からし山まよ江のレビューコレクション
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籠中話シリーズ①『トリカゴさま』僕気絶!目を開けて最初に見た和装美男に殺される!命を大事にしない顔のいい男から摂れる栄養がたっぷりの和風ホラー!死のう! 15分~20分くらいでコンプできました。 おもな構成は 目が覚めた →美男神トリカゴさまから突然の二択 →正解なら生存。次の二択へ。 不正解なら命乞いの余地もなく殺される (トリカゴさまの素敵な殺しスチルが解放) →正解しつづけるとエンディング という多彩バッドエンド回収型です。これ大好き! いろんなシチュエーションで「主人公死す」が体験できます! 二択の場面のセーブ→ロードでやり直しはラクラクです。 安心して選択しましょう。 @ネタバレ開始 エンディングでは洋装トリカゴさまがウィンクしてくれる @ネタバレ終了 こちらはシリーズ物の一編だそうです。 エンディングまで行くと、今回トリカゴ様被害に遭った主人公の境遇がちょっぴり明かされます。 どうも主人公はオカルト事件巻き込まれ体質のようです。 今後ますますのご活躍を期待します。 @ネタバレ開始 ネコちゃんは可愛いし頼りになる @ネタバレ終了 UIも妖しい世界にぴったりのシックな作りで、物語世界に浸ることができました。楽しいゲームをありがとうございました。
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デスゲームは始まらない目が覚めたら監禁!目の前の古テレビから謎のロボットが「ようこそ」の台詞を……噛んだ。ちゃんと運営しようよデスゲーム! ポップな色彩のデスゲーム物パロディ、ギャグのキレ良し。殺されないけど可愛さ面白さで殴られます!とてもとても楽しかったです! 9+1種類のエンディングは1時間くらいでコンプリート。 破天荒コメディだけど理不尽系ではないので ・このゲームはなんだったのか? ・登場人物たちは結局どうなったのか? までスッキリ気持ちよくオチてくれます。 「地球爆発して終」みたいなことにはならない系です。 ゲームのほとんどはデスゲームの進行役と主人公の会話劇です。 この進行役ロボットの「中身」が可愛い! しかも面白かわいい・貧乏かわいい・寿司かわいいで大好きになりました。 とってもイキイキしたキャラクターで、誰も死なない密室劇を明るく停滞感ゼロで彩ってくれます。 お寿司とお肉をたんと食べさせたいです! ↓ここ超ネタバレ @ネタバレ開始 平凡な大学生風の主人公が、デスゲ主催者を突き止めて破滅させられるレベルのド金持ちでした! という破天荒オチが痛快にハマってました。 デスゲームって何かすごい権力による理不尽極まりない暴力ですが、それを上回る何かすごい権力でゲームを中止するのがすごい理不尽で良かったです!(語彙がなくてすみません) 私がデスゲーム開始を待ち望んでいた運営者だったら、お母さんの膝で泣くと思います……昨日てるてる坊主作ったのにどうして……。 @ネタバレ終了 地の分は最小限で主人公と進行役ロボの会話がほとんどですが、パッと頭に入ってくる短文の中にゲームに必要な情報がポンポン気持ちよく入って「うわーシナリオが読みやすい!」と感動しました。しかも笑える。 二人の掛け合いを楽しんで、選択肢をドキドキで選ぶとスピーディにシナリオが進行します。プレイ時間は短めなのに「いやぁ色々あったなぁ」と充実した気持ちで振り替えられる密度でした。 エンディング演出もゲームの雰囲気にピッタリで、ふとした時に見返したくなる可愛さです。 楽しいゲームをありがとうございました。
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穴の中僕は建設業バイト!パチンコ好きの先輩や鬼瓦社長との毎日はそれなり!なのに工事現場の『穴』に落ちちゃったその日から日常が恐怖に…。シルエット表示の登場人物+全画面表示のテキストが読みやすさ◎のホラーノベル。怖面白かったです! 最初に見たエンド以降は作者様の攻略記事を参考に90分ほどで全エンドを見ました。 ダレることなく『うーんそうか!次のエンドはどうだ』『あー怖かった面白かった』と駆け抜けちゃう、緩急テンポの良さが魅力です。 主な登場人物が零細建設業で働く、大らかor大ざっぱなキャラクターというのは意外で新鮮でした。 (「ふらりと現れたホラー作家」「考古学者の叔父」「オカルト研の先輩」「心霊スポットオタクで配信やってる友達」的な解説キャラが出てこない現代ホラーこの頃少ない説) 序盤の日常パートはキャラクター描写が短くて的確。テキストとっても読みやすいです。 作品全編の底流にユーモアと「しょうもない人々」への温かい目線があって主人公と周囲の環境にぱっと愛着が持てます。 建設会社の社長が「上下逆にしても人の顔に見えるヒゲオヤジの絵に似てる」って表現、わかりすぎる。 絵を描く方の 「美男美女ではない人の顔を描くのは作画コストが高くて大変。だからゲームのモブは皆顔が整っている」 という言葉を読んだことがあるのですが、人物をシルエットで表現するタイプは「ほとんどのキャラが普通に欠点ある容姿」という描写に強いですね。 おかげで中盤から出てくるシブい神主や、エキセントリックなルックスのヒロインの美形っぷりが際立ちます。文字なのにね! @ネタバレ開始 中盤合コンに合流するシナリオに出てくる女子三人組のリアリティが大好き。 「顔面の圧が強い子・まあまあの薄味顔・ヤドンみたいな子」の組み合わせが生み出す「そこらの合コン」の謎のリアリティ…… (三人のうちひとりがまあまあのルックスというのが「なんか、わかる」の極地です。) すごく緊張するシーンから束の間解放されるくだりで楽しい一幕です。 このゲームは恐怖と安堵・ちょっとした笑いのバランスが絶妙で読み手を飽きさせません。 もうヤドン見るとカラオケボックスの騒音と薄いレモンサワーの味が再生される体になってしまった。 @ネタバレ終了 オカルトなんか興味なさそうな主人公たちが軽率に禁忌の穴に踏み込んでしまって呪いにおびえるという展開。 プレイヤーもブルブルですがビックリ箱型の大きな音が出る驚かせ方やグロ画像はないので、 「ホラーは好きだけどそちら系の演出は苦手」(私そうです…) な方は安心して恐怖することができるかと思います。 いや、怖いんですけどね……。 エンディングはハッピーエンド・トゥルーエンド・お約束の「主人公が非道な選択をした結果エンド」他で6種類。 各ルートそれぞれ面白く、コンプは攻略記事が助けてくれる。 コンプするとより物語全体の背景が鮮明に。 事件の背景もキャラクターたちのその後もきちんと描かれていてスッキリ終わります!回収してない伏線は続編で……みたいなのはナシ! 私が好きだったのはヒロインのチヨちゃんです! 登場時のイベントで 「この子が何者か全くわからない。むしろ境遇は暗くうさんくさいがこの子はええ子や!」 「守りたいこの笑顔」 と思わせる展開、本当にシナリオが丁寧……とうなってしまいました。 中盤からの登場ですが、とても魅力的に描かれていて存在感があります。 遊園地デート(オマケ二名もいるけど)のくだりは、主人公の浮かれた描写がとてもほほえましく 「こんなのみんなチヨちゃん好きになるじゃん……」と読みました。 @ネタバレ開始 立派な家に住んでいる彼女が、中学時代(?)まったくの不登校だったのに 周囲がちょっと奇異に見るだけでスルーしているのは奇妙?と思っていたのですが。 あるエンディングで彼女は長命種であることが示唆されていて「ああ……」と膝を打ちました。 中学生に見えるけど、とっくに中学生じゃなかったんだ。だから担任の先生の訪問も、噂する同級生もいないんだ……。 主人公と彼女に幸あれ…… @ネタバレ終了 とって怖楽しかったです。面白いゲームありがとうございました! あと、ケンちゃんはきっと犬ですよ!タヌキは人になつかないそうです! ケンちゃんドッグランデビューのスピンオフができるといいね!
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兄さんとラブホに入った俺!気づくと弟とラブホにいた!弟は言った「兄さん、俺を抱け!」ヤル気を五七五で表明してくれるがちょっと待って……! 兄弟の愛とすれ違いとやっぱり愛が怒涛の勢いで描かれる短編です。陽太くん(弟)の俳句がしばしば過剰に字余りなのもスビード感特盛です。 陽太くん自由律もたいがいにしないと! BL表現が多いというか、メインの作品ですのでそこはご注意。 また、BL愛好家にとっては「BL的にどんな傾向なのか」という点が気になる所だと思われます。 よってネタバレタグの中で記載します。「そこを知ってからじゃないと不安でプレイできない」という方はご確認ください。 また、暴力描写があります、こちらに不安のある方も確認が必要ならご覧ください。 (ドンとネタバレしてしまうので「なんでも食える雑食だ!来ませい!」という方は見ないでプレイどうぞ) @ネタバレ開始 このゲームは ・自分がゲイであることをさんざんに周囲にさげすまされ、恥じている主人公をスパダリ弟が愛で包む 形式です。兄弟は血は繋がっていません。そのことはゲーム序盤で明かされます。 サムネを見ると ・イケメンゲイの弟があまりにもまっすぐ主人公である兄を愛するので、ノンケ兄もほだされてしまう ようなハッピーアホエロ物っぽく見えますが、そうではありません。 実際は「モブによる凌辱経験のあるボロボロハートの主人公を弟のひたむきな愛が癒す」のような展開です。 ・モブ男子たちが主人公の性指向を知って軽蔑し、いじめ、人前で彼がゲイであることをバラすシーンがあります。 暴力表現にスチルはありませんが、文章の描写はかなり苛烈です。 モブは同性愛者ではなく同性愛嫌いの男子、しかし主人公を性的にいじめることはためらいません。 凌辱ものエロスというより、ひたすら卑劣な行為という印象の描写です。このくだりはそこそこ長いです。 そして、この物語は復讐譚ではありません。悪党どもはとくに傷つくことなく物語からフェードアウトします。 序盤のラブホパートが終わり、主人公の心がひたすら傷つけられる少年期エピソードに入ると、直前まで強引に迫られる主人公のピンチに笑いながら 「がんばれ陽太くぅん!さあさあエッチ♡ エッチ♡」 と言っていた自分の助平心に鉄槌が下った気持ちになるかも……。 (画面前でこのホモネタをゲラゲラ笑ってる私と、モブ男子のやっていることは本質的に同じだわ…!) と考えました。わたくしは。 そのうえで物語は光の陽太くんがなんとかしてくれるので、ココまで読んでOKの方ならきっと! 楽しめると思います。 @ネタバレ終了 さて、ストーリーは短い中にも山あり谷ありですが光属性の極み・陽太くんが何とかしてくれます! 大丈夫!彼は知性以外のすべての人間の善性を備えたスーパーブラザーなんです! 大船に乗った気で身も心も任せるべき! @ネタバレ開始 陽太くんは主人公の人間性を深く尊敬し愛しているから恋人同士になれると信じています。神のような愛の持ち主です。 それに対して、主人公は陽太君を大事に見守ろうという無償の愛とエロスの間で長く葛藤していました。 彼はこのように歩んできた人だからこそ、陽太くんとエロス的な絆を結べるかどうかについては慎重な視点を持っているのかなと考えました。 ともあれ、陽太君の想いを知り自分を卑下することをちょっと控えて仲良くできるようになった。その幸せは確かです。良かった!と思いました。 プレイヤーとしては陽太くんが 「兄さんは……やっぱり……最・高・だ……!」となるところまで見守りたかった(物は言いよう)わけですが、ここは品性と良識のティラノフェスなので、後日談は自分の心で育くんでいこうと思います、 @ネタバレ終了 たのしいゲームありがとうございました。 ご兄弟に永遠に幸あれ!
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インビジブル異能を手にしてしまった若者が真実を求めて戦う!主人公は自分の失くした記憶も求めて戦う!青春の葛藤が正面衝突to和解!話がきれいに終わる長編投げっぱなしジャーマン無し!安心して葛藤しようぜたまに死ぬがな!(復帰は容易) 読了まで10時間ほどかかった長編ですが、細部まで行き届いた工夫で物語に引き込まれたまま完走しました。 「とにかく面白かったから話を聞いてくれよ」の気持ちで良かった点を羅列しようと思います。 ・長編を飽きさせない構成だから長編に尻込みしてる人もやってちょうだい エピソードは6つに分かれ、一つのエピソードの中でも場面転換が適度なところで挟まれます。 体感的に言うと20分に一回くらいは区切りポイントがあり、プレイヤーも頭を整理するタイミングになります。 おかげで設定も登場人物も盛りだくさんの長編なのに、読んでいくプレイヤーへの負担は少ないです。 でも終盤まで行くとプレイヤーが前のめりになっているから 「今日のプレイはここまでなんて言っていられないのよ……!」 ってなるんですよ!(ラスト付近めちゃくちゃ夜更かししてしまいました。ギルティ……) ・安心のキャラ設計でとっつきやすい!深掘りもバッチリ 登場人物の初見の印象はアニメやマンガでおなじみの人物造形です。 主人公・如月つぐみはプレーンな普段着キャラ(でも行動力は十二分!)としてプレイヤーに近い立場にいますが、 つぐみが出会う人物たちは (序盤) 「ゆるふわツインテールの一見クール・でもお姉さま(主人公)にはベタベタの天才お嬢様」 「自他ともに認める脳筋男子」 「いつもひょうひょうとしているオカルト研究家」(着流し着用) といった感じで、この「良く知っている味付け」のおかげでキャラクターの特性がスッと頭に入るので混乱しません。 「諸事ダルそうでヘラヘラした目が細い男」はちゃんと期待された通りの立ち回りを見せてくれます。 誰が何と言おうと、これはエンタメで超超大事な所だと思います。 この鉄板の基本を押さえたうえで、「でも実はこんな一面が~」とキャラクターの内面を開示していく展開がとても丁寧なのにスピード感がある!そして皆に強い愛着と魅力を感じてゲームを終えることができる!それがすごい! みんな、目が細い男は期待の立ち回りをした後からまだまだ……(ネタバレしないので見て下さい。目が細い男が好き勢は特に) @ネタバレ開始 キャラクターは皆魅力的ですが、やっぱりつぐみが行動力と優しさと不安を抱えた主人公としてしっかり立っていてイイ!と感じました。 真実に到達するまでの道のりは「えっそうなの!?」の連続で、ダイナミックなストーリーに振り回される喜びを味わいました♡ どんでん返しの連続なのに最後に「た、確かにそうだ」と大納得のストーリーは本当にただただため息です。 あと、美弥子ちゃんの「すごくいい子でちょっとめんどくさい」加減がとてもデリケートに書かれていてよかったです。 普通のいい子(誉め言葉)が学校生活につまずいて、たいへんな事をしでかしてしまうけどそれを受け止めて立ち上がる描写が丁寧で 彼女の物語に一番少年少女成長物語感を覚えました。 彼女がもう少し「(プレイヤーに都合が)いい子」に寄っても、こじらせ暴走異能少女に寄っても作品の空気感がダメになってしまう。 すごく微妙な所でストーリーが成立していて、作品の繊細な所のよすがになっていたと感じました。 @ネタバレ終了 ・BGMもグラフィックもUIもかっこいい たちあげてチャプター選択ぐるぐるしてる時の高揚感がある……プレイまわりも快適! 「快適」以外あんまりコメントできなくて申し訳ないけど、これって大きい。イベントスチルもかっこいい可愛いがいっぱいです。 ・怒涛の終盤 ネタバレできないところだから!気持ちを書くしかありません! ほんとに「こんな感じでしょ」をガンガンに裏切りながら同時に盛り上がる奴だから! やって!(馬鹿っぽい感想しか出なくてすみません) ・ちゃんといい話 もう何も申しません。ココ大事ですよ大事。多くの人とこの読後感を味わいたい……。 大作、堪能いたしました!ありがとうございます!
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空蝉通り喜多探偵社 ー チベット文字の秘密 ーチベット文字って知ってる?知らない!じゃあ今からチベットイントロクイズ!声とおんなじ文字を選んで! というわけで、チベット文字を扱ったとても珍しいテーマの作品です。こういう作品との出会いは、フリーゲームの祭典のだいご味だと思います。 主人公がひょんなことから不思議な声に導かれ、ちらばるチベット文字の中からある一字を探すことに。正しい文字を選ぶたび、チベットの生きとし生ける者はウキウキになり、主人公のチベット文字知識も深まっちゃうという寸法です。 主人公はおっとり、どんと構えたキャラクターでこの状況をひょうひょうと受け止めています。おだやかなユーモアが作品に流れています。 正しい文字を見つけるミニゲームはなかなか難しいですが、ゲームオーバーはないので私もクリアすることができました。 クリアのたびに動物さんやチベットおいしいものが話しかけてくれるのがファンタジックで愛らしいです。 バター茶が飲みたい! (DSの『箱庭生活ひつじ村DS』というマイナーゲームで見て以来憧れている) 雄大かつほっこり気分に浸れました。 素敵なゲームをありがとうございます!
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在庫がなくなる前に僕は雑貨屋バイト!仕入れの品が届かない!店長は言った「洞窟の浅いところもぐっておいで」武器防具なし!ダンジョン仕入れの始まりだ!ちまちま拾いモノで強化してダンジョンの浅瀬でアイテム回収。 クリアできました。エンディングまで45分くらいでしょうか。 拾ったアイテムを「強化」コマンドで装備して強くなれます。 脳筋で行く!とか魔法で火力を出す!MP(精神力)が多くなるように装備も考えよう…と、プレイヤーの意志で育成の方向が選べます。 パラメータが上がればしっかりバトルに結果が出てきて、かつての強敵をヒョイとやっつける喜びが味わえます。 (ほかの方のコメントにもあるけど、魔力特化の方が火力が出てロマンがあるな…MP回復薬の出方は運ですけど) ゲームオーバーになっても装備品は残り、荷物がロストしての再スタート。 主人公は順調に強くなれます。探索強化ゲームとしての難易度は低め。サクサクッとバイトしましょう。 黒背景にテキストのみの画面ですが、アイテム説明などのフレーバーテキストにひょうひょうとした味があってレトロゲーム的魅力がいっぱい。 フツーの店員さんだったのに、洞窟でモンスターにボコられては 「え~ また仕入れに行くんですかぁ」 みたいな感じで探索に行く主人公、心が強い。見習いたいです。 楽しいゲームをありがとうございました!
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がんばれ!ヤマトくん「人間たちがいなくなった家の中、モノたちは勝手に動いて生活しているんです」系のショートストーリーをなんとストップモーションアニメで展開!画像はおよそ120枚!かわいい文具たちが持ち主の為に健気にがんばるほっこりストーリーでした。 カット割りや撮影の構図が凝っていて、アクションシーンに迫力がありました!動く! 動く! 文具が動く! 主人公・ヤマトくん(ヤマトのり)はじめそれぞれのキャラクターの個性が立っています。一番消えやすくはかない属性っぽいケシゴムが、持ち主のペンケースにそのままになっていたせいで長老になっているの妙にリアルですね…。 掌編ながらストーリーもしっかり起伏があるのも良い! トラブル発生→文具たちが知恵を集め、自分たちの特技を持ち寄る →試行錯誤と成功→あっそうなの!?オチ までキレイにきまっていました。 楽しい一編をありがとうございました。 @ネタバレ開始 持ち主さんはもっとしっかりして…! @ネタバレ終了
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G目線上のエリアみんなおなじみ・G系昆虫が主人公の脱出(しばしば失敗して死ぬ)ゲーム!テンポよく人間宅を移動!トラブル遭遇!脱出or死!主人公・同族のグラフィックは可愛くデフォルメされているので安心です。 ごはんを求める探索パートの攻略難度は易しめ。 心の赴くままにクリックしていけば、何か楽しいEDが見られます。 readme.txtに攻略情報のアドレスあり。フルコンプまで30分くらいでした。 ゲームには「主人公の多彩な最期を体験できるバッドエンドたっぷり系」というドライなユーモアジャンルがありますが、今作の主人公はこのシチュエーションにピッタリです。またまた痛快に散華したぜ! ちなみにトラブル回避に成功すると、こちらも様々なハッピーエンドが用意されていますが、ハッピーの基準が人間と違いすぎて面白かったです。 @ネタバレ開始 数匹の子Gがピンチ→助けようとしたらこっちも死ぬ。他に子孫いっぱいいるからへーきへーき→正しい判断!~☆ハッピーエンド☆~ という展開に吹き出してしまいました。…人間ではとうてい「良かった」とは言えない行為ながらカラッとした笑いに昇華しているし、 ふと (人間も子孫を数百も残せる生物だったら、こんな感じに近づくのかな) とか考えさせられてしまいました。く、悔しい!考えさせられた!Gに! @ネタバレ終了 困惑のトゥルーEDまで楽しく遊びました。 @ネタバレ開始 トゥルーED Gたちが踊る! 鳩時計の鳩も踊る! すごくかわいい! @ネタバレ終了 素敵な作品をどうもありがとうございました。
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殺すしか選択肢を与えられなかった異世界転生勇者女神によって異世界に召喚された一般人男性が勇者に。 そんな王道中の王道のスタートなのに、主人公に与えられた選択肢は「殺す」だけ。 だったら先はどうなるの? とゲーム紹介を見た時から気になっていました。このゲームで遊びたい、とゲームデザインで引き付ける力が強いっ。 一週目殺戮の限りを尽くせるのが娯楽としてとても正しいと思います! そして、そこからの「あれ? これじゃ上手くいかないんだ」とプレイヤーに試行錯誤させる仕掛けも巧みで、ちょうどいいストレス(伝われ!)で世界をうろつき失敗して無事クリアできました! (中世ファンタジー風のグラフィックの中で多彩なバッドエンドが楽しめるところが往年のゲームブックっぽくて好きです) バイオレンスの嵐をくぐりぬけて、少ししんみりと終わるラスト~しっとりと世の悲しみを歌うエクストラのおかげでプレイ後はさわやかでした。 サクッとしてスケール感もある楽しいゲームをありがとうございました!