天凱彼岸花(テンガイ ヒガンバナ)のレビューコレクション
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真実か×××か配信にてプレイさせていただきました。 シュールさの漂うタイトル画面、謎のような…含みのある作品名。 都市伝説としてAIに関する物が出てくるという辺りに現代らしさを感じ期待しながらいざ挑戦。 @ネタバレ開始 名前入力から始まったのでとりあえず自分の名前を入力。 結果、ゲームの中に同じく実況をしている彼岸花(男)が爆誕しました。 ◇ゲーム1日目 もしかすると、実はこの実況題材のゲームを教えてくれた『。』さんの正体は…?という部分も全てのエンドを見た後では疑わしいですね。 主人公は声だけ収録に入れているタイプの実況者という設定でしたが、もし環境音やそれまでのトーク内容に彼へのヒントになるような情報があればと思うと。 配信題材として選んだのは、AIがお題を出す『真実か挑戦か』に7日間連続で挑戦し、クリアをしたら何でも1つだけ真実を教えてくれる質問をする権利を得られるという都市伝説。 主人公は実況者らしく「登録者数100万人を超える超人気実況者になる方法」を聞く事を目的として挑むという動機もわかりやすい物です。 所々入る、主人公のPC画面を操作する部分がまさに自分が主人公としてこのゲームに挑戦しているという雰囲気を演出するのに良いと思いました。 0時になるまでは404という表示だったのに、更新ボタンを押したらトップページに切り替わる演出もただ読ませるのでなくひと手間をプレイヤーにさせてみるというのが良いです。 セーブやロードといった通常ならメニューから出す物もデスクトップのアイコンとして配置する事で世界観を崩さずに取り込んでいる演出もなかなかです。 いざ、ゲームを始めればデフォルメされた牛のマスコットキャラが登場しこのゲームについての説明をしてくれる流れへ。 初日だしまずは質問に答える(真実と入力)と気づくのに若干ボケて手間取りましたが、初回からなかなかヘビーな質問ですね…。 「では、自分の犯した最も重い罪を答えてください」 これは主人公の目線でありえそうな事を答えようにも何もわからない。 じゃあ素直に自分の事で該当する内容を…と思うも、大真面目にどれかを考え解答。 AIがどういう基準で判断しているのかはわかりませんが、嘘を吐いたと判定され挑戦をするという事に。 挑戦内容は「明日、困っている人に遭遇します。その人を助けてあげて下さい」という物。 あれ?主人公ってゲーム実況者だから現実パートというか、カメラを持ってその部分をやったと証明する動画は用意できないよね? と疑問に思いましたが、あくまで裏作業として行いまた実況動画を撮影…これを完結まで毎日繰り返すというつもりのようです。 ◇ゲーム2日目 主人公は大学生という事で、朝の通学場面へ。 配信者としての悩みを持っているようで、だからこそ真実を知る権利の内容も本気半分位で考えてるのかなと察します。 前日言われた通り、不自然な位置にしゃがみ込んでいる小学生を発見。 心配して近づいてみると、何やら体には痣や傷があるようで…。 家庭か学校か、何かしらに問題を抱えた子と判断した主人公は昔自分もそういう子供だったからと少年に語り掛けます。 本当は俺じゃなくてクラスメイトの話との事ですが、安心させる為にここは必要な嘘でしょう。 「かといって友達の所にいるのも居心地が悪くて教室でずっと本を読んでいたんだ」 友達の部分が強調されているのが気になりましたが、これも後々考えれば理解してしまったというか。 確かに、学校でいじめをされている方の問題だった場合は友達がいない場合の想定をした嘘にするのは自然と思いましたが、全てを考えるとこれは…予防線だったのかもしれませんね。 まるで主人公自身に何かがあったような独白。 環境が変わればどうにかなる、自分が変わるしかないというのは同意なのですが…どうも何か裏というかこれしかないしこれで合っていると自分に言い聞かせるような語り口が気になりますね。 どちらにせよ、少年は学校に行けば友達がいるから大丈夫と学校へ向かいました。 しかし、主人公は少年の言っている事が本当か疑問に思っているようで…もしかして、気を遣って学校なら大丈夫と返してくれたと思っている?かと思えば… 「皆は本当に優しくしてくれているのか? この子の言う友達は本当に友達なのか?」 そこまで考え「いや、違う」となり 「そう思ってるだけなんだよ……」 何故、思わずそんな言葉が出てきてしまったのか…。 以前に、グループ内でいじめられっ子の立ち位置をしている子が自分達は友達だと思い込むようにしていたという話を読んだ事があったので、もしや少年もいじめられている事を遊んでもらっているとか受け入れられていると自分に言い聞かせている? 当初はそんな予想をしておりました。 少年に重なるあいつの姿。 10年前、主人公に何があったのか? そしてゲーム収録パートへ。 今日ついた嘘を答えろと言われたので少年に対し自分の事として語った事?と入れてみるも嘘判定に。 でも、もし本当の事を言ってもどうやってAIはそれが嘘か本当か判断しているのかも謎ですし初回はともかく、今回は主人公視点での解答としては間違ってないはず。 とはいえいくらAIが有能だとしても仕方ないか…と再び挑戦をする流れへ。 内容は、イケボでの台詞読みという人によっては羞恥心で大変になりそうな物。 確かにイケボでこんな事を言われたらときめくかもなぁ?と思う内容でしたし、私自身も配信でプレイしていたのでノリノリで読みましたが…。 「安心しろ、俺はいつだってお前の味方だ。お前の為になら何だってできる。だからそんな顔するなよ」 やはり、全てを知っているとこれはただ無作為に選ばれた台詞ではなく『言って欲しかった事』だったのだろう。 もうこの時点からすでに足音というべきか、現実への侵食が始まっていたのだろうと思わせてきます。 精一杯のイケボで対応する主人公、それを感知したのか挑戦クリアというAIの件。 さすがに恥ずかしすぎてリトライしたいとルール違反は承知で画面をリロードし別のお題に挑戦しようとするも、画面は404になってしまう。 ゲームの進行状況がブラウザに記憶されていると思いあれこれ試してみるも、全く解決はせず。 仕方がないので、もう一度編集中に自分のイケボを聞かないよう無編集で本日は投稿する流れへ…。 ◇ゲーム3日目 朝、家を出るとアパートの前に引っ越しのトラックが止まっている場面を目撃。 誰かが引っ越してきたようですが、一人暮らし用のアパートで近所づきあいなんてものもないという事で気にせず学校へ向かう事に。 そして、ここから主人公の投稿した動画再生数に変化が。 ナナヨノユメガタリ実況は今までにない数字の再生数を1日で達成し、初回に至っては1000再生を越えるという1年かけて出した最高スコアの3倍強をたった2日で達成するという勢いの良さ。 もしかしたら、有名実況者が同じゲームの配信をしていてそれの影響で伸びたのか?と検索をしてみれば確かに1つ該当する物を発見。 0時前からスタンバイしていたようで、404画面から始まったのは主人公と同様のようですが何故か時間になって更新してもゲーム画面に切り替わらない…? どうやらこのゲームにはアクセスできる人とできない人がいるらしい。 けど何の為に?どんな条件で選ばれている? 都市伝説として有名になったサイトという事で、雰囲気作りの為かと主人公は推理をしているようですが何とも不気味ではありますね。 他のちゃんとプレイできた人の動画を確認すれば、そちらでは質問をした結果ちゃんと正解をしている様子。 正解と不正解が出る判定もやはりわからず、そもそもランダム設定という可能性もあるのか? 質問内容が絶対に誰にでも証明できる計算問題等ならまだしも、その人に関する情報となれば大前提としていくらAIでも成否を確かめるなんて無理があるはずですし。 疑問は残る物の、本日の収録としてまたプレイへ。 どうやらプレイした人に関する記録は残っているらしく、件もお話をするのは3回目とカウントをしていますね。 そして、少しずつあなたのことがわかってきました。とも。 今日もやる事としては質問を選択。 「あなたは偽善を貫き通せなかった普通の人間と悪人、どちらの方が罪が重いと考えますか?」 まぁた難しい問題が出たな…? 偽善を最後まで貫けないという前提がどちらも共通ならそこに違いは大きくないというのが個人的な考えではあります。 しいて言えば、普通の人間の方が不満を持たれそうですが悪人なら元の印象からそこまで悪印象には繋がらないだろうという差が生まれる程度で。 そうしてやはりどう答えても嘘判定をされ挑戦をする流れに。 「明日乗る電車はいつも乗る車両の右隣にして下さい」 挑戦内容の指定も、初回からですが本当にやったのかやはりAIに判別が難しいのではないかと思える内容。 というか、もし主人公が電車を利用していない人ならどうなるのか? それに、通学で電車を利用する際っていつも乗る車両を決めている物なのか? これが普段電車を利用しない者としてはまず疑問だったのですが、指定されるという事はあるのでしょう、きっと…。 ◇ゲーム4日目 どうやら私の心配した事は杞憂だったようで、主人公は駅まで徒歩だっただけで電車通学をしていた様子。 それに決まった車両を利用しているようで、番号が1つずれた位置に並んでいるようです。 知らない電車が着たりしたら面白かったのに、なんて主人公は思っているようですがそれは完全にあっちの世界に行くフラグなので回収しない方が幸せだよ!? と結構真面目にツッコミを入れつつ。 しかし、ある意味車内はいつもと違う電車だったというのか女性専用車両に乗り込んでしまったらしく。 この主人公男だったよな!?あ、これはまずい…。 周囲の視線も冷たいから移動をしたいのに、車内は空いているのに何故かドアの周囲だけ人が固まっているので別の車両へ移動する事もできない! 誰かここから俺を出してくれ~~~!! そして、時間が経過しそれまでと違う視線を感じた主人公が顔をあげれば目の前にはまっすぐにこちらを見つめる知らない男が。 異様な形相をしており、そもそも人の事は言えないけどここって女性専用なのに何で男性が他にもいるのとか。何でこっちを見てるのとか…。 不思議な事や言いようのない恐怖を感じながら顔を伏せ、ドアが開いたのを確認後ホームへ飛び出し別の車両へ乗り換えた主人公。 家に帰宅し確認すれば、初回の動画はさらに大きな再生数を出している様子。 他にも有名どころな人がサイトの接続に挑戦し話題を呼んでいるという事で、伸びやすい題材なのは違いないのでしょう。 とりあえず、今日も今日とて真実を選択。 「あなたは悪い人ですか?」 これもまた難しいというか、何を基準において答えればいいのか悩みますね…。 誰かにとっていい人だとしても誰かにとっては悪い人に思われる事はありますし、じゃあ1度も小さな悪い事もした事がないかといえばそれはありえないでしょう。 子供の頃なんてそれこそ平気で喧嘩になれば誰かを叩いたり、遊びで虫を殺すとかやりかねませんし。 対象が虫というなら、人間にとって不快とかそういう理由で殺すのもどうなんだ?と定義をまず問いたい所。 まぁ、無難に答えるなら「悪い人」でしょうか。 嘘と判定されましたが。という事で本日の挑戦は? 「今日会った人達の中で一番印象的だった人について話す」 またこれ、挑戦をやったかどうか音声で判断するのでしょうかね…? ちょうど話題としてあの電車で遭遇した男性の事があったのでそれを話題として語る主人公。 ホラゲメインの実況者なのだからこういう時は怖い感じで話した方がいいかもしれないと思いつつ、オカルト的な現象として結びつけたくないという理由から笑える話っぽく語ります。 いや、そこは根性見せようよ!?と芸人魂を求める私のツッコミが入りましたが、オカルトにおける定説を破る事であの男性を紐づけないで終わりたい気持ちはわからなくもない所。 挑戦にクリアすると、AI件が意外な発言を。 どうやら話に出てきたその男性にとても興味がわいたとの事。 「せっかくなのでその人の正体について考えてみて下さい。これは個人的な興味なので強制ではありません」 と言われても偶然出会った相手の正体なんてわかる訳がないよなぁ…と思っていれば、どうやら先にこのゲームの7日目を配信しようとしている実況者がいるようで。 ここでその配信を見るか見ないかの選択肢が出ましたが、初見ではやっぱり自分でやって新鮮な反応を収録するのが一番と見ない方を選びました。 全エンドを回収後、もし見た場合にどうなるのかが気になったので見る方を選んでみたのですが…。 どうやら最後の質問にクリアした場面に立ち会えたらしく。 今度はAI件がその実況者の質問に答えてくれるようです。 その質問用に別窓が開いたらしく、その実況者の環境では別窓がキャプチャできないという事で入力後にカメラで直接モニターを写すようです。 そして、質問を入力し終えたようでここからカメラを用意するのかと思いきや…どうやら答えがすでに出ているらしい? 内容としては本当に真実らしく、その実況者からすれば何故知られているのかわからないといった様子なのがうかがえます。 そして、奇声を上げる実況者。 主人公は怖くなり一旦ページを閉じるも、再び開いてみればそこには404画面と右上に顔出しで映っていた実況者が椅子だけを残し消えている様子が…。 シークバーを巻き戻して確認すれば、ドタドタと遠ざかっていく足音と、微かに聞こえたガラスの割れる音。 …もしかして、発狂しながら部屋から逃げようとしてベランダ戸サイズ位の大きなガラスに体当たりした? もしくは何かコップなりを落としたのか、どちらにしろ正気でないのは確かですしその実況者を知る人曰くそういうドッキリや奇声をあげる人でないという事から何かがあったのはほぼ確定。 このゲームを7日目までやったら発狂するような何かが起きる…? ◇ゲーム5日目 収録前にSNSで七夜の夢語りについて検索をすれば、体感的に1割程度の人がアクセスに成功しゲームに挑戦しているらしい。 選ばれないと駄目というのは知っていましたが、それにしても倍率がおかしすぎるような…? さらに昨日の実況者以外で7日目を終えた人はまだいないのか見つける事はできなかったという謎が深まる状況に。 大体4~6日目で止まっており、4と5日目で止まっている実況者はSNSで今も活動しているのを確認できましたが6日目まで投稿した実況者はSNSもぱたりと更新が止まっている。 つまり、7日目に挑んだら何かが起きた? 主人公としても続行すべきか不安のようですが、ここでやめた方がもっと悪い事が起きるような予感がするのと純粋に先が気になったので続行へ。 そして安定の正解できないのはもう前提で真実を選択。 「あなたが昨日会った男の人ですが、見覚えがあるでしょう。それは誰ですか?」 ここはフラグが建たないと正解を入力しても駄目みたいですね(再プレイにて確認) どのみち、本来は知り得ない情報なのでわかる訳がない。 という事で今回の挑戦は無茶ぶりとも言える内容ですが… 「昨日話した男の人が誰だったのかを明日のゲームまでに思い出す事です」 いや、ほんっとうに知らないんだけど…どうしたらいいのこれ!? 思い出せという表現から、面識があるような言い方ですが主人公は覚えていない様子なのでこれは絶望的としか言いようがない。 強制的に挑戦失敗になるのでゲームオーバーになるのではないか…。 しかし、このまま続行した場合を恐れていた主人公としてはむしろ無理難題でクリアができないからこそ逆に安心できるというのがまた素直だなぁと思える心境ですね。 ◇ゲーム6日目 それでもあの時の状況を思い出してみれば、あの男性はスーツを着ていた事から恐らく毎日通勤手段として同じ時間の電車を利用しているはず。 全ての車両を確認すればまた会う事はできるのではないか? ここで再び諦めるか続行するかの選択肢が出ますが、ここまで来たら突き進みましょう!! 電車は次の駅まで10分はかかる快速。 だから探索する時間は充分にあるはずと車両を移動し、あの時の女性専用車両も通過だから!それだけだから!と気まずさを感じながらも突破。 そして次の車両に到着すればあの男性を発見。 今日は普通の顔でゆったりと座席に座りスマホを触っている様子でした。 あの時の表情も、もしや間違えて女性専用車両に乗った気まずさからだったのか?等と考えていれば停車駅に到着したようで男性は降りてしまい。 やはり見覚えもないしどうしたものかと思えば、男性は降り際にポケットから定期入れを落としてしまったようでした。 それを拾って渡そうと思うも、その前に閉じてしまう扉。 仕方なく、自分の降りる駅で落とし物として届ける事にし何となしに定期入れの表面を眺めてみると。 『ナガシマ タツオ』という持ち主の名前がそこには表記されていました。 こんな形で彼の名前を知る事になろうとは……。 いざ、ゲーム収録パートに入るかと思いきやなかなか勇気の出ない主人公。 一応男性の名前は判明しているのでどうにかなりそうではありますが、無関係なサイトを眺めるだけでついつい足が遠のいてしまう。 もう今夜はあのゲームをせずに寝よう。 ×ボタンを押して画面を閉じてみれば、その後ろに隠れていたデスクトップにある新しいショートカットが…。 AI件の頭のアイコンに、お話しようという名前。 試しにそのショートカットを選択すればサイトのトップに接続され。 しかし、こちらも右上の×を押せばちゃんと閉じるボタンは機能しているようです。 PCもそのままシャットダウンする事ができるようなので、本当に忘れて寝てしまう事もできるし挑戦する事もできる。 …もし、ここでシャットダウンをしたらどうなるのかなと思ったのであえてこちらのルートへ。 主人公は絶対オカルト的な何かと思いたくないらしく、これだけ手の込んだ細工をしているサイトなのだから勝手にショートカットが作られる仕組みがあってもおかしくない。 と言っていますが、それはもうPCを侵食されているという点ではウイルスと大差がないような…。 すると、本来は7日目と日数が進むはずなのに何かの鳴き声と共に赤い文字で表記は6日目にさかのぼり……。 逃げる事はできなかったか。 暗い部屋の中で輝く光源であるPCモニター。 何故かヘッドホンを繋いであるはずなのにモニターのスピーカーから流れるあのサイトの音楽。 曲は同じですが、どこか不協和音な響きもあって不気味な雰囲気が漂います。 しかも今度はPCを終了させる事はできず、選べるのはあのショートカットのみ。 仕方なくアクセスすれば、まずは挑戦の解答として男性の名前を入力する流れに。 初回はここで度忘れをしてゲームオーバーになりました。 定期にあった名前を入力すれば、クリア判定になったようで本日のゲームが開始。 ひとまず、真実を選択。 「あなたの友達が窮地に陥っていたとします。その窮地を脱するのはとても困難で誰かの助けが必要です。あなたは友人を助けますか?」 まぁたこれは難しい問題を……。 まず、その窮地の前提と友達が誰かを教えてくれ。 それによって最適解が変わるから!!と、その上でガチな解答をしたいと思うも、どうあがいても嘘判定のようで。 ここでようやく、最後の挑戦を出されます。 「最後のゲームまでに『私』を思い出す事です」 『私』…?ってこのAI件の事だよね? 実在する人物であるあの男性ならワンチャンまだ問題としてわかりますが、今回ばかりはもう答えようがないのでは? AIの名乗る名前、件とは牛の妖怪です。 さすがに妖怪相手に接点があるとは思えないとこれには主人公も悩むばかり。 そして、画面を閉じればデスクトップにはタイトル画面にいたリアル件が!? もうこれ演出とか仕込みとかそういうレベルじゃない。 絶対都市伝説というか、怪奇現象のそれしかありえない内容でしょう。 個人的にテンションは上がりましたが、主人公としては恐らく寿命が縮んでいるのは想像に易く。 ◇ゲーム7日目 もう日数を表示する際の色が赤い…。 いよいよ最後とはいえ、さすがに妖怪の知り合いなんている訳がない以上無理がありすぎます。 そして主人公はようやく気付いたようですが、何故男性と主人公に接点がある可能性をAIは知っていたのか? 電車にある監視カメラの映像をハッキングでもして情報源にしたとか?他にも個人を識別する何かがないと難しい辺り前提は不明のまま。 7日目を終えた実況者は発狂をした。 6日目までしか終えていない実況者は消息不明になった。 今回の結果がどう転ぶとしても、高確率で主人公もこのどちらかの仲間入りをする可能性は高い。 何か助かる方法があるはずだと最後の足掻きをするしかない。 ここで、ショートカットができてから使っていないインターネットのショートカットが選べるようになっているのを発見。 検索サイトのページが出てくるので、ここで件について調べれば助かる手段があるのではないか? 初回はとりあえず思い当たる限りを試してみましたが、検索をかけても文字化けになってしまい何もわからずにバッドエンドを回収しました。 となると、他に情報として与えらえているワードは…男性の名前? すると、どうやら当たりらしく件としても名前がわかるなら後は主人公が自分で正体を調べられるから正解判定にしてくれたのだと理解しました。 そして出てきたページをみれば…一番上にはニュース記事があり『女児殺害事件』という物騒な言葉が。 10年前に起きた事件であり、被害者の少女の名前は『永島ゆみこ』 逮捕されたのは10歳の少年だったが両親の思いも虚しく極刑になる事はなかった。 そしてページをスクロールすれば現在の遺族の姿として出てきた『永島達夫』の画像。 ここで、主人公は件が誰だったかを思い出したようです。 内容として、とても忘れられない位ショッキングな物とは思いますがだからこそ自己防衛として記憶を忘れていたのでしょう。 10年前、クラスにいたエイジといういじめられっ子に対し自分もいじめに加担したくないからと席が隣だったのでよく教科書を見せていた事。 いじめっ子に向かって苦言を呈するような度胸はないが、いじめには加担したくない。 自分はそれなりに真っ当に生きているつもりであれば、そう思うのはわかる範囲です。 学校という閉鎖空間の中ではどうしてもその中だけで人間関係が完結してしまう。 だから矢面に立てば自分の立場が悪くなるので強気には出られない。 誰だって自分が可愛いから。 だけど、見て見ぬふりをすればそれは実質いじめを黙認している事であり加担しているのと大差はない。 だから主人公は中立でありながら、できる範囲でエイジを助けていた。 本来ならここで、先生なり大人がしっかり動いて指導なり解決をしなければならないでしょう。 けれど気の弱い先生はいじめグループの保護者を恐れて見て見ぬふりをしていた。 …教育者が、一番やってはいけない事を。 そして、グループ行動の時になればエイジの腕を引き面倒見の良い生徒に押し付けて自分は知らんぷりをするように…誰かこいつの教員免許はく奪しろ!! そうやって段々負担は増えていき、いつしか主人公はエイジの親友という事になっていた。 主人公を親友だと思ったエイジは色々な事を話しましたが、その内容はあまりにも荒んだ家庭の事情。 本来なら見えない場所とはいえ体に無数の痣があるのだから証拠もある以上即刻虐待として通報してもいいでしょう。 どのみち、小学5年生の子供にはあまりにも重たすぎる問題です。 やがて主人公はエイジと距離を置くようになり、できるだけ他の友達と遊んで一人になる時間を作らないようにした。 それでも、朝の待ち合わせもしていない登校時間になればエイジは家の前にいる。 とうとう限界を迎えた主人公はそこでエイジを拒絶する言葉を伝え、彼を残し一人で登校をする事に。 そして後日、全校集会が開かれあの日…あの後空き家でエイジが女児を殺害した犯人として捕まった事が話される展開へ。 突き放しこそはしたけれど、主人公はエイジが殺人をするような奴ではないと思っておりすでに心が限界でおかしくなっていた彼はただ死体にずっと話かけていただけだと思った事。 それは主人公が相手の時も、返事をしなくてもずっと話を止めなかった時と同じようにされていたのだろうと。 だけど、その事を主人公は大人達に言う事ができなかった。 もしもそれを言えばエイジの事を突き放した自分が悪者にされる気がして、どうしても言う事ができなかった。 だから俺のせいじゃないとずっと、ずっと記憶を奥の方へ閉じ込めていた。 そして、自動的に立ち上がるサイト。 そこにいたのはいつものデフォルメされた件ではなく、あのデスクトップにいたリアルな件…エイジであり。 件の正体がエイジであると入力すれば、最後のやり取りが始まります。 あなたは真実を答えますか? それとも挑戦しますか? 真実を選べば最後の質問の内容は…。 「私の事は好きですか?」 これもやはり、はいといいえどちらも駄目だったので強制的に挑戦になるのは確定なのでしょう。 しかし問題はその内容であり。 「今からあなたの元にナガシマタツオさんがやって来ます。そこであなたにとって一番良い選択をして下さい」 待ってくれ、それってあの父親の事だよね…? と思う間もなく鳴り響く玄関のチャイム。 まずどうやってここの住所を知ったのかすらもわからないのに、今度はドアを激しく叩く音も響き渡り。 息を殺してやりすごそうにも、何故か開いてしまった鍵。 とっさにドアチェーンをしようにも間に合わず男が中に飛び込んできたしまった。 永島は問いかける、お前はエイジの親友なんだよな?と。 あいつは今どこにいるんだ?お前なら知っているんだろう?と。 やはり少年法により裁かれなかった事が親としては無念だったのでしょう、エイジの居場所を突き止めて殺すつもりなのは行動から丸見えであり。 同時に、その為なら手段を選ぶ様子もない…知らないと本当の事を言っても頬に走る痛み。 「真実を答えろ!」 まるで、今までやっていたゲーム『真実か挑戦か』のように。 だけど今度は失敗をすれば自分の命がないというリスクがあまりにも高すぎる理不尽極まりない状況です。 ここで最後の選択肢、親友なのを認めるのか否定するのか。 主人公からすれば少なくとも、勝手にそういう事にされただけで親友と思ってはいないのでは? エイジはそう思っているとしても。 でなければ、少年とのやり取りの際に心の中とはいえ『クラスメイトの話』なんて表現はしないでしょう。 根底にあるのは、ただ自分はいじめに加担したくなかっただけ。 なのに、周囲に頼れる大人はいなくてその負担は気づいたら自分に重く圧し掛かっていた。 付き合いはあったとしても、それを親友と呼べるのか? とはいえ、恐らくこれは否定する方がバッドエンド扱いでしょうから初回は「いいえ」を選びました。 結果として主人公は殺され、さっきまでリアル件が出ていたあのサイトは初日の状態に戻り件の姿も当初のデフォルメされた姿へ。 7日目までゲームをクリアすれば、何でも真実を1つ答える。 この狂気に飲まれた永島にとって、欲する真実など決まっており…恐らく挑戦するという事なのでしょう。 「はい」を選べば、促されるままに語った結果事件の後にエイジは引っ越していったのでその後の事は本当に知らない事を話す事に。 そして、血走った目でこちらを見る永島は本当にここには手掛かりがないと知るや無表情で部屋を出て行った。 助かった事に一息…と思えば、それを見計らったかのように聞きなれたあのサイトの曲が部屋に響き。 どうやら、これが一番良い選択だったようで完全にゲームをクリアしたようでした。 しかし、こうなると当初の目的だった超人気実況者になる方法なんてふざけた事を聞く気にはなれず。 かといって今の自分に知りたい事はない。 もうここまでくれば、命が助かっただけで充分というか…これ以上関わりたくないというのが本音でしょう。 結果、強いて言うならと入力されたのは『エイジの現在』という言葉。 確かに彼はあの後どうなったのか連絡も取れていない以上不明です。 ある意味元凶というのか、さっき命を狙われる原因にもなったのだし気になるのは自然な流れと思ったのですが… 「なるほど。親友の事を気にかけてくれたのですね。ならばそれに答えましょう」 「安心して下さい。あなたのお友達はすぐそばにいます」 …もしやこれ、もうすでに死んでいて背後霊になってるとかそういうオチじゃないよな? なんて思った私が浅はかでした。 「今は隣の部屋で、あなたとまた話せる日を楽しみに過ごしています」 つまり、あの時に見た引っ越しのトラックは…そういう事で? あの時から、ずっと隣の部屋にエイジはいた…? 「これからもずっと一緒にお話ししようね」 件が最後の台詞を言い終わると聞こえる玄関のチャイム。 あぁ、今度はエイジがきたのか……。 ◇エンド各種等 結果1:詰み ゲームを途中で止め、別のゲームで遊んでいると何者かが部屋にやってきたエンド。 4~5日目で止めた実況者は生き延びているとあったのでワンチャン助かるかと思いきやそんなことはなかった。 結果2:非常停止 何かの衝撃で線路に突き落とされた主人公エンド。 宙を舞い次の瞬間真っ赤になって飛び散った。(彼岸花だけにか?と顔を引きつらせつつ) 誰か線路に落ちたから非常停止ボタンを!という声があったので本来はその意味合いの言葉なのでしょうが、この場合はゲームを非常停止させた結果という点にもかかっているエンド名としては好きです。 結果3:終わり 入力でミスをした場合のエンド。 先2つのような場合もあるのでしょうが、恐らく消息不明になった実況者もこのように無の空間に取り込まれたのかなぁ…。 結果4:コンテニュー 殺されてしまいゲームオーバーとなった主人公の代わりに…なエンド。 果たして永島は7日間を突破できるのか?それ以前に捕まりそうなのでどのみち無理な気はしますが。 このどんどん次の挑戦者を招き入れて続くのが伝染していく都市伝説という面として良い味を出したエンドだと思います。 結果5:無限ループ ズッ友エンド。 正直、これだけは人怖案件ですね。 他は都市伝説に関わった事で中断できないか試練を越えられないなら死あるのみ!という感じだったのに対しゲームが終わっても何も解決はしていない。 むしろ、下手をすれば知らない方が良かったまである後味の悪さ。 とはいえ、このゲームにおける背景を思えばハッピーエンドがある方がおかしいとは思うのでこれは仕方ないのでしょうね。 主人公がされた質問や挑戦を振り返ってみれば 「では、自分の犯した最も重い罪を答えてください」(忘れているエイジ関連) →駄目だったら困ってる人を助けろ(エイジを連想させる少年との接触) 「今日ついた嘘を答えろ」(少年への言葉?) →駄目だった場合はイケボで「安心しろ、俺はいつだってお前の味方だ。お前の為になら何だってできる。だからそんな顔するなよ」(エイジの言って欲しかったろう言葉) 「あなたは偽善を貫き通せなかった普通の人間と悪人、どちらの方が罪が重いと考えますか?」(主人公自身の罪) →「明日乗る電車はいつも乗る車両の右隣にして下さい」(永島との接点を作る) 「あなたは悪い人ですか?」(どう答えてもアウト) →「今日会った人達の中で一番印象的だった人について話す」(永島深掘りフラグを建てる) 「あなたが昨日会った男の人ですが、見覚えがあるでしょう。それは誰ですか?」 →「昨日話した男の人が誰だったのかを明日のゲームまでに思い出す事です」(さらに深掘りさせる) 「あなたの友達が窮地に陥っていたとします。その窮地を脱するのはとても困難で誰かの助けが必要です。あなたは友人を助けますか?」(エイジは助けて欲しい) →「最後のゲームまでに『私』を思い出す事です」(エイジを思い出せ) 「私の事は好きですか?」(どっちもアウト) →「今からあなたの元にナガシマタツオさんがやって来ます。そこであなたにとって一番良い選択をして下さい」(親友と認めなきゃ死ぬ) と、段階を踏んでエイジの事をちらつかせつつ女児の父親である永島との接点を作り何かしらの手段で主人公の家に向かわせた。 その上で、エイジを親友か問われた際に「はい」と言わせ最終的にはエイジはもうすでに隣の部屋にいると判明する。 引っ越しのトラックがきた時点でもう居場所が割れている点で逃走不可能ではありましたが、あのAI件とエイジがリンクしているなら彼は主人公が親友だと言ったのを聞いた上で部屋にやってきた。 そこからは逃れられない無限ループに入ると思うと、ある意味否定して死んだ方が救われたまであるのかもしれないのが難しい所ですね。 最初から、この都市伝説に関わらないのが一番良い選択だった。 とはいえ…恐らくこのゲームの存在を教えた『。』は匿名でこそありましたが、恐らく主人公があの時の親友だと気づいた上で誘導したエイジの気がするのでお隣さんになる前から色々割れていたよなぁと。 それとも選ばれた1割の人は全て『。』(匿名にあたる何かの名前)によって誘導された人だけだったのか。 件がエイジだった事を思えば、主人公だけをピンポイントで狙った内容に思えますが発狂した実況者もいた辺り何かしらの後ろ暗い物を持った人だけが選ばれるようになっている可能性もありますね。 その人にとって、主人公へのエイジみたいなそういう何かがその人におけるAI件の正体になる。 現代らしいAIにちなんだ都市伝説の怖さとしては充分楽しめました。 そして、個人的にもう一つのテーマというべきか…果たして主人公の行いは罪となるのか?等といった部分。 これは正直、周囲の大人がまずどうにかするべきだったのに先生が知らんぷりをしたのが一番マズイと思った事。 エイジの母親としては再婚相手である夫に暴力を振る舞わない為にエイジが殴られるのを黙認するしかなかったのでしょうが、本当なら通報するべきだった事。 問題が学校だけの話でなく、家庭も絡んでいる時点でエイジはもっと早期に保護され然るべき処置を受けていればあそこまで心が壊れる事もなかったでしょう。 なので、この辺は完全に大人の責任だよなぁとは思います。 難しいのは、いじめに加担したくないけど面と向かって言う事もできない。 ただ、嫌な奴になりたくないだけの偽善を貫けなかった主人公はどうなるのか? 大人になれば一度関わるなら、助けるつもりなら最後まで手を離してはいけないとかちゃんとした機関に連れていくよう説得するなり判断もできたでしょう。 大人でも子供でも自衛手段として、自分の手に負えないと思えば見放すのも優先度として考えれば仕方ない話ではあります。 だから、何をすべきだったかしっかり対応できなくてもそれを責めるだけなのも違うとは思います。 元々、いじめに加担したくないからだけで行動していた以上主人公は悪者にはなりたくないからやっているだけという心理がうかがえますし。 そうなれば、エイジがすでに心が壊れているので殺人はしていないと説明をするにあたり自分が責められる事を恐れるのも理解はできます。 正直、大人でもそこで真実を切り出せるか?は難しいと思うので無罪とは言えないけど許されないと言ってもいけない程度。 が恐らく落としどころなのかなと(エイジからすれば親友に見放されたと思っているでしょうが) どのみち、結果5の後の世界では実質のバッドエンドが続くので今度こそ何ができるのか? そこが試されるのでしょうね。 @ネタバレ終了 元々、牛の妖怪である件は予言をする能力を持っているという点で何でも知っているAI都市伝説に妖怪の姿を合わせるならちょうどいいチョイスだと思いました。 本来なら予言をした後すぐに件自身が亡くなってしまうという問題も、ネットの世界に本体がいるならきっと解決しますし妖怪的にも案外ちょうどいい場所なのかもしれませんね。 現代らしい都市伝説としてのおそろしさやストーリーの背景。 素敵な作品をありがとうございました。
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裏表旅館感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 とある事件が起こった旅館を取材に行く、という事でジャンルである『表と裏の人間味が見えるかもしれないホラーADV』という部分に期待をしつつ遊ばせていただきました。 @ネタバレ開始 最初はてっきり、タイトル画面にいる男女のどちらかが主人公でもう片方が助手なり付き添いの人かな?と思っていたら全くの第三者らしく。 出迎えてくれたのは花の髪飾りが良くお似合いな女将さん。 主人公はオカルト系の雑誌の取材という事でとある事件というのも、恐らく霊現象の類か?と目星をつけつつ読み進めました。 宿泊していたのは男性客が陽太、女性客が影美であり女将の証言によればカップルだったよう。 会話から、陽太の方が頭をぶつける怪我をして一部記憶を失っている様子。 外も酷い雨らしく、すぐに病院に行こうにも外に出にくい状況というミステリーなら事件が起きそうなセットですね。 女将が、影美が陽太が目を覚ました事を伝えに行った際「嘘の色があった」という言い回しをしていたましたが…。 どうやら彼女は最初からこの旅行で彼を殺すつもりだったようで。 記憶喪失になるような、頭をぶつける怪我も彼女が崖から突き落としたものだった…? それでも死ななかったので、料理に毒を入れたという辺りかなり殺意は高そうで、ここで話の続きを聞くか選択肢が入り。 とりあえず、エンド数が3なら順番に集めて行こうという事で一旦ここは聞かない事に。 からの…タイトル画面に戻れば先程の出来事が反映された変化をしてるタイプだった!? 引き続き先程の選択肢から聞く事を選べば、女将はこの事件の真実を語ると覚悟を決めた様子になり。 先程まで彼を殺して笑っていたはずの影美が吐血をしている…? それと対照的に先程まで苦しんでいたはずの陽太は元気そうで、どうやら彼女の企みにはとっくに気が付いていたらしい。 毒の入った料理はしっかりすり替えさせてもらったと、相手がどのタイミングで自分を殺そうとしているかまで読み切って。 しかし、陽太の方は命が狙われていた事はわかっていても理由までは知らない様子。 だけど自分を殺そうとしてる以上これ以上やっていけないよね、と言った上で彼女の最期の言葉が自分の名前であって欲しいととどめをさしたようで…。 これで物語は終わったのかと思いきや、どうやら主人公は何か疑問がある様子。 反応を見るに、陽太も世間に出ている事件の概要としては死んでいるっぽいのでしょうか? 少なくとも、消息不明にはなっているはずなのにそれなら女将がその事を知らないのもおかしい、そういった指摘なのでしょう。 「なるほど。ご名答です」 …まだこれが全てではない、この話にはまだ続きがあるというのは当たりのようです。 とはいえ、女将の反応を見るにこれ以上踏み込むのは何となく危険な香りもしているような。 「世の中には知らない方がいいこともあるのです」 事件のせいで旅館への客足が減れば困ると言っていた通り、真相がどうであれそれが旅館にとっての不都合であれば女将としてもあまり語りたくはないのが本音でしょう。 知らない方がいいこともある…というのは、往々にして正しい事も多いのは事実。 そんな時のセーブ!という事でまた一旦、聞かないを選んでエンド回収へ。 すると今度は、確かに真相として死んだのが逆になったけどさ…けどさ!? タイトル画面の回収したエンドに応じて変わる仕様がなかなか凝っています。 変化した要素を確認したところでロードへ。 場所を移しましょうという女将の提案からどこかへ移動。 暗がりのようで、足元も危ないのかな…と思いきや 「では、ちょっと失礼しますね」 「えいっ!」 こんなテンポよく刺されるとかあるのか!? ある意味、ここまでテンポよくやられたのは初めてかもしれません。 一撃で仕留めそこなったという事で、視界が真っ赤な中語られる女将の言葉を聞きながら命の終わりを待つ事に。 女将としてはやはり事件が事実として公表され、客足が遠のくのは経営難になり生活にも問題が出る為都合が悪い事。 なので、全てもみ消すという言葉。 影美の事も陽太の事も、そして主人公の事も…。 最期に見た、こちらを見る女将の表情はぞわっとしますね。 そしてエンド名も「あなたは知りすぎた」というそれは殺されるよね…という名前。 タイトル画面に戻ったと思いきや、本日閉館!の文字でもう何もメニューが触れない!? 念の為、順番にエンド回収をしておいて正解でした…。 でもこれ、つまり自分の旅館で事件があった事そのものが問題だったので陽太も恐らく女将に刺されてから二人の遺体はどこかに遺棄されたのかな…。 タイトルにある裏表、光と影のような相反する物という意味で男女の名前に反映されているのは上手いと思いました。 しかし、一番怖いのは自分の生活の為とはいえその為なら平気で手を汚せる女将さんの方でしたね…。 @ネタバレ終了 短編ながらも凝った演出が光る面白い作品でした。 それではありがとうございました。
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7番目の怪談感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 七不思議に旧校舎探索とワクワクする要素がいっぱいという期待に溢れたあらすじに惹かれました。 @ネタバレ開始 最初に名前を入力という事で、ここはふざけずに自分の名前を。 どうやら新聞部員としてオカルト記事の取材をするべく旧校舎へ乗り込む流れのようですね。 やはり旧校舎という事で電気はつかず、懐中電灯を片手に探索をするというのも結構古き良き流れになりつつあるなぁと謎のノスタルジーを感じました。 事前の聞き込みから判明している七不思議は6つのみ。 定番といえば定番ですが、やはり七不思議すべてを知るのは危険という点から最後が埋まらなかったのでしょう。 ついでに判明している六不思議もあくまで伝聞なのでわかっているのは怪談の名前のみ。 タイトルから場所と何が起きるのかは何となくわかりますが、対処法は知っておきたいところですね…。 怪異が現れるのは下校時刻が過ぎてからというのが共通点、幸い時間はまだ少しある。 メモにあった伝聞での情報は確認できましたが、生還方法という点では参考にならなそうというのが本音ですしここは調査ですね! それぞれの六不思議に関連のある場所へ。 画面をクリックして探索する方式で、マップのあちこちを調べればヒントのような記載を発見。 ・口裂け女→ポマード3回 ・鎌のおばあさん→ババサレ(婆去れ) ・一人こっくりさん→へそ曲がりで逆の事ばかり答える ・美術室謎の声→赤と青以外の色(伝聞の青の詳細は不明が完全に罠だこれー!?) ・テケテケ→急には曲がれない ・花子さん→他のみんなと遊んでからじゃないとだめ とりあえず対処法はこれでバッチリ? 花子さんだけ出現条件であり対処法とは違うのが気がかりですが…後は待つしかない。 しばらく待てば下校時刻を知らせるチャイムが旧校舎にも響き渡り…空気が変わったどころか明らかに血糊があるぞ…!? それだけで嫌な予感しかしませんでしたが、突如主人公を呼ぶ声が。 呼ばれるままに外へ出てみると、同じ高校の制服を着ている見慣れない生徒の姿。 「七不思議、全部見つけないと死んじゃうよ」 そしていきなりそんな言葉をぶつけられ…どういう事だと思うも生徒は立ち去ってしまう。 彼女の存在は気になりますが、七不思議に関与しようとした時点でまぁ見つけて対処しないと危険はつきものですしとりあえず旧校舎へ。 どうせ全部行かなければいかず、花子さんは察するに他の5つを終わらせないと出てこないでしょう。 ◇保健室 という事で口裂け女から対処へ。 配信では初見突破したので裏で試してみたのですが、ちゃんと3回ポマードと入力しなかった場合1回ではアウトの判明になるんですね。 回数含めてちゃんと意味があるというのはちゃんと管理されてるなぁと感心しました。 ◇図書室 次は図書室へ、怪異とはいえ二階の窓辺りまでよじ登るって大変そうだよなぁ…等と思う暇もなく胸倉を掴まれるピンチに!? ちゃんと呪文を唱えて撃退完了。 (窓から真っ逆さまに落ちていったというあたり果たしてババサレは大丈夫なのだろうか) ◇空き教室 次は空き教室のひとりこっくりさんへ。 そもそもこっくりさんは一人ではできないはず…ですが、七不思議なら仕方ない。 質問をすれば逆の答えをするものの、すごくテキパキと答えてはくれるこっくりさん。 終わらせる段階になり、このこっくりさんはへそ曲がりという事を考えれば本来と逆の事を言えばいいはず。 「こっくりさん、帰らないでください」 無事にここも突破完了。 事前に情報収集さえすれば凡ミスをしない限りスムーズにいけますね。 ◇美術室 次は美術室。 噂通り、質問をされ体は金縛りにあったように動かない…。 赤と青以外に、黄色という選択肢があったのでこちらを選択。 「ごめんよ……黄色の絵の具は切らしてるんだ」 思ったより律儀に謝るんだな!? 間違えれば命がない相手とは承知ですが、こんな反応をされると絶妙に憎めないというのか…。 とりあえず突破したのでよしとしましょう。 ◇二階廊下 ラストが花子さんという事で、残るは二階廊下のテケテケですね。 深呼吸をしてから廊下を走り始めると、ほぼ同時に背後から迫りくる異様な足音が! しかもやはりスピードに関しては前評判の通り、かなり早いようで走り続ければ勝ち目はない。 という事でとっさに教室へ!! 『飛び出すな 車は急に 曲がれない』はテケテケにも言えたようで…スピードを出し過ぎた結果壁に衝突するというちょっとかわいそうな事になったのを確認。 いつもはその前に獲物を捕まえているから、壁にぶつかるのは初めてだったのかもなぁ…。 なんてテケテケの生態に思いをはせつつ、これで5つは無事にクリアです。 ◇二階トイレ 残るは花子さん…ですが、あくまで出現条件を満たしただけと思うと実質無策なのは手痛いですね。 お約束である呼び出しの方法を試せば扉の向こうでなく背後から声が? 振り向けばそこには小学生位の女の子が…花子さんに違いないでしょう。 しかも、手にはナイフを握っているという殺意が高すぎる状態という。 え、花子さんって首絞め遊びとかそういうのするんじゃなかったっけ?どのみち死ぬけどさ!? 「死んだ人と一緒に遊ぶなら、生きてちゃダメだよね。そうでしょ?」 いや、生きていても友達にはなれないかな!? こちらに向けられるナイフ、どうあがいても刺される展開。 誰かこの子の対処法教えて…!となったその時。 「……ごめんね。忘れてたよ。私たち、もう友達になってたね」 どういう事かわかりませんが花子さんは姿を消して。 え、何かわからないけど助かった…? とりあえず、場所もトイレという事で手洗い場にて手汗まみれの手や顔を洗い。 顔を上げてみれば…私の顔が、血まみれで死人そのもの……? ◇七番目 場面が移り、何故か私が名指しされている…? 私はすでに去年、旧校舎へ取材に行った際に刺されて死んでいた…!? 主人公が死んだ事で、それまで六不思議だった七不思議に最後の1つが増えてしまった。 そして、生徒の会話に出てくる3組の山本さんというのが旧校舎の外から声をかけてきた生徒でしょうね…。 いざ自分がなってみたらわかる。好奇心で私(七不思議)を呼び出さないで!?という迷惑さ…。 クリア後に追加される「花子さんの怪談メモ」にはそれぞれの七不思議についての詳細があり。 やはり生前も花子さんまではいけたけど、そこで主人公は刺されて死んだようですね…。 彼女が主人公を襲うのをやめた際に、メモに書いておかないと…と言っていたのはこういうつながりがあったのも上手い。 校内にあったヒントも子供の文字という事から花子さんが書いていたと考えるのが自然でしょうし。 自分こそが七不思議だから七不思議を全て見つけられず成仏できない。 個人的には、七番目のオチとしてはなかなかいいセンスだなと思いました。 @ネタバレ終了 油断すればデッドエンドを回収する事はありますが、ちゃんと探索をすれば問題なくクリアできる難易度でした。 オチがなかなかよかったので是非、色んな方に遊んでいただきたいなと思います。 それではありがとうございました。
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地下監獄ESCAPE感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 何故か投獄されてしまった主人公、唐突に決まった死刑の執行日…となればこれはもう逃げだすしかない! 地下監獄の脱出というシチュにワクワクしながら挑戦させていただきました。 @ネタバレ開始 開始から即宣告される死刑執行の日程。 日常でもそうですけど『余程のこと』は案外いつやってくるかわからないですよね。 死刑の前日は好きな食べ物を食べる事ができるというのは実際にある話とは聞きましたが、どうやら主人公としてはこの時点で何やら仕込みをしているっぽい? さらに食べ物だけでなく、煙草が吸いたいと要求をすればライターと煙草に灰皿を鉄格子の前に置いてくれる看守。 主人公が冒頭で述べた通り、死刑囚に対しての扱いという点では優しいというのは納得ですね。 そして脱獄計画の為、あらかじめ調べられる限りの看守の情報をまとめた紙を確認。 ・看守1のマウス お人好し。 ネズミが出た時に騒いでいた。最近結婚したらしい。 ・看守2のキッド 見た目が子供っぽいがマウスに命令をしていた。 誕生日を気にしている発言が多い。 ・看守3のケーキ ほとんど見ないので上の階層担当の可能性が高い。 ケーキがとにかく好物らしい。 名前は各自の特徴から付けた仮名のようですが、要点はおさえてあるでしょう。 鉄格子に指輪が当たった音や優しい看守という発言から目の前にいる看守はマウスでよさそう。 「あっネズミだ!」 するとそれに驚いた看守の目を盗んで火の点いた煙草を一本隠し、こっそりベッドを燃やす事に。 あれかな、ボヤ騒ぎを起こしてどうにかするのかな? そしてその間に始まる回想パート。 その日、誕生日だった主人公は一緒に祝ってくれる人はいないけど自分へのご褒美にケーキを食べる予定だった。 ある程度の年齢になると、周囲は結婚していって独身だと話についていけないとかあるよねぇ…とリアリティを感じつつ。 そして、新しくできた店でチーズケーキを購入し公園のベンチで食べていた時に背後からやってきた女に手錠をかけられた…? 以降の記憶はなく、気付いたら監獄にいた上にすでに死刑判決を受けていたという超展開。 怪しむべきはその背後からきて手錠をかけた女なのでしょうが…。 場面は切り替わり、充分に火の回った部屋ができあがり。 これで失敗したら死刑が焼身自殺になるだけというのはある意味、どのみち失敗したら死ぬしかないという点では覚悟を決めるしかないとはいえなかなかに肝が据わっている。 そして火炎瓶ならぬ火炎枕を看守に投げつけ上手くやり部屋からの脱出に成功。 服を交換してこれで監獄の中で行動をするにも目立ちにくくなった! ◇B3Fからの脱出 まずは最下層であろう地下3階からの脱出。 作りそのものはシンプルであり、右の廊下から看守を呼ぶ男の声が響く。 この時間の見回りが2人であり、片方は今スタート地点で倒れているマウスという事で看守がこないだろう左の廊下を選択。 無事に階段へ到着するも建物の作りとして階段を利用するには必ず各フロアを横切らないといけない。 これは脱獄する側としてはすご~く嫌な仕様ですね。 少なくとも、地上に出るまでは必ず地下フロアを後2回は横切るとなると…。 ◇B2Fからの脱出 空間も広くなった分見回る看守も5人に増えていると聞くと結構ハードモードだな?と構え。 その分廊下も複数あるので隠れやすいとはいえど油断はできません。 できるだけ看守が見当たらない廊下を選び進も、廊下を曲がってきた看守と目が合いさっそくピンチか!? 小柄という特徴から、恐らくメモの通りなら相手はキッドでしょう。 声をかけられても1回は聞こえなかったフリをする主人公。 するとこちらを疑問視しつつも、ここの暗証番号を変えたという情報をゲット。 声でばれないよう返事もうかつにできない事から、地下三階で煙を吸ったという演技をしつつ疑いの対象を地下三階へ誘導する事に成功。 ピンチと思いきやこの主人公、何気に有能ですね!? しかし他の看守に声を掛けられ対応を間違えてしまったので今度はダッシュで逃げ出す展開へ。 無事に階段へ到達し、下からすぐに入れないよう鍵をかけたまでは良かったもののとうとう主人公が脱走した事がばれてしまう。 ◇B1Fからの脱出 ここを突破すればいよいよ地上に出られるというところで鳴り響く警報、閉じようとする鉄格子。 さらに運の悪い事にほとんど変わらないと思っていた暗証番号まで変更されているという痛手。 とにかくヒントを探すしかないとそばにあった看守の机をあちこち調査。 すると日記帳があり、子ども扱いをされたという発言が…となるとこれはキッドの日記? さらに先程のキッドと思われる看守との会話内容から彼が暗証番号を変更したであろう事と暴れ出した囚人が呼んでいた看守の事を宥めていた看守が下へ向かったと言っていた事。 それなら、キッド=ミックで名前は恐らく合っているはず。 そういやさっき、目があった時に「ノア?」と言っていたけどこの日記にも同じ名前が…とその辺りは後々になってからなるほど、となりました。 表示されているパスワード(多分、これを解読しろという物)の表記に何か特徴というか違和感が…とここはわかりました。 パスワードの解除はできたものの、地上へ通じる階段は鉄格子で通れなくなってしまい…。 看守用の鍵では解除ができないという事で今度こそどうなるのだろうと思いきや今度は囚人を使った囮作戦と見事に活路を見出す主人公。 …本当にこの脱獄計画って未完成なんですよね?もしかして経験者? と思う位に知恵が良く回る。 ここからは集団脱獄に見せかけた人海戦術で自分が逃げたとばれにくいように偽装をするという切り替えもなかなかです。 ◇最後の関門 後は鉄格子が邪魔をする事がないという点でひたすら外に向かって走るだけ。 シンプルながらもそれまでに捕まらないか最後の勝負と言った所でしょう。 そしていよいよ最後の廊下に差し掛かったところで何故か囚人の一人が主人公へ殴りかかってくる!? どうやらあちらもなかなか頭を使ってくるというべきか、看守に変装して脱獄を考える囚人がいるなら囚人に変装した看守が念の為スタンバイしていてもおかしくなんてなかった…! 残る看守に関連するデータから恐らくこの看守はケーキでしょう。 「ケ、ケーキおいしいよな!」 「ケーキ? 何の?」 話題に食いついた!やはりこいつはケーキか!? と思ったのもつかの間、主人公がチーズケーキ派だったばかりにショートケーキ派のケーキには通用しなかった…。 という事でやり直しで囚人の話についてを選択。 すると今度はシリアスモードな流れへ。 ミックがそうだったように、ここの看守は地下監獄の囚人に疑問を抱いている。 だからそこを追求してみればやはり彼もそうだったようで…。 話を進めてみれば、ここに捕まっているのは全員若い男ばかり。 何故かといえばそれは看守長の趣味であり、死刑とは死ぬまで愛されるという意味だった…!? 「看守長は相手が死ぬまで愛し続ける。異常だ」 という台詞から、これは例えとして死ぬほど愛したい!でなくガチで死ぬのか…?え…? 困惑はあれど会話を続行するも、突然の銃声がしたかと思えば看守が前のめりに倒れ看守長の登場。 看守長の台詞から、今まで脱獄を失敗した回数が数えられているらしく。 ノーミスだったら私の正体を教えてあげようかなと思っただけ?え、正体って何だ? 多分これは文字通り、ノーミスでここまできたらあるご褒美要素なのでしょう。 そしてとうとう主人公の名前が判明。 ノアって…ミックが言ってた彼じゃないか!? あの時もノアは看守じゃなくなったとか言っていた辺り、こちらを気にしたのもそういう事だったのですね…。 銃の早撃ち勝負の流れに持ち込むも、素人がそのままやったところで勝ち目はないはず。 直感的にですが、ここはわざと撃たないで策を打った方が勝てるはずと予想。 何とか弾切れを誘発し、看守長を攻撃してから脱走に成功!! 後日談としても、ちゃんと看守長は捕まり地下監獄も閉鎖をされるグッドエンドへ。 仕方なかったとはいえ看守側だった者は本当の監獄行になったようで。 最後に、あの時最後の晩餐とメニューとして注文したジャムパンとドラゴンフルーツを食べて終わりというのがなかなかシャレてますね。 ◇正体は? ノーミスで看守長と対峙する場面まで再び。 すると看守長は自分の名前はサキュバスと名乗った。 これは初見ではかなり驚きましたが、そういえば看守の机にサキュバスに関しての本があったけど…あれが伏線だったとは。 同じく銃撃戦を突破。 市街地に到着し、背後を振り返ったところで今回はピンクの煙が昇っているという違いが…? 警察に保護された後、地下監獄のあった場所へ向かうもそこには囚人服を着た男たちが倒れているだけ。 その多くは、世間では行方不明扱いだった事。 そしてその直前に全員が、謎のケーキを食べていたという共通点も判明。 …そういえば、回想の中で新しくできたケーキ屋というのが出てきたような。 その店のケーキを食べたら即逮捕されたという点も含めて、そういう事なのでしょう。 後日談として、あの時の縁というべきなのか元看守達と仲良くなった主人公が彼らと食事をしている場面へ。 囚人や看守達は全員、無実だったにも関わらず自分が犯罪者と思っていたからこそ弱みを握られていた。 そう考えると、主人公は元々そういった暗示がかかりにくいタイプだったのかもしれませんね。 どうやら新しい仕事を探す事にした主人公。 今度はもっと良い環境になるといいな! そして嫁に『作り話をするなネズミ野郎!』って怒られたというのはマウスですね。 こちらのエンドでは食べている物が主人公の好きなチーズケーキという違いも。 ノーミスかどうかで看守長の正体や他の人の運命も分岐するという点でそれぞれのエンドにも納得がいきました。 @ネタバレ終了 初見殺しもありましたが、一周が比較的短いのでエンドコンプするにも苦にならず楽しめました。 それでは面白い作品をありがとうございました。
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取調室感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 短編推理アドベンチャーという事で、謎解きで迷走する事に定評のある私でもできるかな?とワクワクしながら挑ませていただきました。 あらすじにもある通り、動機が一向にわからない犯人の行動。 お金を盗むって事は一般的には文字通り紙幣として使いたいからではないのか?と全く意図が読めず…。 この真相を知るべくプレイしたいと思わせるには充分な内容でした。 @ネタバレ開始 ゲーム開始から雷鳴も響く嵐の夜。 山奥に一台のバンとまさに意味ありげな雰囲気ですね。 そこで行われる明らかに何かしら犯罪を行ったであろう者の会話。 直接姿が出たのは男が一人だけでしたが車に乗っているもう一人にバールで撲殺されたところで場面は取調室に切り替わり。 どうやら今回の事件に関係する一家の人間とやらがもうすぐ警察署に到着すると部下の仁藤刑事から報告を受け。 彼の計らいで事件についての概要を確認できる流れに。 死亡推定時刻や死体の発見時刻。 他にも関連する情報が綺麗にまとめられており、口頭の説明でも何があったのは丁寧に説明をされます。 そして、備考として書かれたどう考えてもおかしな内容。 現場には冒頭のやり取りから恐らく現金が入っていたであろうアタッシュケースがあったものの、その中はガソリンで燃やされ灰になっていた。 会話の内容的にはこのお金で高飛びをするというか、かなりの額を盗んでから潜伏していたように思えるのに燃やした…!? 燃やしたのは状況的に今回の被害者を撲殺した相手でよさそうでしょう。 元々人気のない場所なのも合わせ、他の第三者がやるにもおかしいですし…。 仁藤刑事も主人公も悩む通り、どうしてそんなことをする必要があるのか?ここが問題です。 元々犯人と被害者が共犯で強盗なりをした後に独り占めを考え相手を殺害する。ここまでならよくある展開です。 だけど、わざわざ殺人を犯してまで手に入れた大金を燃やすなんて正気とは思えない行動。 燃やされたお金自体は、被害者である園田が元仕事先として働いていた富豪のところにあった遺産…それも2億円との事。 それを誰かと盗んでからひと悶着あったという事でしょうね。 事件から一週間前、その富豪である宮地家で盗難事件があり金庫に保管されていた2億円は盗まれていた。 屋敷にあった防犯カメラには件のアタッシュケースを持って出ていく園田の姿もあったという点から恐らく彼は実行犯だったのでしょう。 さらに、状況から共犯者の存在は確定なのと顔見知りであり警戒をされない関係だった。 それが今からやってくる一家の誰かである可能性が高い…という事まで把握しました。 園田は本来、その2億円の存在は知らないはずであり知っているのは限られたごく一部の人物のみ。 となればますます状況的にこれから取り調べをする対象に犯人がいる流れとなりますね…。 容疑者は五人。 富豪の子供である長男・次男・三男。 それに執事と使用人という本当に限られたメンバーですね。 とりあえず、順番に話を聞いていく事に。 部屋に相手を呼ぶ前に軽い人物情報についてファイルからの情報を読む流れがあり、ざっくりどんな人なのも把握できました。 長男→詐欺の被害者に渡す2億円の示談金がすぐに欲しい 園田の事は元から解雇したい程度には信用してない。 次男→無職であり財産を食い潰しているし借金もあり 今回一緒に呼び出されている使用人とは恋人関係。 三男→唯一の常識人っぽい 故人である父親からも信頼されていそう。 執事→今後の為に株取引に手を出して失敗経験あり、だが借金はなし 2億円が入った金庫の鍵を管理している。 使用人→物欲が強いので動機がないとは言えない 園田が23日の昼に儲け話があると言っていたのを聞いている。 本来なら、2月24日の昼に金庫を開けて問題の2億円も遺産として分けるはずだったが金庫を開ける前日に盗まれてしまった。 2億円を金庫にしまった際には、兄弟3人+執事の4人で父親監視の中で金庫に詰め込んだ。 喫煙者は被害者と長男・使用人の3人。 故人であるが、生前は父親も喫煙者であり道具にもかなりこだわりがあった 本来は故人が死ぬまで金庫を開けない事になっていた。 重要な情報としてはざっとこんなところ?と把握。 意外性を求めるなら一番真面目であろう三男が犯人…とかが盛り上がるよなぁというメタは置いといて。 少なくとも、長男と次男は動機だけなら充分でしょう。 使用人の礼子の話が本当なら、誰かに持ちかけられたのは本当でありそれは礼子以外の誰かになる。 しかし金が目的であればある程、どうしてせっかく手に入れた2億円を燃やしたのか? 特に長男に関しては、示談金に必要な額であるとすれば減らす事へのメリットが何もない。 誰であれ、盗みそのものが金目当てなら燃やす事へのメリットはないですが動機として考えると長男は違いそうか…? そしてここで鑑識から電話が入り追加情報が。 アタッシュケースの近くにマッチ箱が落ちていたのに、アタッシュケースの中の灰を調べても着火に使ったマッチ棒の残骸がない。 さらにもっとわからないのが、そのアタッシュケースは実は1億5000万円の札束しか入らない容量だった!? 5000万円分の札束がどれ位の量なのか私には全く想像もつかない大金でしたが、仁藤刑事の発言からレンガ五個分というサイズとの事。 確かにポケットに入れるには無理がありますね…。 2つのケースを持っていたならまだしも、カメラの映像から持ち出しにつかったアタッシュケースは1つで確定。 という事で選択肢としては上の「誰かが持ちだしていた」を選択。 もう一方の庭に埋める選択肢はやはりメリットもないですし、どうせ盗むなら全額持って行きたいはず。 こうなると、金庫の鍵を持っていた執事が怪しい!という事で呼び出しへ。 金庫の中身を確認されたら真っ先に疑われるという発言はごもっともですが、状況として鍵がなければ金庫は開かない。 5000万円をあらかじめ盗んだ理由は、株取引に関連するのでしょう。 最初は少額を借りて返すつもりが取引に失敗するたびどんどん金庫から抜き取った金額が膨れ上がり5000万円にまで到達した…。 ありえない話ではない事と、本来故人が亡くなるまでは金庫の鍵は絶対に開けない方針だったと思えば多少時間稼ぎもできる予定だったとは想定できます。 しかし、もし執事が株取引に使用した金額と消えた5000万円…これが一致しても現金を自分の証券口座に入金した以上出どころの証拠にはならない。 確かにあらかじめ消えたお金についての出どころで立証するのは無理でしょう。 ですが、ここからの切り返しがなかなかに巧い!! 「この殺人事件の犯人は大金なんて手に入れてない」 本来なら、金に困っている長男と次男なら大金目的の犯行として真っ先に浮上するでしょう。 だけど実際、その盗まれた大金は燃やされており犯人は殺人まで行ったのに何も得ていない。 そうなれば、執事が犯人とした場合だけ成立する…金を燃やした理由が1つだけある! 「金額をわからなくするため」 実際、鑑識からの報告がなければみんな盗まれたのは2億円だと思い込んでいたはず。 そして、そうなれば金庫から事前に金が抜き取られていたなんて誰も考えるはずがない。 窃盗の実行犯である園田には元から1億5000万円が入っていると嘘を教え、それが入るサイズのアタッシュケースを用意した。 その後に園田がこの世を去ればその事実を知るのは犯人ただ一人…。 実に美しい!! さらに鑑識から知らされたもう1つの謎。 それは札束に火をつけたはずのマッチがなかった事。 となると、選択肢から火をつける道具は1つ。 今思えば事件当日が大雨というのもちゃんとしたヒントだったのか…と感心するばかりです。 そんな状況では湿ったら使い物にならなくなるマッチでは引火できない。 道具は自然にライターへ限定され、執事はいつも主人が喫煙に使用していたこだわりのライターを持っていた。 さすがに現場に残せば一発でばれる証拠になる以上、引火に使用しても使い捨てる訳にはいかない。 ここで執事特有の服装である、手袋を着用している事が繋がってくるのはいいですね! 身に着けていても自然であり点火した際にした火傷の痕跡も隠す事ができるときた。 こうして無事に犯人が自供するところまでいき解決。 …しかし、あの2億円は本来三男の為に残していた物だったと知りながら罪を犯した事を悔いる執事を見てると何ともやるせないものはありますね。 @ネタバレ終了 短編という事で気づけばあっという間に楽しい時間は過ぎていました。 推理としても丁寧に証拠が提示されるのでテンポよく進める事ができ、何故犯人は2億円を燃やしたのか? この真相が分かった時とてもスッキリとしました。 素敵なゲームをありがとうございました。
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怪物お断り!配信にてプレイさせていただきました。 厄介男の正体を暴く?タイトルからしてもしかしてガチの人間を怪物(クレーマー客の言い換え)お断りしているかと思いきやもしかして…? と、期待たっぷりで挑んでみましたが期待を上回る楽しさがありました。 @ネタバレ開始 最初に入るゼブラさんからの注意とピンク文字で強調される重要な部分の説明から『これは絶対私が大好きな奴!!』とテンションはだだ上がりしました。 妖怪好きを自称している者としてここは負けられない勝負だな!と選択肢が出る前から出ている情報を元に推理もしつつというスタイルで進行。 ◇桃井さん とりあえず、見た目は普通の人間だけど正体の見極めをする以上さすがに見るからに怪しいタイプはないよなぁと会話を進行。 目に関する話題が多い事がヒントの傾向にある事から、目が本体の妖怪というのはわかりました。 「身体中がかゆいから、買っても買っても目薬が追いつかなくて」 なので正体は「モクモクレン」と予想。 でしたが、選択肢になかったので「百目」で正解。 正体がばれた後に周囲に飛んでいる目玉も、確かに妖怪の特徴と合っている点ではわかってらっしゃるなぁと感心しました。 そして、時給が発生するなら24時間監視されてもいいと言っちゃうあひるちゃんに笑ったり、助けないとか言いつつ助けてくれるゼブラさんがカッコイイ!とノリも素晴らしい。 ◇二十日市さん 山に住んでいる、お嫁さんはたくさん欲しい、当主だから子沢山にして一族を繁栄させるのが仕事。 機械が分からないについてはどう推理に活かせばいいかわからず…。 とりあえず山にいそうで嫁を欲しがる妖怪で鉄板となれば狐か、子沢山な一族というと八百八狸もあるし狸…これで二択か?と一旦仮定。 「嫌いなんてもんじゃないね。猫なんか飼ってる奴は馬鹿だよ」 猫が嫌いって事は鼠か!?鼠の妖怪といえば「旧鼠」だ!むしろそれ以外何がいたっけ…? と一気に閃き正解。 歳月を経て妖怪になった、絵本百物語では千年の歳月という表記もある事から新しい機械がわからないというのは後からなるほど!となりました。 ついでに、名前もハツカネズミにかけていたんだなぁと思うと結構細かいネタが仕込まれている点に思わずニッコリ。 ここでもやはり見破ってもお客様おやめください!な流れになるもゼブラさんがすかさず助けに来てくれるしやはりこの人結構面倒見が良いのでは…?ツンデレかな? ◇ドットたん 強調されている内容自体は別に妖怪としての特徴には思えず。 小学5年生が一人でメイド喫茶にきていいの?という疑問部分以外はお兄たまラブなただの可愛い子だなぁという印象でした。 ドットたんが妖怪の場合、そもそもゼブラさんも妖怪になるよな?という部分も気になりましたが選択肢としても別段該当する特徴はなし。 色と嫉妬深い女要素が雪女へのミスリードっぽいとは思いましたが、性別が男なのが確定しているのでこれはなし。 座敷わらしは一応性別どちらもありえるけど、家にいると繁栄するという特徴の部分も語られた様子はない。 だったら「人間」だろうで正解。 結果的にはあひるちゃんと仲良くなり、微笑ましい関係になれたようでほんわかとするパートでした。 実はゼブラさんがあひるちゃんの事を電話のたびに話しているという事から判明する、普段から頼れる先輩なんだなぁという部分にニヤニヤしつつ。 ◇†朧†(ダガーおぼろダガー)さん 呼び方を聞いた際に†も入れて名乗っていた事、あひるちゃんが「は?」と反応していた事から多分これ†も入れて名乗ったな!?となったので上記の名前で音読させていただきました。 新しいお客さんが来ているのに全然気づかなかった事。 それに対し、影が薄いと言った事。 この2点で実質妖怪の場合は候補は1つに絞れました。 ただ、発言内容は完全にネット弁慶をしているオタクでありクレーマーな人間だよな…?となるのが結構悩ましかったです。 しかし、飲み物がなくなったのでおかわりが必要かを確認すれば素直にお願いしますというのが変に素直というか真面目というか…? それにあひるちゃんにも飲み物を奢ってくれる人って初めてだよなぁとも。 妖怪の場合は先に述べた2点の特徴を持つ事から「ぬらりひょん」しかないと思いました。 バックベアードはあれかな『ロリコンどもめ!!』のネタから引っ張ってきたのかなぁとか、一応鬼太郎だと西洋妖怪でもボス格な大物という扱いだから顔が広くギルマス(集団でも偉い者が正体)という点でひっかけを狙ったのかが気になり。 ただのクレーマー人間も想定はできましたが、あひるちゃんが気づくまで誰も接客をしていないという事から気づかれず侵入できる…って事はやはり?で正解。 説教臭いのは年寄りの特徴を表現した物であり、妖怪総大将という属性は比較的近年付与された内容であれど世間的なイメージは強いはずなのでベアードとのひっかけで入れたであろう要素をそのままぬらりひょんに置き換えても通用する。 正体判明後はただの礼儀正しい人だー!?とある意味一番驚きはしました。 ◇ゼブラさん 閉店後なのに続く?とりあえず、ここまでは全問正解してるし良い調子だよなと読み進め。 営業中はあんなに頼れる先輩だったゼブラさんが突然メンヘラになった!? あんなに自己肯定感が強そうな感じだったので意外に思いつつ、「ミニスカ+ニーハイ」という発言にこれだと足元がわからないな…そういえばメッセージ窓って消せたっけ?と確認したら消せた!! という事でここからはしばらく、メッセ窓を消したままゼブラさんがいかに魅力的でおしゃれなのかを真剣に褒めるという行動に出る位には堪能させていただきました。 カルシウムしか勝たん、墓場で煙草吸ったり、実家に似てて落ち着く。 ピンクになってませんが「骨まで愛されたい。骨の髄からメンヘラだから…」というのも実質ヒントだよなぁと骨に関する妖怪なのは確定。 でも骨…骨女、いや先輩は綺麗だけど男だよな…骨の妖怪…? 選択肢で骨に関するのが一択なので「がしゃどくろ」で正解。 正解はしたけど…こう、がしゃどくろはビル並にでかいイメージがあるので自然と候補から外れていたのがちょっと悔しい。 でも、先輩はハーフだからまだ見た目もある程度人間っぽさがあるとはいえ推定純血のがしゃどくろと人間の間に子供ができるのかは不思議というか、骨しかないのにどうやって……?とあひるちゃんと同じく疑問に思いました。 何はともあれ、全問正解は死守!! ◇エピローグ、帰宅時のトーク この辺は結構難しいよなぁと感じた事として。 人間だって、何かしら自分の容姿が気に入らないと悩む人がいるのだからそれは妖怪でも同じように思う事はあるのでしょう。 とはいえ、人間の姿で暮らす以上は人間である演技を続けなければいけない。 「人間に化けて暮らして、周りに馴染んでも、結局本当じゃないし」 人間に紛れて生きている期間が長ければ長い程、いくら化けていてもそれを明かせない事がどうしても気になってしまうのは当然といえば当然で。 本当の自分ではない以上、真の意味で自分が受け入れられている訳ではないというのが結構精神的に厳しいのは想像できすぎる点からゼブラさんがメンヘラになるのも理解できました。 あひるちゃんは気にしないとしても、みんながみんなそうでもないからなぁ…という点でゼブラさんの発言にも頷きつつ。 (人間同士ですら、何かしらそれに近いトラブルはありがちと思えば) 何はともあれ、あひるちゃんが近くにいるうちはまだ大丈夫そうかなぁと二人のやり取りを眺めていました。 何だかんだ言いつつ良い関係だなぁと。 @ネタバレ終了 難易度は後半に上がったと思いますが、むしろやりごたえとしては個人的にはこれ位でちょうどよかったと思います。 コミカルなやり取りに魅力的なキャラクターと、楽しくプレイする事ができました。 素敵な作品をありがとうございました。
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最強の漫画ができちまったぜ!配信にてプレイさせていただきました。 明記されている通り短編バカゲーかつ、操作としても選択肢を組み合わせていくのみなので被りが起きないようにメモを取りつつ全コンプするまで頭空っぽにして笑うぞ~!と挑戦。 @ネタバレ開始 最初の選択肢の時点で「んん?」 2番目以降は思わず「アウトーーーー!?」 と叫びながら組み合わせていきましたが、出来上がった内容はもちろんとして最後に出る世間からの反応がとにかく腹筋を崩壊させにきました。 当然だろう批難に正気を疑う反応から、意外と好意的…?だったりと思いきやここでもネタをぶっこんでいたりと懲役も合わせもはや今の僕には理解できない…となりましたが、それがいい。 座椅子がなければ笑って体が後ろにそった結果頭をぶつけていたかもしれねぇ…と、何故か座椅子のありがたみを知る事になりつつ。 タイトルに「ピース」というワードが含まれる際、たまにピースサインのマークが入ってるのがノリとして好きです。 そしてエンドリストで作った組み合わせを確認する際にこちらでもピースサインがちゃんと入った表記になっている二段構えでもう駄目でした。 これをOKした担当というか編集というか、これがツッコミ不在の恐怖か…。 @ネタバレ終了 作者様の普段の作風からは想定できない内容だったのもあり、色々衝撃的でした。 恐らくバカゲーという点から、ぶっとんでるとしてもこれ位だろうという事前予想をはるかに超えていきましたね…。 夜怪みたいな正統派ガチホラー等、毎回違う切り口から色んなホラー系統を制作される事に惚れ惚れとしておりましたがギャグというか、こういう系もいけるとは…と。 当初の目的である頭空っぽにして楽しむというか、腹筋を鍛えるのにちょうどよかったです。 面白い作品をありがとうございました。
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でこれいと・でこれいしょん感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 始まったと思ったら死んでいた! 大好きなきみと一緒に天国へいこう! どこか懐かしいレトロゲームな雰囲気と、よく動くドットのあなたちゃんが実に可愛らしく。 一周のプレイ時間も長くない為、基本は「はなしかける」「ゆめまくら」「ぽるたーがいすと」「のろう」のコマンドをどう駆使するかのトライ&エラーで進行できます。 (さらっと「のろう」が選択肢にある時点で恐ろしいような気がしないでもない事には目を背けながら) @ネタバレ開始 OPの、きっときみはわらってくれる。の台詞が終わった後にセリフ枠で隠されていた包丁が見える演出の時点で「ヤンデレだー!?」ともう期待を裏切らない全力さを感じました。 コマンドに対応して動いてくれるあなたちゃんが可愛いのは当然として、進行状況にのってきみ君がどんどん体調不良になっていったり等上げているゲージに応じた動きをする細かさが好きです。 初見はとりあえずよくわからないので、流れに慣れる位のつもりで行動をしていればバッドエンド1を回収。 他に、自力ではノーマルとハッピー1とトゥルーは回収できましたがヒントを見てもエンドの全回収をしようと思うとそれなりに難易度は上がる塩梅ですね。 コマンドを選択する前、部屋の中をクリックする事で週ごとに違う情報が手に入るのもなかなか芸が細かく。 人が生活をしている家なのだから確かにちょっとした事でも変化はあるよね~と。 最初は全て真っ白な為何かわかりませんでしたが、各ゲージが上がると変化していく左上にある3つのアイコンの様子で多分この行動でどう変化したんだろうな?と目星をつけながら進行しました。 まずは、配信では回収できなかったバッドエンド2の回収を目指して。 ようやくきみ君に認識してもらえたと思ったらすでに結構手遅れの気配というべきか…あなたちゃんが今まで見た事のない状態になっているのも完全にこれ、悪霊だよね?となり。 きみ君もトゥルーの内容を考えれば「心当たりがあなたちゃんしかない」というのもそうですし、見るからに限界そうな状態になっているのも納得でした。 そして当初の目的であったきみを殺す事を達成したかと思えば二人共天国にも地獄にもいけない。 まさに*いえのなかにいる*というエンド名がレトロなゲームの雰囲気と合わせそうきたか…となりました。 今度はハッピーエンド2へ。 ヒントから盛り塩であろうアイコンが条件にあるのはわかったのですが、塩に関するフラグ…?と首を傾げ。 とりあえずきみ君に気づいてもらわない事には始まらないと行動を起こした結果まずは認識してもらう事に成功。 部屋の中が調べられるという事に意味があるのなら、こういったただコマンドを選んでいるだけでは到達できないエンドが存在するというのもありえるという発想が抜け落ちていました。 (てっきり、4つ目のアイコンとして塩が増えるのかと当初は予想をしていた為) 変わりゆく状況を小ネタとして楽しむだけでなく、ちゃんと攻略として意味も成しているという点がやりこみ要素としていいですね。 待望の(?)塩はやはり調味料という事からキッチンにあり、うっかり触れたせいで危ないと思いきやきみ君が助けてくれた? ハッピーエンド1の際も返事を待つながれから一緒にはなれたので、ここからどう分岐するのかと思えば…。 これは…あなたちゃんにとっては全くハッピーではないのでしょうね。 自分の行動が彼を歪めてしまったのに、当人に悪意がないからその事にも気づけない。 彼に触れる事ができたとしても、塩のせいで恐らく…そういう結末になったのかなと…。 対して、ハッピーエンド1があなたちゃんにとってのハッピーエンドでありながら彼にとってはバッドであろうというのが同じハッピーエンドという括りの中でも対比になっている印象を受けました。 とはいえ、物語が始まる前に起きた事や彼の生活状況を思えば生きる事に未練はあっても命を絶ってしまう選択をしてしまうのはわからないでもないのが何とも言い難いところですね…。 ここからは配信で回収したエンドに関してとなります。 ・バッドエンド1 視認してもらうには霊感を上げないといけないという事でココロエから「のろう」が一番効率がいいと連打をしたらあっさり回収。 そうでなくとも、他のエンドに行く条件を満たせなかった時の共通バッドのようなので一番見る事となりました。 果たして何回焼かれていったのか……。 ・ノーマルエンド いくら自分に好意のある女の子がきてくれても、一緒にいけないというのは普通の解答でしょう。 むしろハッピー1の方があなたちゃんの目的は達成されるけど生きている人間なら問題としては大ありのはずですし。 思い出しそうで考えるのをやめてしまった何か。 エンド名が出た際に階段に貼られていた立ち入り禁止のテープ。 何やら意味深な終わりではありますが、トゥルーの内容を考えるに…発覚してしまったというのを断片的に見せた終わりと全てを知った後なら納得しました。 ・トゥルーエンド バッド1→ノーマル→ハッピー1の次に回収をする事になった為、今まで明かされていない何かがわかるのかな?と期待を込めて。 ようやく会話が可能になる、彼に視認される運命の日。 それまでに取った行動によって会話内容やスチルに違いがあるのがこれまた細かい。 霊障を上げていれば一緒にいくべくころしにきたよ!という事を伝える流れになり。 逆に彼に害がないようにすれば一緒にいたくて!という気持ちを伝える分まだ穏便にもなり。 彼に視認されてからは部屋を調べる際の会話が発生という点で違いがあるのや「ゆめまくら」「はなしかける」のコマンドを選んだ際の会話も和みました。 考えてみれば、あなたちゃんが死んだ所から物語は始まり。 何で死んだのか、死体はどこにあるのかは不明のままでしたね。 両親は今頃自分を探し回っているだろうと考えている辺り、エンドを迎えるまでの49日が経過してもまだ見つかっていないというのもおかしな話です。 そして、死人の復帰地点(?)はさすがにまだ未経験の為わかりませんが、大体は生前強い結びつきのあった場所。 もしくは死んだ場所がそれになると考えるのが自然かなと思えば…。 OPから開始する際に流れる効果音と「あなたはしんでしまった!」というテキスト。 何も知らなければ冒頭からギャグなノリだな!?と思えたのに…。 まさかこれを、真相を知る視点で確認した際は全く笑えない状態だったと判明するのが何とも温度差の演出としてえげつない。 さらに、何故彼はお風呂に入る時間が短かったのか? あなたちゃんの死体が見つかっていない→どこか見つからない場所にあるまでは連想できても…これは、隠し続けるにも正気を失っていくでしょうね。 ノーマルエンドにおいてはきみ君は生存しても、テープの描写から警察に発覚していると見て良さそうですし。 さすがに他の部屋にも住人がいるならいつかは異臭騒ぎでばれるのも想定できました。 ついでに、大方あなたちゃんの一方通行な恋とは予想しておりましたがまさかきみ君に好きじゃないと言われる展開も想定外でした。 余裕のある満たされた生活から生まれる優しさ 生活に苦しむ事で得た思慮の優しさ 優しさにも種類があり、二人の持つそれが対照的な理由から生まれた事。 あなたちゃんも本当はきみ君が一緒にきてくれないとわかっていながらも諦める選択肢がなかったから頑張っていた事。 好きじゃないけど、好きでいてくれた事に感謝のできたきみ君。 涙を流す事になったけど、結果的に意見をぶつける事で初めてわかりあえた日になれたならそれは良かったのかなと思います。 何より、あなたちゃんの可愛くて無敵でかっこいいところは 「すきじゃないってことはキライじゃないってことだよね」 ここに集約されているなぁと。 (そしてうっかり肯定してしまうきみ君) チョコレートやネコと自分の事を思い出す為のキーアイテムを教えたり、生まれ変わりだろうが守護霊だろうがまた会いに行くその日までの対策も大丈夫なようにちゃっかり用意。 最終的に、自分だけの事でなく優しくしてもらったのと同じだけ守りたいという気持ちに目覚めたのならもうあなたちゃんは大丈夫でしょう。 そして、あなたちゃんの死体は見つからないままながらきみ君はあなたちゃんが守護ったおかげで無事に母親と離れる事に成功したようで。 きみ君の守護霊でありながら天国にもいる。 天国の一番下が現世という表現はなかなか秀逸で、悪霊にならず止まりながら好きになってもらう努力を続ける。 君がいる天国という、あなたちゃんにとって一番の居場所に落ち着けたのならこれが一番いい終わり方なんだろうなと思えました。 @ネタバレ終了 トゥルーエンドを見る事で判明する真相。 どうみても穏便に済むわけがないあらすじと始まりから迎える意外な結末。 全エンドの回収となると難易度は上がりますが、ゲーム内にあるヒント等から考えればトゥルーエンドに到達するのはまだそこまで難しくない方だとは思います。 なので、どうかあなたちゃんの頑張りがどのような形として実るのかを色んな人に見て欲しいと思いました。 それでは、素敵な作品をありがとうございました。
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人を喰った話感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 タイトルがすでにオチとも言えるとは思いましたが、ざっと他の方のレビューを見るにそれだけでは終わらない話というのは間違いないというのを把握。 果たして四日間の間に何が起きるのか?真相を確かめたくなり手に取らせていただきました。 開始から雰囲気に溢れたOPに高まる期待。 謎解き要素も微量という事でそれが明かされるまでに推理できるのか?も一応気に留めながら…。 @ネタバレ開始 今回、クリア後の要素として伏線部分が強調されるという設定があるとの事で、感想を書く再プレイの際に利用させていただきます。 (感想そのものはあくまで初見プレイの時の内容を中心とした構成として書かせていただきます) 雨の中目的地であるお館に到着すれば年若い少女の姿が。 あらすじの通り、この少女が人喰いの一族として育った花嫁であり主人公の言葉は花婿として訪れた事を意味する物だろうと理解はしました。 しかし、二週目かつ主人公の目線で伏線を強調されると何故初対面の際にそこまで驚いたのか等はそういう事だったのかと…。 真相が判明した際に暖炉の前で挟まれた記憶は後程理解しましたが、初見では置いてくる事になった奥さんの事かと誤解しておりました。 主人公が花婿としてきた理由としてはここ数年続く村の不作を解決する為、くじ引きの結果選ばれたから。 不作等になったら神や人知を超えた存在向け儀式や供物を捧げる事で解決をする風習自体は確かによくある話ですし、それでは行かざるをえなかったのは理解すれどどうやら肝心な部分が間違って伝えられているというようで…。 元々は貴族の位である人喰いの一族に対し税を払えない場合の代わりとして、供物は捧げられていただけだったという事実。 これでは主人公が食べられたとしても村は何も救われないという大問題。 少女としても、もう残る人喰いは自分一人であり消えゆく一族である事。 花婿という表現もあくまで比喩であって、人間との間に子供はできない為子孫を増やす事もできない事。 だから主人公に逃げないのかと問いかければ、主人公の首には命令を聞かせる事のできる奴隷紋の首輪がついており逃走ができないという誰も幸せにならない状態で…。 せめて正しく全て伝承が伝わっていれば…と頭を抱え、しかも主人公は実は奥さんがいたのに選ばれたというせめて伴侶がいる人は除外してくじ引きしようよぉ!?と言いたくなる結果からというのもやるせない。 首輪を外せるのは長老のみ。現在主人の権利は少女に移っているものの取り外す事ができるのは最初に取り付けた者のみ。 もし供物になる事に意味がないからと町へ戻っても長老達が納得するかと言えば難しく。 命が惜しくなって嘘を吐いていると言われてもおかしくない。 しかもこんな目立つ首輪があれば、逃亡生活をするにも邪魔でしかないという選択肢なんて実質ない状態。 理不尽が…理不尽がすぎる…! 主人公としてはどのみち食べられる事を望んでおり。 少女としては、しきたりに沿うなら四日後が食べる時になるのでそれまでに主人公の気が変わるのを待つという奇妙な生活へ。 ◆一日目 伏線の強調である赤い文字が見える度に「あぁぁぁぁ…!」という声にならない声がでる二週目の目線。 館の規模を思えば何も疑問はなかったですが、館の間取りを知っているのも当然の話だったり食料の状態もそういえば…となり。 通常の食事もできるのに何故人喰いの一族は人を食べるのか? 比喩であれ花嫁や花婿という言葉を使うのも、日本でも供物として出され食べられる場合でもそういう呼び方をするケースは知っていたのでそこまで不思議には思っていませんでしたが結果的に一族を繫栄させるという点からあながち間違いでもないというのがなかなか上手い表現だと思いました。 基本的に、食物連鎖の上に行く程数が増えすぎると生態系も崩壊するので数が増えにくいようにできているのは自然。 なので、一族の出生率が低く基本は寿命を延ばしながら長い目で生きていくというのも理に適った仕組みと言えるでしょう。 契約がないと動けないとされる悪魔のように、ある意味嘘を吐いたり約束を破るという事ができるのは人ならではなのでしょうね…。 人間側が約束を忘れた結果人喰いの一族は数を減らすしかなく、実際もう最後の一人になっている。 それでも人喰いの一族は約束を守りこのままでは衰退しかないのを承知でいるしかできない。 それは人間が持ちえない物でありとても気高く、しかしあまりにも儚いと思えました。 (実は伏線強調オンにせずとも当初から『』で強調されていた『人間』という部分から目をそらしながら) 自己紹介をし、恥ずかしがるたびにピョン!と効果音付きで飛ぶオティーリエがとても可愛らしい。 そして、館の維持に手が回っていないという事で主人公は残る日数をかけて館の掃除をする事に。 自分が食べられた後に、かつて自分が拭いた窓や床を見た時に名前を思い出して欲しい。 こんな事を言われたら食べる事が確定してるのに必要以上に惚れてしまうじゃないか…と、比喩であれ本当に花婿として伴侶の役割をしているのがいじらしく。 館には地下室も存在しているらしく、そこだけには入らないようにして欲しいとお願いをされ。 何故でしょう…地下室、入ってはいけない部屋…と聞くと童話の青髭のような危ない雰囲気がありますね。 とはいえ、堂々と見られたくないものがあるからと言われている以上そこまで言うなら仕方ないかなとも思える範囲でしょうか。 どのみち、四日目に食べられる事が確定である以上そこは大きな問題でもなさそうな事より。 夜に書庫を調べればそこには重要そうな本があり。 この世界における歴史の成り立ちであり、そして一族が供物をいただく権利を得たようになってからの内容は…。 名前は載っていない、今まで食された花嫁・花婿の一覧。 日付や出身地、いわば税の代わりとしてもらっていた以上必要な情報はそれだけで良かったのでしょう。 ただ食されて終わりの、供物に名前は必要ないというかのように。 館に到着した夜、オティーリエは最後に花婿を迎えたのは百年は前の事だったと語っていた。 しかし、長老はかつて花嫁や花婿が捧げられていくのを見送っていると語っている。 長老が実は長生きだった説を考えましたが、これは主人公自身が否定をし。 記録に残っている最後の日付は十二年前。 その時の当主として署名をしたのはオティーリエであり、これは明らかに発言とも食い違っている。 この謎が大きな鍵になる事はわかっても現状何もわからないまま…。 ◆二日目 昨日より早くに目覚めたのか、彼女が朝食の用意をしていた所で顔を合わせ。 もう少し早く起きれば手伝えたのにと言う主人公がやはり献身的に思えてここからどうにかならないものか…という気持ちが。 どうせ残り僅かな人生なら、震えて待つより楽しく過ごす四日間にしたい。 主人公の行動原理がここにあるとしても、なんと健気で前向きというのか…。 (そして、伏線を見るに食人行為における調理等の会話の反応も…彼女が主人公に少し変だという事も、そういう事かと) 今日は二階の掃除と目的地に到着する主人公。 その後ろを小動物のようについてくるオティーリエ。 何だこのひたすら可愛い生き物は…!? 二人で掃除をする流れになるも、掃除が下手なオティーリエ。 今まで一人で館を維持してきた割には不自然なような?でも、元々が貴族で使用人に任せてきたのなら下手な事は充分にありえる。 手が行き届いてなくとも、極論それで当事者である自分が困らない程度なら問題もないですし。 とはいえ、水拭きの知識もないのは多分その辺の貴族というか…お嬢様でも多分知っていそうなので驚きでしたが。 次は階段を磨きに行くと声をかければ楽しそうにかけていくオティーリエ。 しかし、その結果彼女がバランスを崩し危ない!と何とか手を伸ばし助けたかと思えばとても密着した体勢で倒れ込んでしまい…。 落ち着いてくださいの四段活用のような事を言いながら照れてしまう彼女。 その姿勢のまま、日向ぼっこをするように休憩へ。 今まで一人ぼっちだった彼女が人恋しさから今までの行動を取っていたと思うと何とも切ない部分があり。 もし、二人が人と人喰いでなければ普通の夫婦として共に生きる道もあったはずなのに…。 その後はのんびり昼寝をして再び夜の書庫パートへ。 床に落ちた本を手に取ればそれはどうやらオティーリエの日記のようで。 しかし、主人公も疑問に思っている通り普通日記は自室に置いているのが一般的なはず。 日記をつける間隔が長命種族らしいというのは面白い違いですが、どうやら中身も日常というよりは作った料理のレシピという辺りが書かれている辺りレシピメモを兼ねた内容っぽい? さらに気になる記載として最後の同胞を失くした時のものであろう数百年前に書かれたページが。 最後の記述は十二年前で止まっており、前日に見たリストにある最後の花婿を迎えた時ともタイミングは合致する。 主人公は何やら心当たりがあるようでしたが、私にはさっぱりでした。 何かがおかしいのにそれを線で繋げる要素が何かがわからない…。 (しかし、日記に料理のレシピを書くような人物が果たしてこの館に来てから出しているような物を食べるのだろうか?) (わざわざ記載する位なら本来のオティーリエは料理をする事に楽しさを見出していたと考える方が自然で) (やがて自暴自棄になっている様子が見て取れる日記の流れ) 言われたらおかしいと気づけたのに、何故初見の時はそこへ違和感を持てなかったのか? 充分にヒントは出ていたのを理解した時、軽く背筋がぞわっとしました。 ◆三日目 真相及び強調された伏線の意味を理解すると声なき悲鳴をあげたくなる朝の台所。 他の部屋に比べると随分片付いていた台所。 しかし、彼女の出していた料理はとても調理に凝っていたとは思えず備蓄を食べているといった方が正しそうで…。 棚にある固くなったパンやチーズが今まで出されていた内容なのでしょう。 どのみち、前日よりさらに早く起きたせいか彼女はここにはいない様子。 その時、床にある四角い枠…所謂床下収納スペースのような物を発見。 一見すれば野菜室のようであれど、その野菜は木箱に収まっている。 …もしかしたらここが地下室の入り口なのではないか? てっきり、地下室へ行く階段が一階のどこか…普通に考えれば廊下にあってそこから行けるとばかり考えていたので予想外の展開でした。 どちらにしても今探しているのは地下室でなく、もしこの先が地下室だとしても入らないように約束もしている。 となれば、まだ彼女は自室にいると考えるのが自然だと部屋を探す事に。 しかし部屋の数が多ければ場所を知らない場合探すのも手間でしょうね…。 (よく考えれば、今 の彼女という言い方も不自然だったはずなのに何故気づかなかったのか…) (最後の同胞を失う以前、元から使っている部屋から変える必要性はなく最低限の維持で済ませたいなら固定した方が合理的であり) と、大量の部屋を確認する単調作業の結果起きたミスというべきか…うっかりオティーリエが着替えをしているタイミングでドアを開けてしまい!? 女の子の裸を見るのはアカン!後ろ姿としてもアウトーーーー!! 速やかにドアを閉める主人公、そして中から聞こえる悲鳴。 ギャグっぽく返すなら…死ぬ前に眼福だったねというべきなのか……。 そして、気まずい事もありながら食後の散歩タイムへ。 照れながら見ましたか?と質問をする彼女に背中しか見ていないと返答する主人公。 しかし、前日に事故とはいえ正面から抱き合っていた事も合わせると彼女の解像度が高まるとか…結構ムッツリだな!? 命日が近いのに…今を思いっきり満喫してやがる…とこの時の私は考えていました。いや、これは私こそが決してムッツリという訳ではなく…。 真面目な会話の流れになり、主人公は逃げる事ができない状況であれどオティーリエは望むのなら館に留まる必要はない事。 すでに貴族としての特権もない今、もっと条件の良い他の土地へ移り住む事だってできるという事。 自由になってもいいという事を説明されるも、オティーリエはそれは無理だと否定的な様子。 …ここは伏線表記になってませんし、慣用句としても使用される表現なのですが 「食えないおかた」という一言がこの二人の本来の正体を考えた時に実はその通りなんだよなぁ…というので思わず「あぁ…」となりました。 同時にタイトルである「人を喰った話」というのは人食いの一族であるオティーリエが花婿である主人公を食べた話であり、それまでの出来事を語られる。 とばかり思っていましたが、やはり慣用句としてこちらもあるんだよなぁ…と。 (こちらは言葉の意味が合致するか?というとまた疑問はありますが) 明日はいよいよ四日目、逃げ出すなら今夜までという忠告をされ。 ◆四日目 目の前で揺れる、最愛の人の顔。 (行かないで) (行かないで。どうして、あなたが) もう縁を切っており、泣かせないと誓ったはずなのに泣かせてしまった相手。 君を笑顔にするのはもう僕ではないかもしれない。それでも幸せを願いたいと思う相手。 やはりどうせなら楽しんで四日間を生きようと思っても、いざとなれば残してきた奥さんの事を思い出すのが当然なのか。 現状、オティーリエとパスが結ばれ満月が近づくにつれ絆が強まるとはいってもそれは後天的に与えられた一種の呪いかもしれない。 館から逃げる選択肢を捨てている時点で、花婿としての役割に徹した振る舞いをしていても主人公が奥さんを愛しているからこそそういった気持ちを持ってしまうのはあまりにも当たり前に思えて…。 そして、夢にしてはやけに実態があるような?と思えば… オティーリエが主人公の上に!? 昨日の時点で、四日目になれば理性的な振る舞いができるとは限らないと聞いていましたがさすがにこれは大胆すぎる…。 何とか正気を取り戻してもらう事には成功し、彼女は部屋に戻ろうとした際…何かを決意したようで。 朝になれば彼女はどこにもいない。 前日主人公が説得したように、きっと外の世界に旅立っていったのでしょう。 主人公はここから出て生きる事はできずとも、せめてその分も幸せに暮らせれば良いのかな…。 …なんて、甘い終わりはなかった。 ◆続・四日目 これで終わりではないよなぁとは思いましたが、このチャプターが出た時点で何となく嫌な予感もあり。 時刻は夜になり、昼間は意図的に探していなかった場所である地下室へ。 …確かに、もう彼女が出て行った後なら地下室に何があっても見たかどうかがわかるはずはない。 なのにわざと、という事は実はそこにいる事を理解していたという事? 予想通り、台所にあったあの四角い物は地下室への入り口であり階段を下りれば何やら聞こえてくる物音。 そこには人骨を口にするオティーリエの姿が。 彼女はここで四日目をやり過ごし主人公が出ていくのを待っているつもりだったという告白。 そして、ここから始まる物語の真相。 彼女の言葉と矛盾する、最後の供物が捧げられたタイミング。 しかし、彼女はとても嘘を吐いているように見えず見極めるのに四日かかってしまった事。 彼女が、今目の前にいるオティーリエこそが十二年前に供物となった花婿だった!? 本来なら自室にあるはずの日記が何故か書庫にあった事。 なのに目の前のオティーリエは書庫は利用しないという事。 日記の内容から本来の彼女は料理が好きそうなのに実際の食事は質素な物だった事。 掃除の知識にしても、長命種族である一族の領主としてはあまりにも叡智に欠けていた事。 さらに彼女の(体に対する)解像度という言葉。 正面から抱きしめればあるはずのものがないのは当然わかり(サイズはまぁ、人それぞれにしても) 部屋でうっかり見てしまった背中のラインは男女では違いが出る部分という点で証拠になる。 …私は焦りが先行してそこまでじっくり見る余裕などありませんでしたが! 主人公が本来約束を破る事ができない人喰いの一族だからこそ、地下室に入らないという約束をする際にも抜け道を用意していたのがなかなかでした。 そして今までも話題にあった、一族は暗示をかける事ができるという能力の話。 ずっと目の前の彼女は自分こそが最後の人喰いであるオティーリエと思い込むようにされていた。 その上で、彼女が真実を思い出さないように行動範囲等を制限していた。 真相を知っても、目の前の彼女が気にするのは主人公が自分の花婿であり、自分が彼にとっての花嫁であるかどうか。 それが一番大事な事というように心配すれば、今度は絶対に破られる事のない約束をとりつけ。 最後の人喰いは自分であると、かつて彼女の話していた自身の血を厭わしく思い出て行った者こそが自分であったのだと。 だからこそ、今度こそこの約束は破られる事がない。 日記の記載通り、数百年前に館を出て…長い時を外の世界で過ごした末、にまるで運命のように戻ってくる事になった事。 そこにはかつて愛した最愛の妹の名を名乗る別人が待っていた事。 自分が出て行った事でやがて自暴自棄になった妹は、最後の花婿に暗示をかけ恐らくは自害してしまった事を思うとまた何とも言い難い胸の痛みがあり。 …どのみち、人喰いの一族と人族の間に子供ができないのなら彼女の性別もそこまで問題でもないのかな? だったら後は互いに寿命がくるまで、結ばれた二人が幸せに過ごせればハッピーエンドと言えるのでしょう。 結果的に、彼女がそうであったように人喰いを愛さなかった伴侶ないなく。 実際に彼女の四日間がそうであったように。 人喰いには、伴侶を幸せにする力がある。 しかし、最後の一文はつまり…そういう終わりって意味ですよね……? (抱えた頭に添える手を震わせながら) ◆最終感想 実績であるバッジが解放された時には思わず言葉を失いました。 そして、二人は末短く幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。 末短くって事はやっぱりあの後食べたって…事だよなぁと。 しかし、すでに二人の間にパスが繋がれていて満月である事を思えば一番魅力的に見えておいしくなる時なのは違いなく。 『幸せって何だっけ…?』と初見の時は気持ちが追いつきませんでしたが、クリア後に増えたTipsやあとがきを読むと重要なのは当事者達にとっての幸せが何だったのか。 本当に大切なのは、第三者から見た時の感想よりもそちらなのだろうなとは思いました。 人喰いの権能により、伴侶は必ず人喰いを愛する。 だから花嫁であり花婿は幸せを感じたまま血肉となる事ができる。 実際、彼女は最後まで自分が本当のオティーリエかどうかよりも彼にとっての伴侶である事の方が重要に思っていた事を思えば幸せになれたのでしょう。 それが権能によってもたらされた、甘い洗脳のような物だったとしても。 同時に、彼女の言う通りパスが繋がった時点で人喰いからも満月が近づく程伴侶が魅力的に感じるというのなら… 主人公も、また彼女を好きな気持ちはあってもそれはそうなる仕組みからきた物だったのかもしれません。 だけど、最終日の夜を迎えるまで与えられる情報の中で主人公は落ち着いた様子ではあった事。 本物のオティーリエが花婿にパスを繋いだ上で食べないまま暗示により身代わりにする事を選べたという事を考えると、必ずしもその結末は血肉という形で生涯を共に過ごすハッピーエンドとは限らない。 血に抗おうとしたという点であれば、主人公もオティーリエも同様であり結ばれない結末もなくはなかった。 とすれば、この主人公が花嫁に向ける気持ちは本当の恋であり愛していたという事だったのか? 真相は当人のみぞ知るですので、個人的にはそうであれば嬉しいという落としどころにしたいと思います。 (まぁ、好きな人の血肉になりたいとか界隈によっては普通によくある話だから両者納得の上ならハッピーエンドだよね。という本能的な見解も含め) @ネタバレ終了 素敵なダークファンタジーの世界観に各所に散りばめられた謎を含め面白さのあるストーリー。 肝心の物語もチャプター単位で読む事ができるお手軽さもあり、一度クリアをしてから二周目のプレイする事を強くおすすめしたい作品です。 種族の違う男女と抜け出せない『運命』の結末、何とも甘美な響きですよね…。 という事で、素敵な作品をありがとうございました。
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夢にまで見たアイドル感想が遅くなりましたが、配信にてプレイさせていただきました。 タイトル画面の時点でゆらゆらと動くロゴ周りの星たち。 ふわふわに揺れる髪や瞬きする目と可愛さがたっぷり詰まったアイドルにふさわしい演出に心が躍りました。 @ネタバレ開始 開始直後、ステージを背景に語られる誰かの独白。 輝かしい舞台にいる誰かの物と思いきや、それを否定するような内容でもあり…。 そして場面は切り替わり仕事帰りの主人公が帰宅する場面へ。 典型的な仕事に疲れたサラリーマンといった様子で、夕飯をいただきながら見る動画を配信サイトから探しているもよう。 偶然視界に入ったインディーズバンドのライブ映像を見ながら現実的な問題を指摘する主人公。 だけど彼も以前は音楽をしていたようでクローゼットの奥にはまるで見ないように、だけど手放せないという心理が隠れているように押し込まれたギターケースの存在が。 少し休むつもりがどうやら眠ってしまったようで、女性の声が聞こえ瞼を開ければ…。 可愛らしい女の子らしさに溢れる部屋にフリフリのドレスを身にまとった女性が!? さっきまで自分の部屋にいたはずなのに、どうみてもそこは自分の部屋ではなく。 間取りこそよく似ているようでも完全に置かれている家具から今目の前にいる彼女の部屋に自分がいると考えた方が自然な状況。 先程から突然現れた不審者状態の主人公に目の前の彼女は警戒している事も合わせ、何とかやりすごさなければまずい。 選択肢がきたので、とりあえずハズレと思う方を選択。 完全にただの不審者となった主人公の視界が暗くなったと思えば、自分の部屋に戻っていた? どうやら先程までの事は夢のようでそこでおしまい。 今度はタイトルにもある重要ワードであろう「あんた…アイドルか何かか?」を選択。 すると彼女は少し驚いた様子を見せるも、上機嫌といった反応になり。 とりあえず難は逃れたかと会話を続行しようとするとファンの演技をしているのに名前で呼んで欲しいと言われる無理難題が…。 そんなのわかる訳がないと、素直に名前を確認すれば田中恵という名前であり、親しみを込めてメグと呼んでも構わないと教えてもらえた。 …凄く直感的な感覚ですが、主人公がスマホを扱っている事から時代は現代なのでしょう。 しかし彼女の名前はどちらかといえば80年代かそれより前に多そうな名前の印象を受けました。 部屋の中も、可愛らしい女の子の部屋なのはそうなのですがどこかセンスがレトロなのも気のせいなのか。 (特にベッドにかかっているレースに花の絵×青の配色な掛け布団?のセンスが顕著でしょう) 会話を続けるうちに、主人公は今の状況が夢であると推測。 実際にエンド1の際には夢オチだった事も考えれば、突然場面転換した事も合わせてそう考えるのが自然でしょう。 それなら夢かどうか確かめようとばかりに主人公の頬をビンタしようとするメグ。 やめさせようとするも間に合わず、頬に痛みを感じる事に…。 結局目を覚ましたら自分の部屋だったという事から夢だったのに変わりはないのでしょうが、夢の中でもビンタをされたら痛いんだ…? その後、学生時代の友人であるトウマと合流し昨日の彼女について調べていく流れへ。 もしかしたら彼女は以前どこかで会った事がある人物なのではないか?と思うもトウマは知らないと返答。 ならばもう用は済んだと帰ろうとするも、トウマがパンケーキを食べ終わるまでは付き合う事になり。 その際彼がスマホで見せてくれたショート動画を投稿できるSNS。 そこには18歳の若者が自分で作詞作曲をした曲を弾き語りしている動画が流されていた。 そして、そこから今度はトウマ側の本題を切り出そうとしたところで話を切り上げ退席する主人公。 次に場面が切り替われば、目の前には再びメグの姿が。 場所はメグ行きつけの喫茶店らしく実際にテーブルには今彼女がいただいているホットケーキの皿もあり。 初めて訪れた場所ではあっても、構造はどこか昼にトウマと食事をした場所によく似ているというまたしても不思議な部分もあり。 お洒落とは思うのですが、やはり内装の雰囲気はどことなくレトロ感が漂う感じですね。 店主の趣味と言えばそれまでなのですが、配色や壁紙に窓際を飾っているレースの感じというのでしょうか…。 話しかけてみれば、どうやらメグも主人公の事を夢の中の登場人物と思っているらしく。 お互いに相手が夢の中の存在と思っている奇妙な構図のようでした。 トウマといい、目の前でおいしそうに甘味を食べられパンケーキを羨ましいと言えばメグはパンキーキが何かを理解していない? 確かにパンケーキとホットケーキの違いって何?と聞かれると難しいですが、少なくともメグが食べているのは厚みからホットケーキなのでしょう。 以降、定期的に夢で主人公とメグは顔を合わせるようになり…。 後日、今度はメロンソーダをいただいているメグとの会話にて主人公が以前バンドをしていた過去を話す流れに。 家にギターケースがあったりトウマが見せたショート動画に関する流れ、そしてインディーズバンドに対する現実的な独り言を思えば想像はできていました。 ここで再び選択肢が。 上を選んだ場合そのままエンドに直行でしたが、これがなかなか予想外の展開だったというべきか。 メグのアイドルスイッチをONにしてしまった結果、主人公がアイドルとしてデビューというとんでもな事に!? お前がかよ!?と全力でツッコミをいれつつ。 でもまぁ…幸せならいいのか?いや、いいのか…? 本筋の選択肢を選べば、自身はもう28歳である事。 今更遅いという事を伝える流れへ。 ここは主人公の言い分というか、現実的な事を考えたり大人になるという事を思えばとても理解できるのが辛い所。 メグはまだ28歳じゃないのと言いますが、一般的に28歳と言えばすでに定職についており後輩もできてある程度責任のある仕事が任せられる年齢でしょう。 人によっては家庭もあり、妻子を養っている頃合いとも想定できる。 だから夢を追いながらも生きていく事を考えれば20前半か、遅くとも半ばが潮時と思うのは無理もない。 悲しいけれど、夢を追いかけるのに遅い事はないという言葉はあってもそれを実際に掴めるのはほんの一握りの人しか存在はしないのです。 しかしメグは主人公の演奏するギターが聞きたいとお願いをしてくる。 しばらく触れていないので演奏できるかわからないと返せば、次に会う時までに練習をしてきてと諦める様子もなく。 選択肢として、ギターを取り出し演奏をするかしないのかを問われ。 演奏しない事を選べばかつて彼が音楽をやめた理由であろう記憶の断片が零れ落ち。 彼女にもう二度と会わない事を願って眠れば、夢で会う事はなくなり日常へ…。 これは夢を追いかける彼女の熱に影響された一時の夢だったのだというように。 ギターを演奏する事を選べば夢の中でメグが嬉しそうに報告をする流れへ。 今までまともに事務所に向き合ってもらえなかった彼女が、ようやくレッスンを受けさせてくれるように。 メグからしてみれば、主人公と夢で話をするようになってから彼女の状況は好転しているらしくここで一つの想定が生まれる。 彼女はこの世界のどこかで生活をしている、実在する女性であり 主人公と彼女の人生がリンクをしている。 だから主人公が前向きな行動をすれば、それが結果として彼女へも影響しているのだとしたら? それまで向き合う事を避けていたギターを演奏した。 たったそれだけで彼女は夢に向かい前進したというのも偶然の一致にしてはできすぎている…。 そして、三ヶ月が経過したある日…とうとうメグがステージに立つ事が決まるという待ち望んだ展開が! 大きなコンサート会場で事務所の新人代表として歌えるという晴れ舞台。 しかし、その施設は現在閉館しているはずというやはり奇妙な点が再び浮上し…。 やはりメグは実在する人物だとしても、主人公と生きている時代がズレている? 今まであった、夢の中でメグと会う際に感じた不思議なレトロ感。 部屋は間取りが似ていて、行きつけの喫茶店も構造はどこか似ている。 とすれば、今生きている時代が違うだけで二人は同じ場所にいると考えるのが近そう…? こうなると気になってくるのは、主人公の住む部屋は事故物件であり過去に自殺した人がいたという話で。 メグは本来、主人公の生きている現代では故人のはずだったが何かしらの理由で干渉ができたのをきっかけに運命が変わったのではないか。 だから主人公が前向きに行動をする事で彼女は死の運命を回避している…? 実際、今も夢でメグに会う前に主人公はトウマへライブハウスで演奏をする予定があると話をしていた。 それもメグのデビュータイミングと同じ、今から二ヶ月後でありこれも偶然で済ませるには都合が良すぎる。 それを聞いたトウマも、思わずお前本当にユカリなのか!?と驚きを隠せないようで。 元々、主人公が音楽をやめたのはバンド活動に熱中しいつかプロになる事を夢見ていたのにその夢を悪い大人の食いものにされた事が理由だった。 やりきれない話ですが、そういった悪質な者が存在するのは珍しい話でもなく。 けど、それ以上に主人公にとって辛かったのは自分がどこにでもいる夢見る若者の一人であるという事実だった事。 自分は特別で、将来音楽の道で成功するとどこかで信じていたのに。 私見ながら、夢を見る…しかし、追いかける若者である事と将来成功する事は両立はするでしょう。 問題はそれがどれ程難しいことなのか? それまでに現実ではどれだけ多くの人が諦めていく事になるのか。 思い上がりにすぎなかったと主人公は思ったのでしょうが、そもそも成功すると信じて行動をしなければスタートラインに立つ事ができないのも事実であり。 後は夢を夢で終わらせない為にどこまでやれるのか…そういう勝負にも関わらず諦めたのだなと。 でも、それを責めるのも違うしそこから安定した仕事をする道を選ぶのもまた彼の人生でしょう。 そして、ここにきて順調なはずだったメグにも予想外のトラブルが。 本来彼女がデビューするはずだった舞台で、他の子がデビューをするという事に話が変わってしまった? 二人の人生がリンクしているなら、主人公サイドで何もトラブルがない以上メグに問題が起きる要素なんてなかったはずなのに。 諦めモードになるメグに対して、今度は熱を取り戻したように彼女へ言葉をかける主人公。 そこでようやく発覚する、メグは今まで精一杯の強がりで振る舞っていたという事。 辛い想いをしながらも、それでもいつか夢は叶うと信じてきたけれど一体それはいつの事になるのか? 一体、いつまで耐えればいいのか。 メグは、自分を応援してくれる相手は主人公しかいない。 だけどそれだけでいい、メグが欲しかったのはこれだったのだと悲痛な訴えをする。 そして、ここは重要と言える選択肢でしょう。 もう精神的にボロボロであるメグと一緒にいるべきか、一緒にはいられないと判断するべきか。 もし、一緒にいる事を選べば彼女は夢が叶わずとも主人公に依存する事で心を保つ事はできるのかもしれない。 しかしそれは、本当にメグの為だと言えるのか? 本当に彼女の事を思い、夢を応援するというなら突き放すというのも必要な優しさかもしれない。 バッド回収を先にして、最後は気分良く終わりたかった為あえて見ている地雷を選びました。 メグと共に生きる事を選んだ主人公は仕事をやめ、自由になった時間で彼女に会いに行くため夢を見る事にした。 その為に、薬を服用して…たった数時間会えないだけで寂しがる彼女の為にもう少し作用時間の長い薬を使おうと考えるようになって…。 共依存としか言えない歪んだ世界で…自分にだけ微笑むアイドル、メグとの時間を望む結末。 再び選択肢に戻り、もう一方を選べば主人公はようやく気付いたらしい。 自分が前向きに行動する事で、彼女のプラスになると信じていたけれどそんな事はなく。 むしろ、自分と出会った事で彼女は弱くなっていき傷を舐め合うようになっていたと。 これでは支え合いではなく、この関係は依存でしかない。 だからこの関係はここまでにするべきで。 この先は、自分で頑張らなければならないのだと。 プロになれるのか、それはわからない。 それでもこれからやれるだけの事をやって、自分の事を信じていこうと決意を告げる主人公。 それを聞いたメグも、いつかプロになった時には自分の隣でギターを演奏して欲しいと返し。 そして、彼女がデビューをした時にはCDをたくさん買って欲しいと精一杯の笑顔を向けた。 やがて、夢から醒め。 主人公はライブハウスでの演奏後、仕事を続けつつもコツコツ演奏も頑張ってみる事を選んだ。 再び主人公が音楽を演奏した事を喜ぶトウマ、そんなトウマにまた一緒にバンドを組んで欲しいと頼む主人公。 以前話題にあがったショート動画の投稿も、とりあえずやれる事は試してみたいと前向きな様子は心が温まり。 どうやら最近はレトロブームとして、主人公達の親世代で有名になった曲のカバー等が流行っているらしい。 そして、ある動画で耳にした曲は…忘れる事のない、この声は……。 芸名を古河ゆうか。 本名が、田中恵という昭和アイドルのものだった。 例え、もう会う事がないとしても。 それでも主人公は最終的に、前向きに歩み出すという応援をしたくなる素敵な結末でした。 一方、メグは無事にデビューをして夢を叶える事に。 歌が終わり司会者との軽めのトークがされる中でされる『好きな人』についての質問。 アイドルに恋愛話はご法度とばかりに舞台袖にいるマネージャーは両手で大きな×を作って合図を送る。 (この司会者さん、きっと後で叱られるんだろうな) なんて思いながら、彼女は夢で会った彼についての気持ちを正直に言葉にする。 ぶっきらぼうで、口は悪いけど自分がアイドルになる事を誰よりも応援していてくれて。 きっと、今自分がこの場所に立っている事を誰よりも喜んでくれている大好きな人がいる…。 「‟夢”を見ました」 夢の中でしか会えない関係だったけれど、それはただの夢じゃなかった。 スタッフロールの後に語られる出会いの日の直前にあっただろう出来事。 きっと、本来の彼女はやはりもしここで主人公と出会わなければ死んでいたのかもしれないと思えて。 だけど、涙で濡れた顔を見せても自分の事をアイドルと言ってくれる人と出会えて事でもう少しだけ頑張ろうと思う事ができた。 夢の中でしか会えない、違う時代を生きた二人の出会いによって動き出す物語。 いつもの事ながら、読後感としてどこか救われた気持ちになれる素敵な内容でした。 @ネタバレ終了 全てが終わってから見れば、タイトル画面にも思わずにやりとする要素があったり。 素敵な作品をありがとうございました。