富井サカナ/DIGITALLのレビューコレクション
-
囚われのヘンゼル誰もが知ってる有名キャラのヘンゼルとグレーテル(?)が大活躍するゲームです。面白かった! 様々なシーンは全て状況にピッタリなグラフィックが用意されており、絵本のように臨場感がありました!脱出自体はシンプル&簡単なのでストーリーに集中できます。展開によって結末は大きく変化するのですが、振れ幅の大きさとバリエーションには驚きました。グレーテルがエンディングによっては最強キャラ化してます! 個人的に感じた点として、EDリストの存在はとても良いと感じました。未見の状態ではヒントが書かれていて、到達するとグラフィックが表示されるこのパターンはゲーム全体の道しるべとしてとても有難かったです。また、プレイ後のおまけもとても充実して、裏話やおまけ4コマまで見られて大満足です!
-
土者の足音システムに一ひねりのある短編ホラーゲームでとても楽しかったです。 まず、本作でも見られる漫画的演出はカメラワークと併せてとても印象的でした。開始早々掴みは完璧です!その後、特に情報も与えられないまま突然ゲームが始まるのですが、手探りな状況で進めていく中で最適な行動を選べた時は非常に気持ち良かったです。(紹介文に導入の説明はちゃんとありました!) プレイヤーへの配慮のあるテキスト(ヒント)のおかげで、2周目でコツを掴んでクリアすることができました!ポップなキャラクター絵も表情が豊かで良かったです。
-
エレノア+今作は魔女狩りの時代と場所を舞台にした作品ですが、非常に良かったです!魔女狩り×中世ヨーロッパ×ファンタジー要素と聞いて少なからず興味を持てる方はみな楽しめる展開の数々だと思います。 画面デザイン・演出・グラフィック、いずれも素晴らしいのですが、個人的に刺さったのはシナリオです。それぞれ思惑を持った登場人物の背景や性格描写がまず良いです。また、ゲーム全体を通じた選択肢の配置や分岐も超王道なもので、この設定・途中までの展開ならこんな物語が見たい!にまさに過不足なく応えてくれるものでした。魔力を持つ領主ヘンリーの振る舞いもこれしかない!というものです。 とりわけ素晴らしいと思ったのはエレノアの人物造形です。一切のご都合主義を挟まず、ストーリーに沿って動くのではなく、きちんとキャラクターの性格を軸に動いていると感銘を受けるレベルでした。アーサーとエレノアというメインキャラの関係性も良かったですし、エレノアが初めて自分の感情を自覚するシーンなんてもう完全に鳥肌モノでしたし、TRUE ENDの展開と言ったらないです。素晴らしい。 サブキャラを含めたキャラ解説、CGモードにSS、同一世界観の関連作の紹介デモ(グラフィックがメチャクチャ豪華!いつまでも完成を待ちたい!)などのおまけも大ボリュームの一作で非常に良かったです!
-
湯の町奇譚とても珍しい画面レイアウトの作品ですが、ゲーム内の時代背景、旧字体フォント、UIなどと非常にマッチしていました。ノベコレに公開されている作品を軽く1,000作以上プレイしていますがオンリーワンと言えます。この画面レイアウトがきちんと機能しているということだけで感動しました! こだわり抜かれたUIや画面デザインの効果もありますし、旧字体なのに読みやすい絶妙な文章のおかげで世界観にどっぷりと浸れました。基本は文章と背景がメインのため、余計に少年の印象が強まります。特に分かりやすい出来事が起きるわけではないのですが、先が気になってプレイする手が止まりませんでした。 途中に挿入される演出やメインのエンディングは非常に印象的でした。面白かったです!
-
睦眼さん - hizumi2 -前作から引き続きプレイさせて頂きました。 前作同様にグラフィック周りは洗練されていますが、何より文章やゲーム全体の構成に優れた作品だと感じました。対比的であり象徴的であり、それだけに展開が印象に残ります。やや難解な面もある前作と比べると序盤から分かりやすいストーリーで、安心して物語を追うことができました。 個人的には回想モードのグラフィック・演出が非常に好きです。これはもうひたすらオシャレでした。素晴らしいです。バッジも迷わずに入手出来て大満足でした。
-
送り屋あやかしだらけの美形の祭典ホラーといった趣のある作品でした。出てくる物の怪がほぼ全員美形のため、美しくも妖しい雰囲気が満載です。 特徴として画面レイアウトが非常に凝っています。縦書きによる和風ホラー感と広めにとった画像表示領域を存分に活かした美しいビジュアルがどちらも楽しめます。ホラー作品らしく間や効果音なども非常に凝っており、次から次へと訪れる緊迫のシーンも良かったです。 小一時間程度でプレイできる作品ですが登場するキャラクターは多く、物の怪との会話は気を抜いたら命を取られる絶体絶命な展開が続くので濃密なプレイ体験ができました。面白かったです。気になる方はまず作品サイトを見てみてはいかがでしょうか!
-
歪 - hizumi-とても味わい深い雰囲気のゲームでした。プレイして良かったです。 単純に文字を追っても理解するのが難しかったのですが、最後まで根気強く読み進めるとぼんやりと全体像が浮かんでくるような不思議な文章でした。テキストだけだと序盤はつらかったかもしれませんが、補って余りあるオシャレなシルエット画像やBGMなどのおかげで終始楽しくプレイできました。切り絵のような小動物グラフィックは可愛らしくて素敵です。 感想で言及されていたバッジについてはDL版では取得できませんでしたが、ブラウザ版で再プレイしたらゲームと同様のテイストなオシャレなバッジを取れましたのでバッジコレクターとしても満足です。
-
(非公開)どきどき!バレンタイン大作戦「悪癖」と同じ世界観の派生作品とのことで喜び勇んでプレイしました。 バレンタイン短編でチョコをもらう!というショートストーリーなのですが、本編をプレイした身からするとなんだかうっすらと恐怖が蘇ってくるようです。ふたば信金のみんなと再会できて満足でした!
-
生きていく勇気~統合失調症になった僕~統合失調症である男性が主人公の物語です。ニーズやリスクを考慮すると商業作品ではまず避けられるであろう設定なので、それだけで本作の存在意義があると感じます。私は作者さんの作品などに触れるまでは恥ずかしながら作業所のことは一切知りませんでしたので、興味・関心を持つきっかけになりました。 主人公は一本気で正義感が強いタイプですが、一方で自分と同じように人にも厳しいタイプです。理解できる面もあるのですが、人それぞれ境遇は異なるので周りからすれば困る点も多々ある様子が伝わってきました。 統合失調症と一括りにしても個人差が大きいということは本作をプレイして良く理解できました。ただただ天使のように描いてお茶を濁すような昨今の風潮と比べてよほどためになった感があります。リアリティのあるストーリーもとても興味深かったです。
-
虹色の生き方LGBTのLを題材にした作品です。当事者同士の葛藤や周囲の受け止め方などは状況によって様々だと思いますが、それらを描きつつ基本的な知識や問題点を示してくれる作品でした。 ただ、それなりに予備知識があるからかもしれませんが、このテーマでストーリーをきっちりまとめるには現状の分量では若干短かったように思いました。都合の良い展開、駆け足に見えてしまう部分が少々あるように感じました。 とはいえいつも難しいテーマを正面から描く作者さんの姿勢は常に応援しています。 ちなみに途中で選択肢が出てくる場面ですが、当然の如くセーブ&ロードで総当たりしました。こういった遊び心はとても好きです。