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水原梓@ルピナスパレット のレビューコレクション

  • ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
    ひつじさんへっどふぉん ふしぎな島のなかまたち
    とても画期的な作品でした! まるでパソコン画面が紙芝居になったような感覚とともに、優しい声の読み聞かせもあって、とても温かいきもちになりながら読み進められました。 いったい何枚使われているのだろうと思うほど、デフォルメちっくなオリジナルイラストも満載です。 キャラクターのデザインなども素敵で、角をヘッドフォンに見立てるところなども可愛らしいと思いましたし、UIやゲームの全体的なデザインが世界観にマッチしているのにも感動しました。一切の妥協がない! 可愛らしく柔らかなタッチの動物たちがぴょんぴょん跳ねたり、動きも取り入れられていて、ほっこりしながら読み進められました。 @ネタバレ開始 お話の内容も、見た目が違っても仲間になれるという一貫性がきちんとありました。 つののあるひつじさんが、見た目が変わってしまったことで、それまで仲間と見てもらえなかったひつじたちと本当の仲間になれるという流れが良かったです。 ひつじさんへっどふぉんさんの、仲間がほしくて頑張るところや、自分も困っているのに助けを求める声が聞こえたら躊躇いなく手を差し伸べる優しいところが好きです。 ねこさんののんびりしつつ、どこか謎めいているところも可愛らしいです。個人的にねこさんのケモノ姿も見てみたかった! ラストの木が走っていくところでは、思わず笑ってしまいました。オチまで可愛い。 エンディングの動画と歌も素晴らしかった! 作者様のこだわりとセンスに脱帽です。 @ネタバレ終了 こんなに完成度の高い作品を、ただで読んでいいのですか!? と始めから終わりまでずっと興奮しっぱなしでした。 人を選ばない作風なので、大人から子どもまで楽しめます。 あっという間に読み切ってしまいましたが、濃密で贅沢な時間を過ごすことができました。本当にオススメです!

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  • ナニシテモイイコ
    ナニシテモイイコ
    しっとりとした雰囲気が味わえる作品です。 イラストは色鉛筆で描かれたどこか暗くもありながら優しさが滲むタッチで、イチコさんの立ち絵も素晴らしかったですし、スチルはどれも見ていてうっとりしてしまいました。 白いワンピース姿のイチコさん、本当に美しい! またイチコさんの声がとても良かったです! 感情は控えめで、時々大人っぽい口調が混ざっていたり、かと思えば少女のように可愛らしく笑ってくれるところにドキドキしました。 @ネタバレ開始 ワケアリの主人公が、ワケアリの店で、ワケアリの女の子と出会い、生きる意味をなくした彼が惹かれていく姿がリアルに描かれていました。 イチコさんにお触りしたりした時の反応にはエロスを感じてしまいました。ニヤニヤするというより『いけないことをしてる』感がありましたね。殴った時のすごく痛そうな声にも、もうやめて…と思ったり。 (自称)人畜無害な人間なので、一周目はずっとイチコさんと話していたのですが、最後の日に彼女に嗜められたの結構刺さりました。見透かされている感じが堪らなかったです。 エンドは3から6までは自力でたどり着けましたが、1と2がどう頑張っても分からず、エンドリストからヒントが見られたのでありがたくもそちらを見てコンプしました。 エンディングによっては確かに『陰鬱』な部分ももちろんあるのですが、エンド1と2でイチコさんが主人公に話しかけてくれる場面は、どれもぐっときてしまいました。 最初は主人公のことも、好きな人ではないとしているイチコさんですが、それが次第に母性愛になっていってるのが伝わってきて、もう一人の息子のように接している姿に愛を感じました。まさに彼女が恋愛ではないけど、愛情はあると言ったそれなんだなぁ、と。 イチコさんが最後の夜に言った『今日を楽しめた君が、明日を捨てるのはまだ早すぎる』という言葉が特に良かったです。思わず涙が出ました。 彼女は、いつか良いことあるみたいになってしまったと言いましたが、そんな当たり障りない言葉ではなく、主人公に寄り添った温もりのある言葉だったな、と。 主人公は本当にイチコさんを愛していて、彼女もまた主人公を想っている。エンド1の呪いの言葉を囁き、一人落ちていく彼女の姿が目に焼き付いて離れませんでした。 これからの彼が、イチコさんにかけられた呪いを胸に生きていってくれることを願います。 サブエピソードを見て、受付のお兄さんもまた人形として仕事をしていて、そんな彼がイチコさんを好きだったことや、大切な人を主人公に託したことが分かって、彼に対して一気に感情移入してしまいました。 いろんなエンドやエピソードを見ることで徐々に詳細が明らかになっていく作りで、少しずつ秘密が紐解かれ、繋がっていくところが楽しく読み耽ってしまいました。 世界観にどっぷり浸って楽しめる作品でした、ありがとうございます!

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  • 平穏な?魔王の日常
    平穏な?魔王の日常
    平穏な魔王の日常、というタイトルに反し、なかなかにシビアな世界観で繰り広げられる物語でした。 少しでも書くとネタバレに繋がってしまうため、あまり多く語れないのですが、決して鬱々としているだけのお話ではないので、バッドエンドや鬱展開が苦手な方にも遊んでほしい作品です! @ネタバレ開始 子どもと魔王という組み合わせからも、導入部分からも、悲しいエンディングになるのかなと思っていたので、覚悟を決めるべく先に「助けない」を選択したのですが、魔王様が自分で考えて選び、友人であるエイル君を助けたところが本当にかっこよかったです。 作者様のあとがきにもありましたが、これまでアロウズさんや自分の血筋から、自分で選ぶ機会を奪われていた彼の「選択」と、その力を託されたエイル君、そしてタイトルの清々しい表情の魔王様と、思いもよらぬ爽やかなエンディングになっていました。 裏部屋の「助けない」を選択しているのに魔王様がエイル君を助けた理由にも、なるほど! と納得しました。作り込みが半端じゃないです。 逆に「助ける」を選択したらバッドエンド…? とも思ったのですが、こちらはこちらで良い終わりですね。エイル君が装置を壊す流れや、彼を信じる魔王様の姿に惚れ惚れしました。 魔王様と勇者様(?)の冒険も見てみたかったです! 2つのエンドを見た後の「ifエンド」と「?エンド」まで読みましたが、どちらも展開が面白かったです! 特にアロウズさんがメインになっているifエンド。彼は彼なりの苦労や辛さがあったのだなと伝わってきて、根が悪い人ではないので、きっとハンカチを返しにいった後でエイル君と交流していくんだろうと思いました。 もしかしたら最後に魔王様も感化されて、3人で国を良くしようとしたり、楽しく冒険してくれるのでは…? というところまで想像できてしまうほど。 それだけ作品の中にキャラの個性が詰まっていて、愛着が湧いたのだなと思いました。 @ネタバレ終了 短いながらにスチルや立ち絵がしっかりあって、キャラクターの表情が生き生きとしているところも、とても良かったです! 素敵な作品をありがとうございました。

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  • 3MEN6P!
    3MEN6P!
    タイトルから滲み出る作者様の圧倒的センス、それをこれでもかと浴びることができる作品となっています。 前作がとても面白くてゲラゲラ笑わせてもらったのですが、今作も手軽に遊べて面白く、分岐するシナリオが良い味を出していました! ぬるぬる動くイラストも素晴らしく、細かいところまで作り込まれていて、余すことなく堪能させていただきました! @ネタバレ開始 サムネイルを見た時の「面子ちゃん、おっぱいでかいな!? でもちょっと柔らかくなさそう」というセクハラ的違和感は、プレイ開始直後に回収されました。 そうか……乳ではなく肘だったのか、そりゃ固いよ、うん。 先生もじっくり見ちゃう(というか、他の生徒がモブオブモブなので自然と目がいくまである)のも仕方ない話。 ですが、この先生……見た目に寄らずゲスである。 威張り散らすために教師になるとか、器が小さい! 気も小さい! 個人的に先生が好きでした。 その後、家庭訪問に行くわけですが、この時の一枚絵がすごかった! 語彙力がなくて申し訳ないのですが、書き込みが素晴らしい。 しかも時折キャラの表情が動いたりして、見ているだけで楽しいです。 ネタバレなので伏せてますが、このイラスト見るだけでもプレイの価値があると思いました。カラフルでエスニックな味が出ていて見とれました。 そして面子ちゃんの谷間から覗く、お狐様が可愛かった! でも、それでは誤魔化されんやろ!!(笑) 最終的にモブたちが鬼化し微妙に個性を得て、3人も圧倒的個性を得て、鬼をちぎっては投げ、ちぎっては投げで、めでたしめでたし――ですが元に戻れなかった! 面子ちゃんとママはなんとかなるとして(なるか?)、千手観音という名のえぐい背面を得てしまった先生の教師ライフはどうなるのか!? それにしても面子ママの変化後が素敵でした、谷間とか。拝みたいです。 動画も力が入っていましたし、おまけもどれも見ごたえがありました! クリアごとにタイトルがコロコロ変わるところなんかも芸が細かい! 特に好きだなと思ったのがエンディング回収リストにもネタがあって、ここだけでしか見られないイラストまで見られる仕様です。面白いが止まらない仕掛け満載でした。 また没になったネタたちも良かったです。お蔵入りネタが見られるの嬉しい! 先生マッチョになっても教頭に勝てなさそう……とか思ってしまいました。 @ネタバレ終了 エンディングは6つありますが、選択肢までのスキップ機能などもあり、作者様そのものが仏なのでは……と思うほど快適にプレイできました。 ゲームをプレイする手が止まらなくて、いつもなら区切りが良いところで感想を書き留めるのですが、それをする間もなくクリアしちゃいました! 秀逸で唯一無二の作品をありがとうございます!

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  • ゼロから奏でる七奇譚
    ゼロから奏でる七奇譚
    これまで人並みに良い子だった主人公が、大学内の問題児3人と一緒に理不尽(自業自得)な学校へと復讐する青春ドタバタコメディー。 主人公含め全員が怒られても仕方ない問題児なわけですが、彼女たちの復讐の情熱は止まらない! 学校に自分達の手で怪談を作って流してしまえ、ということで3人の問題児と共に怪談を作ることになった主人公。彼女に平穏は訪れるのか!? @ネタバレ開始 とにかく問題児たちのキャラが濃くて、わちゃわちゃ騒ぎながら、しょーもない怪談を作る姿を見ているのがとても楽しかったです! 野球部がないから野球部を作ったのに追放されてしまったレジェンドとか、学園長の身内で好き放題する暴力系お嬢とか、よくこんなに濃ゆいキャラクターを作り上げたなぁと感心しました。零ちゃんだけは若干正体不明な感じがあるのと、学園長の行動も少し意味深に思いながら、馬鹿馬鹿しい怪談を作る4人を微笑ましく見守るノーマルエンドたち。 思わず笑いがこぼれる短いシナリオは、最後の可愛らしい一枚絵と併せてとても楽しく読み進められました。 なんとか学校を恐怖のどん底に叩き落としてやろうと奮闘する3人とそれに付き合わされる主人公ですが、どれもこれも逆に学校や学長、生徒を喜ばせたり、すぐにバレてお説教されるようなものばかり。 何気に廊下の変態幽霊と開かずの教室以外、喜ばれている、気がします! これは学長の巧妙な罠では!? あと、基本的に物理と努力でなんとかする姿に、じんとしました…。 いいなぁ、青春っていいなぁ。 そしてついに最後の七不思議、恋愛成就のオルゴール! さらにこれまでの学校への復讐が功を奏し(?)ペナルティも免除でラッキーと思いきや、七不思議が独り歩きを始めて…。 零ちゃんには秘密があるのだろうなと思ってはいましたが、なんと生贄となった昔の巫女だったとは。 外に出ることができて、仲間に出会えて、この楽しい時間がずっと続けば良いと思ってしまった彼女。 ですが、彼女の願いを叶えるわけにはいかず、お嬢先輩と黒川先輩の力を借り、なんとか零ちゃんを止めようと頑張る主人公。この時の先輩たちのセリフ、どれも名言すぎて痺れました。 零ちゃんの回想シーンは本当に辛かった。 実の親ですら、役目を果たすことしか望んでくれなくて、そこにたった一言でも『行かないでくれ、生きていてくれるだけでいい』という言葉があったら、彼女もここまで世界を憎むこともなかったのに、と思ってしまいました。 一人ぼっちの彼女の元に差し込む光、差し伸べられる優しい手、このスチルと表現がとても好きです。 自分を大切に想ってくれる人たちの未来のため、これまでの自分を否定せずにあり続ける、そう決意した零ちゃん。 これからもずっと彼女の想いと残したものは受け継がれていくのだろうなと思う、感動的なエンディングでした。 @ネタバレ終了 シナリオのコメディと友情物語のバランスが良かったです! またメインもサブも含めキャラ一人一人が面白く、クスッと笑ったり、じんとしたり、感情を揺さぶられる作品でした!

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  • おいなりっ!
    おいなりっ!
    夢に向かって努力する女の子友音ちゃんと、依り代を失ったオワリノミコトことタマさんのほんわかストーリー。 ふわふわの尻尾を揺らし、耳をピコピコさせ、感情豊かに動くタマさんが本当に可愛らしく、またアクターさんの演技も作品を盛り上げていて、とても完成度の高い作品でした! ところどころに挟み込まれる動画などの演出も印象的でした。 @ネタバレ開始 恩師と呼べる人との出会いが切っ掛けで児童福祉士を目指し頑張る友音ちゃん。ですが、その夢がいつの間にか「叶えたいもの」ではなく「叶えなきゃいけないもの」に変わってしまい、お母さんや兄弟たちとの関係も上手くいかず、自分でも気付かないうちに自分を追いこんでしまっていて。 タマさんがその悩みに触れ、逃げても良いと助言したことで、改めて自分らしく生きられるようスタートが切れた友音ちゃんの姿に、じんとしてしまいました。 子どもの頃の夢って、人によっては何となくの憧れから始まって、気付かないうちに忘れてしまうものだと思いますが、友音ちゃんにとっては特別な夢で、だからこそその現実と他に目指したい夢ができたことで、苦しんでしまったのだろうなぁと感じました。 ひたむきで優しい彼女の性格からも、その辛さを察するとともに、タマさんがいてくれて良かったと思いました。 タマさんが汚い神社にお引越しせずに済んでホッと一息ついたところに、タマさんと因縁がある鳥塚さんと遭遇……! 神様尽くしの環境に店長も神様? と考える友音ちゃんへの店長の返しが面白かったです。髪の毛、気にしてるんですね。強く生きて。 鳥塚さんは、かつて自分が関わったばかりに辛い目に遭わせてしまった琴音さんのことを気にして、友音ちゃんにもそうなってほしくないと、タマさんと縁を切ることをすすめます。 でも、いつか別れの日が来ても、その時の思い出を良いものとして抱いていくためにも、やっぱり自分が納得できるお別れがしたいと思う友音ちゃん。鳥塚さんとタマさんの関係も少し改善され一件落着! ですが、鳥塚さんが危惧していたことが起き、友音ちゃんのために一度は出会いをなかったことにしようとするタマさん。 それでも夢を目指すきっかけをくれ、背中を押してくれた彼女の存在はちゃんと友音ちゃんの中に残っていて。 「おぬしだけの神になることを我は望む」 はっきりとそう言い切るタマさんが、本当に美しくて頼もしくて、二人の友情が、思い出が無くならずによかったと心から思いました。 友音ちゃんが、これからもタマさんや鳥塚さん、姫奈ちゃんたちと幸せな時間を送れますように! メインを見終わってからサブを見たのですが、どの話もとても見ごたえがありました。 鳥塚さんのV配信はすごく面白かったです。真面目クールなお姉さんが可愛い声で配信してる、そのギャップが!! タマさんとのタッグも可愛い! そしてタマさんが「飽きた」というオチつき。 バイトを経験し「人草マジ不敬すぎて我耐えられんかった」というタマさんの悲痛な心の叫び、申し訳ないけど笑っちゃいました。接客大変だよね。 @ネタバレ終了 サイドストーリーまでじっくり楽しませていただきました! それぞれのキャラが深堀されていて、本編の補足的なお話や意外な顔が見られて良かったです。 時折ナウな話し方をするタマさんが本当に可愛らしかったです! 私ももふもふに包まれて眠りたい……。 また、食べ物や飲み物の描写が本当に美味しそうで、お腹が空いている時だと飯テロになりかねんと思いました。 人間の女の子と狐神様の『縁』の物語、とても感動しました!

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  • 初蘭町へようこそ!
    初蘭町へようこそ!
    ゲーム公開当初から気になっていた作品、ようやくプレイできました! ほのぼの系クセのある住人との、まったり温泉郷ゲームとして、ほっこりした気持ちと共に一度エンディングを迎えーーその後からが本番なのです。 あらすじやUIが不穏なので、この楽しいやり取りも終わってしまうのかな、というのは思ってはいましたが。 @ネタバレ開始 このままみんなとワイワイして、主人公が移住するルートも見たかった!! という、欲まみれの叫び、失礼します。 キャラクターに関して、みんな一癖も二癖もあって色んな顔が見れて楽しかったです。 第一印象では飛鳥さんがギャップ萌えの王子な感じで大好き!となりました。全ルートクリア後も推しは飛鳥さんですね。 なんだかんだ亜門君と仲良しなのも、ブタさん可愛がってるところも、怖い話にビビっちゃう姿もみんな愛おしいです! どう分岐するのか分からないので、選択肢をなんとなく選んでいたら初回は『まぼろしの町』エンドに到達しました。 翼ちゃんが亡くなって、ここから彼女のことが大好きなときちゃんが壊れるのかと思いきや、おかしいのは主人公だったオチ!! まさかのですよ、これにはびっくりでした。 ひとり惨劇を生き延びた理凛ちゃん、彼女はいつまでも大好きな人たちがいるこの町にやってくるんでしょうね。切ないエンドで、コンプした後もこのエンドが一番好きだなと感じました。 そのあとは、こちらもまさかのチカイナ様!? ときちゃん豹変するとは思ってたけど、まさかのそっちだとは。 うっかり夜読んでしまって、まさかここまで怖いとは思わず、最後のCGは直視できませんでした。久しぶりにノベルゲームでガッツリホラーを見た気がします。 背中を何かにピッタリくっつけていないと不安になる怖さでした。対象が近づいて来る、逃げられないって恐怖ですね。 殺人鬼の町を見終わって、分岐が他にもあることに気付き、性別を変えたら別な流れになりました。 とても芸が細かいなと思ったのが、エンディングの写真が男性と女性に分けられていることですね。 どっちだろうと行く先は地獄なのですが、笑顔の翼ちゃんに胸が痛くなります。 祭りからのエンドは主人公が殺人鬼なパターンを除き、因習にちなんだものでした。 こういう閉鎖的な空間ならではの展開いいですね、ゾクゾクしました。 主人公男性側は翼ちゃんの色んな姿を見ることができて、そこも良かったです。 因習の町のスチルの彼女、何がとは言いませんがたまらないです。 人が怖い、怪異が怖い、因習が怖い、忘れることが怖いーーどれも後味が悪いゾクリとする恐怖を感じさせてくれる良質なバッドエンドの数々堪能しました! エンドをコンプしたあとのおまけ要素も盛りだくさんで、キャラクターの表と裏の顔を見ることができるのがありがたかったです。 こう見ると多利男ちゃんが一番の良識人なんだなぁというのが伝わってきます。 ヒロインとして翼ちゃんが主体なところがありましたが、もっとこのキャラクターたちと過ごしてみたかったなぁと感じました。 @ネタバレ終了 怖さの種類がエンドごとに違い、ホラーと言っても多種多様あるのだなと思いながら、色んな形の恐怖を味わい尽くしました。 ホラー好きには堪らない作品だと思います!

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  • フロスパヴァーヌ【ブラウザ対応】
    フロスパヴァーヌ【ブラウザ対応】
    ショタ魔王とクールなお姉さんという、無限の可能性を秘めた組み合わせにつられて読み始めました! やっぱりおねショタは健康にいいです! 魔王様は見た目は可愛いけど頭脳明晰で、けれども寝起きの甘え方がとても可愛らしくて、ギャップ萌えが止まらないお方でした。 セサさんは魔王様が言うように最初は赤ん坊のようにまっさらなところから、少しずつ言葉や知識を蓄え、個性を確立していくところが良かったです。 あまり感情が見えない美人の微笑みは清涼剤ですね! @ネタバレ開始 魔界の大変な状況を知り、周りもしっかりと自分の役割を果たしているのに、自分にできることの少なさに落ち込んでしまう真面目で負けず嫌いなセサさん。 彼女のお世話をしている魔王様が、時折ハッとさせられていたり、そんな二人の何気ないやり取りをのぞき見しているような感覚……。 もっと見たい! という気持ちにさせてくれました。 神様のお話の中で、セサさんの温かな心に触れ、涙を流す魔王様の姿が印象的でした。 これから先のことを考え不安を抱きながらも、自分が王である以上、人に簡単に弱さを見せたり、頼ることもできない環境、彼に一番必要なのは隣で寄り添って支えてくれる人だったのだろうと思いました。 謎の双子が現れ、今までにない嫌悪剥き出しの魔王様が降臨され、それでもセサさんはいつも通りセサさんで。 神族として生きる中で、兄弟として大切に思っていた人が親を手に掛け、その理由すら話してくれない、魔王様の苦しみが怒りと共に伝わってきました。 銀さんの「本当の自分を理解し、愛してほしい」という欲求自体は、嫌悪なくむしろとても人間らしい感情と思いましたが、事実を頑なに話さずにいたことが結局魔王様を苦しめてしまったのだろうと思うと辛いです。 そしてそれがあまり本人に伝わっていないことが残念でなりません。家族であろうが、それぞれ違う生き物、分かり合えないこともあるのでしょうが。 ただもしかすると白さんの方が分かり合えないかもですね。彼の場合はハッキリ口に出して言う分、周りも理解しやすいのがよいところ。 たくさんの時間を生きて、考えるからこそ悩み苦しむのだろうなと、涙を流し銀さんに訴える魔王様を見て感じました。 改めてセサさんが魔王様の側にいてくれて良かったと心から思います。 ご褒美タイム最高ですね、ちょっと驚いてるセサさんと色気たっぷりの魔王様! 魔王様どうかあと少し我慢して! エクストラのラフも眼福でした、大人魔王様も女魔王様もよきですねー! @ネタバレ終了 メインとなる二人が素敵なのはもちろん、周りのキャラも個性豊かで、特にカナリアさんが可愛らしくて好きでした! ぜひセサさんと恋バナしてほしいです…! 続編などあれば、その後などが見たいなと思いました! 素敵な作品をありがとうございました!

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  • A-line
    A-line
    タイトルからすでにオシャレ、音楽も作品を鮮やかにどこかレトロに彩り、グラフィックがただ綺麗なだけでなく、シナリオと一体化して、舞台のように世界観を作っている作品でした。 さらにキャッチコピーがカッコいい。 自分の語彙力のなさに土下座をしたくなるのですが、センスがあるってこういうことを言うのだろうと思いました。 @ネタバレ開始 カセットテープが懐かしい世代なのですが、あの独特の『ガシャッ』っていう音を聞くだけで、涙が出そうになります。 このテープが終始効果的に使われていて、文字だけでなく声で伝わる切なさにを感じさせてくれました。 選択肢を出せないまま一周してしまったのですが、ミナちゃんの部屋にあるものたちを見る『僕』の心の呟きに呼吸が止まりそうになってしまいました。 散らかしてしまったオモチャを名残惜しくも片付ける時のような、仕方ないと分かりながらもそうしたくない気持ちと、どこに目を向けても見つけてしまう、初恋の人を奪っていった恋敵(ですらないのだけど)の痕跡に胸を焼かれるような具合の悪さと苛立ち。 そういうものが一つ一つ丁寧に描かれていて、もうやめてあげて、その辺でやめてあげて…とずっと思っていました。 そもそも年頃の男の子を一人暮らしの家に招いてしまうところからして、ミナちゃんはちっとも僕を男扱いしてなくて、ギターのくだりから彼のことなんて眼中になくて、彼女の側から見れば久しぶりに会った親戚の男の子なんだから、そういう対応で間違っているわけじゃないのでしょうが、ここまでくるとわざとそうしてるのではないかと思いたくもなる。 むしろ、その方が僕はスッキリサッパリとこの恋を殺せるのになぁと、ズブズブ主人公に感情移入してしまった一周目でした。 ヒントを見て選択肢を出現させ、カセットテープを盗んでやりました。 ほんの一欠片でいいから君がほしい、終わってしまえば何も残らない初恋に形を持たせたい、その一心で。 初恋なんて大抵、そんなこともあったな、そんな人もいたなで終わる、本人にとっても想われた相手にとっても、実に取るに足らないものかもしれませんが、その瞬間は違うんですよね。人を好きになる難しさを感じました。 『私』が主人公に切り替わった瞬間、ミナちゃん視点!?になったと思いましたが、今度は好きだった人の娘に恋心を抱かれる側になった僕こと『環』君。 日奈ちゃんとっても可愛い、こんな可愛い女の子に好かれて羨ましいぞ環君。しかし彼の過去を想うと、とても複雑ですね。 ここからのストーリーはただ苦いだけでなく、ウキウキとした、それこそ甘酸っぱい初恋のトキメキも感じられて、その後も含めてミルクコーヒーを飲んだような温かい気持ちになりました。 日奈ちゃんの真っ直ぐさが、環君が抱えていた初恋の傷を少し和らげてくれたのかな、と。 環君の初恋も、日奈ちゃんの初恋も叶わなかったけれど、ドラマチックじゃないところも含めて良かったです。 グラフィックもタイトルから部屋、キャラクターの立ち絵まですべてが洗練されていて素晴らしかったです! 特に流れ星の描写が綺麗で切ない。 立ち絵は表情差分だけでなく、ポーズも複数あってクルクル変わる様子は映像作品を見ているように感じさせてくれました。 @ネタバレ終了 誰の視点で、どんな気持ちで見るかで変わる。恋って生き物だなぁと思いました。 叶わなくても、届かなくても、重くても、初恋って殺せないのかもしれません。 ドラマを観ているようなひと時をありがとうございました!

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  • 回顧、来ぬ
    回顧、来ぬ
    あらすじやビジュアルを見て『面白そう』と感じた人には確実に刺さるーー期待を裏切らない中身ぎっしりの超常現象ミステリーでした。 因習や民俗ものが好きな方もですが、謎を解き明かすという点において記載の通りミステリーとしても楽しめるため、考察をしつつ物語を味わうこともできます。 時折出る国語風の穴埋め問題が、また良い味を出していました。頭の整理もできて、今の状況を理解しつつ、謎に向き合うことができたため、スッキリしない感が無かったです。 けれども所々に読み手に委ねるような部分も用意されていると感じましたので、明らかにするところと、そうでないところの使い分けもお上手でした。 そしてキャラクターがみんなとにかく濃い! 会話もテンポ良く、終始緊迫した空気が流れるのではなく、時々クスッと笑わせてくれるシーンがあったのも良かったです。 設定がとても凝っていて、考えた方天才すぎではないかと思いました。過去と今の繋ぎ方も美しく、何度も驚かされました。 それと言葉遊び的な要素、蚕と回顧、糸と意図のような使い方が粋ですね。 選択肢も紗羅紗ちゃんの気持ちになって考え、彼女の成長を感じられて良かったです。 以外、ネタバレとポツポツとした感想を。 @ネタバレ開始 グラフィックも素晴らしく、紗羅紗ちゃんから見た人の姿が異形とそうでない人間に分けられているところなど、表現が素晴らしかったです。デザインも怖いと感じるところもありつつ、個性と美しさが光っていました。 女神紗羅紗ちゃん、信仰したい…。 それぞれの祈りに対応した異形の姿がまた良かったです。きりえさんの立ち入り禁止テープとか、アキ君の四次元ポケット的な使われ方とかも。 シシン教の三人、みんな個性的で好きですね。 自分に素直になったアキ君は口悪いけど可愛いし、おバカで攫って欲しがる力君も憎めない。 一番はくにお君! 彼の真っ直ぐ加減がめちゃくちゃ好きです! ラスト付近で、貰った手紙を燃やすところが良かった。彼もまた大人になって、自分のような知りたがりさんがやってきた時、師匠と同じようにするのかな、と想像したり。 すぐるちゃんが好きになるのわかる…というか、すぐるちゃんブスじゃないよ、可愛いよ。 二人がイチャイチャしてる姿が見たかったです。 三人官女はみんな愛情深くて、優しい子たちなんだよなぁとか。 賢治郎君は、きりえさんのことずっと忘れないでいてほしい思います。 いつきちゃんは、三人官女の中でも別格ですね。愛情が、紗羅紗ちゃんに対するそれが。 どっちの指を選ぶかというの、法則を知らずに毎回左を選んでいた私。いつきちゃんのことを思うとすごく胸が重くなりました。ごめんね。 今作で一番好きなエピソードは、いつきちゃんと紗羅紗ちゃんが仲直りするところですね。 いつきちゃん的に海には二人で行きたいけど、きっと彼女はそうしないだろうなってちょっと妬いた感じがたまらない。ずっとずっと紗羅紗ちゃんを守ってきたいつきちゃんだけれど、秘密が分かったことでこれからは対等のお友達になれる、それが本当に良かった! もう悲しい記憶でも消さない、と約束を守ってる彼女が健気で…。 『きっと、いつきちゃんの分の、女神さまだって思ってもらえる気持ちを独り占めできてたからだね』 『だからあたし紗羅紗ちゃんが小指を選んでくれる時間が好きだった。 その時だけは紗羅紗ちゃん、あたしのことだけ見てくれるもんね』 二人のこのセリフ大好き。 どっちも何気に独占欲強くて、私の方が大好き!ってなってて、可愛いです。 トゥルーエンドが爽やかで読了感が良かったのも印象的でした。 少しずつ変わって、少しずつ大人になっていくけれど、結ばれた絆はきっと変わらないと思いました。 @ネタバレ終了 キャラクターそれぞれに見せ場があって、みんなお気に入りなのですが、個人的にすぐるちゃんが……私恋する乙女好き。ビジュアル的にも可愛すぎる。 それまで何となくこういうことなのかなと思っていたことが、話が進むにつれて一つの線で結ばれ、紐解かれていくのにゾクゾクしました。 大満足の長編、堪能させていただきました。ありがとうございました!

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