街八ちよのレビューコレクション
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ラヴ・シルエットシンドロームスタイリッシュなタイトルに惹かれてプレイさせていただきました。 謎の病気にかかった主人公が想い人であるアイちゃんと遊びに行く、というストーリーなのですが、ハイテンションでハイスピードな展開がとても小気味よく手軽に遊べて楽しかったです。 相手と対面して会話する場合に相手の見た目や表情がわからなかったら確かに困るなあ、失礼な対応をしてしまったらどうしようと私個人的には消極的になってしまいそうですが、主人公くんは常に前向きだったのでとても好感が持てました。 そしてアイちゃんからにじみ出る可愛さによってどんな顔をしているのだろうとプレイ中気になって仕方がなかったのですが、ハッピーエンドにてご尊顔が見られて大変興奮しました。アイちゃん可愛い! しかしながらアナザーエンドにはもっと興奮しました。 @ネタバレ開始 アイちゃんの「素」を知っても大好きだと言う主人公くんの一途さには感服いたしました。 おまけのアイちゃんのお話も拝読しましたが、アイちゃんも苦労したんだなあ、主人公くんという素敵な人と巡り逢えて良かったなあと思いました。彼らのその後も見てみたいです。 あと、仏像が印刷された封筒は私も欲しいです……(笑)。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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おしまい少女幻想的な雰囲気の空間で、不思議な少女に心の声を聴いてもらう、といったストーリーの作品です。 プレイしている私は当事者(主人公)ではありませんが、少女の優しく肯定的な励ましを聴いてこちらも気持ちが軽くなるようでした。 Live2Dを用いた少女の立ち絵がよく動き、さらに彼女の魅力を引き立たせていたように思います。 特に「笑って」という旨のモーションが好きです。 彼女は慈愛に満ちているのだなあと感じました。 あとがきも拝読しましたが、本編では語られなかった設定を知ることが出来て少女にまつわる話をもっと読んでみたいとわくわくしました。 個人的に少女の名前が綺麗で素敵だなあと思いました。 数分で終わる掌編ですが、ずっとお話に浸っていたいようなとても心地のいい作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました! (ファンアートに誤字があり投稿を削除したため通常コメントで失礼いたします)
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Destiny Root!ひょんなことから突然3人のイケメンに言い寄られることになる主人公、といった古き良き乙女ゲームという感じの作品です。 正直に申し上げますと、ギャグ成分多めのありふれたラブコメかな……とプレイ中盤までは思っておりました。 しかし1、2人目に出会った男の子たちのEDを拝見して「どういうことだろう?」と思っていた矢先にトゥルーエンドとおまけを拝見したところですべてに納得がいきました。 @ネタバレ開始 身も心も一番イケメンだったのはお兄さんでしたね! 「ゴリラ」という表現が効果的に使われていて思わず感嘆の声が漏れました。 今回の一件で兄妹がもっと仲良くなってくれたらいいなと思います。 光希くんと大火くんは見た目も性格も正反対だと思っていましたがまさか天使と悪魔だったとは……。 @ネタバレ終了 絵柄が可愛らしく立ち絵が魅力的なのはもちろんのこと、短いお話ながら様々なスチルが用意されていたのも良かったです。 素敵なゲームをありがとうございました!
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そして僕らは世界を壊すまずタイトル画面を拝見して「男子高校生たちの爽やかな青春物語かな」と勝手に予想していたのですが、良い意味で期待を裏切られました。 とてつもなく壮大でささやかで、純粋で歪な「愛」の物語でした。 主人公の梓くんは従兄弟で同じ学校に通っている隆之介くんの面倒を日々見ていますが、それを象徴する「子供返りしてしまったように泣きわめく隆之介くんと、それを優しくなだめる梓くん」のシーンを見て、それが端から見ればアンバランスで今にも壊れてしまいそうな情景だった、というのがこの2人に対する第一印象でした。 また、隆之介くんの見た目が、文章からも立ち絵からも「美しい」と感じられ、心惹かれました。 最初2人は共依存の関係にあると思ったのですが何度か「世界」を繰り返すうち、梓くんの都合のいいようにふるまう隆之介くんの方が、ある意味「大人」であると感じました。 一方で梓くんは決して強くない、むしろ弱いのに強くありたいと強がる様子や自分の気持ちに言い訳を探してしまうところが人間臭くていいなあと思いました。 どうあがいても結末は同じになってしまう「世界」にやるせなさを覚え、「どうにかしてこの2人を救えないのだろうか」と切なくなりました。 時折登場する謎の男性や少女の正体も気になるところでした。 6(7)周目で雰囲気ががらりと変わります。 「相手のため」と思ってすることが「自分のため」だったりその逆も然りで、それで「世界」を壊したり救えたりするのだから「愛」や「恋」という概念はとてつもなく複雑で力があって、それでいて扱いが難しいものなのだと改めて痛感しました。 「愛」や「恋」に振り回されながらも自らの意志を貫く本作品の登場人物たちの生き様はなんて愚直で美しいのだろうと感じました。 「世界」を壊したら、待っているものは何なのだろうか、そう考えずにはいられない、人の綺麗な心も醜い心も巧みに描写された作品でした。 @ネタバレ開始 大変不謹慎ではありますが、隆之介くんの死に様のスチルがどれも美しくて好きです。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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ティラノフェス2020オープニングティラノゲームフェス2020開催、おめでとうございます! 今年も開催していただけてとても嬉しいです。クオリティの高いオープニングはもちろん、新しい試みやフェスメニュー画面も去年から一新されていてとてもわくわくします…! 今回のフェスも皆さんと一緒に楽しんでいけたらいいなと思います、よろしくお願いいたします!
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片恋スターマイン大学3年生の主人公(桃耶ちゃん)が夏休みに大切に思っている男性と過ごす、という筋書きのストーリーです。 大学生らしい要素がたくさんあって、自分の学生時代を懐かしく思いました。 とにかく桃耶ちゃんがとても可愛いです。彼女は確かに臆病者かもしれませんが、その反面芯がしっかりしていて頑張り屋さんなので大変好感が持てます。 それぞれタイプの違う男性とひと夏を過ごすことが出来て、とても充実した気持ちになりました。 ■紫季先輩ルート 紫季先輩の紳士で余裕のある振る舞いにこちらもどきどきしましたが、それは彼の置かれた環境や境遇の上で培われたものであり、そうせざるを得なかった彼の心情を考えるととても大変で苦しかっただろうなと思いました。 両親の意向を素直にのむ、これもひとつの家族の愛し方なのだなと感じました。 そんな中で桃耶ちゃんに垣間見せる「素」の表情が、特別感があって愛おしかったです。 ラストの展開は「ここであの人たちが……!」と驚きました。桃耶ちゃんって意外にしたたかですね……! どんな出会いも、必ず未来につながっているという希望があるように思えました。 ■翔くんルート 翔くんのぶっきらぼうだけど優しい振る舞いに「可愛いなあ……」とにこにこしていました。 翔くんの想いをなかなか真剣に考えられなかった桃耶ちゃんについて、翔くんの揺るがない気持ちを考えると早く考えてあげた方がいいとは思いましたが、「居心地のいい関係が壊れてしまうのってつらいしきついものだよなあ」と彼女の気持ちもわかるので切なかったです。 やっと桃耶ちゃんが自分の気持ちに気づき始めたところでのあの展開は本当につらかったです……。 この2人ならきっと大丈夫、と祈るような気持ちでゲームを進めていましたが、最後の2人が想いを伝えあうシーンで2人の今までの道のりが感じられて感極まり、気づけば涙がこぼれていました。今までもこれからも、2人で幸せな道を歩んでいってほしいです。 どんな自分も認めて愛していてくれる存在とは何て素敵なのだろうと感じました。 そういうわけで個人的には断然翔くん推しですが、桃耶ちゃんと幸せになってほしいと思うと同時に切ない片想いも似合うんだよなあ……と二律背反の気持ちがせめぎ合っております。 まるで花火のようにきらきらと儚くて甘酸っぱい素敵な恋物語でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
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さりとて君影草は咲く第一印象は「とても綺麗で風流なタイトルだなあ」でした。 最近流行りの転生もの……かと思いきや、様々な人々の思いが交差するヒューマンドラマだと感じました。 この作品は主人公の類くんの「運命」を変えるお話ですが、この「運命」というのは自分ひとりの力でどうこうできるわけではなく、いろいろな人々と関わることによって良い方向にも悪い方向にも変えられるものなのだと思いました。 当作品ではSF的な力を用いますが、人と関わることによって自身の運命が形成されるという普遍的なテーゼをひしひしと感じます。 短いお話でしたが、メッセージが端的に伝わる、いろいろと考えさせられる作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
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エレベーター ~性格不安定な僕とみよちゃんの物語~会社のエレベーターに課長と秘書課のみよちゃんとともに閉じ込められ、脱出のためにどのような行動をとるか選択する、というシチュエーションのゲームです。 シナリオの大筋が一緒でも主人公の性格が異なるだけでこんなにバリエーション豊かな展開が生まれるのか……! と感動いたしました。 EDが12種類と多めではありますが、性格の多様性のおかげで楽しく最後まで熱中してEDをコンプリートすることが出来ました。 その性格が大体えげつないことになるので、大いに笑わせていただきました! 性格を獲得するとき流れるSEが軽快で楽しい感じだったので、どんなに不名誉な性格だったとしてもすごく達成感があり嬉しかったです。 そして何と言ってもみよちゃんが可愛いですね! 序盤は冷静に主人公をサポートしつつ、話が進むごとに愛らしかったり冷ややかな態度を取ったりと、短時間でも彼女の魅力が伝わってきました。 ジト目があまりに可愛いのでプレイし始めの段階ではわざとみよちゃんの嫌がるような行動を選んでばかりいました……。自分の非道さを実感しました……。 課長さんもいいキャラをしていらっしゃいますね。ルート次第でめちゃくちゃかっこよくなるので隅に置けないなと思いました。 個人的にはへんたいエンドが一番好きなのですが、やはりエンドロールが流れるEDが最高でした。みよちゃんには幸せになってほしいです。 1プレイが短くてもまとまりとバランスがよく非常に満足感が高い作品でした。 素敵なゲームをありがとうございました!
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堕獄の花園、嘱目の人鳥。~Sanatorium・Garden~前作の「横行する饅頭、独白する人鳥。」をプレイさせていただいた折にいろいろな意味で心に残るものがあったため、続編である今作をプレイするのを楽しみにしておりました。 主人公の曼殊沙華は一緒に暮らすアルビフロラのことを知るために自身らが暮らしている研究所の研究員たちにアルについて訪ねて回るわけですが、話を聞いた職員全てが過去に失った「愛」のために研究を続けていて、それが一般常識で考えれば「おかしい」ものであっても純粋な気持ちで取り組んでいる姿が、私には何ともやるせなく危うい存在に映りました。「そうするしかない」という思いをひしひしと感じました。 そんな研究者たちの心情を知った曼殊沙華も、自身の気持ちについて考えたり感情を吐露したりと、前作より生き生きとしていて嬉しかったのですが、後に判明する曼殊沙華の秘密を知ってからは手放しでは喜べないなと思ってしまいました。 曼殊沙華もアルももっと早くきちんとお互いの気持ちを丸ごと打ち明け合っていれば関係がこじれてしまわなかったのではないかと思いましたが、そうは上手くいかないのが世の常というもので、結果的には想いを伝え合えて本当に良かったと思いました。ラストの約束を交わすシーンはとても感動的で 「おめでとう」と思わずつぶやいていました。 法律や倫理観等で考えればあの2人は歪んだ存在で、大手を振って認めてはいけないのかもしれませんが、私は紆余曲折あった2人が幸せならそれでいいのだと思いますし、2人の新たな門出を心から祝福したいと思いました。 ある意味最強の2人だと思います。この2人が幸せで平穏な日常を送れますように……! 最後に主張させていただきたいのですが曼殊沙華がミィを抱いている立ち絵がとてつもなく可愛かったです……! 素敵なゲームをありがとうございました!
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空の果てからこんにちは主人公のヒロサキくんとヒロインたちの軽妙なやり取りが楽しい、カラフルなおもちゃ箱のような作品でした。 基本的には明るくコミカルな雰囲気でストーリーが進行しますが、きちん練られた壮大な世界設定がシナリオの端々から垣間見えて感心いたしました。 元気でヒロサキくんのことが大好きアピールを欠かさないリコちゃんも可愛くて魅力的だったのですが、個人的には純粋で健気なメイラちゃんがお気に入りです。まさに白銀の天使……! 世界の真相を悟ってしまったヒロサキくんがそのあとにメイラちゃんと語り合う場面は彼らにしかできないラブシーンという感じで大変印象に残りました。 全てのシナリオを拝読しましたがEDを3つ拝見してからが本番ですね……! シナリオも胸が熱くなりましたが最後のスチルがとても素敵でした! 「当たり前」は見方を変えれば当たり前ではなく奇跡と言っていい巡り合わせで、今の「当たり前」を大事にしよう、気軽に「こんにちは」と言える関係を大切に生きよう、そう思える読後感でした。 素敵なゲームをありがとうございました!