富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
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運命の人の運命を運命的に変えたい!バッジ狙いで何の気なしに起動してOPムービーを見てびっくらこきました。なんじゃこのクオリティは!ということで冒頭から本作の世界観に引き込まれました。 ファンタジー要素が多分に含まれるお話となっており、それにピッタリなゴージャスなキラキラ系演出が印象的でした。イベントスチルはかなり多めに用意されており、要所要所でストーリーを盛り上げてくれます。ストーリーについては多分こういう話だろうなぁという展開を大きく裏切られたラストがとても印象的でした。クリア後はあとがきやキャラ紹介のほかにおまけストーリーもあり、得した気分になりました。
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dependence当然のようにまずBADエンドに直行しました。いやもうBAD過ぎてBAD過ぎて相当ショッキングでした。2周目に理解してHAPPYに到達できたのですが、ラスト直前のグラフィックのHAPPY表現が素晴らしかったです。もうこれは心からのHAPPY具合が視覚的にも伝わってくる素晴らしいグラフィックでした。こんなものを見せられたら理屈抜きでこの結末は尊重しなければならないよなぁ、と。 グラフィックはとても可愛らしいのですが、だからこそ意外性や歪みが浮き彫りになる感覚にゾクゾクしました。シナリオも深いテーマが中心に据えられていて考えさせられるものがありました。コハル君は主人公に向かって初めから一貫して自分の気持ちを伝えていたよなぁ、と。令和のこのご時世、大事なテーマなので常に柔軟でいなければ!と再認識できました。
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放課後、図書室で君を見る男子校出身者からするとかなり「爆発しろ度」が高い青春ラブストーリーでした。何この応援したくなっちゃう系の青春まっただなかな男女!くー!文句のつけようがないです。特にユキノちゃん。 2024年現在でもまだまだ自分も子どもたちも紙の本が現役バリバリですが、将来的には電子化は更に進むよなぁということで舞台設定もかなり興味深かったです。
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5秒でイジメは避けられる!!!「俺の名前は串刺元気太郎」ってなんじゃそのフルネームは!昔の少年漫画のように登場するキャラクターの個性をビンビンに感じました。名は体の現し方が奇〇組レベル!子どもでも安心して見られるタイプのバカゲーだと思いました。各キャラのグラフィックも親しみやすくて好感度が高い雰囲気です。 ゲームシステムはオーソドックスな選択肢ミス=即BADのADVなのですが、ゲームのあらすじとの相性が抜群だと感じました。TIPSが実装されているのが印象的で、思わず飛ばしてもバックログから参照できるのがメチャクチャ新設設計だと感じました。クリア後のあとがきや裏話も充実していて、そちらの内容もとても興味深く楽しめました。
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テオデ・サーガ~流浪のヴォータン~世界観設定に凝った一作であり、冒頭からラストまでにカッコ良い見せ場シーンがたくさん見られました。立ち絵のあるメインキャラクターはいずれも魅力的でした。 ゲーム全体で特に印象に残ったのはバトルシーンの演出です。カットインやアニメーションがあり迫力満点でした。選曲もとても良くかなり選び抜かれている印象を受けました。流れるシーンもですが、タイミングも良く、まずは音楽で気持ちを昂らせてシーンが始まる、という感じでかなり効果的に用いられている印象を受けました。曲名と作曲者が表示されるシステムも個人的には好きです。
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サイコ系即死脳トレクイズいきなり質問攻めにあい、間違えた瞬間に即死BADを迎えるまさに即死系クイズです。あまりに躊躇なくやられ続けたため必殺セーブ&ロードの力技でクリアしたのですが、プレイ後に解説を見て納得しました。前提部分を読み取れずにクリアしてしまったのは残念ですが、ご褒美のバッジをもらえたので十分に嬉しいです。記憶を消してやりなおしたいところです。
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EscApe 魔法少女10の選択肢と11の結末!ということでクリア方法は直感的に理解できましたが、せっかくなので全EDを回収させて頂きました。やられる側の悪役が主人公なのですが、あまりの多勢に無勢の四面楚歌状態に可哀想になってきました。 選択肢によっては眼福超カワ美少女グラフィックが拝めますし、様々なパターンで追い詰められる主人公のやられ芸が楽しかったです。
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とにかく彼女がほしい山田数々の実写系即BADエンドを思わず敢えて回収しまくってしまいましたが、最後に到達したエンディングの演出がかなり気に入りました。初心者が作るバカゲーを前面に押し出していますが、ポイントクリックの実装や反射的に笑ってしまう立ち絵のアニメーションなど、面白い作りになっていました。とにかく彼女がほしい主人公の山田はタイトル画面で分かる通りのひょうきんモノで、シルエットなのにやたらとキャラ立ちしていると感じました。
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俺たちの現実冒頭からラストまで終始テンポ良くギャグが炸裂しまくりのコメディ作でした。登場人物がみんな様々な方向にぶっ壊れていて、やりとりがとても面白かったです。派手にツッコむこともあれば、ツッコミ不在でシュール気味に流れていくこともあり、といった感じの変幻自在のボケが面白かったです。ショートコントのようにブリッジが入りつつ、メインストーリーが進行することもあれば意味のないやり取りが繰り広げられたりというチェンジオブペースな展開も縦横無尽でした。忘れた頃にきちんとシリアス目な展開が入った部分も良かったです。 サムネの通りグラフィックも可愛らしいのですが、女性キャラだけでなく主人公の悪友男子たちにもちゃんと立ち絵があるのも嬉しかったです。クリア後にEXTRAからイベントCGを振り返ることができるのですが、ラストまでのカオスっぷりが一目瞭然のCGリストは一見の価値ありです。面白いので是非もっと遊ばれてほしいと思いました!
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妄想狂ザナトリウム冒頭からラストまでストーリー世界に没頭させられました。まずは圧巻のグラフィック。ゲーム概要には「差分込みイベントCG95枚、立ち絵80枚、背景38枚」との記載がありますが、改めて思い返してもプレイ時間1時間半程度の規模の物量ではないよなぁと。そもそもサムネの通り非常に絵がお上手な上、ちょっとしたシーンにもイベントCGが表示されるのでプレイしていて非常にリッチな体験が味わえました。また、本筋からはずれるのかもしれませんが、「主人公に妄想や幻覚症状がある」という設定を活かしまくったお色気コスプレグラフィックの数々は眼福ったらありませんでした。ファンサービスに徹底するプロの仕事みを感じました(鼻の下を伸ばしながら)。 さて、グラフィックも非常に良かったのですがそちらは門外漢なため、個人的にはストーリーの方が更に刺さりました。非常に素晴らしいです。前述の通りの設定のため主人公は俗に言う「信頼できない語り手」なのですが、この設定を活かしに活かした構成とエンド分岐が素晴らしいです。プレイヤーの感情を翻弄する各EDの配置も、様々な部分に考察の余地を残しておく手法も、それでいて全くプレイヤーを置いてけぼりにせず難解にならないテキストも、いずれを取っても完成度が素晴らしく高いシナリオだと感じました。 ハイレベルなグラフィックとシナリオが見事に融合していて、名作映画を鑑賞している気分になりました。