あびのレビューコレクション
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流星 ~願い叶えて~親方! 空から女の子が! な出会いから始まる物語。 地球の色んな物に目を輝かせ、推定想像年齢より何となく幼さの見えるステラが可愛かったです。 えええそんな勿体ない簡単な願い事くらい良いのでは? と大介の返答に最初は思ってしまったのですが、ステラと過ごす中で蘇る記憶そして語られる過去を聞くことで、あれは寧ろ自分の為に願いを叶えていいような人間じゃないという自責を抱いてたからなのかな……、などと思ったり。 ただWindowsDL版とAndroidブラウザ版で何度か確認してきましたが、二度目の選択肢(願いを叶えるか否か)の場所で、選択前に選択肢が流れてしまって進行不能になってしまうようでした。 もしかしたら環境によっては問題なく進行できるのかもしれませんが、この場面で!? かなり勿体ないことになってしまっている……! となったのでご報告とさせていただきますね。
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初夏に咲いた勿忘草 ー市橋編ー美しいBGMと共に、大人に振り回されて、それでも親を見放せない、或いは親に見放されたくない子供達の等身大の感情に寄り添って描かれるさまが素敵でした。 大人が思っている以上に簡単に追い詰められてしまう子供の心理だとか、期待と失望、束縛と自由、ままならない現実と感情に何とか向き合って付き合っていく方法を考えていこうとする。中学生の彼等の繊細な心情を捉えたお話でした。 今作は市橋さんを中心とした物語ですが、最大の契機は菜々美ちゃんの例の事件のように感じられたので、あれがあったからこそ彼等の将来に関しても深みが増しますね。 子供の目線で語られる中学生らしさのある絶妙な未熟感と、そこからの成長のさまが良かったです。
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私の【怪】験談男子学生がだべってる画面構成がすごく良い~! 話してる人間に動きがあるのが分かりやすくて良いですね。 この構図はあれでは? と序盤から思っていたので、やっぱり! とうきうきでしたが、それでも最初に指摘されるシーンの演出には一緒になって驚いてしまいました。 居住者が変わると同時に変わる部屋の内装の様子がとても素敵です。 そして何より夫婦のキャラがすごく良い……! 瞳の表情を伺えないイラストでこれだけ愛着を感じさせるのすごいなあ! 最後の演出も好きだな~! と思いました。そしてかわいい。読み終えた後のタイトルロゴの変化もなるほど素敵です。 ほんのり悲しいけど優しい、愛と希望に溢れた素敵なお話でした。
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お隣さんの手紙なるほどお隣さん宛ての手紙を……お隣さんの手紙を勝手に!? あかんでそれは……、と思いながら読み進めましたが、あかんでこれは……(最初とは別の意味で)。 違和感については一通目の時点で察して、また彼女に触れるくだりが出た時点で彼についても察しはしていましたが、それでも最後の手紙は衝撃的でした。えっ真奈美さん……? 主人公が恐怖を覚えるシーンのドキドキ感がすごかったです。すぐ近くにいるという恐怖感がすごい。生きてる人間こわい。いいから警察に連絡しな!? 短く纏められた中で、人為の恐怖と衝撃の結末をじっくり味わえる作品でした。
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僕のストーカーは君だった最初にきなこハッピーエンドを見たら割と普通にハッピーエンドだったので、あの不穏さの正体は……? と思いながら次にバッドエンドを見てきて、ひょえ。 顔文字などが挟まれることもあり全体としてはライトさを感じる作風だったので、さくさく読み進めることが出来ました。 はじめに団子が出てきた時は何かと思いましたが、キャラクターデザインのテーマが団子になっているんですね。可愛かったです。 これは地雷を踏んだのでは……? と思いながら選んだ選択肢がハッピーエンドだったので、えっじゃあこっちでバッドエンドになるのなんでなんで? と思ったら、君にとっての地雷か~! ネタバレを避けて誰とは言いませんが彼女以外とのハッピーエンドって本当に大丈夫……? と少し心配してしまいますね。 WindowsDL版とAndroidブラウザ版で確認してきましたが、泣いているあんこ以外の立ち絵が表示されませんでしたので、こちらで報告させていただきます(見れなかったのは立ち絵だけで一枚絵は問題なく表示されてました)。ふりーむの方では問題なく見れるようなのでノベコレ版だけかな?
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輝け!不毛プリンスあらすじの時点で既に面白い。そして開始早々にタイトル画面のSEで笑いました。 まるでハゲを中心に世界が回っているかのような世界観がとにかく面白かったです。他意があるよう思えてならない言葉の表記だとか、ハゲや毛の要素をふんだんに取り入れた独特な言い回しだとか、あらゆる場面あらゆる言動が更なる世界観の補強にもなっているようで。 演出SEもコミカルな作風に合っていて盛り上がれます。いらすとやさんのイラストの使い方にも笑ってしまいました。 主人公のキラリさんは非常に安定感のある天然狂人っぷりを見せてくれるので、とても安心してプレイすることが出来ました。ブレない主人公、すき。そして自作デーモンコアの実験の内容が気になりすぎる。 個人ルートに入ると真面目な掘り下げがされて、オープニングだけでは分からなかった、ただ不毛なだけではない様々なハゲの一面を見ることが出来て、しかもそれが気が付くと手に毛を握るような熱い展開になっている。 また個人ルート中にも他のハゲがちらりと登場したりして、それが他のハゲに対する謎や興味を匂わせてくるものだから、他のルートも見てみたいという気持ちにさせてくれました。 バッドエンドだと分かっていても選択肢は回収したいマンなので、バッドエンドの際に前選択肢に戻れる仕様もありがたかったです。 ぶっとんだ世界観でありながら物語構成は非常に丁寧でしっかりと筋道が立っているんですよね。ふざけながらもメリハリのある構成がとても面白かったです。 隠しルートの展開の熱さと言ったら、もう。これまでの総決算として仲間と共に巨悪に立ち向かっていく、まさに少年漫画の王道とも言うべき……あれこれ何ジャンルでしたっけ。まあ楽しければ何でもいいよね!
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河童の花嫁まずタイトル画面の水泡アニメーションの美しさに暫く立ち止まってしまいました。 水中のイメージされたのだろうメニューデザインが非常に美しく、またメインとなる画面デザインも一見シンプルながら背景の美しさを更に引き出すような均整さがあり、とてもプレイしていて快適でした。 ほんのりとした謎は残りますが、それがまた河童という生き物に対する謎の魅力を引き立てる形となっていて良いですね。 生贄という本来ならば重いテーマでありながら、思いがけないほど優しく幸せに満ちた、とても素敵な物語でした。
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惑星ホテル美しいグラフィックとアニメーション、そしてフォントやBGMまで徹底して作り上げられた幻想的な雰囲気と世界観がとても素敵なゲームでした。 男主人公と女主人公とを周回ごとに交代して、ホテルのあちこちを歩き回ったり従業員とお話したり、まったりプレイさせていただきました。 ゲームとしての目的は分かりやすく提示されて、エンディングに向かう方法も簡単ですが、その一方でずっと部屋でのんびりしていたくなったり、何度もご飯を作ってもらったり、そんな寄り道をしたくなる雰囲気がすごく良かったです。 いつでも終えることが出来るからこそ、いつまでも。 各エンディングが、お喋りできる従業員の一人一人に対応する形になっているのもいいなあ、と思いました。 どのエンディングも全員にとっての幸福とは限らない。それでも、その選択を責めることはしない様子に、この物語の優しさを感じます。
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Lechenaultia -レケナウルティア-初恋のお兄さんの正体を巡って巻き起こる事件……というほど大きなものではないですが、確かな転機。 展開に合わせて三人の視点が移り変わるので、主人公ちゃんより先に真実や各人の心情に触れることが出来て、そのぶん主人公ちゃんは一体どうするのだろう? と読み進めながらソワソワしてしまいました。 春市と直は二人とも声優さん一人で演じられているのでしょうか? 演じ分けが非常に上手くて、クレジットのお名前が一人分でなければ同じ方が声を当てているとは想像もしなかっただろうなあと思います。 それ悪手じゃないかなあ! とは思えど春市さんに頑張ってほしくなったので個人的には春市さんを応援してしまいます。エンディングの先も頑張って……! ところでゲーム終了時点の状態は、BGMが流れたままの暗転黒画面という認識で大丈夫でしたでしょうか? エンドクレジットなどを読み込み中または読み込み失敗してるのかな、と複数端末で複数回確認したのですが特に変化がない・共通キーコンフィグによるメニューは開けるようなので仕様という認識で問題ないかな……?
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もしかして私の王子クズ男!?俺様とヤンデレが許されるのはフィクションまでだよねー! と思わず言いたくなるほど地雷男な王子二人でした。 メイングラフィックとUIデザインのマッチ具合が素敵です。大きな白の縁取りと影のデザインに統一感があって、ビジュアルとして非常に綺麗だなあと感じました。 タイトルからイメージできるような軽快なテンポで最初は物語が展開されますが、その中身を紐解いていくと割とガチなクズだったり強制観念だったり……。 序盤から二人ともヤバでは? と思いましたが色んな選択肢を見て行くと確かにモラオの方がまだマシ……などと思い掛けましたが地雷と地雷を比較するんじゃない。どっちもバッドエンドだよ! バッドエンドを越えた先の展開も面白かったです。 初見アホコメディかと思いきや強いメッセージ性もある素敵な作品でした。