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ハコニワ観測所のレビューコレクション

  • 異種間エンパシー
    異種間エンパシー
    昨今でも「レンタル○○」と、恋人や友人などの代行を務めてくれるサービスの存在を耳にすることがあり、舞台が現代でも違和感のなさそうな情景です。それなのに、描かれているのは限りなく身近なSFでした。 弟の代わりを務めてくれる相手がバイオノイドというところが面白くて、ただ種族が違うだけのはずなのに、不思議と人間以上に期待も不安も抱いてしまい、はて、どうなるんだろう……と、ストーリーに引き込まれていました。 @ネタバレ開始 それでもやっぱり一番の懸念は、亜子がいつ、自分の言動と、それから本物の弟に向き合うのかというところでした。 このまま誤魔化してなんとなくやり過ごしてしまうのかな、なんて思っていたら、弟にも共感していた一織(アル)からの冷静なお説教が。私も外野から「そうだそうだ」と言っています。 けれど、よくよく考えてみれば亜子には身近に頼れる相手がいなかったわけで、行き過ぎた言動に気付けなかったのも無理がないわけです。今回やってきたのがロボットでも人間でもなく、バイオノイドだったからこそ、より相手の立場について考えることができたのではないかという気がしました。危なっかしさがありつつも、転げ落ちない軸を持っている人でよかったです、亜子さん。 さて、事態は何も解決しないまま、どこへ向かうのか……というところでのアフターストーリー。後日談というよりは後編で、展開がそれぞれ大きく変化するのが楽しみどころでした。 エンド3では特に、時代の転換期の空気を感じて興味深かったです。バイオノイドよりもさらに未知な存在に出会い、いずれ来る新時代に不安を抱くことになるのですが、恐らく、バイオノイドが出現した時にも同様に感じた人々がいたはずで。だからバイオノイドを物(人間が制御できる存在)として扱うことで落ち着いているのではないかと思うのですが、いずれこれが覆るかもしれないとなると……? いつの時代も同じことの繰り返しだよなあと思いつつも、誰もが亜子とアル、あるいは一織と伊集院のように、互いの存在を受け入れ、尊重し合うことができる未来を願わずにはいられません。みんな幸せになってくれ~。 @ネタバレ終了 いろいろと考えさせられることがあり、まるでまとまらない感想になってしまいましたが、それほど面白い作品でした。言語化したいことがまだまだあるのですが、今はこれが限界です。 デュオトーンのデザインも雰囲気に合っていて、とても素敵でした。

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  • A Room for You
    A Room for You
    気になる言葉を調べるだけという、いたってシンプルながら非常に面白いゲームでした。 辞書で適当にひいた言葉をさらに調べて辿っていく遊びに似たワクワク感があります。 展開の読めなさにドキドキしつつも、あれこれと場面を想像しながら遊ぶのがとても楽しかったです。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • You Make a Space Cat
    You Make a Space Cat
    ねこちゃんを宇宙に飛ばすだけの簡単&かわいいゲーム! …………本当に? @ネタバレ開始 謎解きまでしっかり遊ぶぞ! と挑んでみたものの、最終的には大人しく攻略情報のお世話になりました。 知らないほうが幸せなことが世間には溢れています。 @ネタバレ終了 ねこちゃんを飛ばしてしまったり困らせてみたり、いろんな遊び方が出来て面白かったです!

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  • 運と推理と幼なじみと。
    運と推理と幼なじみと。
    楽しい絵合わせパズルでした! 要領さえ掴めば10回以内は問題なく解けるのですが、やはりタイトル通りで運に尽きますね。 リセットボタンがあるので、うっかり沼にはまってもすぐにやり直せるぞ! 短いやり取りの中からでも、二人とも一緒に遊ぶのが本当に好きな様子が伝わってきて和みました。かわいい。もっと眺めていたいです。

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  • OPERATION:BROTHERHOOD
    OPERATION:BROTHERHOOD
    装備がとにかくカッコいい! ミリタリー方面は興味がありつつも全くわからないので、持ち物一覧で詳細な説明が読めるのが嬉しいです。 アンが持っているのはAKでしょうか。個人的にすごく気になっている銃です。 緊迫した状況と、あまり緊迫感のない女の子たちという不思議な取り合わせに不安を感じたり、または頼もしく感じたり。彼女たちのことをもっと知りたいなと思わせる加減が絶妙でした。 ……そう思った矢先の無線! 遊び心満載で、短編ながらじっくりと楽しませて頂きました。

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  • VIVIAN
    VIVIAN
    サムネイルの薄明るい雰囲気に、どんなドラマが始まるのかしらとドキドキ。 まずは難易度を選択。初回だし、ゆるっと楽しみたいところですが……? @ネタバレ開始 ところがどっこい。唯一、燦然と輝くのは"super ultra hard"の文字。ma,marineさん、鬼? そんな出オチ感満載の難易度選択でしたが、これがギャグじゃなかったと理解した時の気持ちたるや! 鬼ママだなんてとんでもない。聖母でした。 扉のパネルの謎解きが秀逸で、シンプルな線で四種類の形の表現をしているところに感動しました。素晴らしい発想! どのパネルも線に共通する部分があるので少し迷いましたが、既に扉にはまっている一枚を落ち着いてよ~く見ると「ここしかない!」という場所が見つかるのが面白かったです。 また、見つけたダイヤを調べてみると、高値で売れそうだと考えてみたり、扉から外せないかと言ってみたり、欲望丸出しのヴィヴィがとてもお茶目でキュートでした。 さて、手紙では「研究に没頭してばかりだった」と自らを省みているパパですが、研究所のどこかしこにも家族の痕跡があり、第三者の私がほんのちょっとお邪魔しただけでもその愛情の深さが伺えました。ちゃんとヴィヴィにも伝わってるよ! と教えてあげたいところですが、きっと本人から聞いていることでしょう。 "super ultra hard"からの爆破というコントのような流れから一転、最後は意外性がありつつも心温まる結末で、とても楽しかったです。 @ネタバレ終了

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  • ナニシテモイイコ
    ナニシテモイイコ
    とても頭が痛いです。 @ネタバレ開始 何をしてもいい「人形」、ヒューマノイドのイチコ。そうは言っても人間らしさが漂っており、一周目はひたすらお喋りに徹してみました。 会話する中で、恐らく、「ちゃん」付けで呼ばれるような年齢はとうに過ぎているのではと感じたのですが、まさか子持ちだったとは。それでも、「イチコさん」と線を引いてみるよりも「イチコちゃん」と呼ぶほうが不思議としっくりきます。 また、「殴る」に徹した際のシナリオの変化やイチコのセリフには、ぞっとさせられるところがありました。プレイヤーが能動的に行動する必要があるからこそ、より際立っていたのでしょうか。 デート編に移ってからは、イチコの素性が明らかになってゆくからか、それとも屋外だから開放感があったのか。うまく表現できませんが、どうしようもない息苦しさはさることながら、どことなく明るいものを感じました。 @ネタバレ終了 ボイスがまたとても良く、いつもは音声を聞き飛ばしがちな私ですが、ついつい聞き入ってしまいました。 それに加えて、スチルの口パクなどの細やかな工夫も効いていて、ぐっと物語に引き込まれました。サブシナリオまでしっかり楽しませていただきました!

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  • 東京オディエットアモ 代沢ロミオ編
    東京オディエットアモ 代沢ロミオ編
    はじめはmatinee、それからsoireeという順番でエンドに辿り着きました。 あの分岐点からここまでガラリと結末が変わるものかと、もう本当に圧倒されました。 @ネタバレ開始 押してダメならさらに押せ! なロミオくんの言動には随分ハラハラとさせられました。ですが、仮面舞踏会がそうであったように、自身を取り巻くしがらみへの抵抗という面が大きかったのだろうと思うと、無鉄砲なのも頷けます。彼自身は本来は素直で思いやりのある人なんだろうなと感じられる面が好印象でした。かわいい。 matineeのエピローグが本当に明るい未来でしかないので、「もうこれで終わらせてあげて! soireeの結末が怖くて見られないよ!」と思ってはいたのですが、ジュリさんが感じていた悪い予感、そしてきみちゃんの駄目押しと言わんばかりの「破滅する」という発言が気になって気になって仕方がない。 お墓参りの場面では、なんだかんだジュリさんのことを思う者同士でうまくやってるなーと思ったら……ロミオ~~~~!!!!!!! お前~~~~~!!!!! いやもうほんと、どんな気持ちで団くんを励ましてたんだと。 ジュリさんもジュリさんで、matineeで鼻ちょうちんを笑われていた人と同じとは思えませんでした。落差よ……! @ネタバレ終了 登場人物が全員気になりすぎるので、他の編もぼちぼちと追っていきたいです!

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  • ウソと宝と姪、探偵!?
    ウソと宝と姪、探偵!?
    快活な帆風ちゃんと穏やかなコタさんの距離感が心地よく、楽しい時間でした。 @ネタバレ開始 ギブアップモードですが、いずれも帆風ちゃんがさらりと謎を解いてしまうのかと思いきや、(既に謎が解けているであろう)コタさんが上手く答えに導いてくれるという流れだったり、帆風ちゃんがバッチリ閃いてみたりと、やり取りが非常に面白かったです。謎が解けた人も解けなかった人も一度は読んでほしいです。 コタさんはサラリーマンとのことですが、学校の先生だと言われても違和感がないくらいでした。 @ネタバレ終了 帆風ちゃんと同じ年齢の頃にこの作品に出会いたかったなあ、と考えていたら、ふと思い出しました。 そういえば当時の私は、三つ子の女の子と探偵さんのお話を図書室から借りて読み漁っていたのでした。 あの時のような、わくわくする作品に出会えてとても嬉しいです。 カクヨムの短編小説のほうも楽しく読ませて頂きました。 もしまたどこかで、この凸凹コンビに出会えることがあれば嬉しいなと思います。

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  • Route17
    Route17
    灯菜お姉ちゃんと25号線を辿る、長い道のりでした。 @ネタバレ開始 道路の名前は25号線なのに、Route17とはいかにと思いきや、この作品は実は乙女ゲームだった……!? 栄斗君が遊んでいたゲームのタイトルも、しっかりと「シスターズ」。後でイラストを見返して気付いたのですが、この髪型! いやはや、セリフから小道具に至るまで隙がなく、ページを捲る手が止まりませんでした。 @ネタバレ終了 とても面白かったです。素敵な作品をありがとうございました!

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