丹綿樫のレビューコレクション
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CHIN★POCO ~妖精さんのお茶会~紹介のスクリーンショットとタイトルを三度見くらいしてからプレイしました。軽快な台詞回しと挟まれまくる小ネタがめちゃくちゃ楽しい作品でした! 無意識に「ハハハ!」って言ってしまう…この町やばいよぉ! ひとつも「なるほど」って言えないところがすごい…! どこからちんのものが出て来るんだと思ってたら普通に丸出しで登場してまりもっこりみたいな顔になりました。待ってたぜ! 内容だけ見てもかなりぶっ飛んでるのですが、UIの拘りやストーリー構成もなんとも好きです。そして京子ちゃんがきゃわ過ぎる。 表情筋が痛くなる面白い作品なので、気分が落ち込んでいるときにお勧めです。 @ネタバレ開始 なぜか「うどんが小麦粉に戻っていく……」で爆笑してしまいました…ジェントルマンが逐一謝ってくれるのがなんともツボ… こんな内容なのにめちゃくちゃ熱い展開もあって、本当に最高です有難う御座いました… @ネタバレ終了
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病菌暗黒郷まるで自分の目の前に語り手さんが座って話しているかのような、そんな印象の物語でした。こういう語り口の作品がとても好きなので、収録されている二作のほかにも読んでみたいような気持ちになりました… 夜のお話でもないのに、染み入るような怖さが心に広がります。これは人間的な怖さもあり、ホラー面での怖さも両立していると思います。 BGMやタイトル画面も印象的な作品でした!
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実話系怪談 深海からの足音旅館の雰囲気と、登場人物同士の本当にありそうなやり取りがとても好きです。そしてプレイ前に想像した万倍怖かったです…。 東北を舞台にしたホラー短編です。個人的にホラーの中でも漁村や海の話が好きなので、とても興味深く読みました。 選択肢は「大筋は変わりありません」とのことですが、それぞれ面白いので、プレイ時には是非すべての分岐を覗いて頂きたいなと思います。 日常に忍び込むようなリアリティのある印象で、細かな描写を想像してはウッとなっていました…(廊下を確認する瞬間おいおいまじか開けちゃうのかと思って震えました…) モノクロの背景も作品に合っていてとても素敵でした◎
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いろさがし朝起きると、色が失われていたー! ちょっとばかり怖い言動の彩華ちゃんと、悪戯好きな妖精のカラーちゃんが織り成す短編作品です。 昔、奪われた色を取り戻す絵本を読んだことがあって、それを思い出すかのような気持ちになりました。まずキャラクターのデザインが可愛いのですが、お話自体もとっても可愛い! ふたりのテンポの良いやり取りをほっこりしながら眺めていました… もしかしたら、カラーちゃんの悪戯で今後も事件が起こるのかな、なんて勝手に想像するのも楽しかったです!
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謎の黄色い生き物と道端で遭遇するノベルゲー生き物可愛いなあ…りゅ、流血…!? 突然の捨身飼虎にビビりつつも(なんという一枚絵だ…)、生き物さんの可愛い表情から目が離せず、夢中で読んでいました。 まさかこんな展開が待っているとは…! 道中の雰囲気からはまったく思い付かないようなド派手なストーリーでした! @ネタバレ開始 この世界に教材として本当にありそうな感じで、きっと一度見たら用心するに違いありません。 でも44号のお顔が可愛過ぎたので普通に騙されるかも…(゚Д゚;) @ネタバレ終了
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ハイ ソーシャルディスタンス サークル ゲートサムネイルの勢いから、以前から気になっていた一作です。私はまだ高輪ゲートウェイ駅について名前程度の知識しかなく、探検するような気持ちで読んでいました。なるほど、混沌が渦巻いている、高次元と繋がっているハイソな場所だったんですね。 ゲームシステムのチュートリアルが世界観に則った言葉で説明されていて、選択肢に戻れるのも非常に親切な設計でした! 「ゲートオーバー」という言葉がすごく好きです。ゲートオーバーになったときのナレーションもお洒落。(むしろこちらにも本質が多く語られている) 現実と距離を保ちたい、そんな人々の世界。もしかすると、現実に疲れてしまったときにこのストーリーを思い出すのかもしれない…。 サークル名鑑も非常に凝っていて、必見です! 以下内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 何だか車に関係する人が多いなあ、と思っていたら、それがすでに「輪」だったんですね…! やっとのことで池袋に着いたと思ったら、そこにもサークルが…。 ちょっと手こずりましたが、エンド11まで辿り着けました。(名鑑4、取得したはずがなぜか見られませんでした…) 個人的にとても好きな世界観でした。またゆっくり名鑑を拝見させて頂こうと思います。 @ネタバレ終了
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申刻〜サルコク〜公開中のシナリオ(02)までプレイさせて頂きました。丁寧な描写から、じわじわくる怖さにびびりながら続きを読みました…場面に合った効果音が物凄く良い味を出している…! もしかしたら様々な場所へ向かう配達員の人は色んな怪談話を持っているのではないか、という想像が掻き立てられますね。 「理由」や「理想」、「過去」の部分は今後明かされるのだと思いますが、主人公さんも何か抱えている様子で、続きが楽しみです! 以下内容を含むので畳みます。 @ネタバレ開始 シナリオ2、バッドエンドをぐるぐるしていて、はいはい今回もドアスコープ前通過ね、と思っていたらびゃん! と来てオワーッ! となりました…油断させるのがお上手過ぎます… BAD END3がとても気になる内容でした! @ネタバレ終了
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わたしの素敵なおうじさまパステルカラーの可愛らしい探索パート、そして…。物語も視覚的にも多角的な演出がたくさんある、完成度の高い作品でした! 第一印象とは打って変わって、数あるエンディングに向けて目まぐるしい展開が待っています。 ネタバレ無しで見てほしい作品ですので、以下は畳んでおきます。 @ネタバレ開始 第二幕が始まって「こっちに語り掛けて来てるみたいな口調だなあ」と色々な想像をしてしまいつつ、それから畳みかけてくる怒涛の展開に毎秒目が離せないことに…(これは本当にクリアしてから考えると色んな感情が湧きますね…)。ひとつずつ話を整理しつつ、それでも曲がりくねってやって来る事実に驚きながら、結局頭を真っ白にしながら最後まで読み進めました。 幕間を見て、「王子様」という言葉がユメイちゃん(本人)の口から出た言葉だったことが何より衝撃でした。「私の家は死んでいます」という文章がとても印象的に感じます。個人的にお姫さまと従者の関係が好き…というかむしろ好き過ぎます…坂下さんが結婚しようって言ったとき本当に泣きそうになって目の前がじわっとした… もう一つの選択で終わらせてくれたからこそ、このストーリーは読後感が最高に良いんだろうなあと、このEDを作ってくれた糸尾さんにめちゃくちゃ感謝しています…「エンディングめっちゃ最高だった」といえる作品にしてくれて有難う御座いますなんという手腕だこれはーーー!!(謎エンドと越前の扉ゲームはなぜ作ったのか本当に判らないけどSUKI) 設定拝見して、裏主人公なんだなあ良いなあと思って、あとらぶらぶちゅっちゅするラブコメゲーがある世界線に意識飛ばしました。 そしてそして、ユメイちゃんの目パチがとても可愛かったです! 細かいところまで手が込んでいて、非常に丁寧な作品でした。 @ネタバレ終了
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僕らのノベルゲーム文芸部で展開される侃侃諤諤に自分も口を挟みたくなるような、そんな等身大の、青春の一幕を覗かせてもらっているような物語でした。 後22日、というところまでは頬杖を突きながら「ふんふん」と読んでいたのですが、少しずつ展開に緩急が生まれ、こりゃ最後まで目が離せないぞとだんだん前のめりになる自分がいた…。 何かを作った経験のあるひとにより染み入るだろうなあ、と思う作品です。 以下はネタバレを含むので畳みます。 @ネタバレ開始 身内がヒートアップしたときに転換をくれるのは、「目に見える形」なんだなあという気付き…内部から何かが起こって変わってくれると思うのはやっぱり甘い考えで、何を言ってもやっぱりこうなってしまうのかもしれないですね…。個人的に鬼瓦くんめちゃくちゃ好きだったので、そういう転換に彼の存在が刺さったのが嬉しかったです。かっこいいぜ…(一言くれるラストもめっちょ好きです) 遥先輩が物語について分析している場面があったので、もしかしてエレナちゃんの発想の出自とか、ウィルやアンとの関係が描かれたバックボーンが説明されるかな? と思っていたのですけど、そこはやっぱり美央ちゃんが関係しているのかな…? 個人的にはタツ君のアイデアがハチャメチャに良かったので、特に怪談のゲームやってみたいなぁと思いました。タツ君、過程はどうあれ何にしても企画力がものすごい。今ポケGOとかリアル脱出ゲームとかあるし、リアル体験みたいなのは中高生も好きそうですもんね… 改めて振り返ってみると、やっぱりこれって新平くんだけでは実現しなかったイベントなんですよね。他の部員みたいに外部の人脈があるわけでもないし、美央ちゃんみたいに観客を呼べることもないし(面白い宣伝チラシの効果もある?笑)、アイデアの立案もタツ君だし、みんなが作ってくれた土壌があるからこそなのに、どうしても原案の自分が人一倍頑張ってる気がしてワーッと熱くなっちゃうんですよね…ほんと創作あるあるでぐさぐさ刺さりますね… でも頑張りどころで頑張れる新平くん、とても素敵ですね。彼は物作りの姿勢がものすごいなぁと思いました。もし自分だったら大切な物語を他人にゆだねるなんて出来っこないのですが、それをみんなでやりたい、輪を広げたいという夢で一歩踏み出せる勇気…! 彼は創作物を否定された過去があるから、部誌のような形式ではなく、仲間で一作品を作りたかったのでしょうか。それとも創作にひたむきな文芸部のメンツが好きだったのかも。 個人的にすごいなと思ったのは、多分文芸部の話となるとそれぞれの執筆スタイルがキャラクターのモチーフになるはずなんですけど、今回はそれが画一のフォーマットによる合作で行われているというのが、登場人物の描き方や際立たせ方にも工夫がいったんじゃないかなと感じました…! 人間関係のドンパチにリアリティあるお話でした。本当に青春を覗かせてもらっているような感じ。やっぱり統一された一視点だからこそ見えない部分や葛藤が多く現実味があって、そこを想像するのも非常に楽しかったです。 @ネタバレ終了
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voice ~私たちの選択~声優の学校を舞台に繰り広げられる、素敵な乙女ゲームでした! この作品の凄いと思ったところは、主人公ちゃんがひたむきに目の前の課題と向き合うところと、恋愛面のやり取りにおける甘酸っぱい感じが、とても良い塩梅でひとつの作品に溶け合っているところです。 「こういう練習するんだ!」と真剣に読んでしまうところもあれば、主人公ちゃんと一緒にひゃ~!!となってしまうところもある…! 主人公ちゃんを取り巻くキャラクターたちも個性的で、「ああ、こんな子いるかもな」と思ったりも。 始めは「面白い設定だなぁ、興味深いなぁ」と読んでいたのですが、途中からはそのモチーフ云々ということよりも、人の心の動きや困難に直面する場面にのめり込んでいくようでした。最初に一生懸命練習している描写があるのも、後々に効いてくるんだなあと、お話の構成にもびっくりです…! 役作りの葛藤や友達との関係も非常に丁寧に描かれていて、ひとつの物語としてたくさんのステップを踏んで結末に向かうところがとても完成度が高い作品だと思いました…自分も頑張らなくてはと闘志を頂いた気がします。 そして成瀬くんにもミオ先生にも、ものすごく魅力を感じる…乙女ゲームとしてもドキドキが物凄かった! 私は普段、第三者目線で乙女ゲームを見ているので(ストーリーを普通に読んでいるというのか)、主人公の心配をするばかりであんまり攻略キャラに入れ込むことがなかったように思うのですが、もうこれは二人ともにときめきが止まらず… 表現を模索していく主人公ちゃんの頑張りも、個人的にとても心に残りました。四季の練習のところがとっても好きです。 以下はもうただ愛を叫んでいるネタバレなので畳みます。 @ネタバレ開始 色気ある成瀬くんにボーッとしていたら、起き上がらせてくれたミオ先生の近いお顔に飛び上がるような心地がしました。どうして私がこんなにも恥ずかしくなっているんだ…! もうね色気が凄いですよ寝起きのミオ先生やばば…好… たまにふっと表情がなくなるときのミオ先生、「ああっ怒ってるのかな」とか「それとも自分と葛藤している?」とか色々考えて、もうそのお顔から目が離せないのですけど、よくよく見たら口元が一番色気があってやばいです…やばいしか言ってない… 手が届かない大人の先生というイメージから、頭撫でのシーンで一気に「アアアッこれ両想いなんですか!? やった~~!」という爆発力がありましたね…へへ… やっぱり年齢を気にしてる主人公ちゃんにとって年上の人ということもあって、本当に頼れる人、甘えられる人っていう感じがしてとってもときめきました…。これからは支え合えたらいいな~と思う… そして成瀬くん゙ん゙ 序盤も序盤ですが、出来る子の成瀬くんが褒めてくれた時点でスッカリファンになってました…礼儀正しいし眉上前髪がなんとも可愛い過ぎる… やっぱり未成年で年下ということもあってか、好きだなと思うことにめっちゃ罪悪感も感じるのですけど、でもやっぱり注目の的である成瀬くんに対しての独占欲みたいなものも湧いてきてパニックに陥りますね…! 流し目だとか、細かい表情の変化に「こういうこと考えてるのかな」と想像してしまったり…こう、ふとした瞬間に彼が隣に居てくれたら人生めっちゃ楽しいと思うんですよね… 最初ミオ先生の方から見て、年下の成瀬くんにこれ以上にハマれるだろうかと思っていたら、そんな心配はまったく杞憂でもう乙女心をバチボコに殴られた感じがしました。恋ってこういうことなんだよな──! とひとりで半泣きになりながら部屋を何度歩き回ったことか!! ふたりとも細かい表情の変化が、関係性の変化を表しているような気がして、本当に良かったです…。本当、高嶺の花のような二人なのに、こんなにも踏み込んで来てくれていると…! 自分のことのように心がざわざわしておりました… 推しが選べない、それくらい関係性の比重もふたりとも濃厚だった気がします。 メロスって親友との絆の話だったなぁと…読みながら思いました、何だかメロスがただ走ってるみたいな話ではなく…! ここまでの人間関係がお芝居にも興を乗せて、芝居の練習に出て来る幾つかの演目にも、エチュードにも、みんなの性格が見えて非常に面白かったです。 良雄くんも大成しそうな気がするし、はじめメロスに立候補していた男の子も、なんだか未来が明るいような気がします。 卒公のアクシデントのときなんかは、もう本当自分のことのようにオロオロしてしまいました…。まるで自分も準備した一員になったかのような… とても濃い二年間で、ここから先の未来にも想いを馳せてしまうような作品でした! @ネタバレ終了