SHIAのレビューコレクション
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ERrArタイムリープマシンを使いエラーとなった人たちと交流し、エラー・キラーと呼ばれるエラーの人たちを殺めていく謎の存在についても探っていく、幻想的な物語でした。 線画のないイラストが美しく、個性的なキャラクターたちと世界観が素敵です。 @ネタバレ開始 終わりはいわゆるハッピーエンドというわけにはいかず、朝霧の中に消えていった影に思いを馳せるような余韻を残して終わる物語に、色々と考えさせられるものがありました。 物語で仲良くなった人、あるいはあまりならなかった人も次から次に亡くなっていくので、残される側の主人公としてはどういう気持ちなのだろうと考えながらのプレイでした。 特にザフィッシュさんとは毎日のように会話していたので、どうだったのかなと…。 スチルはエラー・キラーさんが現れたものと、ザフィッシュさんたちのものとが見られたので上手く条件を満たせたかな?と思いつつ、眼福でした。 @ネタバレ終了 管を繋いだエラーと呼ばれる人たちのデザインが面白く、あたたかみのあるグラフィックと相まって、全体として絵本を見ているような気持ちにもなりました。 素敵な作品をありがとうございました!
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BL男子の日常~消失点D~序章主人公である燈真くんのその想像力(妄想力)には目を見張るものがあるのですが、多分もう少し出力を抑えたほうがいいんだとお姉さんは思う…! 冒頭、2ヶ月ぶりに同級生に声をかけられるとか、お姉さんは涙が出てきました…。 @ネタバレ開始 お姉さんは燈真くんの性的な友だちの認識具合がとても心配になったよ!! トイレのピーピーピー(伏せております)で盗撮されてオカズに使われることになったからって、友達認定して大丈夫なのかい!?と、もうこの子の行く末を見届けてあげなければとなりました(謎の義務感) A太くんとB斗くんとコウくんの3人組の中へ未来線では入っていけることを喜ぶ燈真くんを笑っていいのか、それとも「燈真ぁっ…!! 君ってやつはぁっ…!!」と涙すればいいのか分からなくなってきました(汗) 毎日見つめ続けても伝わらず、挨拶をしようと思えば声が出ない上に画面がほぼ真っ黒のオーラに包まれ…!! もうコミュ力お化けである私のコミュ力から少し持っていきなよ!!と言いたくなる燈真くんのいじらしさと残念さに、全世界の私が泣きました。 でも、ねこばんそう小僧の数々の切れ味抜群のツッコミには爆笑せざるをえませんでした(性格悪いプレイヤー) 最後はターニングポイントによって友だちが無事にできたので(裏では色々あるみたいですけれど)、良かったです! 少しずつ皆と楽しい交流ができますように…! 私は「チョコバナナしか勝たん!」にしました。 最後に。 ホットドッグ工場というパワーワードに噴きました(笑) @ネタバレ終了 序章編は全体の10%ということで、まだ残りの90%がどうなるのか、散りばめられている謎や今回少しだけ出てきたキャラクターたちが今後どう関わってくるのか気になります…! 素敵な作品をありがとうございました! -
Cross Mask -クロスマスク-一度拳を振るったら、その拳を振るい続けることになることも覚悟しなくてはいけない…諍いが諍いを生み、どこまでも連鎖する少年少女たちの日常にハラハラしながら、二転三転する物語に「どう決着がつくのだろう」と気になって読み進めました。 主人公の寛太郎くんの視点から見た物語ととある別のキャラから見た物語というダブル主人公式で、読みごたえがありました。 @ネタバレ開始 寛太郎くんの中盤以降は、もう下ろすに下ろせなくなってしまった拳を振るい続けている様相だったので、ここが見ていて一番「寛太郎くんが迷子になっている」と感じたシーンでした。 友だちのためと言いながらどんどんどんどん拳で何とかしようとしているところに「それでは何も解決しないよ…」という気持ちで見守っていました。 後々に自分が殴り倒していった人たちにもそれぞれの人生があるのだというシーンで後悔するところが、狭まっていた彼の視界を取り戻すことになって良かったのかなと思いました(いや、その後も森矢くんのことなど、色々あってまた目の前が真っ暗になったりするんですが…) 田村くんも骨の髄まで大義・大義・大義の厳蔵さんに振り回されていて「大義教に毒されている、目を覚ますんだ…!」とハラハラしていましたが、厳蔵さんの言う大義よりも大切なものがあると律さんとの出会いと一緒に生きていくという誓いで気づきを得たようで安心しました。 最後に二人の道がクロスし、二人の肩書(立場)までクロス、玉番とクロスマスクが入れ替わる終わり方が面白かったです。 ヨバくんなど脇を締めるキャラクターも個性的で、中盤以降の結構なパンチの嵐の展開の中でもアメ研の皆は憩いの場所でした。 最後の学校での決着で「誰も来てない」と寛太郎くんが辞める発言したのを皆でスルーして居場所を残した皆のやさしさには、拍手したい気持ちになました。 @ネタバレ終了 最後まで読み終わると結構なボリュームで、映画一本を観終わったようなボリュームではないかと思いました。 素敵な作品をありがとうございました! -
常夜の品さがしタイトルの哀切がほんのりと漂う音楽が、クリア後だとさらに胸にじんわりと竹灯篭の光のように灯る物語でした。 祭りの夜でのみ見えるあの紅と橙色が混じった幻想的で強く暗い影を落とす光に惑わされないようにしながら常夜にあるはずの品を探す過程で、幻想の世界に自分自身が迷い込んでいる気持ちになれました。 @ネタバレ開始 夜光さんの姿が見たいと思いながらも見ないほうへと自制したり、射的やってみたいと思いながらもやってはいけないほうへと自制したり……選びたいのに選んだら恐ろしいことが起きる気がする、でも選びたい~~!!と、心を惑わして二度と元には戻れなくするように「それとなく仕掛けてくる」のが常夜の怖さだなぁと感じました。 一見すると楽しいお祭り。 けれど、浮足立たせずに見つめてみると、実は……なところに、この世ならざる者たちの持つ性質がありありと現れていて、この世界の持つ光と闇の息遣いが感じられました。 千代さんが「そもそもなぜこの世界に来たか」を果たすために金魚すくいをする時は、すぐにどの金魚なのかが分かりました。 「絶対に!!すくう!!」とここは絶対に外せない!!と意気込みながらの選択肢ポチッでした。 @ネタバレ終了 幻想的なグラフィックが美しくも妖しく、常世の雰囲気がとてもよく出ていてすごく良かったです! 常夜へと足を踏み入れた少女の物語、常夜の美しさと恐ろしさ込みで堪能させていただきました。 素敵な作品をありがとうございました! -
私の名前を呼びなさい!目が覚めたら見ず知らずの白衣のイケメンに「今日から彼女になってね」と名前を捨てて彼のかつての彼女の名前を得て、彼女になれと言われる―――この時点で「ああ、これ絶対にヤバくて怖い人だ……」と思いながらプレイしました。 お仕置きが結構な拷問系(身体破壊と流血もあり)なので、ちょっとそういうのは苦手という方は気をつけていただきつつ、そういうのもOK!!という方には是非オススメしたい脱出できるか否か緊張感のあるゲームでした。 フォルダに攻略テキストも同梱されていたので、いざとなったらそちらを参考にすればいいのも本当に親切で、大変遊びやすかったです! @ネタバレ開始 嘔吐薬だったり痒みだったり腕破壊だったりと……や、病んでるー!!なお仕置きを受けて傷ついていく姿に、あまりプレイしたことのないタイプでしたので画面の前で「大丈夫かな」とハラハラしていました。 首輪をつけて窒息系プレイされた瞬間に「あ、そっち系ですか!」と構えましたが、お仕置きが回を追うごとに強度がうなぎ上りに上がるので途中からCGをコンプリートするために捕まるべきか、それとも拷問を受ける姿が可哀想すぎるから見ずに終わるべきか……と本気で悩みました。 探索に「近くにいるみたい」「遠くにいる」といつ鉢合わせになるか分からない緊張感があり、鍵束を得た後は特に玄関まで見つからずに行けるか…!?と胃が痛くなるような緊張感が……そして玄関で見つかりました☆(直後セーブ&ロードという時空超越に頼って再び逃亡を図りました) 無事に脱出できた時はとても嬉しかったです。 @ネタバレ終了 時間経過などを気にしつつ、謎解きしながら脱出を目指す大変緊張感のある物語でした。 お仕置きは大変怖いものでしたので、絶対にお仕置きされたくないです…! 素敵な作品をありがとうございました! -
一刻迷華目が覚めると目の前に見慣れぬ美少年、「姫、お気づきですか?」と言われたが、待って私は普通の高校生で……と異世界に来てしまった主人公が姫様と勘違いされることから始まる恋物語です。 初期だとタイトル画面にもいるシアさんのルートのみですが、クリア後に別のキャラのルート解禁、2人のルートをクリアするとおまけ解禁となります。 おまけの後日談もここまで見てきた方なら大満足間違いなしの内容でしたので、これからプレイされる方には是非に後日談まで見てほしいです。 選択肢は正解のものを選ぶと綺麗な鈴の音が鳴るので、私はそれを頼りにクリアしました。 @ネタバレ開始 シアさんルートも、エルヴィンさんルートもどちらも素敵な恋が楽しめて、肌が潤いました。 シアさんに関しては、実は桜さんと同じ世界の住人だったなど衝撃の事実も出てきますが、初めは警戒心バリバリだったシアさんが少しずつ軟化して最後は「桜を守る」と命令とは関係のないところで守ってくれる姿がキュンでした。 エルヴィンさんルートは、エルヴィンさんのカッコ良さとノリの良さなど終始元気づけられました。 最後の五十嵐と名前を変えて転校、自分の彼女発言をするなど彼らしいスピード感とノリが見ていて微笑ましかったです。 こちらの世界に残ると宣言した時の抱き上げスチルも最高でしたが、最後の手を繋ぐスチルが最強でした。 後日談はどれもすべて良かったです! 特にユーチェン姫とアルさん、カミールさんとパリスさんの後日談は「お幸せに!」と言いたくなる素敵な結びでした。 お互いの気持ちは一緒なのに身分の差や状況の変化などでその想いに蓋をしていたキャラたちが幸せになる姿は、見ていて心があたたまりました。 登場人物紹介でちょっと気になっていたクロエさんまで見られて嬉しいです。 登場人物の詳細まで知ることのできるこの項目は、すごくいいなと思いました。 @ネタバレ終了 異世界に来てしまい突然姫になってしまった女の子の恋模様と、周りのキャラたちの恋模様、どちらも楽しめる素敵な作品でした。 ありがとうございました! -
俺が猫を殺す話探索謎解きさんにオススメしたい、黒面積多めのドット風画面で進められる奥深い物語です。 難易度は少し高めなので、腰を据えてプレイできる方向けかなと思います。 @ネタバレ開始 「憎悪」のデザインがかわいくて「憎悪なのにかわいい」と思いつつ、探索を進めました。 一番初めにまず憎悪が生まれる前の出会いのころから始まり、徐々に物語が進んでいくにつれて…と、練りに練られたシナリオも素晴らしかったです。 結構頑張ったのですが、エンドを全て見ることができなかったので、各エンドへの到達を補助する攻略ヒントがあると嬉しいです。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
たまごとらいある縁側で何故か落ちているたまごを見つけた女の子。さあ、このたまごをどうする?から始まるほのぼのとした物語でした。 全選択肢でセーブしておけば後は分岐までが楽だったので、エンドもサクサク回収できました。 どのルートもまだまだ小さい無垢な子どもならではで、鹿威しの水にあてたりする話は「まさに子どもならではの発想だわー」と楽しく読ませていただきました。 冷蔵庫の大量のステッカー類とマグカップの虎など、細かいところも可愛いなと思いました。 @ネタバレ開始 たまごがまさかのオルゴールだったとは。 タイトルの流れている線はなんだろうと思っていたら、オルゴールだったと知って納得しました。 最後のスチルのたまごたち、どれも大変かわいらしいと思いました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
逆さまの温度計収入で所属する階層が決まりもうすぐ氷河期が訪れてしまうディストピアな世界で、少年は寒さを感じない少女と出会う…エンドによって展開がまったく異なり、サイドストーリーまで読むととある謎まできちんと氷解する素敵な仕様の物語でした。 @ネタバレ開始 エンドABCすべて到達、サイドストーリーで店長の真の正体まで読み終わったのですが、「?」が二つ残ったままとなっています……スチルも全て埋めているのですが、こちらは今後追加予定なのかな?と気になります。 まだ謎が残ったままなので、埋まっていないサイドストーリーも楽しみです。 店長がすごく面倒見が良く、本編中で何やら別の顔を持っている素振り、しかも最後の銃撃の時に「やめろ、その人は―――」と濁されていたので「こ、この人は何者なんだ!?」と思っていたら、どのエンドでもその謎が明かされず「あれ?」と思っていたので、サイドストーリーがとても面白かったです。 @ネタバレ終了 すべてのエンドに到達しても明かされていない謎があり、これから先どうなるのか、またキャラクター個々の謎などの真相も気になりました。 素敵な作品をありがとうございました! -
マルベリーがまだ赤色なのに幼馴染の彩葉さんと綾葉さんはいつも二人で一緒にいるほど仲の良い大の親友同士。ある日、そこに「ふみ」という少女が加わって……から始まる、女の子たちの会話がキラキラとかわいいハートフル・ストーリー……。 ―――の、はずが。 @ネタバレ開始 選択肢で声をかけた後の展開で「〃ずっと〃ではなかったよね」と口にした時の彩葉さんの目から光が消えていて「あ、これ、なんかここから始まってくやつ!? 何か起きるやつ!?」と脳内の警報機がエマージェンシーコールを急に鳴らし始めました。 その後は平穏に進み、最後の最後で「―――は? 紹介したい人?」と含みのある感じで幕が下りましたが、こちらはこの後に「この後は年齢制限上、書けません」という展開になっていくのか、それとも紹介された人を含めて仲良くなっていくのか…その辺りは分かりませんが、とりあえず血を見る大惨事ではありませんでした。 が、声をかけなかった場合は、大惨事でした(ガタガタガタガタ) 声をかけなかった場合は彩葉さんの御顔が常に不機嫌モード、選択肢を選んだ瞬間からサイコモード突入なのか最後の瞬間までずっとそのマルベリーの深い赤色のような真っ赤な愛を貫いて、幕が下りることに……綾葉さんも助からないので、全員総方向BADENDの様相には「私がプレイ最初に感じた女の子たちのハトーフル・ストーリーなんて幻想か夢やったんや」と叫びたくなる気分でした(涙) 確かに「女の子たちのハートフルな物語」なんて紹介文にも書いてない…ある意味ハートフルだけれども…!(笑) 「夏だよ!百合だよ!!重い女だよ!!!わっしょい!」の意味がそのままドストレートに伝わってくるエンドでした…! バックログだワン!などで出てくる犬さんにデジャヴが…と思ったら、作者様代理をしていた犬さんだったことに気づきました…! あとがきでこの仲良死3人組さんの作品がまた出るご予定があるとのことで、楽しみにしています! こ、今度こそ女の子たちのキラキラしたハートフルなイチャかわいい物語を…! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
