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白玉ユキトのレビューコレクション

  • Mermaid princess ~人魚姫と2人の王子様~
    Mermaid princess ~人魚姫と2人の王子様~
    青い色が印象的でとても綺麗なタイトル画面だな、と気になっていました。優しい雰囲気の作品でした。 王子は二人とも魅力的に描かれていて、国王と王妃、そして王子たちにまつわる問題が、主人公が関わったことでするするっと解かれる様は、まさに童話のようだな、と思いました。王妃がちょっと意地悪に映るところもそう。 綺麗なイラストがあるお蔭か、一つ一つのエピソードがすごく鮮明に頭に残っています。 @ネタバレ開始 一緒に本を読むシーンのイラストが特に好きです。穏やかでいいですよね。 王子二人の性格設定がしっかりされているので、同じ展開になってしまうのは少し勿体ない気がしました。また、二人のその後の様子も見てみたかったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 私の執事ジェラルド
    私の執事ジェラルド
    面白くて一気に読み終えました。序盤からジェラルドとナタリアのとぼけたようなやり取りが楽しかったです。一言目から「薄汚いクマのぬいぐるみ」とは暴言が過ぎる(笑) 途中で事件が起きて自分の気持ちに気付き、そして最後の選択を迫られる。ここで「全員が幸せになれる道はない」という注意書きを思い出して苦しくなりました。初見はEND2でした。だって一緒にいたいですもの! @ネタバレ開始 ジェラルドと離れた時の「自分の影がなくなったみたい」という表現に感じ入りました。自分の影があるかどうかなんて気にしないけれど、なくなるとそれは据わりが悪い。一緒にいるのが当たり前だった、というのが実感として非常に分かりやすく伝わりました。 クマのぬいぐるみをくれた「もう会えない大切な人」が「昔の優しかったジェラルド」のことだというのは反則です! ここで急に切なくなり涙が込み上げてきました。改めて考えてみれば、ジェラルドが人からの贈り物を「薄汚い」なんて腐すのは考えづらいですよね。そして、それをずっと大切に持っているナタリアのいじらしさがたまらない。 欲を言えば、父母に真正面から説得するシーンも見たかったです(当然叶わないとしても!)。END2も一見幸せに見えますが、絶対どこかのタイミングで家の問題を耳に挟んで複雑な気持ちになるパターンです。描かれていない部分にも思いを巡らせてしまいます。 @ネタバレ終了 実はタイトルからずっと気になっていた作品でした。タイトルにキャラクタ名を冠するのって結構勇気がいると思うんです。作品の出来がそのキャラクタの魅力に集約されてしまうので。その点でこの作品はジェラルドが本当に魅力的な人物で、またジェラルドを中心に物語が進んでいくので、まさにこのタイトルだな、と納得でした。 ありがとうございました!

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  • キョウナリmini
    キョウナリmini
    将棋をシンプルなゲームに落とし込んだような内容でした。初っ端のグネグネ動きが気持ち悪くて笑ってしまう! システムとしては、歩をマナのように扱っているのが面白いなと思いました。角を使うために歩を使うのが、まさに角道を開ける動きですよね。アイデアが光る。 @ネタバレ開始 カードゲーマー的には、ターン数の少なさと飛車角の強さで選択肢が狭まっているのが勿体なく感じました。いっそ駒は使い捨てのほうが読み合い要素が増えるかも、と思いつつも、そうすると将棋らしさが損なわれるし、と悩めるところですね。いろいろとシステムを妄想してしまいます。 @ネタバレ終了 ティラノにこういう使い方もあるのか! と驚きました。本編も楽しみにしています!

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  • ありすすいーぱー
    ありすすいーぱー
    見事に遜色のないマインスイーパーでした。パネルをタッチした時に周りが一緒に開く「らしさ」が気持ちいい。細かい動作も凝っていて、作るのは大変だったろうなあと思いながら、ティラノでここまでできるんだ、と感動しております。 @ネタバレ開始 猫のうんこ多すぎィ! ウォオオ! と発狂しそうになりましたが、無事に全てのバッジを頂くことができました。 @ネタバレ終了 スマホでのプレイだったのですが、拡大できたりリトライしやすかったりと遊びやすかったです。 素敵な体験をありがとうございます!

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  • 能面な、先生
    能面な、先生
    読み終えて、とても心が温かくなりました。 序盤で友人から軽い扱いを受けている描写に胸がぎゅっと苦しくなります。ありますよね、こういう便利屋扱いされること。そうした辛い境遇を見つけてくれる、気にかけてくれる人がいた、というのは本当に嬉しいことですね。まるで自分のことのように救われた気持ちになりました。 @ネタバレ開始 シルエットや名前の使い方が上手いなあと思いました。先生のことをはっきりと認識するまでシルエット。友人もシルエットで、名前もあえて「ギターの友人」「演劇の友人」と表記されています。自分のことに精一杯で周囲にまで意識がいってないんだな、とか、彼女たちはすぐに縁が切れてしまうような存在なんだな、とか、そんな風に受け取りました。 @ネタバレ終了 優しいお話をありがとうございます。

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  • 吹き溜まりの彼女
    吹き溜まりの彼女
    やるせなさ、切なく重い気持ちが、読後に強く胸に残ります。 初恋の人が体を売っていたらどうなるか。誰にも助けを求められない状況でどうするか。もし自分の身に起きたら、と考えながら読み進めていました。引き込まれていたので、読み終わるのはあっという間でした。 他の方の感想を見て、ハッピーエンドにならないことは分かっているのに、途中まで上手くいきそうなんですよね。あと少し何かが違っていたら幸せな未来もあったんじゃないか、と願ってしまいます。 @ネタバレ開始 彼女はたぶん、ぎりぎりのところにいたのでしょうね。 個人的には、ここまで徹底して夢や希望をなく書いている分、最後、ここから主人公がどのようにして前を向くのか(あるいは向けないのか)というところまでしっかり見たかったです(主人公が死を選択するのにあまり現実感がなかったので)。 @ネタバレ終了 とても考えさせられるお話でした。ありがとうございます。

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  • ミラーリングサマー
    ミラーリングサマー
    感想に「どんでん返し」という文言を見かけて、気になってプレイしました(自分もそういう話を書いたもので)。 読み終えて「どうやったらこれが書けるんだ」というのが率直な感想です。謎が重厚に折り重なった物語の作りは圧巻の一言。この長さの物語を作るには、これだけの要素が必要なのだな、と改めて考えさせられました。 正直、序盤の印象はそこまで良くないと思います。物語のスムーズな進行を阻むコテコテのキャラクタ造形や、謎の糸口が提示されても解決に向かわない流れが、自分は苦手でした。何より、大きな仕掛けがあると分かって読むと、序盤でいろいろ見えてしまうんですよね。なので「知らない状態で読みたかったなぁ」という思いと「知らなかったら気持ちが続かなかったかも」という思いが両方ありました。 しかしながら、環境音を利用した空気作りが上手く、キャラの掛け合いで流れが淀む寸前に話が進むバランス感覚など、確かな期待はありました。中盤以降、どんどん謎が膨らんでいき、いつ明かされるんだとじりじりしながら読み進めた結果、度肝をぶち抜かれました。 少しでも気になっているならプレイしましょう。3時間、プレイ前は長く感じますが、内容を考えるとあり得ないほどに短いです。ここまでの衝撃は市販のものを含めても、そうそうありません。 (ここから先は本当にネタバレが入るので、読み終えてから開いてください) @ネタバレ開始 上記の点が全部仕込み。 明かされた瞬間の全てがピタリと嵌まる感覚、そして内容を咀嚼してから、巧妙に計算された構成に痺れます。 「どんでん返し」で「双子」「鏡」と来れば「それ」しかないんですよ。鏡を見れない理由がどこにあるかも推測はできます。でも辿り着けなかった! イカニも君のクリーチャーという描写、そして御神体が出てきた辺りで、思考がファンタジーに流れてしまいました。 何よりも、自分はコテコテのキャラクタと掛け合いのせいで、いろんな要素を疑問に思わずスルーしていました。具体的には性的な距離感を「この作品はそういう世界だ」と納得していたのです。夏通とのボケツッコミのノリがなければ、ここの違和感はすごく大きいと思うんです。ギャルゲー感と伝奇感は見事な隠れ蓑でした。 主人公と兄の秘密を分かって読んでいても、上記が目くらましになって正体に気付けない。そして明かされた時に七榎の秘密に気が付きます。そこに思考から吹っ飛んでいた双子の要素がもう一回降ってきます。見せる謎と隠す謎の塩梅が絶妙すぎて、終盤は頭の中を整理しながら感嘆しっぱなしでした。 最大の謎の仕組みも、生まれた理由から拒絶する理由からそちら側になる理由から、全てが重なり合って強い納得感があります。振り返ると御神体が何重にも意味を持ってくるのもすごい。そして「この物語があったからこそ登場人物がみな幸せになる」というのが、結末として本当に素晴らしいと思う次第です。 ちなみに「なぜ物語がまっすぐ進まないのか」という疑問に対しての「主人公のために必要でキャラがそう仕向けていた」という解答は実に鮮やかでした。油断していたので綺麗に掌の上で踊らされていました。 孫のキャラクタも光っています。彼女自身には何も秘密がないのに、他の性格設定では成り立たない。 感想をどこまで書くか、かなり悩みましたが、この手の話を書く時は「読み手にどう読ませるか」を意識すると思うので、「自分はこう読みました」というのをそのまま感想として残します。自分でもどんでん返しを書いた身としては「こりゃ勝てねぇ!」と笑うしかありません。 @ネタバレ終了 1つだけ、タイトル画面の弱さが勿体ない。ここで敬遠されているのではないかと心配になります。 以上、天晴れでした!

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  • 一恋
    一恋
    めちゃくちゃ笑いました! 超展開の連続! イラストも綺麗で豊富で、とても贅沢な作りですよね。そこがまず面白い。 選択肢は上から選んでいったのですが、 @ネタバレ開始 ひどい名前! すごい恰好! からの食パンでもうダメでした(笑) どんな間違え方! そして、ぼれちゃんの適応能力が高すぎる! 謎言語のバックログや王国名など、小ネタも楽しかったです。 @ネタバレ終了 堪能させていただきました。ありがとうございます!

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  • お前のスパチャで世界を救え
    お前のスパチャで世界を救え
    面白かったです。にあちゃんかわいい! VTuberは知らない世界だったのですが、スパチャして名前を呼ばれたらニヤニヤしてしまいました。名前を呼ばれるだけでこんなに嬉しくなるとは。「なるほど、こういう感じかぁ」と疑似体験ができました。ついでに前世とかママとか、新しい知識も頂きました。 @ネタバレ開始 そういうふわっとした感じで終わるものと思っていたので、ラストの衝撃は大きかったです。「こんにあー」という挨拶のお蔭で、すっかり盲点にはまってしまって。更に、にあちゃんの正体が実は……と。つらい。 そして、100万投げるほうも、受け取るほうも怖い。なんて世界だ(笑 @ネタバレ終了 素敵な体験ができました。ありがとうございます!

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  • 片恋スターマイン
    片恋スターマイン
    とても好評のようだったので、折角なら最大限に楽しもうと過去作からプレイしたところ、ものの見事にキュン死してしまったので、そのまま続けて読ませていただきました。めちゃくちゃ面白かったです! ちょっと感情がパンク気味です。 @ネタバレ開始 ■紫季先輩 こういうクールで優しい先輩、大好きなんですよね。特にいいなと思うのは、桃耶の自尊心の低さをきちんと指摘してやるところです。ちなみに、この「もっと自分を尊重しろ」というメッセージが、ラストで「先輩も幸せを諦めないで」と返ってくるのがすごくいい。 話は「期間限定の恋人」というのがもう切なすぎて、先が気になって仕方なかったです。 観覧車での「この一瞬を、空間ごと切り取ることができたら~」の描写がとても印象に残っています。見ていられることを願う、という距離の感じ方。 それから、花火のシーンでの「希う」。この存在感の強い語句が見事に嵌まっていました。 花火の後の、紫季先輩が荒れる場面がとにかく好きで。桃耶の「お母さまの言いなり」という逆鱗への、畳みかける台詞が痛ましくて堪らない。それまであった余裕が一切なくなって一杯一杯な様子が、それだけ紫季先輩の中で桃耶の存在が大きいことの証明でもあって。 「私に失望したのか? そうなんだろう?」 この瞬間だけ卑屈なのがもう苦しくて泣いていました。 最後は思い出として終わるのかと思いきや……思わず叫んでしまいました。この人が! あの時の繋がりで! 当時の自然な行いが評価されていた、というのもいいし、認められるようにと自分を高めていったのもいい。改めて読み返してみると、レストランのシーンでしっかり伏線が張られているんですよね。結ばれてよかったです。 先輩の紫季という名前は母親由来なのかな、と思いました。このアイスは左右のバランスが悪い、と急にとんちんかんな話を始める先輩、好きです(笑 ■翔くん メガネ……いい。登場してからの会話の流れで、チーズケーキを嫌いとか言っていた頃から成長したなぁ、と感じました。 こちらのルートでは、桃耶の思いの大きさがあるので、紫季先輩に振られてからの心の変化を描いていくのかな、と思っていたので展開に驚いたのですが、片思いされる側からする側に一変する切り口は面白いですね。桃耶を忘れた翔くんが冷たくなるのにドキリとしました。ああ、特別だったんだなぁ、と。 ただ、自分が紫季先輩推しなのもあってか、翔くんへの気持ちを自覚するのが早すぎて、「さっきまで先輩を好きと言ってたのに」とちらついてしまい……。恐らくは憧れと恋の違いなんだろうと理解はしつつ。 そこから先は気持ちが定まらず、読んでいて辛かったです。翔くんからすると見知らぬ女に尽くされるのは不気味だろうし、桃耶からすれば事故に遭わせた負い目があるし、でもそれで尽くすのは愛なのか自己満足なのか、そもそも本当に恋愛感情なのか、振られた辛さで縋っているだけなのでは、とか。 どうするのが正解か分からないまま、何が出てきてもいいように構えながら読んでいましたが、素直に落としてくださって助かりました。 最後のスチルで胸元にメガネを掛けているのが色っぽかったです。あと、紫と山吹って反対の色だなぁ、と。 @ネタバレ終了 どちらのルートでも、もう一方が支えてくれるのがいいですね。人が良すぎる。 こうした直球の恋愛ものって書くのが難しいと思うので、ここまで感情を揺さぶられてすごいなあと感服しています。 読ませて頂けてありがとうございました。最高でした!

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