蒼猫のレビューコレクション
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「私のこと、ご存知ですか。」出会う人に「私のことご存知ですか?」と尋ねて歩く主人公のお話。 シンプルな質問と選択肢ながらトゥルーエンドにたどり着いたときにはほっと息をつきました。 トゥルーエンドのタイトルもなるほどと感じられるもので、少し悲しくけれど優しい物語でした。
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青い翅の蜘蛛絵本調で語られるある一匹の蜘蛛の話。 短い中にぎゅっと詰まったものを感じさせるお話でした。 @ネタバレ開始 自分の姿を嫌っていた蜘蛛は蝶の羽根で飾ることで仮初の友だちができたことはしあわせでもあるのだろうけれど、死んだのち羽根が取れてしまえば友だちだったことすら気付かれないことは悲しさを感じます。 けれどいわゆる『ありのまま』では彼らと友だちになることはなかったでしょうから蜘蛛にとってはしあわせ、なのかなと考えさせられました。 @ネタバレ終了
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贋作のゆりかご。二人の男女を殺害した犯人に話を聞きに行く。犯人はあっさり罪を認め何故犯行に至ったのかを語る……というだけに収まらないお話が紡がれ続ける作品です。 話してる間中、燈さんの顔は黒く塗り潰されており、その反面背景は極彩色に様々な顔をのぞかせる。その色彩に絵柄に淡々と語りながらも殺してしまった感情の激しさなどが感じられる気がしました。 真贋はどうやって決めるものなのか、なにが真でなにが贋作なのか、最後に決めるのは自分自身なのかもしれない。 そんなことを思わせてもらいました。 帰り道には気を付けます。 ありがとうございました。
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Eveplus(イヴプラス)イラストの美しさとシナリオに時折挟み込まれる残酷さが絶妙でした。 バッドエンドはストーリーもですしエンド絵に胸が締め付けられる思いでした。 それを見たからこそトゥルーエンドは「きっと、彼らにとってはコレが正解なんだ」と思うことができました。 トゥルーエンドのタイトルにも深く考えさせられるものがありました。 深い作品をありがとうございます。
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押入れ押入れというタイトル、夜に隙間が開いていることに気付いた主人公。 ここでホラー展開を予想してどきどきしていました。 @ネタバレ開始 その予想は良い意味で裏切られてどちらの結末も心が少し暖かくなりました。 仕事に疲れてそれ以外考えられなくなるという感覚は痛感できる部分がありますし、それをこういうふとしたものたちが振り返るきっかけを作ってくれるというのは素敵だなと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な物語をありがとうございました。
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花嫁を殺す夢とても一途な気持ちを生涯抱えていくだろう主人公を思うと胸が苦しくなりつつもそこまで思うことができる相手に出逢えたことはある種の幸福であるのかもしれないと感じました。 これからも苦しさとともに彼を思い続ける日々に時折で良いので安らぎがありますようと願わずにいられません。
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おしまい少女とても優しく暖かく美しい物語でした。 タイトルから悲しい話と思い込んでいたのですが良い意味で予想外でした。 何処までも何処までも優しく傷付いた人を包み込むような世界、途中のシーンの演出の美しさ。 自分のこの少女に出会えたらと思わずにいられません。 素敵な物語をありがとうございました。
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STALKER STROKEおそろしいほどに前向きでポジティブなストーカーさんに付きまとわれる話。本人も言ってますが見た目はかわいいのに行動がストーカーにしてもかなりの突き詰め方でこれはせまられたほうはたまったもんじゃないなあと思いつつも主人公の返しが絶妙でぽんぽんとリズム良く会話をしていたりするおかげで不穏さをまったく感じさせなかったことが逆にこわいのかもしれない……。 などとプレイ後もぐるぐる考え込みました。
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last good night『なにか』がおわるまで1分前から始まるある姉弟のお話。 会話の端々でなにかが今日で終わることや、「おや?」と感じるポイントがありましたが最後まで読み終えてタイトルに戻ったところで腑に落ちました。 @ネタバレ開始 個人的には昔あったMMO系ゲームの世界をイメージしました。サービス終了ぎりぎりまでプレイヤーたちが集まって賑やかにしているところがふんわり想像できました。 しかしNPC視点で世界を見ると、なるほどこんな風に捉えていても不思議ではないなとも感じました365日24時間いつでも話しかけられれば答える役目というのもそう考えると大変ですね…… @ネタバレ終了 静かに聞こえる針の音が心地よかったです。 ありがとうございました。
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エルフと勇者(仮)はモブから逃げ出した!