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SHIAのレビューコレクション

  • INNOSENCE 異能新世界戦線
    INNOSENCE 異能新世界戦線
    全44章+分岐の特厚ボリュームかつ、かなり独特の世界観と表現方法なので、腰を据えて長編にどっぷり浸かりたい人にオススメの物語でした。 選択肢は最後に一つだけなので、そこでセーブしておけばあとは楽に3つの分岐を見られる親切設計です。 分岐によってまったく異なる展開を迎えるので、3分岐とも読むと尚楽しい仕様でした。 物語内部と外部でガラリと話の内容が異なっている書き方もさることながら、手に汗握る異能者たちの熱いバトルも読みごたえ抜群、最後まで疾走力が高いストーリーでした。 登場人物もかなり多い印象を受けましたが、一人一人が主人公並みの熱量と深さがあり、作者様の登場人物への愛が感じられました。 男女一組を確実・絶対・百発百中・爆殺リアル充ボムとか恐ろしすぎる…そんな、安い早い上手い品質よしみたいな気軽さで爆殺されても!!(旧人類的にこの異能はマジで滅びる) @ネタバレ開始 新人類に属せていたら良かったのですが、今のところ「ハイパー脳天気」が異能でないかぎりは異能がなさそうなので旧人類に属するものとして感想をしたためます。 謎の記号や謎の言い回しなどに「???」と頭にお花畑が大量に咲き誇り、分からないところはスルーするしかないかなと読み進めていたのですが、最後に一度だけある分岐、そこで叩きつけられる真実にお花畑を大量生産している場合ではなくなりました。 私が個人的に好きだと思ったのは花神さんとシャルルメリアさんの正体がガッツリ明かされる2.GODENDです。 「最初から最後まで」 「全員です」 すべては掌の上だったのか…!! 生まれる前から生まれた後も死んだ後も調整するような存在には誰も勝てない(キリッ) そして、すべてが「はい、それはそうしましたから」という一言で片づけられそうなこの怒涛の真実と展開に開いた口がふさがりませんでした。 そして、朕様。 いやいや、朕様……本当に朕様(言葉が出てこない) 旧人類のわたくしめでは「朕様」しか出てこないのですが、すごいですね真性の愛する悪は。 @ネタバレ終了 自分で自分の作品にメスを入れるがごとき書き口、神が一つ一つの創造物にあえてのコメントを書き添えるような書き口、斬新で面白かったです。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 異形の森の赤ずきん
    異形の森の赤ずきん
    初めは「怖い作品だったらどうしよう、うわああああ足が指の蜘蛛が出てきたぁああ!!」と怯えましたが、終わってみたら豪雨からからっと晴れて虹が出た空を見上げたような気持ちになれる作品でした。 目が覚めたら知らない薄暗い森の中、出会う住人たちはとある話題になると急に態度が変わってしまう…という状況に困惑しつつ「帰る」ために記憶を探す物語なのですが、出会う住人さんたちが皆個性的で、最後はお別れしたくない気持ちになりました。 @ネタバレ開始 セナさんの壮絶な過去のいじめに「イジメ、ダメ、ゼッタイ、マジユルスマジ。」と私の中の死神が覚醒しました。 自分が逃れられるならとセナさんを人柱にした友人の心が理解できる―――わけもなく、自死を選ぶほどに追いつめられたセナさんに「これ(現実に)戻らないほうがいいのでは…」と思ったりもしました。 最後の選択肢で「帰る」を選ぶにあたり、多少の躊躇いと今のセナさんなら大丈夫だろうと思う気持ちとがせめぎ合い、思わず「残る」を選びそうになりました(「帰る」のトゥルーエンドの後、ロードして選んでみたらまさにバッドエンドでした…!) シャルさんらとの出逢いがもたらした心の中にある確かなもの、心の核となるものを握り締めるようにして立ち上がったセナさんの「かかってこいよ!!」に、心からの拍手とともに涙を送りたいと思います。 この終わり方、本当に感動しました。 @ネタバレ終了 すべての謎が紐解かれたとき、初めのころの不気味さも謎がもたらす違和感も何もかもを翻し、背中を押してくれる幾つかの手にありがとうと言いたくなる素敵なお話でした。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • カエルの話
    カエルの話
    プレイヤーをゲームクリアまで導くようにと作者さんから指令を受けたカエルさんとまったりお話するゲーム……なのですが、ただそれだけに留まらない「話しかけてきている」という状態を巧みに表現している作品でした。 カエルさんが「どっこいしょ」と横になったりと、案内役という枠にはまり切らない人間味があってchapterたちの最後までしっかりとお付き合いさせていただきました。 @ネタバレ開始 自分が作者によって作られた「こういうキャラクターである」という部分を理解しており、その決められた枠から飛び出していこうという試みに対する「こんなことできるわけないと思っているだろ?」という問いかけが特に面白く感じました。 できないだろうと無意識に思う心理に直接呼びかけてくるのがとても面白いというか…お話をするという形だからこそ一瞬で無意識から引き出せる真理というか。 カエルくんが最後に飛び込んでいったそこまでが作者様の予定調和によるものなのか、あれこそ作者様にもあずかり知らぬカエルさんの行動なのか……面白い余韻でした。 @ネタバレ終了 ゲームという媒体の在り方や仕組みをも利用したシナリオの展開に、思わず舌を巻く素敵な作品でした。 ありがとうございました!

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  • こっくりさんのお告げ
    こっくりさんのお告げ
    「こっくりさん、こっくりさん、おいでください」……日本ではポピュラーな降霊術であるこっくりさんを試した4人の学生たちが辿り着く結末とは……。 注意書きにあるとおり、こういうものは興味本位など軽い気持ちでやってはいけないものだなと思いました。 ホラー成分がガンガンにきいたイラストなどは出てこず、画面の構成がシンプルなのでホラーが苦手な人でも楽しめると思います。 ちょっとした謎解き要素もあるので謎解き好きさんにもオススメです。 @ネタバレ開始 「こうか」について入力するシーンは、ものの見事に引っかかりました。 普通にそのまま画面に出されたヒントというミスリードを元に入力し、くるくる巻き戻されました。 トイレで変質者VS先生で、いくらなんでも変質者があっさりと倒されすぎでは?とは思っていたのですが、まさかでした。 主人公が指先を切った意味を何も考慮しなかった凡ミス…! いえ、巧みな仕掛け…! くるくる巻き戻された後の教室の謎解きとラストの謎解きは無事にサクサクとクリアできたので「こっくりさんはまだ続く」という日本のホラーではある意味でお約束でもある「ホラー!! 終わってないじゃん!! まだ続くやつじゃん!!」を見られてよかったです。 明日もどこかの教室でこっくりさんが呼ばれるのでしょうか……。 @ネタバレ終了 話のテンポが軽快で謎解きなどのバランスもちょうどよく、とても遊びやすいゲームでした。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • Ghost KillerS(ゴースト・キラーズ)
    Ghost KillerS(ゴースト・キラーズ)
    ギターでおばあさん(※成仏してない)の脳天を叩いたりするイケメンたちが今日も幽霊退治します!な、画面のエキセントリックさとイケメンたちとのドタバタを楽しむ痛快スタイリッシュ&ちょっとしんみりもある物語でした。 若者が年寄りをリンチしている図みたいになっていましたが、これは幽霊退治!幽霊退治! 現にシャルロットさんはなんか最後にトキメキの一瞬を贈っていたし!と、南無三。 なかなか奇抜な幽霊退治で面白かったです。 @ネタバレ開始 どのキャラクターも個性的かつイケメンで、シャルロットさんとフーガさんたち双子が大変好みでした。 まさかの双子、破壊力が倍ドンで、尊い…尊い…となりました。 シャルロットさんの髪の毛をかき上げている図は心臓にオーバーヒートなみの負荷が…! 眼福でした、ありがとうございました。 @ネタバレ終了 ラストの終わり方が「あれ?」と思うものでしたので、あの謎が解ける日を楽しみにしています。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • キミに心臓をあげたい
    キミに心臓をあげたい
    もし、あなたの鼓動がこの世界に響かなくなりそうになったら、私が調律しに行くから―――そんな声が聞こえてきそうな、引きこもりでニートで髪の毛もボサボサで、でも「いい人」な主人公が再起するまでの物語でした。 TRUEからBADの順でエンドを見たので、凹みました…しまった、BADを3種類とも回収してからTRUEを見ればよかったです。 TRUEはとても感動的になっているので、これからプレイされる方(エンドコンプを目指される方)は是非BAD→TRUEをオススメします。 @ネタバレ開始 主人公が久しぶりに外へ出て自身の辛さを告白するシーンではUさんの「独り言だから聞こえてしまうかもしれないけれど」の言葉がとても好きでした。 「聞いてあげるから話して」と促すのではなく「この距離だから君の独り言も聞こえるね」と肩の力を抜いたセリフ回しが、主人公の緊張をほぐしているなーと……自然かつ上手な流れで、とても好きでした。 クライマックスのピアノを弾くシーンで一瞬女の子が被るシーンが鳥肌ものでした。 そのまま最後まで辿り着くとタイトルの意味がよく分かり、感慨深いものがありました。 @ネタバレ終了 スチルも美麗で、TRUEは最後の最後まで目が離せない「ああ、そういうことだったんだね」と心に響いてくる、正に一つの命の曲のような美しさでした。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • エキカクイーンズアイランド
    エキカクイーンズアイランド
    タイトル画面がヴィーナスの誕生に見えたので、ギリシャ系の話なのかな~とニコニコ思ったのも束の間、新種のクリーチャーに追いかけまわされるゲームかな!?と「それら」が出てきた時に思いました。 が、違いました。 壷にドアにさらに超ナイスバディな究極の理想形UFO(UFL)が出てきて、私の頭の中は混沌としながらも「このゲーム、分からないところが逆に面白い!」でした。 この作品のなにがすごいと言いますと「うわ、またおかしなのが来た」(byライさん)とのお言葉通り、次から次に個性的にもほどがあるキャラクターが出てきて、しかもどのキャラも言っていることがキャラクターに合っていて面白いところです。 @ネタバレ開始 全エンド見た(4名とも生存エンドがTRUEでしょうか)と思いますが、帰還するエンドで最後に皆が冒頭でも見た写真のポーズを取っている姿に、最初に見てからもう随分長い時間が経っている気がする……と感慨深く思うほど、エキジン化に関する一連のドタバタがインパクトがありました。 一番インパクトがあったのはドアの人なのですが、UFLさんがエキジンの中では一番好きです。 お友だちの中では見返り美人すぎるケリーさんが素敵です! @ネタバレ終了 選択肢以外でセーブするという意識が呼び起こされることのないハイスピード&ノンストップなシナリオで、立ち入り禁止なのに入ってしまいたくなるようなキャラクターたちの濃さと面白さでした。 素敵な作品をありがとうございました!

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  • お前が大統領だ
    お前が大統領だ
    まさかまさかのうさぎの皮を被った社会派ゲーム!?  お前が神様だと言われたらどんな世界にしようかな~なんて子供のころはよく考えたものですが、本作ではプリティなうさぎさんの国の大統領になれるそうで、「頑張って大統領になるぞ!」と思ったのも束の間、初めにぶち当たる問題が高齢化とかリアルすぎました…(うさぎの国も高齢化は避けられないらしいと知り白目をむく) 解決すべき3つの問題で取り扱われる内容が非常に興味深く、地球という惑星のあらゆる国で当てはまりそうな内容であったことからも色々と考えました。 どの問題も今となっては根っこが深すぎて一朝一夕には変わらない・解決しないからこそ、一人一人が向き合って「みんなでこの地獄から抜け出そうぜ!」とほんの少しのやさしさを寄せ合って、肩を抱き合って抜け出す勢いで未来へ進めたらいいなと思いました。 「ちょっと分からないんですけれど」と目の焦点が明らかに合ってないときのウサギさんの顔がツボでした(笑) 素敵な作品をありがとうございました!

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  • Propp’s prop professional
    Propp’s prop professional
    最強ブレンドのマヨネーズをヤ●ザに狙われて追跡されたと思ったら猟師からの試練を受けてトッピング全部乗せのクレープを授かったり、実は納豆菌だったりとクイックモードでも十分に面白い物語作成ゲームです。 あるところに、画狂老人マジ卍という即戦力の新卒がいました……と、なんだこれは~!と思うようなトンデモ物語が次から次に生み出せてしまうとても面白いゲームでした。 画狂老人で即戦力の新卒って何が起きたの…お前はいったい誰なんだ…。 めでたし、めでたし。までどれほどカオスティックな物語にできるかを挑戦したくなる、本ゲームをプレイした文豪たちの腕が疼いてしまうような文章や設定が盛沢山でした。 フォントや背景も色々と変化があり、図書室だったり科学実験の背景だったりと思わせぶりな背景による効果はもちろん、かわいいフォントや殺伐としたフォントなど文の内容だけでなくフォントによる視覚効果までありすごいプログラムだと思いました。 ランダム生成される物語もさることながら、自分でこだわりの物語も生み出せるとても面白いゲームでした! 素敵な作品をありがとうございました!

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  • 霊感♡彼氏彼女
    霊感♡彼氏彼女
    俺も彼女も霊感があって、実はそういうものが見えちゃったりするのだが……あ、かわいい彼女の傍に幽霊が!クリック退治!とクリックミニゲームを挟みつつ彼女との関係を維持できるのかハラハラしながら見守りました。 @ネタバレ開始 妖狐さんとのバトルで一度焼却されましたが、再トライで無事に避けきり助っ人の幼馴染さんが対処してくれましたが……幼馴染さん強すぎ! あっという間に退治してしまわれた…! その後に悪魔さんと主人公の間に入ってきて悪魔を追い払ってくれた杏里さんの勇気に、思わず拍手しました。 怖いものが大の苦手でものすごく怖かっただろうに…!! @ネタバレ終了 コメディタッチで綴られたかわいい彼女との一日、楽しく過ごさせていただきました。 素敵な作品をありがとうございました!

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