富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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魚の心キャラクター同士の関係性や心の機微を丁寧に描写した長編作です。プレイして良かったと思える作品でした。 登場人物たちは自分の心に素直で実直でありつつ、他者もそのまま受け入れられるような好人物ばかりでした。(立ち絵のない主人公の友人も気安さもありつつ、偏見がなくニュートラルな雰囲気で良いヤツでした)みな多かれ少なかれ変わっている部分はありますが、言うなれば善の変人であり、不必要に大衆に迎合しないのでむしろよっぽど自然に振舞っている様に見えます。 偏見や同調圧力からはほぼ無縁なキャラクター造形は発せられるセリフにも顕著に表れていて、何気ないセリフにも真理を突くような独特の観点が感じられました。登場人物たちをよく見ていると突飛に見える行動もそれぞれの信念や素直な感情からのものであることがきちんと理解できるので、少し変わった雰囲気でありつつも展開にとても納得感がありました。 グラフィックもなんだかとても自然な雰囲気があって作品にぴったり合っていたと思います。多くのスケッチも良かったですが、何より好きなのは大水槽の前のスチルです。大水槽を眺めながら語らう登場人物たちの後ろ姿は常にほどよく自然な距離感に感じられました。 プレイした順はあこさん、真央、みさきさんとなります。それぞれのストーリー展開はどれも非常に印象的でした。あこさんルートの後半の会話や、真央ルートの最後のシーンがとてもお気に入りです。 @ネタバレ開始 各ルートは単純にそれぞれと恋愛関係になる結末ではなく、違った展開が見られるのは良かったです。 @ネタバレ終了
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『IF』がユメであるように、夢がゆめであるように情熱を持ってノベルゲームの制作を行うクリエイターたちのお話です。ゲーム制作をテーマにしたゲームは商業や同人を含めてある程度見たことがありますが、発売した後の「苦悩」面を描いた作品を見たのは初めてです。また、大抵は作り手の間の葛藤や苦悩を描くものが多いので、作り手と遊び手をどちらも描くというのもかなり斬新だと感じました。 あまり詳しくはないのですがある程度は事実を下敷きにしていると思われ、そのせいか情景や描写にはとても迫力がありました。一時期は一世を風靡して多くのプレイヤーを魅了したノベルゲームですが、今現在は一個人が商業的に成功して本業にするなんてのは広報力を含めた圧倒的な実力と運が必要だと思うので、作中キャラと似たような状況に陥ってしまった制作者は意外とたくさんいるのかもしれません。 文章はとても読みやすく立ち絵もとても綺麗でした。立ち絵は主人公の変顔がお気に入りです。このくらいやってくれた方が面白いです。
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firefly(ファイアフライ)方言女子は今も昔も需要も供給もたくさんあるような気がしますが、方言男子って結構レアな気がします。が、これは淑女のみなさんが胸キュンになるのも当たり前だと思える素晴らしさでした。純朴さと頼りがいと茶目っ気がMAXに感じられる方言の数々はとても魅力的でした。 短編作品ながら奥深いストーリーを感じさせる表現や演出の数々は本当にお上手だと唸ってしまいます。背景、効果音の演出はとても丁寧で印象的でした。
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日かげり日おろしひまつぶしさすが田舎の倉はデカい!探索シーンでわんさかアイテムを集められるのが面白かったです。効果音やら演出やら画面構成やらは商業作品のようでした。 田舎の雰囲気は抜群で、子ども目線なのもワクワク感を高められました。グラフィックもとても綺麗でした!
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まじなう乙女はオモイゴトに焦がれるIFゲームシステムも、謎解きが必要になってくるシナリオも、とても面白かったです!長編モードから始めて、途中で短編モードにも手を出しましたが、圧倒的に長編モードが好きです! まず、サムネを見て面白そう!と思ったゲームシステムは予想以上に面白かったです。始めたばかりの頃はコツがつかめずに苦労したのですが、要するに裁判所で逆転するゲームのように詳しく聞きたいところでピンク青ボタンを押してカットインすれば良いんだ!と気付いてからはサクサク進めることができました。自分の正体を明らかにしたい!という目的と情報収集の相性が抜群でしたし、与えられる情報の小出しっぷりがとても程よく、徐々に真相に近づいていくのにワクワクしました。 また、BADでもなんでもエンディングに到達すると初期ステータスが上がり、次周で更なる情報が得られやすくなるシステムも完璧に機能していたと思います。ゲームバランスが素晴らしかったです。 シナリオについては完全にこれはミステリですね。推理モードでは複数の入力箇所がありますし、真相は開始冒頭の印象と比べるととても意外性がありました。また、ラストの真相への近づき方も秀逸でした。ネタバレ厳禁なのでこれ以上はお口チャックします。 最後に、作者さんの攻略記事も情報公開の塩梅が素晴らしく、カバー範囲も広くて非常に助かりました。多少のヒントを見ながら最後までプレイできました。今後、本編を遊べるのを楽しみにしています!
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ケモナーな君をメロメロにしてやんよ!ヒロインの女の子の様々なバリエーションのケモノ化が楽しめる一作です。なんのケモノになるかは選択するアイテムによって決まるのですが、その種類は驚異の30パターン!定番の動物から「こんなの初めて~」なものまでよりどりみどりでした。CGモードがユニークなケモノ娘の可愛らしい姿で埋めていくのはとてもモチベーションが上がり、一気にプレイしました。グラフィックは他では味わえない魅力があり、特に海外でメチャクチャ流行りそう!という気がしました。 プレイ前の方へのアドバイスとしては、アイテム選びの際は気の向くままに選ぶのではなく順番に選んでいかないと漏れがあった時のリカバリーが大変ですよ!メモまで取っておけばより安心です。
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エデンの天使とアンジュの吸血鬼フルボイス&目パチと丁寧に作られたゲームでした。前作履修済なのでより楽しめたとは思いますが、未プレイでも問題なく本作単独で楽しめます。 吸血鬼との異種間恋愛に相応しく、ストーリーはとても重厚かつ壮大でした。序盤で明らかになる復活の儀式の条件がやたら厳しくて鬼か!と思っていましたがその後も随分と切ない展開が待ち受けており、ハラハラとプレイしました。END2つはそれぞれ印象的で味わい深かったです。Trueの方がやるせなさが残りますね。。。 イベントスチルも豊富ですし、クリア後のあとがきも読み応え十分でした。
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ユメビヨリタイトル画面の可愛らしい魔法少女3人とバッジがたくさんもらえるとの情報に惹かれてプレイさせて頂きました。サムネをちゃんと見ずにプレイしたため、冒頭で少女が4人いることにまず驚き、続くシーンの背景にまた驚きました。実写背景の圧倒的現実感の威力が強かったです。 冒頭のシーン以降色々あった少女たちが悪魔の登場を前に協力して戦ったり戦わなかったりするお話ですが、意外性のある悪魔テレーゼの目的はとても納得いくものでした。3つのエンディングが見やすい選択肢の配置だったのも嬉しかったです。バッジが3つももらえるのもホクホクです。
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天使はいないゲームを起動してスタートした時点からBGMや演出に度肝を抜かれました。プレイヤーの心をざわざわさせる力が半端ないです。駄目野郎な主人公の言動に「これはきっと罰が当たるんじゃないか」と思いながらプレイしましたが、救いのない3種の結末を見てそりゃそうだよな~、となりました。 冒頭から結末までノンストップでずっと心がざわざわしてました。グラフィックの彩色センスが本作の雰囲気にぴったりで素晴らしいと思いましす。 お目当てのバッジが手に入れられなかったので、取得条件を教えて頂けると嬉しいです!シークレットだとヒントも見られない!く~。
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地獄の冒険(じごくのぼうけん)2匹のねずみが死後の世界を縦横無尽に冒険するお話でした。お子さんがストーリーを担当されているようで、常識に縛られない発想力や展開が楽しめました。目まぐるしい冒険でした。 お目当てのバッジが手に入れられなかったのが少々残念です。こちら、ストーリーをコンプしたりすれば取れるのでしょうか。気になる~。