SOrowのレビューコレクション
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あなたの愛が剣ならば登場人物すべてキャラが立っていて面白かったです! 正統ファンタジーのシリアスさと爆発的に砕けた笑いが絡まり合って、次々繰り出されるキレキレの文章に読み進む手が止まりませんでした! セリオお嬢様の外見内面双方の美しさと天然さが醸し出す胸キュンシチュエーションにもドキドキでした! @ネタバレ開始 ライク君やナロウなど、モブかと思われた人物が物語の中で経験値を得ていって最後の最後まで活躍するのが嬉しかったです!ゲコ助もすばらしい活躍をしてくださった……! ディディの見事なフラグ立てが見事にへし折られていく様が、セリオお嬢様の無敵っぷりと、彼女のクゥへの一途な想いを感じさせてくれて、ディディ報われないだろうけど頑張れよ……!という応援心境に至りました。 シーゼ将軍とセリオお嬢様の今後がどうなるのか、ライク君のように気になります!クゥも頑張ってくれ……! @ネタバレ終了
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一恋グラフィックがとても綺麗で魅力的で、短いなかでもシナリオも合わせて濃密に乙女ゲームを堪能させていただきました!クリック待ち画像が本当に語尾にハートがついているようで、萌えが倍増しました(笑)。笑って楽しめて萌えられて、素敵な作品でした!
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ヤドカリ面白かったです!何かが始まっていく青春の一ページ、の中でちらちら見えてくる不穏さ、ちょっとずつ出てくる記憶や情報が、この先どう絡んでくるのかと、気になって気付けばどんどん読み進めており、最後まで一気にプレイしておりました。事件の重さもありつつ、爽やかにもラストを迎えられました。楽しかったです!
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夕暮倶楽部すごかったです。いやもうすごかったです。すごかった。センスすごい、密度すごい、ものすごい。 イラストは、ポップで鮮やかながら温かみのある色調に、フラットで洗練されていながら手触りのある質感で、それ自体のクオリティもすごいものが、ゲームのすべて端から端まで一切の食い違いもなく覆っていて、もうその世界以外感じられなくなるほどの、なんかもう見ているだけでただただすごすぎるものだというのに、チャットアイコンの表情がアニメでテキストにめっちゃシンクロして動くしデザイン数半端ないしで背景も土地ネタパロネタ含みつつこのゲームの統一感を鉄柱にするしかないクオリティで、そしてテキストもチャットTIPラストとすごいという、もう、すごかったです。面白かったです。 @ネタバレ開始 チャットでのやり取りは、テンポが良いのにその一つ一つのやり取りの前後、あるいは時刻、あるいは状況が生み出す間というか、呼吸のようなものすら感じられ、一文自体にこめられているワードの密度がすごいのに、その一文一文の密度もすごいという、ちょっともう脳が贅沢さで飽和するほどの体験で、次をクリックする手が止まらなくなりました。 個人的には誰しもが、ああこういう人もいるよなあ、という、チャットというツール上で少し芝居がかってしまうようなところの実在感があり、怪しい部分もリアルな変化で、ナミが関与したその結末も、何も知らなければ日常で終わってしまうものなんだろうなという、この世界と地続きであるような感じも抱きました。 先にメッセージを送らないENDを見たので、それを送ったチカは、あの境遇で本当にすごいなと。あのナミの誘いを振り切れる人は、どれだけいるのだろうかと思います。ナミは見た目上でも誰かを救える、救われたと思わせる力があるからこそ、彼女を信じて己を委ねた人もいて、でも他人にとっての彼女の(あらゆる意味での)危険性は、ウソツキだと呼ばれていたことが示唆していたのかなあ、などと思いました。初恋の魔女、という言葉の純粋さの恐ろしさ。 パッと見トリッキーな印象があったのですが、プレイするうちに、ひねりはきかせてありながらも、現実の幹がストレートに通っているのが見えてきて、やはりすごかったです。 あと街好きなのでTIPが!ナミの情念の徹底さを感じさせながら実在するものもありつつパロネタまで実在のものとするTIPが最高でした! @ネタバレ終了
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Sea glass(シーグラス)美しい映像と画像、それを引き立たせる文章。そこに何があるのかを、何がないのかを知った時に、見事だなと、彼女を見ながら彼女を見なかった人々と、同じであろう思いを抱いてしまうのが、また見事だなあと感じるしかない作品でした。システム上の制限も演出なんだろうなと。見事でした。
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不死身の英知最初はSF系として距離を取って見ていたのが、抑えめながらもリアルな描写が、現実感の上の現実へ引き込んできて、最後の方にはそこに生きる二人として、二人の生き様を、見届けていました。ただ生きることの難しさ、それを越えることの残酷さを、知らしめられた気がします。けれども彼らが彼らを思い合う、その献身は、すべてに勝るものだなと。世界に必ず存在してしまうことになるものたちのほろ苦さと、生きるからこそ、それらを後にする力強い疾走感を、残してくれる作品でした。面白かったです。
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フィルム・ラプンツェル何かが生まれ、何かが終わる、その濃密で残酷な時間を、どっぷり体感させてもらいました。 装飾は美しくも最小限なようで、でもすべてがとても丁寧で、隅々まで彼らの住んでいる世界を見せてくれて、その心理が生まれる背景が、ひしひしと伝わってくるのが、すごいなあと。一人称で迫ってくる贅沢なほどの感情描写、セリフのみであっても描かれきる彼らの時間。繊細なバランスで組み立てられた、消し得ぬ危うさを抱える世界が、プレイ中味わえました。 @ネタバレ開始 一人称で入り込ませるほどに感情が描写されていながら、外から見るからこそ分かることがあるというのは、見事な演出で、やはりとても贅沢でした。序盤から中盤にかけての祭里の言動と独白の齟齬が、終盤に彼が隠していた彼自身を見せた時に、氷解すると共に、彼らの物語の行く末を確定させたのだなと、その完成のされ方がもう、圧巻でした。 生来的に定められていたわけでないのに、傷つけられることが当たり前になってしまったことが、彼らに共通し、彼らが相手を傷つけ、自分も傷つけ、求めているのに否定することとなるのが、その帰結が、いやもうそうなるしかないだろうなあと。積み重ねがあっても、何かを信じると決めても、信じられると思っても、決して自らを信じられない悲しさが、祭里を生かしも殺しもしていたのかなと思います。小絢はその中で、綿密に彼を手に入れたことになるんでしょうか。その不完全な完璧さは、祭里を救ったことになるのか、というのが、考えると、重くのしかかるものがあるなあと思います。 ちょっと読解力不足で理解できていない部分があるので、ちゃんと受け止められているのか不安はありますが、美しいものを見せてもらったなあと思います。かわされる生々しさ、表裏の邪悪さすら、美しい作品でした。 @ネタバレ終了
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ティラノフェス2020オープニング
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さようならサヨナラ環先輩……!という日々が続きましたが、トライの繰り返しで何とか真エンドに辿りつけました。守りたい環先輩。そして清明お前……。何気ない日常に少しずつ不穏の影が入り込んでくるのがぞわっとしつつ、環先輩にとても癒されました。気軽な気持ちでプレイして、「ぐはあ!」となってから試行錯誤していくのも面白かったです!
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オオカミガールと機械人形の嘘つきレクイエム現実的でちょっと皮肉屋な恵ちゃんと真面目でおとぼけなエイミさんのやり取りが小気味よく楽しい中で、そんな当たり前のような時間が二人の関係を決定づけていったんだなあというのが、とても胸にぎゅっときて、うおおおとなりました。うおおお……。ケータ君の件も含めてタイトルがまた沁みます。運命を自分が選べないと誰が決めたのか?それが矛盾を抱えるとしても、それを含めた関係は人間同士だってあるわけで、自由意志ではないと完全に否定することはできないよなあと。そんな切なさもありつつも、恵ちゃんもエイミさんもかわいいのでほっこりもできて、心があたたまりました。ケータ君友達と楽しくな……!