荒井ポチ太のレビューコレクション
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アヤコのお見合いにぎやかなアピール合戦に、思わず私も混ぜてくれ〜と参戦したくなりました!服の質感が伝わってくる彩色や妖怪の特徴を落とし込んだおしゃれなデザインなど、個性が光る登場人物たちと触れ合えて楽しいひと時を過ごす事ができます。アヤコさんの海より深い懐に、妖怪でなくても骨抜きにされてしまうかも。あなたはどの白百合少尉が好みですか? @ネタバレ開始 会話の中で開示される情報を頼りに、お見合い相手の正体を見破ろう!と間違い探しをする感覚で立ちはだかる自称少尉を倒せるので、テンポも良くてスカッとしました笑 絡新婦さんの手先が器用で立ち回りが上手そうなところや、フタクチさんとのやり取りが好きです。トラマサも口は悪いけど過保護で憎めない…と一人(一匹?)づつキャラクターの魅力に言及していったら夜が更けそう。どうやったらこんなチャーミングな子ばかり思いつくのか、作者さんの頭の中を覗いてみたい! と、かわいい張り合いに和んでいたらしっかり妖怪の恐ろしさも見せられてトラマサに土下座しました。アヤコさんを危険な目に遭わせてごめんよ…。 一部を除く殆どのエンドで、幸せそうなアヤコさんと少尉たちの姿が見られて嬉しかったです。結婚相手に合わせてアヤコさんの服装が変化している点も、性格が出ているな〜と感じました。登場する少尉たち、ほぼ同じ姿なのに話し方や表情の作り方で全く別人に見えるのもすごい。白いユリの花言葉を調べて笑顔になりました…。 ファンアートはトラマサ(の影)とアヤコさんと、少尉の中でも特に好きなあの方を描かせて頂きました。以前もお伝えしたかもしれませんが、みたけさんの作風とても好きです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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目覚めた宇宙にアメが舞うタイトル画面の星を飴玉に…という発想からすでに作者さんのセンスが光っていてすごいです!絵本のような可愛らしいタッチのイラストと終始漂う仄暗い雰囲気の組み合わせ、大好物だという方多いんじゃないでしょうか。勿論私もです! @ネタバレ開始 出会った瞬間黒幕だ!とみあさんを疑ってしまいました。ごめんね…。プレイヤーは主人公のしいなちゃん同様、右も左も分からぬまま落とし物を手掛かりに不思議な宇宙に迷い込むまでの記憶を辿っていきます。 みあさんとしいなちゃんのやりとりに癒される反面、時折ゾッとする演出も挟まって、次はどうなるの…!?とラストへの期待が高まりながらあっという間に最初のエンディングを迎える事ができました。 1→2→3の順で回収していき、エンド4に到達した時は鈍器で頭を殴られたかのような衝撃を受けました。ずっと一緒にいたのに、私はしいなちゃんのことを何も分かっていなかったんだ!と予想外の形で破られた殻を見て震えあがりました。完全に作者さんに虚をつかれましたが、彼女の言動を思い返せば片鱗はちらほら…。でも、しいなちゃんがみあさんと同じ時間を共有することで一歩踏み出すキッカケを得られたなら良かったです(続く道は違ったけど!泣)。 二人で座って飴を食べているスチルが一番印象に残っています!遠くの星も舐めたら甘いのかな〜。コンフィグのボタンが飴の形になっている点も作り込まれているなと感じました! 私も現実が嫌になったらこの宇宙にお酒を持ち込んで一服したい。目覚められる前提の話だけど…。なんて思ってしまうほど、好みの世界観でした! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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オーダーメイド(15)話題沸騰中の人気料理店!モノトーンを基調とした落ち着いた雰囲気の店内で働く陽気なウェイターさん、彼の質問に答えるとちょっとした感想・アドバイスと共に出される食事や部屋の内装が変化します。本性を暴かれて恥ずかしい〜!反面、自分を構成する要素で彩られていく画面は圧巻の迫力です。 @ネタバレ開始 ウェイターさんイケメェン!?→あっ主人公がイケメェン!?と二度驚きがあって楽しかったです!笑 タイトル画面はそういう事だったのか〜。癖っ毛とホクロの特徴が私のハートに刺さりまくりでした。作画担当のお方にあなた様のおかげで寿命がのびました…とお伝えして頂ければ幸いです人 ご飯のイラストもどれも美味しそうで深夜に軽い飯テロをくらいました。完成した豪華なお皿の上を見て、お子様ランチを思い出し懐古的な気持ちになりました…しんみり。あの頃は胃もたれしなかったんだ…。 テキストも軽妙な筆致で飽きることなく、二人の漫才のようなやりとりをいつまでも眺めていたいと思いました。ウィットに富んだ切り返しやテンポの良さ、見習いたいです。 @ネタバレ終了 一度しかプレイできない設計が、本当に食事をしているかのような気持ちにさせてくれる面白い発想のゲームでした!素敵な作品をありがとうございました!
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とつげきスパッツァー嫌なことが全部吹き飛ぶ!ギャグシーンてんこ盛りですが話の軸はブレず、作者さんのスパッツへの大きな愛が見える作品でした!注意書きの通りお色気・下ネタ要素も含むものの物語に明るいリズムを生み出す役割を担っている印象を受け、登場人物たちが「スパッツバトル」という競技を通して自身の抱える問題と向き合い解決していく過程が丁寧に描写されているため、ラストはかなり感動させられます。この勢いは誰にも止められない! @ネタバレ開始 バトルの勝敗や各ヒロインのルートが二択で分岐するので分かりやすいです!戦闘シーンでは敵の攻撃を受けると作画崩壊するなど演出面にこだわりが見られ、パロディも多いので元ネタが分かった人はニヤッとしたんじゃないでしょうか(ファイ●ートル●ード!?)! 共有した時間が多く、愛着があったのと本編自体がつばさちゃんの成長物語だなと感じたので、最初は河川敷へ向かいました。ネクタイ無しで声の調子・立ち絵が変化するギャップや、目標に向かって真っすぐ突き進むつばさちゃんの性格を改めて好きだなと感じました! 一方のメルトさんは自身の出生の秘密を探る中で、歪な家族関係を修復していくというちょっと重ためのストーリーとなっており、それぞれの過去を知ってウォーン!と声を上げて泣いたものの最後には大団円を迎える事ができてスッキリです! そしてハーレムものにしては珍しく(?)主人公が再会したつばさちゃんにすぐに正体を明かしてくれたのでムズムズしなくて良かったです!作中の言動からもきっぷがよく寛容で、周りに流される人間じゃないことがうかがえて、生徒から慕われる理由も納得。ノリツッコミまで完璧で非の打ち所がないイケメンか…?(いや、頻尿はアイデンティティだから!)と、ひたむきに頑張っている子が多い中でキャンディちゃんのようなちょっとひねくれた子がいるのもリアルで好きでした! ヒロイン二人の声のイメージもぴったりでエンディングの曲が二種類ある点も凝られているな〜と感じました。余談ですが、私は途中まで校長先生がトビオさんだと思い込んでいました笑 最高の父親ですね! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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北限のアルバ~春の章~普段遊ぶゲームを選ぶ際、タイトルが決め手となる事は少ないのですが「北限のアルバ」は語呂の良さに惹かれてダウンロードしました!夏、秋とイケメンが勢揃いで迷ったのですが私は隼人さんの穏やかな笑顔にハートを撃ち抜かれ、春を選択させて頂きました! @ネタバレ開始 水彩風のイラストとケルト音楽の親和性が高く、暖かな春の訪れを待ち望んでしまいました。春の章というサブタイトルの通り、春が旬の食材を用いたご飯が登場するのですがどれも美味しそう。華やかな見た目で遊び心を感じる料理も多い中、私はフラワーババロアがお気に入りです。例のフキのスチルには多くの乙女がときめいたことでしょう…。 各キャラの性格が出た服のデザインも好きです。おばあちゃんが柄物、隼人さんがチェックのシャツを着ているのとか結構リアルだし主人公ちゃんのエプロン姿も似合っていて超可愛かったです。床に服が落ちていたら誰の私物か当てられそうなのすごい。 その主人公ちゃんがプレイヤーの疑問をその場でざくざく聞いてくれるのでスッキリ。特に「昔からこんな感じの作風〜」のツッコミにはふいてしまいました笑 作者さんの淡々とした笑いのセンスが好き。 隼人さん、最初はふわっとしたお方だなぁと、目を離した隙にどっかに飛んでいかないかなぁと心配だったのですが、外出先でスマートにリードしてくれたり落とし物の件で機転が利いたり、実は裏で色々考えてくれているんだなという面が見えてからは憧れの対象に。人当たりがいいできる上司や〜とポーッとしていたら後輩くんの話を聞いて言葉を失い、手記の内容を拝見して膝から崩れ落ちることに…。 @ネタバレ終了 心の傷を癒せる止まり木、そよ風の魅力が凝縮された作品でした。主人公や隼人さんの関係性の変化にキュンとしつつも、忙しさにかまけて大切な人とのコミュニケーションをなおざりにする自分の行動も見つめ直してしまった…。 素敵な作品をありがとうございました!
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Gabriel腰まで伸びた金髪にキャソックという聖職者さんのイメージを形にしたような容姿に心を奪われ、立ち絵のガブリエルさんと同じポーズをとってしまいました。見目麗しい! 中性的な外見も印象に残りますが、丁寧な言葉遣いから誠実なお人柄を感じ、読後もプレイヤーの心に強く息づくキャラクターだと思いました。ガブリエルさんの魅力がどんどん掘り下げられていくお話なので、クリア後はあなたも彼/彼女の事で頭がいっぱいになる事間違い無しです! @ネタバレ開始 ストーリー構成はとてもシンプルで、修道院で働くガブリエルさんと数日間交流をするという設定で物語が進みます。プレイヤーと主人公が一体となり、ガブリエルさんと関わっていく為感情移入の度合いも高く、日増しに「この人の事をもっと知りたい!」という気持ちが大きくなりました。ガブリエルさんが温和で基本的に穏やかな口調なので、台詞に説教臭さも感じません。名前未入力時や一日の終わりにチラッと見える不穏なやり取りから徐々に違和感が積み重なり、最後に爆発!と見せ場の作り方もお上手で、見習いたいなと感じました!プレイ中は座っていた畳が会衆席に変わっていました、多分。 邪神さま、やり方がこすい!笑 お優しいガブリエルさんのことですから、仲間が利用されたと知った時さぞ心を痛めただろうなぁと思います。気の毒に。親しくしていた主人公まで生贄にされかけたら、そりゃ焦りますよね。あのような惨劇が二度と繰り返されないよう祈っていますが、それはそうとして糸目キャラの絶望顔はおいしいので八つ裂きにされた甲斐があったというものです。エンドごとのタイトル画面の変化も、沢山のガブリエルさんを見せるぞ!という作者さんのこだわりのようなものが感じられて大好きです!それと、あとがきのご飯食べてるガブリエルさん可愛いですね!マフィアのゲームもすごく気になります… 五日と言わずいつまでも話したくなる、ガブリエルさんの魅力がたっぷり詰まった作品でした。手を握る一枚絵も好きですが、奥の部屋で読書をするガブリエルさんのスチルが絵画を思わせる優美な佇まいで特にお気に入りです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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月明かりと夜風のワルツ感想は以前送らせてもらったので割愛いたします! 「月明かりと夜風のワルツ」のファンアートを描かせて頂きました。色塗りしながら改めて、作者さんの配色センスが好きだなと感じました…!おしゃれ…!レナートくんの瞳とリシュアちゃんの髪の毛が同系色なところが特に好きです! 素敵な作品をありがとうございました!
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ナツノイドコロ場面に応じた画面の雰囲気作りが非常にお上手で、特にSEの挿入とスチルの切り替えのタイミングは制作者としても見習いたい!と感じる作品でした。人物の立ち絵は涼しげで透明感があるのに、背景からは強い陽射しの熱を感じるなど真夏の再現度も高い。この作者さんの絵柄、可愛い中に妖艶な魅力を持つキャラクターが多くてすごく好みなんですよね…。私は残暑の厳しい時期にプレイさせてもらったのですが、今遊んだら新緑の匂いを思い出して懐かしい気持ちになりそうだなぁ。 @ネタバレ開始 お兄さんとまったり言葉を交わす…だけで終わるはずもなく。プレイヤーの選択によって主人公である真白くんの運命が大きく変化するのですが、どのルートでもお兄さんの真白くんに対する印象が変わらないのが良かったです。お兄さんと誰の組み合わせが好きかで意見が分かれそう〜。 会話パートを終えた後は画面構成と共にがらりと作品の空気感も変わるのですが、お姉様の美的センスが尖りすぎていてパソコンの前でぷるぷる震えていました。姉弟で見た目の色が対比されてる点も面白いなと感じました。 タイトル画面で微笑むお兄さんがミステリアスな魅力を放っているので、てっきり蟻の巣に水入れるタイプの頭のネジの外れたお方だと思い込んでいました!蝉の死骸のくだりからまともな死生観を持ってらっしゃる?と気付き、アルビノに対しても偏見なく綺麗だと言って接してくれた事で株が急上昇!木陰で一緒に休んでいる時の背景が蜃気楼っぽくぼやけているのも、暑さで若干バテている真白くんの視界の様子だけではなく、思い出が美化されている感じが出ていて好きです。真白くんが歳の割に厭世的なのも、本人の資質と言うよりご家庭で受けたあれそれの影響が大きいのかな? ボリュームたっぷりのおまけも拝読できて満足ですが、唯一お兄さんの生い立ちだけ知れなくてすごく気になります!バッジ回収は少しだけ骨が折れましたが、その分コンプリートできた時の喜びは一段と大きかったです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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ex.すみません、フェス専用じゃない方のコメント欄から感想を送ってしまったので再掲させて頂きます! 絵本のようなレイアウトでお話が進む掌編ノベルでプレイ時間も数十分と短めではあるものの、読後の余韻が抜けず押し入れからアルバムを引っ張り出して自分の歩みを振り返りたくなる作品でした。登場人物たちの恋路を見届けた後、身の回りに転がっているささやかな幸せがより愛おしく感じられました。 @ネタバレ開始 私は「ショートケーキ」未プレイの状態で遊んで充分楽しめたので、作者さんの前作を知らないよって方も尻込みせずぜひお手に取って頂きたいです。「ブラックコーヒー」はソーサーとティーカップを彷彿とさせる白ベースの背景にテキストが浮かんでおり、ザ・サウンドノベル!という印象を受けたのですが(そちらもめちゃくちゃ好きです!)今回は紙芝居のようにコロコロとイラストが変化するので視覚的にも楽しかったです。くすんだベージュが目に優しくて、淡々とした文体の中にもぬくもりを感じました。 エンディングが見返せる仕様も親切だなと思いました。最後の方の絵は…家族が増えたのかな?(間違っていたら本っっっ当に申し訳ない)シルエットの二人が笑顔を浮かべているように見えて、なんだか微笑ましかったです。 よもやま話を拝見して記念日を作りたがる彼女の行動の理由や、主人公のプロポーズのタイミングにも納得。クリア後のタイトル画面で正対する二人の姿を見て目頭が熱くなりました。友人のキャラが好きです! 隕石が突然降ってきたり魔法を使って強大な敵と戦うというような劇的な展開はありませんが、変わらない日常のありがたみを痛感できるゲームでした。作者さんの他の作品もあわせて読むと更にホッと一息つけるかなと思います! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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タバコ屋乙女と小話でもとにかくはんなりとした店番の女性・アカヨさんが魅力的。彼女の笑顔目当てにタバコ屋さんに足繁く通ってしまいそうです。大正ロマンをたっぷりと感じる趣のある作品でした! @ネタバレ開始 タイトル画面を開いた瞬間レトロオシャレや〜!とワクワクが止まりませんでした。BGMやメニュー、コンフィグのデザイン等も同様に統一されていてノスタルジックな気分に浸れます。虫の声や雨の音が心地良かった…。 基本的には一つの画面でアカヨさんのお話を聞く…ゲームとなっているのですが、招き猫の手の動きや裸電球の周りで踊る虫など、イラストの様々な箇所に作者さんのこだわりがぎゅっと詰め込まれていて全然飽きません!陳列ケースに並ぶタバコの種類も見覚えのあるパッケージのものが含まれており、仕掛けが細かいな〜と感動しました。間に挟まれるアイキャッチも落語の出囃子っぽくて素敵です。 どのお話しも短いながらも軽妙な語り口で展開され、あでやかに微笑むアカヨさんに私はイチコロでした。次の日が来るのが待ち遠しかったな〜。 オチも好きです。手で顔をこすっている…まさか虎太郎…?と思っていたら正体はやはり!思ったよりふてぶてしい顔つきで、可愛くて癒されちゃいました。想像の余地があって良いラストだなぁとしみじみとしていたら、バッジの文章を見てにっこり…。二人(と一匹)の未来に幸あれ…。 @ネタバレ終了 えっ、終わり?まだもうちょっと話していようよ!と、摘み食いをしていたらあっという間に空になっていた、缶入りドロップのようなやみつきになる物語でした。個人的にはなまえのはなしが1番お気に入りです! 素敵な作品をありがとうございました!