白玉ユキトのレビューコレクション
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イマジナリーフレンド過去作をいくつか遊ばせて頂いていたのですが、今作もやはり面白かったです。序盤からテンポよく展開が進み、だれることなく話が転がっていくので、とても気持ちよく読むことができました。 赤点常連の成瀬くんがふと呼び出してしまったイマジナリーフレンドのアサトくん。彼にテストの答えを教えてもらって満点を取り、調子に乗り始める辺りで、もうかなり不吉な予感がひしひしとしておりました。これでそのまま成功するわけがないですからね。 頻繁に見る謎の夢から始まり、一歩進むたびに現れる新たな要素に引っ張られて、物語がどこに着地するのか、全く掴めませんでした。ラストの展開も完全に予想外で、まさかそう来るとは、と驚きです。 @ネタバレ開始 序盤中盤の流れから、ここまで明るく美しいエンディングを迎えられるとは全く想像しておりませんでした。成瀬くんの秘密はいつばれるのか、アサトくんの正体は何で目的は何なのか、そうしたダークでロジカルな部分で物語が進んでいたはずなのに、気付けば友情の物語になっている。 ここの転換が鮮やかすぎて、しばらく呆然としていました。こうまで大幅に転換するとどこかで無理が出そうなものですが、それが全然ないんですよね。過去を夢として見せて共感させる、というのが成瀬くんだけではなく、プレイヤーにまで届いているのでしょう。「僕はずっときみのそばにいる」とか「幸せにするために来た」なんて怪しさ全開の台詞が、全て正の意味にひっくり返るのも本当に見事でした。 亜沙人くんも他に方法がないから乗っ取ろうとしていたけれど、やはり本心では望んでいなくて、自分が死んだことは受け入れているし、短い時間ながらも友人と日常を過ごせたことで少しは満たされたのかな、と想像します。バッドエンドでは無理やり乗っ取りますが、その場合は描かれていないところで、ノーマルエンドの成瀬くんのように、しこりが残ったようにも思います。昔からの唯一の友達ですもんね。 最初のうちは、赤点からいきなり満点を取った成瀬くんが不正を疑われないので、「都合が良すぎる。これは成瀬くんこそがアサトくんのイマジナリーフレンドなのでは」なんて疑っていましたが、違いましたね。 師匠のイラストが出た時「あ、この人は!」ってなりました笑 @ネタバレ終了 妹の蕾ちゃんも可愛かったです。序盤の冷たい態度もあって、嫌われてるのかな、なんて思っていましたが、実際にはめちゃくちゃ兄思いのいい妹さんでしたね。ゴス系の服にピンクの部屋というギャップも、なんだかおかしかったです。 素敵な作品をありがとうございました。
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タイトル未定物語にどっぷりと浸かり、気が付いたら読み終えていました。最初から最後まで、ずっと気持ちを引っ張られたままで、最後にはしみじみと温かな気持ちになりました。 皆さん「文章が良い、構成が良い」と書かれているので楽しみにしていたのですが、本当に良かったです。直接に文字として書かれていない心情や距離感がふわっと浮かび上がるのが特にすごいなと思います。 また、最初に主人公のやらかしが提示されるのですが、物語はその事実になかなか触れてくれません。こうした構成なら大抵は読んでいてもどかしさを感じるのですが、本作の場合は全く気になりませんでした。人魚の存在や家族との関係など、他に気になる箇所がたくさんあることが寄与しているのかな、と感じました。 @ネタバレ開始 自分の正しさが他の人と違った時にどうするべきか、という問題は現実でもままありますが(往々にして他に合わせるしかないわけですが)、ここが物語の芯に据えられているのは珍しい気がして、興味深く読ませて頂きました。 作中では人魚というファンタジーな題材で包んでありますが、実際には作中で触れられた虐待のような形で、なかったこととして扱われたりするのが辛いところですね。 自分だけが人魚を見たことによる「依織くんの自分を信じられない問題」は最後に解決するわけですが、誰もそこに触れていないのに結果として解決されている、というのが目を瞠りました。押しつけがましさが全然ないんですよね。「兄ちゃんのために」とか言わないし、「人魚が助けたんだ」とか言わない。冴ちゃんもただ自分の夢のために絵を描いただけ。それが巡って依織くんの欲しいところに届く。この辺り、堪らなく好きなポイントです。 最後に人魚ちゃんとは会えなくなってしまいますが、それもファンタジーとの別れが成長のメタファーになっているのかな、と感じました。 @ネタバレ終了 登場人物たちも一度きちんと話し合えばすぐに解決しそうなのに……なんて見ている側としては思うのですが、実際はそれがなかなかできないものですよね。最後には人魚の存在を軸にするっと解決したのが見事で、また全てのわだかまりが解れて良かったなぁと思いました。 素敵な作品をありがとうございました。
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反動のクラウドレイジ FREE BATTLEコマンドバトル! 多数のキャラクタにそれぞれのカットイン(カッコイイ!)、スキルの設定に装備のカスタマイズ……作る側では考えるだけでも気が遠くなりそうです。すごい。 本編は未プレイですが、ワールドトリガーみたいな雰囲気でワクワクしますね。マップを散策してキャラクタの会話を聞きながら、しばらく世界に浸っておりました。この世界観でこの人数、大作の予感がひしひしとします。 編成は頭がこんがらがってくるので自動編成に頼りましたが、鳥居さんの999ロマン砲が熱いですね!(そして外して死ぬ) 決まった瞬間が気持ち良かったです。 後は敵の行動に合わせる戦術なんかもあれば、もっと攻略している感が出るのかな、と思いました(溜め攻撃にガードを合わせるとか)。 終了時の任務報告書もオシャレでした。面白かったです! @ネタバレ開始 「ぜろぱにっく」めちゃくちゃ増えて笑いました! @ネタバレ終了
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雫トップのイラストはいつ出るんだろう? と思いながらプレイしていましたが、出てきた時には台詞も相俟って、ニヤニヤしてしまいました。 統一された色調や要所に出てくるアニメーションも雰囲気があって、とても心地よく読み終えられました。 @ネタバレ開始 エンディングの2人の光景が青春って感じでいいですね! よく見ると先輩、全然掃除してないですが笑 @ネタバレ終了
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暗がりに咲く花一人の男性が初めて触れる恋という感情を、とても丁寧に綴られたお話でした。 恋愛そのものではなく、恋によって動く感情を描く、というのはあまり見ない切り口で新鮮でした。 @ネタバレ開始 そして、終わる瞬間がとても綺麗で、それは作品全体を考えるとそこ以外はあり得ないのだと思い至りました。恋愛が成就して、あるいは破綻して……と、そういう物語を想像したくなりますが、作品のテーマからすれば結果は無粋ですよね。描かれた内容の本質ではありませんから。 @ネタバレ終了 短い時間で読める、しっとりとしたお話でした。ありがとうございました。
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はこにわのみこプレイしていて、本当にかわいい作品だなあと思いました。 絵本のような画面で、眺めている部屋の中で、少女アニーとあくまのクロのやりとり、そしてぴょこぴょこと動くさまを見ていると、本当に癒されます。ビジュアルの破壊力が強い。 しかし悪魔は悪魔、何か裏があるのでは……と勘繰ってしまいましたが、そんなことはありませんでした。本当にただ優しいばかりの悪魔でした。 @ネタバレ開始 お花は鳥が持ってきたと嘘をついたり、内緒のものはベッドの下に隠したり、子供らしくて可愛かったです。クロが魔法陣を踏んだ時に人間に対して思ったことも、もしかしたら同じ感じだったのかな、と少しおかしくなりました。 おまけシナリオでの裏事情を知ると、なんだか悲しいような切ないような気持ちになりました。本当にただの女の子だったのですね。個人として大切にされていない中で、アニーちゃんはよくぞ健やかに、そしてたくましく育ったものだなぁと思いました。 @ネタバレ終了 ふわりとした手触りの、温かくて柔らかいお話でした。ありがとうございました。
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スクールシャークB級サメノベルということでパニックホラーものを想像して読み始めたのですが、その実、よく練られた物語で、予想外の方向にどんどん転がっていくのが面白かったです。 話の展開ペースがちょうどよく、間延びすることなく物語が動き、これはもしやと思ったタイミングで真実が明かされていくので、とても気持ちよく読み進めることができました。 そして、終わり方はきっちりとツボが押さえられていて、やはりこうでなくては! と不思議な安心感がありました。 @ネタバレ開始 三人称で書かれているな、と序盤から気になっていたのですが、主人公を敵側に持っていくなら、それがベターですよね。一方で、開始早々のサメに襲われる緊迫した場面では、状況説明が多くて焦りが伝わりづらい感じがありました。 読むごとに、設定がめちゃくちゃ転換しているのに驚きます。剽軽な浅井が最後には過激なまでにきっちり任務をこなしていたり、信頼できそうな探偵の橋本が脅迫してきたり、イジメをしていたという中居の鞄が落書きされていたり。初めはいい先生に見えた渡辺も、事情が明かされるに連れて、きな臭くなっていくのもいいですよね。 渡辺の人付き合いの下手さや要領の悪さがちらほらと覗いていたのも、ラストの展開を考えれば納得で、保身ばかり考える人間への嫌悪も同族嫌悪だったのかな、と思いました。最初に消された高柴も、結局は渡辺にとって邪魔だったということになるわけで、もう何がどこまで本当なのか、分かったものではありませんね! @ネタバレ終了
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【謎解きx脱出!】ありすえすけーぷありすえすけーぷ、最高にcoolなゲームでした。 開始してすぐに分かるクオリティの高さと、フルボイスでよく喋る豪華さ。 初回プレイではオープニングをさくっとクリアした後、本編は一切解けずにCエンドでした。何も起きない……。 @ネタバレ開始 そしてマウスの誤操作でバックログが開いて判明する仕掛け。そういう仕掛けか! と、そんなのアリか! と驚きました。自分はアプリの「Blackbox」を思い出しました。 その流れで解こうとして、廊下で跳ねるようにリズミカルにクリックしたり、美術室で摩擦熱で発火させようとマウスを動かしまくったのは私です。違うんかい笑 システムを使ったものと普通の謎解きと、2種類あるので、思考の飛ばし方で迷子になりますね。 結局ヒントを見て突破しましたが、昇降口のはそれでも分からず、長時間詰まってしまいました。改めて考えれば手掛かりはそこら中にあったので、本当に上手な作りだなと感心しています。 ただ、下ネタが割と直球だったのは、なんかつらかったです。。。 @ネタバレ終了 プレイしていて、これは皆さん遊んで絶賛するよね、と納得しきりでした。 驚きと発見の詰まった内容でした。ありがとうございました!
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穴の中面白かったです。青い半透明のシルエットなど、昔ながらのホラーものの趣を感じました。文章も素直で読みやすかったです。 工事現場に突如現れた穴、そこから異変が起き始めて、探っていくうちに村の因習に繋がっていく。物語の導入が非常にスムーズで、ストレスなく入り込めました。 現場の風景や登場人物にも妙なリアル感があって良かったです。食べ方の汚い歯のないジジイとか、結婚したから隠れてパチンコとか、申請が面倒だからそのまま出るとか、あるある感が馴染みやすくて面白い。 そして、怨霊の絵がしっかりと不気味で怖かったです。 @ネタバレ開始 寿司おかかに始まり、ツルハシとかタヌキとか爆弾岩とか、ちょくちょく笑わせに来るのが緩急になっていて安心できました。 チヨちゃんに謝った時の「やだ、やめてよ」の動きが可愛かったです。それまでは、いきなり噛みついても平然としていたりと掴めなさもありましたが、ここで「あ、この子は可愛いぞ」と大きく印象が変わりました。あと、狙っているのが友人にバレバレなの笑いました。 飼い犬のケンは見た瞬間「タヌキやん!」と思いました笑 そりゃドッグラン入れてくれないですよね。最初はそのまま穴に引きずり込まれてしまいましたが、ジャーキーをあげていると助けてくれたのが嬉しかったです。 おばあさんですが、それまで一切出てきていないのに、あの自ら飛び込む瞬間だけで本当に胸を打たれました。こっちは何度も落とされて怖さを知ってますからね……。 あと、名前を藤岡にはできませんでしたね笑 @ネタバレ終了 ホラーもののお手本のような作品でした。ありがとうございました!
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愛しのリョーくん二人の甘々な関係に癒されました! どの選択肢を選んでもハッピーエンドで、リョーくんの距離がとにかく近い! 風邪移っちゃうよ! いろんなシチュエーションでドキドキさせられっぱなしでした。 @ネタバレ開始 が、おまけを見て愕然。そういうことだったのか……。 実はタイトル画面の時点では、ヤンデレの女の子に愛される系の話だと思っていました。でもプレイしてみれば女の子が愛されている話で、とはいえ注意事項のこともあるので、いつ豹変するのかとひやひやしながら見ていましたが、最後までその気配もなくて。勘違いだったのかな、と思いつつおまけを見ておおぅとなりました。 指輪は花ですし、好物は肉じゃがですし、全然噛み合わないのが悲しいですね。 LIMEの感情的になった後、しばらくして謝ってくる辺りのリアリティですよ。 新聞で日記のこと晒されるの可哀想です笑 バッジもプレイ前は爽やかなENDなんだろうなぁ、と思っていたのですが、これは飛び降りる直前ですかね……。 ちなみに、自分が一番驚いたのは主人公の年齢でした。描写からこんなに上だと思っていなかったので、いろいろと察してしまうものがありました。 @ネタバレ終了 面白かったです。ありがとうございました!