SHIAのレビューコレクション
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夏、君ニ出逢えた奇跡夏の日差しが照りつくある日、主人公は血を流している裸の少女を発見する。手当をした後で一度は別れるものの、翌日また出会った少女の正体は実は―――と、主人公もプレイヤーも驚く正体でした。 @ネタバレ開始 アイスを流氷というヒカリさん、とてもかわいいです! 目をキラキラ輝かせているスチルがかわいくて、ほっこりしました。 物語が途中からシリアスになっていき、主人公に降りかかる呪いが刻一刻と主人公の命を削り続けて、いよいよ歩行さえもままならなくなった時は選択肢を間違えてバッドエンドかと思いましたが、そこからの大逆転に胸が熱くなりました。 人魚姫の(お姉さんたちの)末裔でもあるヒカリさんが海の泡となって消えてしまわないかハラハラ見守っていましたが、無事に主人公と一緒に明日を歩いていけるハッピーエンドを迎えられて思わず拍手したくなりました。 一番最後に出てきたブルードレスのヒカリさんが最高にキュートでした。 @ネタバレ終了 出会いは偶然、惹かれあったのは必然、最大の苦難を乗り越えて明日へ繋げた2人の絆がとても魅力的なボーイ・ミーツ・ガール物語でした。 素敵な作品をありがとうございました! -
私の最期の言葉は私の知らないどこかの誰かのパソコンの電源を入れて中身を拝見させていただく、少しだけ謎解きがある悲しいゲームでした。謎を解いた過程で「あれ?これはひょっとして自分ではなくて、娘さんのほうの……」という見方もできることに気づきました。 @ネタバレ開始 検索の履歴を見ることで分かる「何が起こったか」もミスリードを誘うような内容で、色々と考察したり想像する余地があってとても面白いなと感じました。 @ネタバレ終了 テキストに残されていた文章がリアリティがあって、実際に誰かのパソコンを見ているような気持ちになりました。 素敵な作品をありがとうございました! -
故郷からの便り4通のお手紙を読んだ後にもう一度二度読みたくなる巧みな仕掛けがなされている、シンプルながら面白いゲームでした。 @ネタバレ開始 最初にお手紙に目を通した時は「???」となるところが多かったのですが、家系図を見た後だとすべてが繋がり、思わずもう一度皆さんからのお手紙をすべて読みました。 マキシくんは二つの世界を行き来する、とても稀有な方だったのですね。 七夕のくだりや異世界のお誕生日の予定など、一度目は頭に疑問符が浮かんで整理が利かなかったところも、2度目は何を綴っているのかが頭の中にスッと入ってきて手紙の文字に色や景色がついたようでした。 @ネタバレ終了 2度読むことでそれぞれの方がマキシさんにあてた手紙の意味がじっくりと味わえて、面白いゲームでした。 素敵な作品をありがとうございました! -
大人な僕の一週間学校帰りの繁華街で出会ったお姉さんにゲームのことでちょっとしたウソを使って見栄を張ってしまったことから始まる、一風変わったボーイ・ミーツ・ガールなお話でした。 まだまだ子どもである「僕」の視点であるがゆえに察することができないもどかしさと、その無垢な純粋さに心を動かされている「お姉さん」の気持ちに思いを馳せながら読了しました。 お姉さんのメイクが~のくだりで、立ち絵を見て一瞬でピーン!ときたので、物語がどうなるのかと急に緊迫感が出ましたが、最後はお姉さんがしっかりと決断して良かったです。 @ネタバレ開始 6日目で「でも悪いことはしない」を選ぶとお姉さんの立ち絵が二重に出現し5日目のシナリオに戻るバグがあるようです。 そのバグを通過すると、お姉さんの立ち絵がずっと表示されたまま&二重に表示された状態になることがありました。 一応ご報告させていただきます。老婆心をお許しください。 @ネタバレ終了 「僕」がもう少し大人になり、世の中にある様々な物事を良い意味でも悪い意味でも知ったとき、「お姉さん」のことも思い出して色々なことを考えるのかなと思いました。 素敵な作品をありがとうございました! -
愛おしい君とエスケープ捕まった仲間を助けるべく家の中をあちこち探し、宝石などアイテムや合言葉をゲットしながらネコちゃんたちの可愛らしい会話を堪能できるゲームでした。 38作品目…!! 思わず自分の目の認識が間違っているのかと二度見しました……すごすぎます…!! 色々なところをぽちぽち探し、合言葉を集めながら宝石も集め……と限られた行動回数をどう使うか、結構頭を使って何度もやり直して一つずつ確実に集めて回りました。 宝石を見つけられたときは特に嬉しかったです…! 謎解き要素もありましたがとても親切なヒントがあったので、無事に進めることができました。 かわいいネコさんたちの会話に癒されつつ、まだまだコンプリートには遠いので頑張りたいと思います。 素敵な作品をありがとうございました!
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ボクとセカイの二人きりハンマーを持つ者は、道具であるハンマーの力を自分の力だと思い込む……というどこかの本で読んだ言葉を思い出しました。 清々しいまでの全方向救いのない物語ですが、最も救いのない存在が最後にそれ相応の終わり方を迎えるので、個人的には後読感は悪くありませんでした。 @ネタバレ開始 主人公が天晴なほどの暴走ぶりで、肥大化したエゴを抱えてこの世の地獄を地で行く様までを描いた内心の鬱々とした描写がリアルでした。 よくぞここまで拗らせることができたなと感心してしまうほど、主人公の鬱屈した心情描写が巧みで、ブレーキの利かないその性格もある意味で超能力並みの奇跡ではないかと思いました。 逆に言えば、それだけ主人公の心が抱えた闇と言いますか、自己肯定感の低さが顕著であったということなのかもしれませんが……。 はたして奪った命に見合うだけの懺悔が果たされるのかは分かりませんが、主人公には是非懺悔を続けてほしいなと思いました。大丈夫、いつかは終わる。君の自我が終わるのが先か、懺悔が終わるのが先かは分からないが。 そうそう、地球の意志とも呼ぶべき方が懺悔に入る前に最後に暗闇の中で一瞬笑ったところが個人的にとても好きでした。 これは救う気がないのでは……と思ってしまいましたが、私の心が汚れすぎでしょうか(汗) @ネタバレ終了 終末世界へと至るまでを追体験する過程で、人間の持つある種の愚かさの極致と人間の持つ複雑な善性を味わうことができる面白い物語でした。 素敵な作品をありがとうございました! -
桜の森の魔界の下 第壱集物語の第一話に当たる部分ということで、起承転結の「起」の部分で幕を閉じますが、公開中の部分だけでも十分に楽しませていただきました。 作画量が恐ろしいことになっていて、漫画+アニメを融合した作品を見ているのかなと錯覚するほどの画面構成でした。 クリックするごとに絵が変わると言っても過言でないほど場面描写としてコロコロと変わるので、とても驚きました。 どれだけの時間をかければここまでのものが作れるんだろうと、戦慄しました。 クライマックスで挿入されたアニメーション部分と、咲夜さんが刀を構えて睨みつける斜め上からの俯瞰したスチルがとても格好良かったです。 「え、終わった!? あ、そうだった!」と、これがまだ第壱集のみだったと終わった瞬間に気づくほど、終盤は物語に引き込まれていました。 物語はまだ始まったばかりなので、灯魔さんたちがこれからどうなっていくのかがとても気になります。 素敵な作品をありがとうございました! -
怪獣の人 ―かいじゅうのひと―怪獣になってしまった人がどう行動するかによって未来ががらりと変わる不思議なお話でした。怪獣視点というのが斬新でした。 タイトル画面のみで立ち絵や背景画像などは一切ありませんが、主人公が今いる場所などを想像力を駆使して読んでいくのが面白かったです。 怪獣映画は人生で2、3本見たか見なかったかなので上手に想像できているとは言い難いかもしれませんが、たぶんこんな感じかなと頑張って想像しました。 @ネタバレ開始 エンド2に至る家族のことを思い出して思い止まる姿が胸熱でした。 選択肢でメロディーを思い出すが出たときは、0.02秒で選ばせていただきました。 少しずつ自我が失われていくということで、主人公はいずれ完全に自我を失い完全な怪獣になることが予想されますが、消えていく自分の中から手繰り寄せた姿に人間が人間たる所以を見た気がします。 その他の森から出ないエンドなど、色々なエンドを見ましたが、個人的には希望はないにしてもエンド2がお気に入りでした。 @ネタバレ終了 素敵な作品をありがとうございました! -
瓶の中の声耳が聞こえないと相手と意思疎通を図ることは耳が聞こえる人と同じようにはいかないですが、耳が聞こえないことそれを理由に排除しようとする人もいれば、ありのままを受け入れようとする人もいる……耳の聞こえない主人公が転校先で出会った不思議な少女やとても気のいい友人たちと過ごすうちに、少しずつ本来の自分を取り戻していく心温まる物語でした。 友人になる一馬さんたち、ふみ先生やまりさんなどあたたかな人たちとの出逢いと交流によって主人公が再起する姿に、最後まで穏やかな気持ちで読み終えることができました。 本編が始まる前に冒頭にあった通り「静寂の物語」でしたが、その静けさが逆に主人公の境遇などを引き立たせていました。 @ネタバレ開始 トゥルーエンドにあたる全員で記念撮影していたスチルで晴喜くんが笑顔で写っていて、本当によかったです。 立ち絵が基本的に眉が下がっている自信なさげな困っているような顔が多かったので、最後のスチルの笑顔にほっこりしました。 @ネタバレ終了 静寂の物語と銘打たれた通りとても静かな物語でしたが、その静けさの中だからこそ見えてくるものがある素敵な物語でした。 ありがとうございました! -
ちがうひとどのルートもワクワクハッピーという感じではなく、どちらかと言うと重たいお話が続くものでしたが、全ルート楽しませていただきました。 亜人と人間ということなる種族が共存することで起きる諍いや偏見、言ってしまえばヘイトやヘイトクライムなど、現代の問題にも通じそうな題材が丁寧に描かれていて、自分の価値観などからも深く感じ入るものがありました。 @ネタバレ開始 モトさんルートから攻略したので、いきなりの壮絶展開に半ばポカーン……となりながら、とてもとても重たい話を見守っていました。一生続くと言われる心の傷を主人公が負ってしまったことに悲しい気持ちになりながら、モトさんと少しでも穏やかな毎日が送れるといいなと思いました。 モトさんルートからルーさんルートに入ったので、モトさんルートでの印象が先行して「ガルルル!!(最大限の警戒)」という気持ちでルートをプレイし始め……途中で「このツンデレマンめ~!」となっていました……なぜ……これがルーさんの魅力でしょうか。 ルーさんはぐちゃぐちゃな内面が事細かに書かれていたのもあり、幸せになってほしいと思うキャラでした。 何気になんだかんだ言ってルーさんには主人公がいないといけない感じで最後は締めくくられたのが、ほっこりしました。 テオンさんルートは、主人公の感情が一際強く出ていたような気がして、主人公の内面を深くまで知ることができました。 絶対に手に入らない実の家族との幸せな生活、実の母から注がれる愛情など……主人公が自分にも本来与えられるべきだったもの、本来あってほしかったものに対して心乱される様子が見ていて切なくなりました。 テオンさんの最後は本当に難しすぎる問題で、読んでいてちょっと頭と心がきちんと並走して追いついていかなかった部分でもありました。 人としての尊厳を保ったままで死ぬとは……ということを、考えました。 @ネタバレ終了 三者三様、ガラリと変わる物語でしたが、根っこにある自分とは違う人たちと生きるということがどういうことなのかをとても深く考えさせられる物語でした。 皆違って皆いいと誰もが認め合えればいいのですが、人間は二人いたら争い合う生き物などと言われる通り、多種多様な人がいればいがみ合い、罵り合い、憎み合う……そんな世の中で主人公にはどうか幸せになってほしいと願わずにはいられない物語です。 素敵な作品をありがとうございました!
