本で年間8万人いる行方不明者のうち少なくない数の方がもしかしたら、このエンドのさくらさんのように消えているのかも…なんて思ってしまいました。 ハッピーエンド好きとしては、さくらさんの赤い糸は凛斗くんに繋がっているエンドを推したいです…! 豪華なカットインもうれしいかわいいイラスト、大変眼福でした。 @ネタバレ終了 素敵な時間をありがとうございました!

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  • 悪役令嬢はワンマップで婚約破棄を回避したい
    悪役令嬢はワンマップで婚約破棄を回避したい
    脅威の技術で作られたワンマップ型の物語、堪能させていただきました。 ちょこちょこ動くキャラクターたちが可愛く、バリエーション豊富なエンドもとても楽しかったです! @ネタバレ開始 初回プレイの「探索するぞー!(赤絨毯をいきなり駆け上がろうとするお嬢様)」からの聖女様によるゲームオーバーの華麗なる滑り出し、ゲームオーバーなら任せてのプレイヤーっぷりを遺憾なく発揮し、鍵を一つも手に入れていないのに聖女様とのゲームオーバーだけは埋まっていくお嬢様でした。 ど真ん中の鍵さえもなぜか回避し続けており、5周回目くらいでようやく気付くという有様でした(合掌) 王子様に話しかけるとヒントをいただけるので話しかけ続けていたら「回数オーバーだ!(違う)」とあしらわれたのも、良い思い出です。 執事さんたちにまでエンドがあるまさかの素敵仕様、次は誰とのエンドだろうと終始ワクワクしながら進めさせていただきました。ワンマップから始まる様々な結末、様々な人生、とても面白かったです。 ベストエンドのキスシーンは、既にループ何回目状態でしたので「二人とも末永くお幸せにね!」と思いました。 おまけコンテンツも充実していて、細かな設定が面白かったです。 聖女様の名前がタマノで、なぜそのような名前に…と思っていたら、その顛末に笑いました。狙いますがついてしまい、グレードアップしてしまった玉の輿とは。 どのキャラもひねりがきいていて、とても読みごたえがあり、クスッと笑わせていただきました。 また、本編ではさわり程度だったこの世界の事情なども堪能できて、この世界がまた一段と楽しいものになりました。 @ネタバレ終了 最初の2、3周くらいは(私がそうだった)即ゲームオーバーもありうるので慣れるまでの慣らしだと思って、5周目くらいからちょっとずつ回避するべきものや集めるべきものなどが明確に分かってどんどん楽しくなります。 これからプレイされる方も、是非ワンマップで様々な結末を見せる素敵な物語を堪能してほしいです。 (他の方も書かれていますが、無理な連打は非推奨です。貴族たるもの、優雅にゆったりと行動を(*´ω`*)) とても素敵な作品をありがとうございました!

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  • savon
    savon
    湿度高めなしっとりとした物語、楽しませていただきました。 柘榴雨様の作品たちの中でも、しっとりしていて時間の流れがゆったりしたタイプの作品は世界観のまとまりが秀逸だなーといつも感嘆するのですが、今作の様々なグラデーションに彩られた沁みるブルーの世界は、過去最高にまとまっていた気がします。 @ネタバレ開始 起動当初のパスワードや右下のアイコン画面から、この時点で「これは青年が登場するゲームをプレイするお話なのかな」と思い、すべての時間で「なるほど、癒しゲーム! 彼を攻略していて見事にルートに入った的な展開!」というような、ゲームの中でゲームをプレイしている感覚がずっとしていました(チュートリアルなどの表示がまさにそうかなという…)。 現実で彼と過ごしているというよりは、ゲームのキャラを眺めている…という感覚でしょうか。 なかなかに面白い体験でした。 そして、まさかの彼が本当にゲームのキャラクターとして「そうあれかし」とされていたものだったとは…! 彼の存在は「ここ」にしかないのだということ、そして彼は「彼が持ちうる彼の設定」以外の「彼」にはなれないという絶対的な世界からの縛りがあること…そういったものに対する悲しみや辛さがひしひしと伝わってきました。 エンディングとしては、ずっと君を―――という爽やかなエンドがありましたし、枠組みから外れた淡い光のようなものを感じるエンドもありました…が、やはり根底にある絶対的な隔たりが無視できないポンコツプレイヤーなので、しっくり来たエンドは「忘れない」でした。 泡(やシャボン玉)は美しいけれど、光に七色に煌めくけれど、最後は絶対に消える。 本作における彼は、まさに泡のよう。泡沫の夢のような存在。 でも、人間って泡みたいにきれいなものじゃなくて、泡を汚してでも泥臭く這って生きる汚い生き物だから、呼吸しているかぎり毎秒ごとに汚れる生き物だから…頭の中に刻んだまま忘れないでいて、虹や雫、どこかの子どもが吹いてできたシャボン玉を見たときにふといつかの泡の美しさや心地良さを思い出してまた汚れながら生きていく、そんな終わり方が見えるエンドが一番しっくりきました。 彼のプレイヤーへの気持ちがどこまでが彼のもので、どこまでが作られたものなのか…その境界すらも泡となって消えていくような不思議な魅力に溢れた切ない物語でした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 白と黒と、あの彼女は -The Colour Out of Space-
    白と黒と、あの彼女は -The Colour Out of Space-
    クトゥルフ神話はちょこちょこ知っている断片程度ではありますが、本作はかなり楽しめました。 もちろん知らない方も楽しめる物語に仕上がっていて、狂気の欠片がみぢみぢと入り込み、そこから狂気大ブレイクな世界まで見たい人にもオススメです! @ネタバレ開始 白と黒の世界にあまりにも鮮やかすぎる彼女…なんて美しい人だ!と主人公とともに白と黒の世界にいた私もまた、彼女の美しさに魅入られ…最後のあの来るべくして来た展開に「主人公ぉおおーーー!!」と叫んだ時には、主人公はもういませんでした…これぞクトゥルフの恐ろしさ! じりじりちりちりと肌を這うような恐怖、すごく良かったです! (キャッキャッしておりますが、あの瞬間の画面には随分と驚いてビビりました…) 「宇宙からの色」、抗えませんね…! @ネタバレ終了 とても独特なカラーを持つ作品ながら短編なので15分程度で読める手軽さが魅力的、かつ表現の仕方がとても素晴らしい素敵な作品でした。 ありがとうございました!

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