SHIAのレビューコレクション
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あかいろきみと、しあわせに真っ赤な電車の中から始まる、血にまみれた痛くて不思議なお話……(痛い表現や血が苦手な人は注意なお話です) 主人公は一切話さないけれど物語はきちんと進んでいくというパターンはあまり見たことがなかったので新鮮でした。 @ネタバレ開始 ネコフードの子の立ち絵の右下にいるネコのクロちゃんのぬいがとてもかわいらしく、真っ赤な画面なのにかわいい~と思わずにはいられませんでした。 主人公が話さないのは声帯を(掻き切られるとかで)やられているからかな?と思っていました。 車掌さんに切符がわりに舌を切られていたとはー! ビックリしました……なるほど、それは話せないですね。それ以前に舌をジョキンと切られるとか痛すぎて、せめてモルヒネとかきちんとした痛み止めをあげてと思わずにはいられませんでした。舌を切られるの怖い怖い怖い……。 ネコフードさん改めクロさんのネジの外れっぷりがすごいなーと思いましたが、そのクロさんの底抜けの明るさによってもたらされた未来の可能性に、これから先2人に何が待ち構えているのか、2人がどうなるのか……気になるところで終わっていました。 死んでよかったとこれからも主人公の太郎くんが思っていられるように願います。 @ネタバレ終了 独特の世界が面白い作品でした、ありがとうございました。
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椿堂ノ火いつか遠い未来に抱くであろう「郷愁」と「哀愁」。 それをこの歳で体験するとは思いませんでした……柘榴雨さんの作品は全作プレイしていますが、本作が一番好きです。 祭りの喧騒と花火と屋台の3点セットを体験したことがある方なら、たぶんスッと引き込まれて、そこからどんどん引き込まれて、気づいたら物語が終わっていると思います。 それくらい吸引力ならぬ心を引き付ける力を持った作品でした。 @ネタバレ開始 話の途中で明かされるよりも前にLGBTQの方だとは気づいたので、そこからは物語を見る目が変わり、この方がお父様と何があったのかも大体予想はしていました。 けれど、頭で理解するのとはまた別で、物語が進むにつれて切っても切れない、断とうと思っても断てない親子の絆に涙しました。 子どもの頃の記憶ってその人の芯を作る部分でもあるので、愛されていたという記憶はどうあっても消えないんですよね。 主人公もだからこそ、親御さんとの関係に悩み、苦しみ、心を痛めていたわけで。 そして、お父様も隔絶していた11年間をきっと悩み、苦しみ、心を痛め、できることならもう一度と思ったり、あの時お面を買ってあげればよかったと思ったり……色々と葛藤された人生だったのではないかと。 すべてを忘れても、それでも人は最も愛したものだけは忘れないのではないか……そんな奇跡を信じてみたくなる物語でした。 いやー、とても良い涙を流させていただきました。 涙腺の緩さでは世界トップレベルの私には、もう涙なくして見られませんでした。 親=子どもLOVEという図式が成り立たないとは分かっていますが、子どもを愛する親であればあるほどもがき苦しんだり、受け入れようと必死になったり、行く末を案じたり、この子が幸せであってくれるようにと願ったり……自分の人生よりも子どもの人生がどうかよいものであるようにと願うその姿に、自分の親を重ねたところもありました。 (自分の親はまだ介護が必要な歳ではないのでアレですが) @ネタバレ終了 とても素敵な作品でした。ありがとうございました!!
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恋の花、いつか散れども、想いは枯れず王子様の一途さと純真さで是非に魔王を打倒して戻ってきてほしいです。 控えめに見えて押しが強めな素敵な王子様と、現実的で一種のやさしさを見せるヒロインの切ないお話でした。 王子様が無事に戻ってこられたのか、2人の行く末はどうなったのか……とても気になる余韻を持った物語でした。 ありがとうございました!
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牛天寺恋志穂の告白 -鉢かづき-掴みがすごく上手で、始めてから1分で「どういう物語なのかな?」とワクワクしました。 個性的なキャラクターが多く、本筋には直接的には関わらないキャラクターたちにもどんなバックグラウンドがあるんだろうと思うユニークなキャラが多く、クリア後のおまけの部分まで楽しめました。 @ネタバレ開始 ゲーム下手すぎてトゥルーエンドに辿り着けず…!! 3つ目の選択肢でひたすら「もうあきた~」をひたすら選択し続けると鷹司さんが「俺が予言してもらう」という結果が出てきたのには驚きました。 前2つの選択肢によっては3つ目の選択肢は「真面目に~」を選んでも鷹司さんが予言してもらうことになりますが、ハンバーガー屋さんでの菖蒲さんのセリフを追いたいがために「飽きた」側を繰り返し選んでいたら、ついにしびれを切らす鷹司さんでした…飽きた連打失礼しました、鷹司さん! おまけの100%のお説教は暗転後にとんでもないことになっていて笑いました。 いったいどういうご家庭なのか気になりました! @ネタバレ終了 牛天寺さんが自分の人生を取り戻して、これまで失った時間の分まで幸せになれたらいいなと思いました。 ありがとうございました!
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リリスの泪イギリスなどで語られる妖精の話や童話の話のような、短くも幻想的で美しい短編でした。 スチルが幻想的で美しく、物語の雰囲気とマッチしていて、さながら絵本を読んでいるかのような素敵な時間をいただきました。 @ネタバレ開始 リリスさんが散って地球の様々な生命にリリンとして宿った時に、それが人間で悪い心を持っていると吸血鬼などになるという細やかな設定まで、とてもしっくりきて読んでいて気持ちのよい文章でした。 悪い心、ダメ絶対。 双子の天使さんたちがリリスさんと幸せになれるといいなと思いつつ、最後のスチルにはとてもほっこりしました。 リリスさんの笑顔が見られてよかったです! @ネタバレ終了 絵本や童話が好きな方には是非プレイしていただきたい作品です。 ありがとうございました!
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集合住宅集合住宅に住む友人を訪ね、部屋番号を押して友人の部屋に行くという、言ってしまえばそれだけの話……なのですが、部屋番号が分からないので、たくさん出てくる部屋番号(選択肢)からたった一つの正解を見つけることに。 @ネタバレ開始 なにか友人や住人じゃない影がチラチラしていたり、お部屋の中で絶対に関わりたくない何かが起きていたり、車に乗っているとバックミラーにやっぱりなにかちょっと人じゃないものがついてきてたりー!!と、シナリオ的には文字はほぼないのに何かが起きている様子がジワりました。 友人には悪いけれど、退散しようかと思いました(薄情) @ネタバレ終了 そしてなんとか友人の部屋に辿り着けましたが、友人には今すぐ引っ越しを熱烈にお奨めしたくなりました(切実) ありがとうございました。
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都市伝説遠方に住むおばあちゃんに久しぶりに会いに行ったら、タクシーの運転手さんから都市伝説の話題を振られて……というお話で、今からとんでもないホラーが始まるのかと身構えていましたが…。 @ネタバレ開始 「こんな感じかな?」のイメージ映像には、笑ってしまいました(失礼ですみません)。どちらのイメージもなんだか滑稽で笑わずにはいられませんでした。 随分元気がいいなぁと思いましたが、都市伝説の中身が中身なのでそれはイメージ映像も元気ですよね。ダンスでも踊ってそうな元気さです。 @ネタバレ終了 自分の祖母でないといいのですが、真相は分からずじまい……今度会う時も元気なおばあちゃんだといいなと思いました。 ありがとうございました。
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バレンタインだからチョコをくれ!チョコを得るため選択肢の片方が完全固定された超直球主人公による面白いバレンタインストーリーでした。 一度クリアすれば解放される「おまけ」で完全攻略のヒントが提示されていたので、すべてのエンディングに辿り着けました。 そして、キャラたちの多くがバレンタインを楽しんでいるバレンタインEDが一番素敵なので、プレイされる方には是非そのエンドに辿り着いてほしいと思いました。 ストーリー内では主人公との接触は本当にわずかですが、主人公の視点ではない部分で見られる皆のやさしさだったりいじらしさだったり……と、魅力が溢れていました。 一途な岩丈さん(応援したい!)、鳴不くんのやさしさ(とってもいいこ!)が見えるエピソードが特に好きです。 テンポもノリもいいサクッと遊べてチョコをもらえる素敵なゲーム、ありがとうございました。
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すいれんやさしい水彩背景グラフィックとあたたかみのあるキャラグラフィックに引き込まれる短編でした。読後感がとてもよいので、1日の終わりにそっとプレイするのにいいかなと思います。 ちょっとほんわりしんみりした気分になれるやさしい物語です。 途中で挿入されるスチルの雰囲気がとてもよくて、印象的でした。 @ネタバレ開始 エリさんが昔と変わらないままだった理由の、語られていない部分の真相が知りたい…と思いつつも、その空白の部分というか、余白の部分を想像する楽しみもありました。 主人公の横顔が印象的で、心の中に長年つかえていたものがなくなって、ようやく心残りだったことが遠い日の愛しい思い出になるのかなと思いました。 背景が美しい水彩画なのは「すいれん」に合わせてフランスの巨匠クロード・モネを意識したものなのかなと思いましたが、ちょっと考えすぎでしょうか。 @ネタバレ終了 やさしくあたたかいお話でした、ありがとうございました。
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DANCING×DANCING相手のダンスを覚えて自分もダンスしよう!というシンプルなゲームですが、奥が深くてストーリーモードクリア後に解放されるキャラクターショップをコンプリートするまでせっせと躍り続けました。 明日は筋肉痛確定が間違いなし……こんなに踊ったのは人生で初めてかもしれません(笑) シスターさんやつくもさん、てぶくろのかみさまなどパッと見てビジュアルで好きな子を開放し、あとは解放した子で遊んだり、さらにキャラを開放したり……と、面白いゲームでしたが初期に通るストーリーモードは最後の方から徐々に記憶力との戦いになりました。 ところてん式にすぐに出て行ってしまう私の脳みそ(記憶力)をアップグレードしないといけなかったのですが、脳みそのアップグレードが厳しくあと100年後くらいにしかアップグレードできそうになかったので詰みかけました…涙。 しかし、人類(私)には紙とペンがある……ペンは武器より強し、(私の)脳より強し……!! 待ってろ、今すぐ私の速記術で今度こそ完璧なダンスを披露して……アッ、書き間違えーーー!!(どうしようもない) そんなこんなもありましたが、フルコンプまで楽しませていただきました。 個人的に一番好きなダンサーはシスターさんでした!外見がとても好みでシスターさん無双をさせていただきました。 また、こんな素敵なゲームもティラノで作れるんだ……!と感動しました。 とっっっても面白いゲームをありがとうございました!