やつかなたのレビューコレクション
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未踏峰 Mystic Mountain以前から進捗を拝見しており、神話や伝説モチーフとお聞きしてプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 まず本当に元ネタの解釈&天使たちのキャラデザがお上手でプレイ中ずっと歓声と拍手の大嵐でした! バベルの塔や天使たちなどのキリスト教的逸話からイカロスのようなギリシャ神話、あるいは『幸福な王子』や『神曲』などのヨーロッパの名作までちりばめられているうえに糊さんの素敵な解釈に裏打ちされて独自の世界観へと昇華されているのが本当に圧巻でした! 特に「地球」では最も強い者を人類とする以上、ヒトが天使と呼ばれる生き物を克服し、彼らが「天使」と呼ばれるようになったが故に獣となるという構図が聖書やヨーロッパの創作でよく語られる「天使の一部は神が人類を愛し、天使よりも上位の存在としたがゆえに神から離反し堕天した」という伝説を彷彿とさせ、その発想はなかったと舌を巻いております。 また天使の方々も本当に魅力的で、私も天使がむちゃくちゃ好きなのですが特にアバドン!!! 「ヨハネの黙示録」にも登場し、D.H.ロレンスの「黙示録論」では彼の名であるアポルオンはアポロン由来であると言われた深淵の王が登場してる!!!ありがとうございます!!!! マイナー天使ゆえに日々飢えていたところに、糊さんの素敵なキャラデザのアポルオンが拝見できて本当に嬉しいです。 その名に似合う太陽神のようなきらめきを持つ瞳と、鋭い陽光のような髪とかぎづめを見せつけながら、「星」が落ちる中での登場はまさに「ヨハネの黙示録」を幻視したかのようなシーンで感謝のあまり涙が出ました。むちゃくちゃ格好良い、絵もお上手で素敵......。本当にありがとうございます......。今日から糊さんのアポルオンの大ファンになります......。 これは純粋な疑問なのですが、糊さんがアポルオンのおててを鳥の足のような獰猛かつ美しいデザインにされたのかが気になります!是非教えていただけると嬉しいです! また一番お気に入りのエンドはソー&マモンエンド! まさかのバッド(ソーにとって)エンドで『幸福な王子』をオマージュされている?!と驚きでした。物語の王子に憧れ、そして己の欲深さに道を踏み外した彼が美しく、そして心優しい王子の銅像へと変えられる。 そして優しさゆえに己がみすぼらしくなることも顧みず、その行いにより天国へ向かった『幸福な王子』とは異なり、彼自身はマモンの作った偽の天国へ落ちるというのがあまりに皮肉でした。 しかもマモンは7つの大罪のうち強欲を司る悪魔とされているため、結局ソーが向かった先は地獄じゃないか!!と糊さんの元ネタ解釈と、それをご自身の創作にスマートに添える手腕、それにより起こる逆転があまりに見事で感服しております! 人間側で好きなのはアンドレイアくんです。まずお顔がむちゃくちゃ可愛い。 己の怖れに打ち勝つために未踏峰に昇ろうとするその強さも好きなのですが、それでも己の臆病さを克服できないところや、克服しようとしてお守りや聖書に縋ってしまうところが、結局神に縋ってしまう人間の弱さを表していて、サリエルの言葉に思わずうなずいてしまいました。 アンドレイアくんは今までいろんなところを旅して写真を撮っているという実績を持つので、ぜひ自分を信じてほしい!君はすごいぞ!と一ファンは応援しております。 @ネタバレ終了 元ネタの解釈だけではなく、それを丁寧に読み込みながらも己の作品として作り上げていく手腕があまりに鮮やかでした! 素敵なゲームをありがとうございました、これからも創作応援しております!
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人の気持ちが分からない!キャッチーな題名と「罪と罰」というタグを拝見しプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 前作の「ハーレムなんてあるわけないじゃないですか」で登場したシャルル殿下が冒頭から女性に怒られている?!もしや彼女はシャルルさんが気に入っていたというメイドさん?!と前作の記憶と共に一気に引き込まれ、あれよあれよと人間観察をしてはシャルル殿下の心情を分析し、これは恋だ!と言ってしまったがゆえに最初に辿り着いたのはバッドエンドでした。 このエンドでは殿下がベネディクトさんの「愛なんて瓶に詰めて眺めておけばいい」の台詞に後押しされていましたが、トゥルーエンドを見た今では「もしやこれはベネディクトさんの術中にはまったのでは?!」と思っています。 勿論、一番好きなエンドはHappy End! Twitterでも書かせていただいたのですが、殿下がマリアンヌに嘘を暴かれたことで恐怖を感じ、それを恋としてラベリングしていた。けれども彼が経緯はともあれマリアンヌさんを大事に思っていたことは事実であり、だからこそ彼女との恋を諦めるために嘘をやめて、本音を吐き出したことで、むしろ彼女との関係が始まるというのが本当に綺麗な展開で脱帽です! また、マリアンヌさんが彼の「偽善」、それこそ打算ありの嘘も入った善行を「それでも大事に思ってくれたのは事実だ」と認めてくれるところが本当に彼女の誠実さが良く表れててうるっときてしまいました。 個人的によくできた偽物は本物とは区別がつかないし、その偽物の定義は「作り手」や「作られた経緯」に依存すると思っているので、彼女がそこも込みで今までのシャルルさんとの日々を認めるシーンはすごく誠実で素敵だなと思います! またtrueエンドでシャルルさんが「時間をかけて見極めていくか」と呟いたのも、ゲームの中で行われた人間観察では早く切り上げてしまえば見えないこともあるというシステムとも重なる部分があり、ゲームシステムと物語が一致し、現実と虚構の溝が埋まる素敵な台詞だなと思っております! @ネタバレ終了 すごく楽しませていただいた1時間でした。素敵なゲームをありがとうございました!
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ヘデラの花が枯れるまでTwitterで投稿を拝見しプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 家族が死に瀕しているからこそ必死にならざるを得ない科学者、最高! 単なる探求心だけではなく、家族を守るために開発を続けたにもかかわらず結局救えなかったという事実だけが残って、ずっと思い出を繰り返していたんですね。主人公の部屋に飾られている絵がストーリー進行を暗示していたのも、彼がそれぐらい家族との思い出を大事にしているからなのが読み取れて本当に素敵でした! 特に「科学者」であり「父」であり「夫」だった彼が家族を失っても尚、思い出に縛られ、けれどもそんな彼を助けたのも思い出の中の家族だったというのが感動的でした。 人間は「死体」を「死者」として認識したことで進化を遂げたという説がありますが、この作品ではまさに人間が単なる「生きているもの」ではなく他者と生きている存在だからこそ、その人個人が亡くなっても誰かの中では必ず生きているという点が強調されていて、最期の弔いのシーンがむちゃくちゃ沁みました。 記憶とともに生きている人間だからこそ、死に向き合い別れを告げる。身体だけが人間の生を表しているのではないから死を認め、記憶を大事にする。別れや弔いというとどうしても気持ちの切り替えという意味が強調されがちですが、この作品では過去に縋るために見て見ぬふりをするのではなく、過去を過去として認めるために、そして生者として大事にするために別れを告げているみたいでとても良かったです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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惑わしミンクスTLで話題になっているのを拝見しプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 まずイラストがとても綺麗!以前から深山宵さんの美少女美少年の絵がむちゃくちゃ好きで、なめらかでマットなタッチからそう簡単には見透かせないキャラの人間性を感じる、つまりはミステリアスで素敵だな~と思いながら読み進めると、まさかの展開でびっくりでした。 全てを持っていてそれに少々飽きている女の子と、全てを捨てているからこそ彼女の食傷に居場所を見つけてしまい結局離れられなくなってしまう男の子、なんとも一筋縄ではいかないボーイミーツガールで新鮮でした。 お互いがないものねだりのように繋がりつつも、単なる共依存ではなく少しずつ認め合っているところもあるのが良かったです。 だからこそ斗亜くんの優しさを重視する凛音ちゃんが、彼が傷付かないように力を使うシーン(ひったくり、路地裏での暴行、田舎での出来事)が印象的でした。 また、凛音ちゃんが店員に「お会計お願いします」って言えるとこ、結構好きです! 何でも言うこと聞かせられるとはいえ、ちゃんと社会的な対応が出来る。彼女が大事にしているのはその人の「優しさ」なのでそれを奪われるのは嫌だからやらないという理由も納得でした。自分がやったことの影響をしっかり予測して自分の力を制御できる女、主たる風格を持っていて大好き! 何となく凛音ちゃんの倫理観や良心は「私の大事な人が嫌がるから」という感じで外付けなのが、凛音ちゃんらしいなと思いました。だからこそ斗亜くんの優柔不断で、でもやっぱり善を為そうとする性格に惹かれたのかもと勝手に解釈しております! @ネタバレ終了 ミステリアスで、一筋縄ではいかないボーイミーツガールでした!素敵な作品をありがとうございました!
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ことはらのあに進捗や宣伝を拝見し、プレイさせていただきました! @ネタバレ開始 自分より地位の低い美しい男、しかも年上!という最高の概念を浴びることができる素敵な作品でした! 特に印象に残っているのは、大人びてはいるものの、言葉の端端に高校生の素直さやあどけなさを残すお兄さんの話し方です。 感情が昂った時に素顔が見えるのは当然なのですが、「同じなのにね。半分は同じなのに」という台詞などさらりとした口調であるが故にいろんな思いが透けて見えるところは清流みたいですごく好きです。 個人的に好きなエンドは「清流エンド」!お互いの立場のせいで単なる応援や慰めが憐みに感じてしまいそうになるけど、いろいろ話してお互いを知った今だから素直に受け取れるんだろうな。主人公ちゃんが子供ながらにも自分が持ちうる力で外に出るという終わり方も爽やかで素敵!お兄さんも案外、根性があって歩みを止めずに生きてるところが良かったです。 またイラスト・文章共にさらりとした感触でありながら諸所に感情を滲ませる表現が本当に素敵でした!まさに水彩画のようで終始「こんな表現できるんだすげー!!」と脱帽しっぱなしでした。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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テンジシツ以前からTLで進捗を拝見しており、プレイさせていただきました! @ネタバレ開始 ミステリアスなショタ天使とくたびれたサラリーマンが美術館でふたりきり?!とキャッチーな出だしからは想像もできない、切ない感情に満たされた作品でした。 各キャラクターにそれぞれ太陽、月、流星というモチーフがあり、それに沿う形で物語やBGMなどの演出が効果的に展開されていくのが印象的でした。 個人的には天使ちゃまが大好きです。絵画であるがゆえの不自由さ、産み出してくれた作者への執着を強く出してるキャラクターですごく良かったです。 恋愛という一種、醜い部分を持つ感情から生み出された存在が本来生殖能力を持たない「天使」であり、その絵の名前が「憧れ」なの、本当に業が深すぎる。自分がそう生まれ付いたからには絶対になれない、絶対に叶わないものへの羨望や執着を描くことで生まれた絵。勿論、それ自体で願いが叶うわけもなく、天使自身がその無力さを嘆き、それを反転させた激情が明らかになるシーンは最高でした! また皆さん仰っていますが絵がむちゃくちゃ綺麗!本来動くはずのない絵画が動くというのも、この物語を踏まえて考えてみれば皮肉のようにも、希望のようにも思えます。 @ネタバレ終了 素敵なゲームをありがとうございました!
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リパリアの肖像オスカー・ワイルドの童話「幸福な王子」をモチーフにした乙女ゲームと知り、プレイさせていただきました! @ネタバレ開始 まず、本当にイラストとシステムがお洒落で起動した途端にあっという間に引き込まれる作品でした。柔らかで優しい色使いと、童話調の語り口が印象的で、けれどもシャルルペローのような(とよく言っている)人間味あふれるストーリーに「乙女ゲームだ!!!!」と大興奮しております。 個人的に王子様が大好きです! 特に王子様に対して主人公が「誰も、王子様の一番にはなれない」と独り言ちるシーンが王子様の博愛とその善性に惹かれながらも触れられない主人公の人間味を感じて素敵でした。それと同時に主人公ちゃんが王子様から物を貰って一瞬、魔が差しそうになるところも大好きです。 人間ですのでやっぱり性格やその価値観にはある程度、環境が影響するものだと思います。だからこそ王宮で大事に育てられた王子様が清らかな心を持ち、それにほんの少し動揺を感じる主人公ちゃんの恋に「身分差の恋の醍醐味」を味わえました! こういう細かい描写からも彼らの環境や生活が垣間見えて、原典の「美しい像」だった王子様が他の人々とはっきり生きていたのをひしひし感じました。 @ネタバレ終了 「人間」らしさを本当に大事にしながら作られたゲーム、そんな素敵なゲームをプレイさせていただけて本当に幸せです!ありがとうございました!
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少女の亡国Twitterで話題になっており、プレイさせていただきました! @ネタバレ開始 さまざまな文学作品をモチーフにしながら語られるガラス細工のような「少女性」の脆さと儚さ、美しさが印象的な作品でした! 女子学生という社会に染まりつつある存在が自分の在り方を模索していく中で「特別」を求め、「特別で美しい私たち」でいることを誓った二人の関係性が本当に綺麗で大好きです。 「恋」と一言で言ってしまうと少し野蛮なまとめ方だとは思いますが、お互いに特別であることを認め合う関係であり、そこに執着を見出しているからこそ、自分がそうあれるのかという「役割」への葛藤とそれを阻むモノへの狭量に恋が持つ憧れや自己愛的なものを感じました。 勿論、そこにはお互いへの憧れや羨望も見いだせる作品で、お互いがお互いの距離感に執着していたのではなく、お互いをいわば神聖視するからこそ近付けない、でも本音を言えば近付きたかったという切ない感情が髄所に。あまりに繊細な関係だからこそ臆病になってしまう二人に今でも胸を押さえております! @ネタバレ終了 しずかな夜に読み返したい、切なくも美しいゲームでした!本当に素敵な作品です。どうもありがとうございました!
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とっくに死んだ恋なのにゲ制デーの投稿を拝見してプレイさせていただきました! @ネタバレ開始 高校時代の死んだ片想いの相手が生き返るという、退廃的でありながらもしめやかな主題と、それを支える美しい言葉の数々に魅了されて遊ばせていただいた今も、興奮が全く冷めません。 まず表現についてですが、どの心情表現も的確かつ生々しく、まるで人間の体の中に手を突っ込まされているのではと感じるほどリアリティのある言葉ばかりで、プレイ中ずっと脱帽しておりました。 正直、キリがないぐらいに好きな台詞があるのですが、そのなかでも「クリーニング屋がかけた、ウェディングベールのように薄っぺらくて頼りないプラスチックを捲ろうとしたけれど」は雰囲気がぶち壊しになるのも構わず手を叩いてしまうほど、素晴らしい表現でした! 高校時代の恋がもうとっくに死んでいて、けれども「本当の鹿嶋は俺だけが知っている」という優越感を1000円ちょっとの値段で「祝福」してもらったにもかかわらず、その片恋相手の死を前にして乱雑に引っぺがしてしまったというのが、彼の優越感がどれほど安っぽいものだったのかが良く伝わってきました(もし違っていたら申し訳ないです)。 けれども鹿嶋くんへのお供え物に統一感がないのを見てやっぱり軽蔑と優越を覚えるほど、彼の中では鹿嶋くんは大きな存在だった。しかしその「本当の鹿嶋」を知っているという自負が、自分の片恋が死んだ理由と直結だったのを知り、「これは確かに主人公が歪む......」と頭を抱えております。 高校時代、ずっと鹿嶋くんは主人公と関わってきましたが、その理由を聞くことは今ある現状に疑問を持ってしまうことである、だからこそ彼は黙って受け入れてきた。身の程知らず、というか身の丈に合わないと知っているからこそ、「何故?」と疑問に思うことは「自分が選ばれるはずがない」と否定することにも繋がってしまうからただ抱き締めることしかできなかったのではないでしょうか。 臆病ゆえに死んでしまった片恋が、だらだらと梅雨のように未練がいつまでも続いて、でも夏がもう来てしまうというニュースを聞いて思わず「好きだった」と呟いてしまう。もっと言うなら、死んだ恋(あるいは鹿嶋くん本人)が生き返って明るい未来をやり直すなんてことはあり得ず、上半身だけの彼が一体何者かは分からないまま、言えなかった言葉を独り言ちるという結末があまりに当然の帰結すぎて言葉もありません。 梅雨が明けると言っても晴れやかになるはずもなく、そもそも主人公の部屋はずっとカーテン閉めっぱなしで明るい日光が入る訳もない。梅雨の湿っぽさはそのまま夏に持ち越され、鹿嶋くんとの思い出がある雨も遠のいてしまう、という構成があまりに美しかったです。 インモラルだし、暗めでしめやかではありましたが、全ての登場人物にぴったりと、まさに湿気を含んだシャツのように肌と一体化した心情描写と展開に導かれた、納得できる結末でした。腑に落ちる上に美しい最後を拝見できて感無量です! またこの作品では立ち絵がなかったのも、主人公が人に顔を見られないようにしていたのも関係しているのかなと勝手に解釈しております。 興奮のあまり駄文・乱文を書き連ねております、申し訳ありません。 本当に素敵なゲームでした!また次回作も応援&お待ちしております!プレイさせていただき、本当にありがとうございました! @ネタバレ終了
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Heliogabalusローマの歴史家にさんざん言われるヘリオガバルスをモチーフにした作品で、スチルも豪華かつたくさんある!参考文献も明記してくださってる!と大変興味深いうえにゴージャスなゲームでした。 @ネタバレ開始 END1はまさにハッピーエンド。どうしてこれが史実じゃないんですか?!と言わんばかりの素晴らしい結末でした。 Twitterでも呟かせていただいたのですが、やはり「死んだら埋めてくれ」という願いへのエルガバル神のアンサーが「死ぬな」ではないところに爆萌えしました。幾人もの生死を見つめる神であり、人間に信仰されることで輪郭を保つ神だからこそ、「死ぬな」とは言わない。そこが凄く神様らしいなと個人的には思っています。 宗教が持つ「救い」や「安寧」を神様自身がきちんと理解して、見守っているんだなとしみじみ感じました。 END2 完全なる大団円ではなくともスチルが可愛い!有難い!! 軍人皇帝時代に片足突っ込んだ分だけ物騒感は残りますが、これが史実でもいいんだぜという気分です。アレクサンデルくんにしろ、ヘリオガバルスにしろ、自分が持つ善性に必ずしも市民が答えてくれるわけじゃないって言うのはなんだか寂しいですね。 神様相手だと善も悪もそれほど関係なく神罰や恩寵として解釈されますが、いくら皇帝とはいえやはり人間。国を治めるためのシステムとして捉えられている以上、権威の失墜はかなり痛手になるものなのでしょう。 でもまあ、何が権威の失墜になるのか分からない時代なので個人的にはローマ時代に転生しても絶対に皇帝にはなりたくないですね...... END3 これが!史実!悲惨......。勿論、ヘリオガバルスのヤバい性癖が仇になったのは理解しているのですが、こう、貧民への優しさが「市民」への支持に繋がらないところはいたたまれない気分になりました。 特にテヴェレ川にぶち込まれたヘリオガバルスをエルガバル神が抱き締めるシーン!悲しいのに、これほどなく萌えるスチルで、感情がぐちゃぐちゃになりました。まさに総合芸術、おしゃき様の文章とスチルがなせる業に脱帽しっぱなしです 敬虔な信徒を殺された神様が、実に個人的な感情で帝都を破壊するの、本当に神様って感じで良かったです またヘリオガバルスも、ソエミアスも優しさが仇になる人々で、やっぱり政治は善性では操れない世界なんだなと思い知らされました。だからこそ神の権威を使ったり、武力を行使したりするのでしょう。何度も擦って申し訳ないのですが「神々は善良ではなく、ただ強いだけ」という言葉その通りのゲームでした。 女装皇帝と両性具有の神様コンビ、最高でした! 可愛くて傲慢で我が儘だけど優しいヘリオガバルスも、それを見守り、神として時に導く武闘派太陽神も属性モリモリで本当に面白かったです! 政治と宗教、あるいは歴史に想いを馳せられるゲーム、とても興味深かったです。素敵な作品をどうもありがとうございました! @ネタバレ終了