SHIAのレビューコレクション
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01シミュレーション!010101100110101…無限に続く0と1のワルツ、そしてチート機能を手に入れてからが本番のとても面白い作品でした。 ギミックが面白く、ちょっぴり怖くておかしなダイアログなど見せ方もお上手で、シナリオ部分もとても楽しめました。 @ネタバレ開始 初回プレイでは「揃うまで待てばいいんだよね? なんかよく分からないけれど、揃ったら「揃ったよ!」とか通知でも来るのかな?」と試行回数3000回を超えても放置し続けるというトンデモを犯しました(プレイのセンスがなさすぎる) 100回を超えたあたりで「よし、ちょっと別作業しながら…」なんてデスクトップに置いておいたのが大いなる過ち。 手持ち3000ポイントオーバーで次へと進めることとなりました。 確率操作というマジカルな世界を開いてからは、0と1ともさらに親密な関係に…いや、本当にすごいですね、この技術力どうなっているの!?と脱帽しきりでした。 最後に一言。 好き好きはぁはぁは破壊力が凄すぎました。 @ネタバレ終了 人生で1番0と1を見続けた気がします&あの独特のSEがまだ耳に残っています。 色々な意味でとてもインパクトのある作品でした! ありがとうございました!
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僕と君と彼女の話冒頭のお話からして既に不穏!と思いながら読み始めた本作ですが……プレイする人によって感じ方などが結構異なるかも?と思うお話でした。 @ネタバレ開始 個人的に、つくしさんがメッタ刺しにするバッドエンドが一番しっくりきました…10年間も自立して生活費の一つも稼げない恋人を支えてくれたつくしさんを裏切って二股かけているとか「ないわー」と序盤で既に主人公に対して厳しい眼差しを注いでしまったので。 ごめんね、主人公。君も君で人生色々あったのは分かるんだけれど……と、これは最後まで覆りませんでした。 10年も一緒にいるから心を許していると言えば聞こえはいいですが、親しき中にも礼儀ありだなぁ…と思いました。 お食事中に抜け出して唐揚げが冷めてしまったというくだりの時点で「これ、きっと用意されているであろう、つくしさんに刺されて死ぬバッドエンドがハッピーエンドでは?」と悪落ちチキンは思ったのでした。 そんなわけで、20歳でバリバリ頑張る桜花さんもかわいかったのですが、個人的には一途で健気なつくしさん推しだったので、つくしさんが幸せになる展開のエンドも良かったです。 中盤で「私に何が足りないの?どうすればいいの?」と泣いているシーンは「主人公、ちょっと殴らせてぇええ!」となってしまうくらいつくしさんが本当に健気でいい子でした。 メッタ刺しに行かないのであれば、つくしさんにはどうか幸せになってほしい…! 劇団がいざ解散の時の皆さんと主人公の現実への距離感や温度差がリアルで、夢を追いたい主人公と現実を嫌というほど感じてこの道で生きていくことを諦めている皆さんの会話がすごくリアルでした。 役者さんの世界って本当に一握り、ちょっとやそっとの努力では光ることさえできない多くの夢破れた人たちの現実がひしひしと伝わってきました。 久住さんの存在もAnotherEndできれいに回収されて良かったです。 AnotherEndはリアルさが際立っていました。 @ネタバレ終了 「この女は誰?」「説明して!」という二股修羅場展開、リアルなら絶望ものですがゲームだとこんなことを一度言われてみたい!?……そんな方にもオススメなシーソーゲーム→気がついたらジェットコースターな物語、2人の女の子の可愛さを堪能させていただきました! ありがとうございました!
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ミアウオトコ本編開始直後、画面の前でビックリしたことを真っ先にご報告いたします…あの登場の仕方はさすがにインパクト強すぎました! @ネタバレ開始 宇宙人がいい雰囲気になることを喜ぶようなお人好しさんで本当に良かったです! 顕子さんの冷静なツッコミの数々に「確かにw」と笑わせていただきました。 はじめにゲーセンEDへ行き(この時は途中から息子さんの結婚云々ではなくて申し訳ない気がしていた…)、その後に寿司ED→自宅酔っ払いEDへ辿り着き……息子さん進展しなくてゴメンネ☆なまま和気藹々とまったり楽しんでいる様子でシメ!となりましたが、とても面白かったです。 歩いていて宇宙人を拾うとか、過去作に続いて顕子さんの存在感と最強感がすごすぎます! 過去作をプレイしているとより一層楽しめる仕様で「あ、久しぶりですー!」と言いたくなる方々がたくさん出ていて、ニマニマしました。 @ネタバレ終了 過去作をプレイしている人はさらに楽しめる、過去作をプレイしていなくても顕子さんとのキレッキレの会話がたっぷり楽しめる素敵な作品です。 ありがとうございました!
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水辺のカマキリ自殺してしまった妹の桐子さんについて尋ねると「彼女の死に深く突っ込まないように…」との忠告が…これはどういうことだろうと、最後まで一気に読ませていただきました! 謎解き要素を含めて、とても面白かったです! @ネタバレ開始 トゥルーエンドのときの巻き戻しと、桐子さんが死んでしまった本当の理由は、衝撃でした。 そして、切なかったです。 名家に生まれたが故のしがらみや、婚約者の冷たい態度…桐子さんも現実の重みと理想の狭間でかなり苦悩していたのではと想像しました。 水辺のカマキリは冒頭とトゥルーエンドの真実の告白の二回出てきましたが、最初と最後ではその印象が180度ガラリと変わりました。 主人公が「溺れないようにな」とそっと水辺へ持っていく姿と、最後の大量に死んでいるカマキリと寄生虫の話とは同じ「水辺のカマキリ」でありながら、陸からと水中からとで見ている世界の違いほどの差がありました。まさにゲームの通りのような。 謎解き要素は、何をどうすればよいのかちょうどよい難易度でしたので特に難しいとは感じなかったのですが、トゥルーエンドへの入りかた(手紙の場所)だけ分からなかったので、そこだけ頼らせていただきました。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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少女の神の粒子ネモフィラさんとショウくんの恋が尊すぎて、私が粒子並みに分解されて消えるところでした…或いは宇宙空間をサラサラと漂うところでした。 ネモフィラさんの無邪気さと無垢さ、ショウくんの現実への抵抗と向き合う心の強さなど、神がかっているキャラクターデザインとキャラクター性にハートを掴まれました! @ネタバレ開始 一番好きなエンドは3のプロポーズしてずっと一緒エンドです。 個人的にハッピーエンド至上主義としては、大団円っぽくて大好きです! エンド2の自分だけ記憶が残ってすべて元通りになったエンドも切なくて好きですし、誰にも渡したくないという1番のエンドももちろん好きです。 一番初めはお互い理解し合えるのか…と、画面の前でハラハラしていましたが、二人が少しずつお互い歩み寄ろうとしているところ、その距離間がすごくよかったです。 時空師さんの定期報告?のおかげで話にメリハリがあって、スルスルとノンストップで最後まで読み、そのまま周回して全エンドコンプできました。 ネモフィラさんのショウさんへの恋も、初めは自分を認知できたものへの驚きと好奇のようなニュアンスも含まれていましたが、それがはっきりと恋になり、ショウくんのためなら自分の存在さえも懸けられるという姿に「もう二人は幸せになってほしい~~!!」という気持ちが溢れてきました。 元々ショウくんとしては自分の人生をめちゃくちゃにした相手なので、はい嬉しいですとすんなり受け止めることはできず心の葛藤は深いものだと思いますが、最後は「一生恨んでやる」と言いながらも受け入れている姿、自分もネモフィラさんに惹かれていることを自覚している様子に「尊い…二人とも尊い…」とエンド3のスチルは本当に嬉しさいっぱいで見つめました。 @ネタバレ終了 ドットだけが持つかわいらしさと坂様だけが持つかわいらしさが見事に融合した本作は、過去作とはまた違った味わいを持つとても素敵な作品でした。 ありがとうございました!
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Silent Film_モノトーンな画面に表示されているシンプルな「Roadshow」ボタン。 そこからどんな物語が見られるのか、ポップコーンとメロンソーダを片手にいざ上映開始です! @ネタバレ開始 希築教授たちが出てきたところで「あ、これそういうことでしたか!」と符合しましたが、この後の展開がどうなるのか楽しみな終わり方でした。 現実までは意識がこない彼がこれから先も今いる意識レベルに留まり続けるのか、それとも現実に意識レベルが上がることがあるのか…それらももちろん、探求心の極致まで走り続けていそうな希築教授がどう活躍するのか…もっと続きが読みたいなーと思いました。 狂人と正常の明確な範囲は存在しえないのではないか、その対象を理解できるか否かで狂人と正常を「対象を見る者」が区別しているだけではないか、人は自分が理解できる者は「正常」であり理解できない者を「狂人」として判じ、「私は理解できないものとは違う」と自分の立っている場所を安定させたいのではないか…などなど、終わった後は色々と考えました。 コンパクトながらすごく奥深い物語で、思考が捗りました。 @ネタバレ終了 是非この後も続けて上映お願いします!と言いたくなる、作品のもっと深部やこの先が気になる作品でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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よぉ!今から俺んち遊びに来ねぇか?前作でも高橋くんの突き抜けぶりが面白すぎましたが、今作も色々な意味で突き抜けていて面白かったです! エンドリストとエンドへのヒントがあって親切でした! @ネタバレ開始 口に金魚入れられて食べちゃうとか、どんな悪夢だよ!!と思わずエンドの画像を見て「高橋ぃいいいい!!!」と叫んでしまったのは秘密です。 今回は高橋くんが諸々の事情で幽霊ポジで、前作の窓の外に人影が!とは別の意味で面白かったです。 高橋くんが明らかに高橋くんではないと分かるこの高橋くんの唯一無二性よ…そして主人公の時々「高橋ってこういうやつだよな」によって成績が実はすごく良いとか新情報が出てきて、高橋くんがますますすごい人物としてインプットされました(笑) 見破り成功から続くトゥルーエンドへのルートでは「名前から住所を特定してくるタイプの幽霊」など相変わらずのパンチの効いているシナリオに笑いました。 高橋くんが天井から舞い降りてきた時は何事かと思いましたが、さすが高橋くん! ……と、普通にプレイしていた私は、高橋くんのさらにすごいところを目撃するまで高橋くんの何たるかをまだ理解していなかったのです!! 高橋くん視点の話もとても楽しかったです! 双子のグレイ型ってなんだよ!とかツッコミどころ満載過ぎて、私のツッコミ力が劇的にレベルアップした気がします(笑) そして、高橋くんのある意味君もストーカーではと言いたくなるGPS埋め込みやら、最後の最後の髪の毛ドリル!?(もうなんて言っていいか分からないので「伝説の高橋(髪)」とかそういう名前で呼びたい)が出てきたときは「高橋くん、君はもう歴史に名前を刻まれるアレだ!」と意味不明なことを口走る事態となっていました。 主人公サイドだけでは見られない全容に、今回もたくさん笑わせていただきました。 高橋くんの家の外観の独特さには「さすが高橋くんすぎる!」としか言えない、最後まで高橋くんでした! @ネタバレ終了 分岐なども難しくなく、すべてのエンドも無事にコンプリートできました。 一部のエンドは主人公にトラウマになってしまいそうですが(生臭いやつ) 今回も大変面白い作品をありがとうございました!
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孤島の灯台じんわりと心に灯るあたたかな光のような物語に、ボロボロと泣かせていただきました。 主人公のエイデンさんはもちろん、ブラントンさんたち灯台守の方々もみなさんとてもやさしくてあたたかい雰囲気で、最初から最後まで気持ちよく読ませていただきました。 @ネタバレ開始 一番初めにプレイしたときは「電源を入れる」のボタンの意味を深く考えていませんでした。 選択肢として他に選べるボタンがあるわけでもなく…まさか、これが終わりの終わりで「ああ、やだーー!! これを押したら! 本当にお別れになっちゃう!」とボタンの前でぷるぷる指を震わせるようなことになるとは思いませんでした。 最後の「電源を落とす」ボタンは「落とさない」ボタンが出てくれるのではないかと30秒くらいマウスカーソルをボタンの周りでグルグル走らせる奇行に出てしまいました(無駄な抵抗) エイデンさんを深海に捕らえて離さない過去の出来事が、ライトくんとの邂逅でようやく一つの区切りを迎えたと分かる言葉の数々、ライトくんと交わした会話に心があたたかくなりました。 エイデンさんの目だけではなく、心にも灯台の光が見えたのですね。 ライトくんは無事にお役目を終えて…となりましたが、ライトくんがエイデンさんに灯した光は一生消えないと思うので、エイデンさんがこれからの人生で出会う多くの人にとってライトくんのように誰かの道を照らす人でありますように。 そして、エイデンさん自身、幸せでありますように。 @ネタバレ終了 本作は元気がないときや人生に迷っているときにも読みたい、こころがとてもあたたかくなる物語でした。 素敵な作品をありがとうございました!
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秋波~Beside the Autumn Heaven sing~記憶喪失になって周囲の人に「え、記憶がないの?」と心配されてどこの誰なのか教えられながら物語が進む…というのは一般的ですが、本作の主人公は自分がどこの誰なのか分からない状態から日記を頼りに演じているというのが変わっていて、印象的でした。 紹介文には3時間以上とありましたが5~6時間くらいは読んでいた気がします。 主人公が景さんとして演じながらも自分は景ではないと葛藤する姿には苦しいだろうなと感じつつ、自分を取り巻く人々との日常はたっぷり描写されているので読みごたえも抜群でした。 途中から少しずつ不穏な空気が漂い、謎も散りばめられて…と、どうなるのかと思っていましたが、最後はきちんと収束してやさしい終わりかたでよかったです。 結構などんでん返し感があって、中盤以降の展開には度肝を抜かれました。 @ネタバレ開始 理事長さんとの話が進んだあたりから物語の加速度が上がり、読む手が止まりませんでした。 記憶喪失そのものを(2回目ということを除いても)隠しておくことが果たして本当によいことだったのかどうか…というのは、家族の確執などを見ても感じましたし、読んでいて常に頭の端に感じていました。 断章から4章へと続くなかで栞さんに強く関連してくる宗教のお話はゾッとしました。 ここは本作で一番怖かったですし、驚きました。 「(部活で)ちゃあちゃあ~」という言葉、初めて聞きました。 言葉の意味が分からなかったので「ちゃあちゃあ」で調べてみたら大阪弁で出てきたので、大阪の方言なのかな?と思いました。 一つ勉強になりました。 最後のスチルと最後の一行、ふわっとした光を感じられてとてもよかったです! @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました!
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メルティアの魔女タイトル、オープニングともにムービーでたくさん動くので、「おお、すごい!」とあっという間に引き込まれました。 伊恋さんが前世が~と話し出したときにも、天志くんが「俺は信じるよ」と冒頭から二人の仲の良さと信頼関係が見えて、あたたかい気持ちになりました。 @ネタバレ開始 伊恋さんがーー!!! そして、これはいったい何が起きているの!?と、画面の前で突如として起きた謎の事態に暫しポカーンとしました…。 刃物を持った男が出てきた時点で「危険危険危険!!」とは思っていたのですが…まさかの展開でした。 その後も視点の中心となる人物を変えたりしながら進められる二転三転する謎が多いストーリーにすっかり魅了されて、クリックする手が止まりませんでした。 ルアナさんのシャワーシーンを思いがけず見てしまったときは「死んだ!!」と思いましたが、吹っ飛ばされながらも生きていてよかったです(笑) お母様とのお別れのシーンでは、ちょっと涙ぐみました。 「素敵なお母さんだったね…」なんてしんみりしていたら、その後のルアナさんの真実の独白で衝撃を受けました! 伊恋さんとそんな関係が…! そこからの勢いは、本当にノンストップでした。 視点切り替えで進む登場人物たちが「どこで交わるのか」と思っていたら、カケルくんがついに天志くんたちと邂逅し、苺さんたちも邂逅し…マリエさんの壮大な計画を止めることとなり…と、エンドクレジットのムービーまで夢中になって読んでいました。 ラストバトルのときの疾走感は本当に鳥肌もので、二人ともが力ないし風の奔流の中で戦っている様子がとてもよく伝わってきました。 マリエさんはマリエさんなりに苦しんでいる人や不幸の連鎖をどうすればなくせるのかを考えて、あの結論に辿り着いたのが伝わってきたので、やり方としては手放しで賛同できなくても、目指していた地点については「そうだよね、誰も苦しんだり悲しんだりしない世界になるといいよね」と共感できました。 主人公の口から出た大どんでん返しについては、ただただ脱帽でした。 この瞬間に備えてすべてを用意してきた風村さん、すごすぎる!でした。 最後になりますが、デカデカ喋る森崎刑事の肩の鳥ちゃんがかわいかったです! @ネタバレ終了 オリジナリティー溢れる奥深い世界観や場面を盛り上げる素晴らしいBGMなど、物語はもちろん細部まで最初から最後まで大満足で楽しめる素敵な作品でした。 ありがとうございました!